あれこれブログ
2020.10.10.
インフル患者、激減
皆さん、こんにちは^^
台風と秋雨前線の影響で、久々の長雨です。
ブログ更新も久々となりました。
さて、今回の話題は、インフル患者激減についてです。
季節性のインフルエンザの流行が、世界中で全くと言っていいほど起きていません。一般的にインフルエンザが流行しやすい冬を過ぎた南半球はもちろん、これから流行期を迎えるはずの日本でも今のところ、患者数が例年より極めて少ないのです。新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの今冬の同時流行が懸念されていますが、一体何が起きているのでしょうか?
世界保健機関(WHO)が9月13日までのデータに基づいて公表した資料では、アルゼンチンなどごく一部の国を除き、南半球でインフルエンザがほとんど流行していない現状が報告されていまする。「南半球ではインフルエンザの流行は始まっていない」と結論づけました。
日本でも、今年は患者数が極めて少ないのです。厚生労働省によると、9月27日までの1週間で全国約5000の医療機関から報告されたインフルエンザ患者は7人で、前年同期(4543人)に比べて大幅に減少しています。米国など北半球の他の国でも感染はほとんど広がっていないのです。
感染症に詳しい東京医大の濱田篤郎教授は「手洗いの徹底やマスクの着用といった新型コロナ対策がインフルエンザ予防にも効果的だった可能性がある」と指摘しています。
また、濱田教授や、富山県衛生研究所の大石和徳所長は「ウイルス干渉」の可能性も指摘しています。ウイルス干渉とは、あるウイルスの流行が、他の種類のウイルスの流行を妨げる現象です。日本では2009年に新型インフルエンザが流行した際、季節性のインフルエンザ(A香港型やB型)患者がほとんどみられなかった例があるのです。
他にも、国際的な人の移動が制限され、インフルエンザウイルスの流入を防いでいることが影響しているのではないかと指摘する専門家もいます。
濱田教授は「南半球のように流行しない可能性もある。ただ、最悪のケースを考えて行動した方がよい」と、新型コロナとの同時流行に備えてインフルエンザの予防接種をするよう呼びかけています。
当クリニックでも10月1日から予防接種を開始しています。早めに打っておきましょう。
2020.07.20.
急いては事をし損じる
皆さん、こんにちは^^
東京の新型コロナ感染者数も気になりますが、最近の大阪の感染者数も気になるところです。
Go To キャンペーンのもう少しで始まりますが、どうでしょうか?
そんな現状を考えてみたいと思います。
急いては事をし損じる。
最近はGoToキャンペーンが始まるなど、国内の「緩み」のスピード加速がヤバイ状態になっています。新型コロナウイルスとの対峙は、「緩めたり、締めたり」の微調整にあります。慌てて緩めすぎてしまうと、また厳しい自粛を強いられてしまいかねません。
ヨーロッパではロックダウンによる患者の減少効果が顕著で、どの国も街の活動の制限解除に向かっています。感染症の流行を止める一番手っ取り早い方法は、感染経路の遮断です。ロックダウンは、対象地域の内外での人の出入りと、対象地域内での外出を規制することです。この二つの条件を満たせば感染経路は激減しますから、感染症も減ります。シンプルな理屈です。
しかし、ロックダウンはおいそれと取れる手段ではありません。その副作用が大きすぎるためです。経済活動や教育活動は滞り、多くのアクティビティーがキャンセル、延期されます。失うものが大きすぎるため、「ロックダウン以外に感染を抑えられないとき」以外は、取らないほうがよい、かなり大きな選択です。しかも、日本ではロックダウンさせることはできません。
日本が2、3月に成功したクラスター追跡は、街のロックダウンを回避したままで新型コロナ対策を可能にする、非常に効率の良い対応策でした。しかし、患者が増えすぎると「後ろから追っかける」クラスター追跡は効果を失い、「先回りする」ロックダウンを余儀なくされます。クラスターのレベルで感染を抑え込むには、ある程度の市民の活動自粛が欠かせません。そのことは欧米のあちこちのデータが示しているとおりです。
急いては事をし損じる。経済活動を再開させるのは悪くありません。が、経済活動を急激に低下させるロックダウンを余儀なくされる事態はなんとしても避けたい。このジレンマに応えるには、「徐々にやる」「慌ててやらない」ことが大事なのです。
やはり危惧しているのは東京です。このまま街の活動がなし崩し的に、ズルズルと、急速に拡大していけば、その感染拡大は「後ろから追いつけない」レベルにまで拡大していくでしょう。ただし、新型コロナ対策は経済活動の障壁ではありません。逆なのです。健全な新型コロナ対策こそが、健全な経済活動復活のための条件なのです。
東京、大阪、そして国はどのように考えているのでしょうか?明確な指標を打ち出してほしいところです。
2020.07.14.
だから、言ったのに。。。
皆さん、こんにちは^^
各地で洪水や土砂災害が起きていますが、大阪は今のところ大きな被害はなさそうです。
しかし、大阪でも新型コロナがじわじわと増えています。
東京だけの問題ではありませんね。
さて、本日はマスクの有用性についてお届けします。
以前に、「マスクは感染者が着用するのは意味があるけど、未感染者が予防目的で着用しても意味はない」と書いたことがありますが、それを証明してくれました。
布マスクは空気中のウイルスをどこまで防げるのか。
聖路加国際大学の大西一成准教授が布マスクと顔面のすきまなどから出入りする空気中の粒子の「漏れ率」を調べたところ、100%だったことがわかりました。フィルターの性能試験を通った不織布マスクも、着け方が悪いと100%でしたが、正しく着けると約50%まで下がりました。「マスクは選び方と着け方が大事」ということです。
マスクの密着性を調べるための専用装置を使い、空気中に漂う約0.3マイクロメートル以上の粒子数とマスクと顔の間のすきまにある粒子数を、それぞれ測定して比べました。布マスクや不織布マスク、N95などの規格を満たした防塵マスクのほか、政府が全戸に配った「アベノマスク」(ガーゼマスク)については、素材が異なる3種類を調べました。着け方の工夫で漏れ率に差が出る不織布マスクと防塵スクについては、普通に着けた場合と、正しく鼻にフィットさせるなどすきまを最大限減らす着け方をした場合を比べました。
その結果、布マスクとガーゼマスクは、漏れ率が100%でした。漏れ率が最も低かったのは防塵マスクを正しく着けた場合で、1%。普通の着け方では6%でした。不織布マスクは、正しく着けた場合はフィルター部分の濾過性能の試験を通ったタイプだと52%、通っていないタイプだと81%でした。ただ、普通の着け方だと2種類とも100%でした。
漏れ率が100%だと、空気中を漂うウイルスが、体内に入るのを防ぐ効果はほぼありません。大西さんは「布やガーゼマスクは着けても外からのウイルス侵入を防げないことが、改めて実験でも確認できた」と話しています。ただ、咳などで出る一部の大きな飛沫が正面に飛ぶことや、ウイルスがついた手で鼻や口を直接触るのを防ぐ意味はあるということです。
安倍さん、だから、言ったのに。。。
2020.06.25.
SARS抗体がコロナを阻止?
皆さん、こんにちは^^
梅雨のシーズンになってきましたが、体調はいかがでしょうか?
と、暢気なこと言っている場合ではありません。
なんと、あと5日で1年の半分が終わってしますのです!
皆さんは気付いていましたか?
(と、驚くほどのことでもありませんでしたね。。。)
さて、本日の話題は、あのSARS抗体が新型コロナを阻止するかも?の話題です。
2003年に大流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)から回復した患者の抗体が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染を阻止するとした研究論文が発表されました。実験結果について研究者らは、新型コロナウイルスの治療法を模索する上で新たな突破口となりうるとしています。
スイスと米国の研究チームは2003年、774人の死者を出したSARS流行後に感染患者から抗体を採取していました。研究チームは、ウイルスの特定のスパイクタンパク質を標的とする25種類の抗体を用いて、COVID-19による細胞への感染を防ぐことが可能かどうかを確認する実験を行いました。SARSとCOVID-19は、どちらもその病原体が動物由来と考えられるコロナウイルスで、構造が類似しているとされているからです。
実験の結果、研究チームはCOVID-19と感染細胞の両方に結合できる抗体を8種類特定できました。候補の一つは「S309」と呼ばれる抗体で、COVID-19に対して「特に強力な中和活性」を持つことが明らかになったのです。
英科学誌Natureで発表された今回の研究では人に対する実験は行われていませんが、研究チームは今回の成果について、SARS抗体が深刻なCOVID-19の感染や拡散を阻止できることの「概念実証」を提示すると説明しています。
これが、人に適用できるのであれば、治療薬の開発は一気に加速するかもしれませんね。
頑張れ!S309!
2020.05.29.
新型コロナの寿命
皆さん、こんにちは^^
緊急事態宣言が解除されて、まだ日も浅いというのに、各地でクラスターが発生し、早くも第2波の襲来かともいわれています。
経済活動も重要ですけど、少しばかり焦りすぎたのではないでしょうか?
空前絶後の補正予算とか言ってますけど、しっかりと休業補償をしてないから、各団体から突き上げを食らうんですよ。
さて、さて、本日は新型コロナウイルスの寿命についてお届けします。
新型コロナウイルスがプラスチックや金属などの表面にくっついた場合、しばらくの間は感染力を持っていることが、研究者から報告されています。国内で感染が広がり、感染した人が咳やくしゃみ、会話でつばなどを飛ばしたり、口をおさえた手でさわったりして、身のまわりにウイルスが存在している可能性があります。では、どうやって感染を防げばよいのでそふか?
米国立アレルギー感染症研究所の研究者らが3月17日、米医学誌に出した論文で、新型コロナウイルスが感染力を保ち続ける「寿命」を報告しました。
最も長かったのはプラスチックの上で、最大で3日間、感染力を持っていました。銅の上では4時間、ボール紙の上では24時間で、感染力を持ったウイルスは見つからなくなりました。どの環境でも、ウイルスは時間がたつほど減っていました。
また、患者の咳やくしゃみなどによって飛び、密閉された空間で、空気中をしばらく漂う細かい微粒子「エアロゾル」中では、3時間感染力を保つことも確かめられました。
ただし、さらに長い可能性も報告されています。ドイツの研究者がSARSやMERSなどについての論文22本を調べた結果、コロナウイルスが環境中で感染力を保つ期間は「最大9日」でした。SARSウイルスは木材上では4日、プラスチック上では最大で9日間。MERSウイルスは鉄、プラスチックの上で最大2日という結果でした。
さらに、感染制御に詳しい大阪府立大学の山崎伸二教授は、ウイルスについて「唾液や排泄物などの液体が残った状態の方が長期間感染力が維持されると考えられる。濡れていない場所でも数時間から数日間感染力を保つことが報告されている。」と指摘しています。
何はともあれ、やはり手洗い、マスクが重要だということが分かりますね。
2020.05.25.
国産ワクチン、来春か
皆さん、こんにちは^^
本日、1都1道2県の緊急事態宣言が解除されます。
しかし、まだまだ以前のような普通の生活に戻ることは出来ません。
治療薬やワクチンが出来るまでは、3密を避ける生活は変わらないでしょう。
本日は、その気になるワクチンについてお届けします。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ切り札として期待されるワクチンの開発に、大阪大の森下教授が挑んでいます。同大発創薬ベンチャーのアンジェスと組み、臨床治験を7月から行う計画で、効果や副作用を確認しながら、来春の実用化を目指しています。森下教授は「流行の第2波、第3波が懸念され、一日も早く国民に届けたい」と語っています。
今回のワクチンは、ウイルスそのものを使って作る一般的なワクチンと違って、ウイルスの遺伝情報を一部組み込んで作る「DNAワクチン」と呼ばれるタイプで、遺伝子治療薬の研究開発で長年培ってきた組み込み技術を応用しています。投与すると体の免疫機能が異物と認識し、排除しようと抗体を生み出し、ウイルスが侵入してきたら、その抗体が働いて抑え込むのです。
インフルエンザなど多くのワクチンは、ウイルスを弱毒化したり不活化したりして、鶏の卵で増やして製造します。実際に患者に打ち始めるまでに5~8カ月が必要となり、早期には対応できません。DNAワクチンはウイルス自体を使用していないため、安全性が高く、開発から供給までが6~8週間と短く、大腸菌を使って大量生産もできるのです。もちろん課題はあり、抗体をつくる能力が若干弱いとされている点は今後改良していくようです。
進捗状況は、3月下旬に動物実験用の原液が完成し、現在はラットやサルなどに注射し、抗体の出来具合や副作用の有無を調べている段階です。実験は順調に進み、想定した成果が出ているので、医薬品として国から承認を得るために必要なヒトへの臨床治験は、7月に開始予定です。
国産の開発にこだわる理由を同氏は、「欧米ではすでにヒトへの臨床治験が始まっており、製品化されたら、自国を優先するでしょう。そのため、日本に入ってくる時期や量は見通しづらいからです。」と語っています。
是非とも、森下教授には頑張っていただきたいものです。
ちなみに、同氏は私の故郷である岡山県(総社市)の出身です。
2020.05.18.
次亜塩素酸 vs 新型コロナ
皆さん、こんにちは^^
昨日はついに新規感染者が「0」となり、めでたし。めでたし。ですが。。。
ここで気を緩めてはいけませんよ。
しっかりと、手洗い、マスクで防御しましょう!
さて、今回は次亜塩素酸がコロナに有効かをお届けします。
帯広畜産大学は、次亜塩素酸水が短時間で強力に新型コロナウイルスを不活化することを証明し、また、次亜塩素酸水の新型コロナウイルス不活化活性は溶液の酸性pHではなく、含まれる遊離塩素濃度に依存することを明らかにしたと発表しました。
新型コロナウイルスは2019年12月に中国・武漢で最初の感染例が報告されて以降、全世界に広がり2020年3月11日には世界保健機関(WHO)によるパンデミック宣言がなされました。その後も感染は拡大し、2020年5月現在において、感染者数は350万人にのぼり、24万人以上の死亡が報告されています。このような状況下で、容易に実施可能かつ効果的と考えられるウイルス感染防御対策のひとつとして、消毒薬によるウイルスの不活化が挙げられます。すでにアルコール消毒薬が効果的に新型コロナウイルスを不活化可能であることは科学的に証明されていますが、長期におよぶパンデミック状況下で、これらアルコール消毒薬の供給不足が懸念されています。
そこで研究グループは、アルコール消毒薬の代替となり得る消毒薬の候補として、ウイルスを含む多種の病原体に対する不活化効果が報告されている次亜塩素酸水に着目。今回の研究は、株式会社アクトの製品である三室型電解装置クリーン・ファインにより作製された無塩型次亜塩素酸水クリーン・リフレの新型コロナウイルスに対する不活化効果を評価しました。この無塩型次亜塩素酸水の特徴は、有塩型のものと比べて消毒効果の持続時間が長いことです。
今回の研究結果より、次亜塩素酸水は含有遊離塩素濃度依存的に新型コロナウイルスを短時間で強力に不活化可能であることが示されました。しかし同時に、長期間開放状態で室温放置され塩素濃度が低下した次亜塩素水ではウイルス不活化活性が低下すること、また、タンパク質を豊富に含むウイルス液の不活化には十分量の次亜塩素酸水が必要であることも明らかとなりました。これらの研究結果により、次亜塩素酸水の新型コロナウイルスに対する消毒薬としての有用性が示されたとしています。
より効果的な消毒作用を維持・発揮させるために、研究グループは「適切に保管し(密栓し冷暗所での保管を推奨)、かつ作製後長期間経過したものの使用は避ける」「使用の際は十分な液量を用いる」「極度に汚れている場所や手指の消毒の際には、次亜塩素酸水を用いた複数回の拭き取りや洗浄を実施する」などの対策が望ましいとしています。また、今回の研究で用いた無塩型次亜塩素酸水は適切な保管方法で長く活性を維持できるため、作製後の遠隔地への供給・使用にも適しており、現在の深刻な新型コロナウイルス蔓延防止への寄与が期待される、と述べています。
当クリニックや老健施設ではこの次亜塩素酸水を以前から使用して消毒を行っていますので、安心して来院してくださいね。
2020.05.11.
新型コロナと栄養
皆さん、こんにちは^^
新型コロナも何となく収束に向かってるようですが、まだまだ気は抜けません。
本日は、新型コロナと栄養についてお届けします。
欧米各国で爆発的に感染者が増加し、イタリアやニューヨークでの医療崩壊のニュースは衝撃的でした。すでに日本にもこの状況が訪れようとしていると思うと戦慄を覚えます。科学が発達した現代にあっても、治療薬やワクチンがないことの恐ろしさを改めて思い知らされました。もしウイルスが体内に入ってきたら、自分の免疫機能をもって未知のウイルスと闘わなければなりません。
栄養状態は、ウイルスと闘うための土台です。どんなに最先端の医療機器を使って治療をしても、「土台」となる体がぐらぐらであれば、土台もろとも壊れてしまいます。一般の方が自分の栄養状態を確認する第一歩は、定期的な体重計測です。痩せすぎていないか、徐々に体重が減っていないか、変動をチェックしてみてください。また、傷が治りにくい、皮膚が荒れやすい方は、たんぱく質や微量栄養素の不足かもしれません。鉄欠乏貧血の方は、爪がもろく平らになったり、スプーン状に反ったりしていることがあります。
そして、食事の量や内容も振り返ってみましょう。外出自粛により「カップラーメンにおにぎり」といった食生活になっている人は、「たんぱく質不足」「微量栄養素不足」が心配です。どうしてもバランスよく食事を取るのが難しい方は、いろいろな微量栄養素がまんべんなく含有されている「マルチビタミン&ミネラル」のサプリメントを活用してみてはいかがでしょうか。栄養剤は微量栄養素も含まれているものがお勧めです。
糖尿病や心臓病などの基礎疾患のある患者の死亡率が高いことも明らかになっています。もともと持っていた生活習慣病などがあることで、今回のような未知の感染症によって、命を落とす危険性が高まってしまうという事実を、どれほどの人が深刻に受け止めているのでしょうか。「持病」がある人やそのご家族には、細心の注意をしていただきたいと思います。
当たり前で地味な営みかもしれませんが、バランスの取れた食生活を積み重ねることが、生活習慣病を防ぎ、低栄養状態を改善し、感染症に対する「備え」につながります。新型コロナウイルスに対しては、これから長期戦になると思いますが、社会全体で「栄養の備え」をしていきたいですね。
2020.05.01.
レムデシビル
皆さん、こんにちは^^
本日はポカポカ陽気ですね。
緊急事態宣言の延長が決定されましたが、いつまでになるのやら。
まぁ5月末か、1か月延長かでしょうね。
学校はどうなるのでしょうか?早く決めてほしいものです。
さて、本日も新型コロナの話ですが、治療薬のお話です。
安倍首相は27日の衆院本会議で、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補「レムデシビル」について「間もなく薬事承認が可能となる」と明らかにしました。政府関係者によると、海外での承認などを条件に審査の手続きを簡略化する「特例承認」を適用し、5月にも利用可能にする予定で、国内で最初の新型コロナ治療薬となる見通しなのです。特例承認では、海外で承認されていることを条件に国内での治験の結果報告などを後回しにして審査を簡略化するものです。
政府は近く欧米で承認されるとみており、企業からの申請があれば手続きを進めるようです。レムデシビルを巡っては、欧米やアジアの各国が参加する国際的な臨床試験(治験)が進んでおり、重症患者を対象にした治験の結果が4月末にはまとまるといわれています。日本の研究機関も参加した別の臨床研究では、投与された重症患者53人の7割近くで症状の改善がありました。一方で4分の1に腎機能低下などの重い副作用が報告されました。
レムデシビルは、米製薬会社ギリアド・サイエンシズがエボラ出血熱の治療目的で開発した薬です。細胞を使った実験で、他の薬より低濃度で新型コロナウイルスの増殖を抑えたとの報告がありました。同社の日本法人(東京)の広報担当者も「現在臨床試験を進めており、薬の効果と安全性の確認に注力している」とコメントしいます。
日本で開発された抗インフルエンザ薬のアビガンも国内で臨床試験が進み、治療薬としても認められる可能性があります。
ただし、うちのような小さなクリニックでは当面扱えるような薬ではないので、「レムデシビルください!」とか「アビガンください!」なんて来院しないでくださいね。
宜しくお願いします。
2020.04.30.
新型コロナのワクチン
皆さん、こんにちは^^
緊急事態宣言が延期かどうか議論されておりますが、医師会も全国知事会も延長を望んでいるのに、なんでさっさと決めないのでしょうか?
アメリカやフランスのように経済優先で介助したら、必ず第2波がやってきますよ。
さて、最近コロナの話題ばかりですが、本日は少し明るい話題です。
米ナスダックに上場している中国のバイオ医薬品企業シノバック・バイオテックは、開発中の新型コロナウイルス向けワクチンが、サルを対象とした動物実験で初めて「大きな予防効果」を発揮したと発表しました。
同社によるとアカゲザル8匹を対象にした実験で、開発中のワクチンを4匹には多めに、残る4匹には少なめに投与し、3週間後に新型コロナウイルスにさらしましたが、8匹とも発症しませんでした。ワクチンを多めに与えられた4匹では、ウイルスへの暴露から7日目に肺の中でウイルスが確認されましたが、「検出できないほど」わずかな量でした。一方、ワクチンを少なめに与えられた4匹では体内でウイルス量の増加がみられましたが、自然に制御されたとみられています。他方、ワクチンを全く与えなかった別の4匹は発症し、重い肺炎に見舞われました。
同社は世界の研究者らによる査読を受けていない状態で19日、この結果を「バイオアーカイブ(bioRxiv)」で発表。その3日前には人間を対象とした臨床実験を開始しています。米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のウイルス学者、クラマー氏はシノバック・バイオテックのワクチンについて「現時点で候補として挙がっているワクチンの中で初めて重大な前臨床試験データを目にした」と述べています。また、同氏はTwitterへの投稿で、このワクチンで不活化ウイルスを用いる方法は「昔からある技術」で、量産体制を整えやすいと指摘しています。
ただし、不活化ウイルスを使用したワクチンでは安定した効果を得るために追加接種が必要であり、またシノバックの開発ワクチンが「長期の予防効果」をもたらすものかどうかは現時点では不明です。また、同ワクチンの第3段階の臨床試験には、新型コロナウイルスの発症者および、これまでに感染したことのないボランティアが必要なのです。
これまでに世界で約300万人以上が感染し、20万人以上が死亡している新型コロナウイルスに対するワクチンは今のところまだ開発されていません。世界保健機関は、新型コロナウイルスのワクチン開発には1年~1年半を要するとしていますが、このワクチンが早期実用化できるのを期待しています。
2020.04.16.
新型コロナとBCG
皆さん、こんにちは^^
とってもポカポカ陽気ですね。
ですが、新型コロナは一向に収まりませんね。
さて、本日は噂にもなった新型コロナとBCGの関係をお届けします。
少し長くなりますが、最後までお読みくださいね。
BCGワクチンが新型コロナウイルス感染症の予防に役立つかもしれないという仮説があります。
BCGワクチンは他のワクチンと違って接種方法が独特で、普通の注射針ではなく、9つの針がついた「管針」でハンコを押すように接種します。日本では定期接種なので乳児期に全員が接種の対象になっています。腕にBCGの跡が残っている方もいらっしゃるでしょう。BCGワクチンの本来の目的は結核の予防で、とくに小児期の重篤な結核に対して有効性が高いとされます。
結核の予防以外にも、BCGワクチンが効く(かもしれない)病気はいろいろあります。有名なところでは膀胱癌に対してBCGの注入療法が行われています。アレルギー疾患や結核以外の感染症にも予防的に働くという研究もあります。生きた菌を使用しており、精製されたワクチンと比べて免疫系の反応が複雑であることが、こうした様々な仮説が生み出される原因だと思います。
世界各国の新型コロナの感染の広がりのスピードは、国によって大きく違います。アメリカ合衆国やイタリアではBCGワクチンが定期接種だったことはなく、スペインでは1981年に一律の接種が中止されています。これらの国では新型コロナウイルス感染症の勢いが強く、BCGワクチンが定期接種されている日本や韓国、シンガポールでは勢いが弱いです。BCGワクチン接種が免疫系になんらかの影響を与え、新型コロナウイルスに対する防御力を強くしている可能性があります。
一方でBCG仮説に否定的な証拠もあります。フランスは2007年という比較的最近までBCGワクチン接種を行ってきましたが、ご承知の通り流行は激しいです。
決着をつける手段の一つは、BCGを接種していない人を多く集めて、ランダムにBCG接種群と対照群に振り分け、新型コロナにどれぐらい感染するのか、重症化はどれぐらいなのかを調べることです。こうしたランダム化比較試験はすでにオランダやオーストラリアなどで計画されています。
現時点で、新型コロナが怖いからとBCGワクチンを接種しに行くことは、絶対にやめましょう!まだ研究段階で効果があるかははっきりしませんし、BCGワクチンを接種しに出かけるぐらいなら家にいましょう。それに、急にはワクチンの増産はできません。ワクチンが不足して本来必要な乳児に接種できないなんてことになると本末転倒ですから。
2020.04.10.
餅は餅屋
皆さん、こんにちは^^
大阪でも何と92人の新たな新型コロナウイルスの感染者。
これから、まだまだ増えるんでしょうね。
今更言っても仕方ないですが、緊急事態宣言のタイミングは遅かったですね。
さて、気を取り直して、本日は餅は餅屋のお話です。
先日のこと。長引く咳で来院されたある女性の方。咳喘息の診断で張り薬と飲み薬、吸入薬の説明をして1週間後の来院を指示しました。
1週間後、再診に現れたその方は、咳が改善しないと浮かない表情でした。「ちゃんと吸入は出来ていますか?」と質問すると、何となく返事がはっきりしません。よくよく話を聞いてみると、どうやらステロイド吸入薬を自己判断でしていなかったことが判明。
「ステロイドの内服薬とステロイド吸入薬は、体の中に入る量が1000:1位なので、全く心配は要りませんよ。」と説明し、また2週間後に来院してもらうことになりました。
今はインターネットが普及し、患者さんが自分で様々な情報を取得できる時代です。中には、インターネット上の情報に影響されて、こちらの指導通りに治療をしないなど、自己判断で行動される患者さんもおられます。
そういったケースは、残念ながら、誤った情報を鵜呑みにしてしまっていたり、書いていることを正しく理解できていなかったりする場合がほとんどです。診ていて思うのは、やはり「専門のことは専門家に任せるのが一番」ということです。
餅は餅屋といいますが、医療に限らず、専門外のことは、専門家の意見に耳を傾けることが大切です。自分で調べたり考えたりももちろん大切ですが、そればかりに気を取られて行動してしまうと、自らの選択肢を狭める結果につながりかねません。
自分で調べようとする姿勢は尊重しつつも、間違った認識は正していくように努めている私です。人生、日々勉強!
2020.03.31.
食後の眠気
皆さん、こんにちは^^
本日で3月も終わりです。年の1/4が過ぎてしまいました。
しかし、今年は新型コロナに振り回されている感じですね。
いつまで続くのでしょうか?
大阪知事は緊急事態宣言を発令しろ!と政府に迫っているようですが、どうなることやら。
さて、気分を変えて、本日は食後の眠気についてお届けします。
「ランチをとると眠くなる」と悩んでいる方もいます。
実はこのメカニズムには、自律神経が関わっています。午前中は交感神経が高いので、そのままの状態で、早食い、暴飲暴食、あるいは刺激の強いものを食べたりすると、交感神経がさらに高まります。
そして食べ物が胃の中で消化され始めると、今度は副交感神経が上がります。この上下が激しいので、自律神経のバランスが崩れてしまうのです。
このバランスが崩れた際、一定以上に副交感神経に針が振れてしまうと、副交感神経の作用で眠くなってしまうのです。つまり、自律神経のバランスを崩さないように食べれば、眠くなることはないのです。
ポイントは2つあります。ひとつは、食事の前に1~2杯の水を飲むこと。これによって、胃結腸反射が起こるので、腸が動き始め、あらかじめ副交感神経が高まります。もうひとつはゆっくり噛んで食べる。こうすることで、自律神経のバランスは乱れません。急に眠くなることもなくなるでしょう。
ただし、本当に眠い時は、思い切って「仮眠をとる」という方法もあります。実は、仮眠の有効性は、科学的に証明されています。実際、アップルやマイクロソフト、グーグルのような世界をリードするグローバルカンパニーが、仕事の合間の「仮眠」を推奨しているほどです。
NASA(アメリカ航空宇宙局)が行った仮眠の実験です。宇宙飛行士に昼間26分間の仮眠をとらせたところ、認知能力が34%、注意力が54%も向上しました。これを受けて、NASAでも「仮眠」を取り入れたそうです。
つまり「眠い」と感じたら、無理をしないで仮眠をとることは「正解」なのです。最近は、企業でも睡眠時間を設けたり、仮眠室を社内に設置したりする動きが出てきました。ただし、「仮眠の目安は30分」と考えてください。それ以上は夜の睡眠リズムを崩しかねませんので、注意が必要ですよ。
2020.03.13.
『孤独のグルメ』の食べ方
皆さん、こんにちは^^
相変わらず新型コロナウイルスの話題で溢れ、特措法も成立したみたいですね。
スポーツもイベントも中止、延期となり、北海道では老舗旅館が廃業に。
どうも暗い話題ばかりです。
さて、今日は気を取り直して、普段の食事の食べ方について考えてみましょう!
ビジネスパーソンにとっての「ランチタイム」は、大きな関門です。忙しいから昼食をコンビニ食などで済ませる。大急ぎで外で食べる、あるいはまったく時間がとれず、食べ損ねた、、、という話をよく耳にします。
結論から言います。昼食は、朝食同様、必ず何かを食べてください。なぜなら、昼食をとらないと、胃腸の消化吸収能力が弱まってしまい、便秘などの腸のトラブルに繋がる可能性が高まるからです。
「食べるには食べてるんだけど、時間がないから、つい早食いしてしまって、、、」という話もよく耳にします。確かに、食べないよりマシですが、これでは自律神経が乱れてしまいます。
昼食を食べるに際し、大事なことはひとつだけです。
「ゆっくり味わって食べる」
これだけでOKなのです。
『孤独のグルメ』(原作・久住昌之/作画・谷口ジロー)という漫画をご存じでしょうか?個人で輸入雑貨商を営んでいる井之頭五郎が、仕事の合間にふらりと立ち寄った飲食店で、ひとり食事をする様子を描いたグルメ漫画です。2012年1月から、松重豊さん主演でテレビドラマ化(テレビ東京系)され、すでにシーズン8を数える人気作となっています。
あのドラマを見たことがある人はわかると思いますが、松重豊さん演じる井之頭五郎は、食べながらずっと、心の声を呟き続けています。ほとんど、食の実況中継といっていいでしょう。
なぜ『孤独のグルメ』の話を唐突に持ち出したかと言えば、ここに、早食い対策の「答え」があるからです。「ゆっくり味わって食べる」ことが大事だといっても、早食いに慣れている方にとっては、改善策がわからないかもしれません。でしたら、井之頭五郎になりきってください。
「さあ、お待ちかねの餃子が出てきた~」
「今、箸で餃子を1個掴んだ~」
「この重量は何だ!」
「口の中に入れた~」
「もっちもちの皮」
「その後にジュワッジュワッと押し寄せてくる肉汁が口の中に広がる広がる」
「今、俺は肉汁の虜になっている」
「ごくっと飲み込んだ~」
てな具合です。こんなふうに自分のやっていることを、心の中で実況中継するのです。それによって「大事な食事中に考えても仕方がないこと」が消え去ります。さらに、実況中継することで、食べる速度も遅くなり、ひとつひとつをじっくり味わうことができますよ。是非実践してみてくださいね!
2020.02.27.
新型コロナウイルスに思う
皆さん、こんにちは^^
本日から週末にかけて、また寒くなるようですね。
毎日毎日、新型コロナウイルスのことばかり。
ちょっと騒ぎすぎの感はありますが、本日は私の思うことについてお届けします。
新型コロナウイルスについては、「どこで感染したかはっきりしない」いわゆる“疫学的リンクが追えない感染例”が各地で確認されるようになり、国内感染期に入ったと考えられます。今後は、急激に国内の感染者が増えていくと考えられています。
2009年のH1N1インフルエンザパンデミックでは、2000万人が感染しました。今回もそれに迫る規模の感染になる可能性はあります。最終的には、今後数年を掛けて、おそらく大多数の日本人が一度は新型コロナウイルスに感染することになるでしょう。
人類がある種の感染症に初めて接すると、爆発的な流行をもたらすことがあります。いわゆる新興感染症の脅威は、その感染症に対する集団免疫がない中で流行が起こるからなのです。しかし、流行はピークを作って、やがて下火になっていきます。これは、社会の中に既感染者が増えることで、集団としての免疫が構築されるからだと考えられています。
今回の新型コロナウイルス感染症が終息する見込みは、神のみぞ知るとしか言いようがありません。しかし、参考になるデータはあるのです。季節性インフルエンザは毎年11月頃から始まって、2月頃にピークを越え、4月頃に終息します。つまり約6か月の流行期間なのです。
また、同じコロナウイルス感染症であるSARSを見ても、2002年末から2003年5月頃までの約6か月の流行であったことが分かります。SARSが6か月で終息したのは、集団免疫が構築されたからなのか、季節が変わったからなのかは分かりません。新型コロナウイルス感染症の季節性変動については、南半球での疫学状況や、一年を通しての流行状況が今後どのように推移するかを今しばらく見守る必要がります。
これらの経験から類推すると感染が落ち着くまでには半年前後かかるかもしれません。
また、毎年インフルエンザ感染者数は全世界で約1500万人、死亡者数は約1万人と言われています。今回の新型コロナウイルス感染者数は2月25日で約8万人、死亡者数は約2,600人です。確かに死亡率は新型コロナの方が高いですが、感染者数はインフルエンザの方が圧倒的に多いのです。
ですから、慌てることなく、恐れることなく、騒ぎすぎることなく、先日書いた手洗いとマスクを行ってしっかりと感染予防をしていきましょう。
2020.02.21.
マスク、手洗い、うがい
皆さん、こんにちは^^
新型コロナウイルスの感染者の増加が止まりませんね。
そして、各都市でマスクが無くなるという事態も発生しています。
まるで、オイルショックの時のトイレットペーパーのようです。
(この話題を知っているということは、相当歳ですな)
本日は皆さんに冷静になっていただくために、感染予防の話題をお届けします。
私もブログで、インフルエンザの時にも「マスク」、「手洗い」、「うがい」と書いています。
これはよく言う一般論で、感染予防という意味では1つしか効果はないのです。
咳やくしゃみなどによって飛び散る飛沫(直径5μm=5/1000mm=以上の水分)に含まれる病原体が、口や鼻などの粘膜に直接触れて感染することを「飛沫感染」と言います。飛沫は1m位飛んでから落下しますので、通常は1~2m以内の至近距離で飛沫を浴びることで感染します。風邪のウイルスやインフルエンザウイルスがその代表です。
ウイルスそのものは直径0.1μm位で、普通のマスクの網目よりずっと小さいため、ウイルス自体をマスクで防ぐことはできません。しかし、ウイルスを含んだ水分の「飛沫」はマスクに引っかかりますので、感染した本人が飛沫を出さないためにマスクをすることは、周囲の人たちにとって十分効果的です。
一方、外出時にマスクをしても、至近距離から咳やくしゃみを浴びることがなければ、予防策としてあまり意味はありません。ただし、花粉は直径30μmくらいなので花粉症対策としては効果があります。
しかし、残念ながら飛沫は目にも入ってきて、その粘膜から感染することも多いので、ゴーグルのようなものを着けないと本当の飛沫感染対策にはなりません。日常生活でそこまではちょっと難しいですよね。
感染した本人のマスク着用は重要ですが、周囲の予防としては「手洗い」が最も重要です。飛沫感染する病原体は当然、接触感染も起こすからです。
手洗いは、感染を未然に防ぐための基本になります。30秒間のアルコール塗布を、石ケンと水での30秒間の手洗いと比較すると、アルコール消毒の方が5倍以上消毒効果が優れているのです。石けんは、トイレ後や手指が目で見て汚れているときに使いましょう。
研究結果でもアルコール手指消毒薬による皮膚上の細菌数の減少は、30秒で1/3000、1分で1/1万~1/10万。一方、石けんと水の手洗いによる皮膚上の細菌数の減少は、15秒で1/4~1/12、30秒で1/63~1/630にしかなりません。
手洗いはアルコール消毒が絶対的に優れているのです。
一方、「うがい」については専門家の間でも賛否両論あります。「ウイルスは目や鼻からも侵入するのでほとんど予防効果がない」という意見がある一方、水道水によるうがいは、しない場合に比べかぜの発症率を40%抑えたという研究結果もあります。結論は出ていませんが、しないよりはした方が良いというくらいです。
つまり、感染予防で重要なのは、断然「手洗い」なのです。ですから、皆さんも慌ててマスクの買い占めなどしないでくださいね。
もう一つ、私の個人的な印象ですが、私を含め医師たちは風邪をひくことが少ないように思います。これは数えきれないほど風邪のウイルスを浴びていて、ウイルスに対する免疫が強くなっているからかもしれません。感染に神経質になりすぎて、病原微生物と全く接触しないのも、免疫がつかないという意味で問題があるかもしれませんね。
2020.01.31.
寝不足の影響は深刻
皆さん、こんにちは^^
本日で1月もあっという間に終わり、明日から2月。
世間では新型コロナウイルスのニュースで溢れていますが、 あまり騒ぐ必要はないと思います。
インフルエンザの予防と同じです。
うがい、手洗い、マスクできちんと予防すれば大丈夫ですから。
さて、今回の話題は寝不足の影響に関するお話です。
寝不足で頭が働かないと感じるのは、気のせいではないようです。睡眠不足がもたらす脳への影響は、これまで考えられていたよりもはるかに深刻であることが、米ミシガン州立大学の睡眠・学習ラボ(Sleep and Learning Lab)の研究で示されました。睡眠不足が認知機能に与える影響は注意力だけにとどまらず、予想以上に大きな危険を伴うことが分かったということです。
今回、計138人の参加者のうち77人には一晩中眠らずに起きていてもらい、61人には自宅で普段通りの睡眠を取ってもらい、認知機能を比較する実験を行いました。全ての参加者には、実験当日の夕方と翌朝に2つの認知機能に関するテストを実施し、一方では、光に反応してボタンを押すまでの時間を測定して注意力を評価。さらに、途中で作業を中断されても、1つのタスクを完了させるために複数の手順を踏むことを指す「プレースキーピング」の能力を評価しました。
その結果、睡眠不足のグループでは、作業が中断された後にプレースキーピングエラーを起こす確率は、実験当日の夕方には15%だったのに対し、翌朝には30%にまで急上昇したことが分かりました。一方、自宅で普段通りに眠ったグループでは、実験当日の夕方と翌朝でエラーを起こす確率に変化は見られませんでした。
代表者は「睡眠不足の人は、何をするにも十分に注意を払う必要があり、大きなミスなどはしないと思ってはいけない。とりわけ自動車を運転する際には、そうしたミスが悲劇的な結果をもたらすことも少なくない。睡眠不足は、仕事や生活のあらゆる面に多大な損失をもたらすことを知っておくべきだ」と警鐘を鳴らしています。
人によって最適な睡眠時間は違うので、朝スッキリと目覚める睡眠時間を探してみてくださいね。
2020.01.24.
超悪玉コレステロール
皆さん、こんにちは^^
中国は新型コロナウイルスの話題で大変ですが、日本は暖冬のせいもあり予想外にインフルエンザの発生が例年より少ない感じです。
このまま春になるとは思いませんが、雪があるべきところに無いのも寂しい気がします。
さて、本日の話題は超悪玉コレステロールについてです。
動脈硬化は、高血圧、脂質異常症、糖尿病などによってダメージを受けた血管壁に、LDL(悪玉コレステロール)が入り込むことで進行します。
通常、LDLはコレステロールを肝臓から末梢に運んでいますが、生活習慣病の人には、血管壁に入り込みやすい、小型で密度の高いLDL(small dense LDL)が存在するのです。これは、“超悪玉コレステロール”とも呼ばれ、近年注目を集めています。このsmall dense LDLが、動脈硬化を強力に誘発すると考えられ、血清脂質値が正常にもかかわらず、動脈硬化を引き起こした例も報告されています。
血管壁に入り込んだLDLは、「酸化」されることで白血球のターゲットとなり、プラークの形成をもたらいします。LDLの酸化反応は、身近な食品中にも含まれる「酸化コレステロール」によって促進され、特にsmall dense LDLは酸化されやすいのです。
つまり、動脈硬化を防ぐためには、酸化コレステロールが多く含まれる食品を避けたほうがよいと言えるでしょう。
例えとして、焼き鳥の皮の部分、インスタントラーメンの麺、マーガリンやマヨネーズの変色した部分、二度揚げされた揚げ物、漬け込み保存された魚卵、加工肉食品、するめやビーフジャーキーなどUV照射を受けた食品などが挙げられます。
酸化コレステロールについてはさまざまな研究が行われていますが、まだ解明できていない点も多く、現行の治療ガイドラインには記載されていません。バイオマーカーや治療標的として利用するためには、引き続き研究を重ねる必要があるのです。
つまり、現時点で酸化コレステロールを特異的に下げる薬はまだないので、まずは酸化コレステロールの摂取を避け、食事療法と運動療法を組み合せた生活習慣の改善が重要ということです。
2020.01.18.
朝食を抜くと、、、
皆さん、こんにちは^^
本日はセンター試験。特に東日本は今季最大の冷え込み。
健康には十分留意してもらいたいものです。
我々の時代は、「共通一次試験」でしたが、時代の流れを感じます。
さて、今回は朝食を抜くとどうなるのかをお届けします。
「食べる量を減らすために、朝食は抜いてしまおう」と、ついつい考えてしまいがちですが、実は朝食を抜くと体重はかえって増加しやすくなってしまいます。これは、最近になって名古屋大学の研究チームにより解明されました。
理由は、体内のエネルギー代謝をつかさどる「時計遺伝子」と、「脂質代謝を担う遺伝子」に狂いが生じたことが原因でした。また、活動期になっても上がるはずの体温も上がってこないという症状もありました。
つまり、朝食を抜くことで「体内時計」に異常が生じ、エネルギーをあまり消費しない体になってしまうのです。また朝食をとらないと空腹の時間がより長くなってしまうので、その反動が昼食や夕食のドカ食いへとつながってしまう危険性も大きくなります。
ダイエットのためにも、朝食は必ずとりましょう。しかし、だからといって油断をして糖質をとりすぎてしまうと、その後の空腹感を導いてしまいます。朝食では、なるべく不足しがちな栄養素である食物繊維やビタミン、ミネラルを含んだ食事になるよう心がけましょうね!
2019.12.24.
血液1滴でがん検出
皆さん、こんにちは^^
本日はクリスマスイブ。
大阪はホワイトクリスマスとはなりそうにありませんが。
本日はうれしい話題をクリスマスプレゼントです。
東芝は11月25日、1滴の血液から13種類のがんいずれかの有無を99%の精度で検出できる技術を開発し、2020年から実証試験を始めると発表しました。東京医科大や国立がん研究センターとの共同研究に基づく成果で、数年以内の実用化を目指しているそうです。
同社によると、血液中に分泌される「マイクロRNA」と呼ばれる分子の種類や濃度を検査し、乳がんや膵臓がん、食道がん、胃がん、大腸がんなど13種のがんについて、ごく初期の段階でもがんの有無を識別することができるといいます。実用化すれば、生存率が高まることも期待されています。
リキッドバイオプシー(血液採取)の解析対象となるマイクロRNAを巡っては、2014年から国立がん研究センターなどが保有するバイオバンクを活用し、膨大な患者血清などの検体を臨床情報と紐づけて解析。この研究成果をベースに、国内メーカー4社が、日本人に多い13種のがんについて、血液検体から全自動で検出するための機器や検査用試薬、測定器キットなどの開発に取り組んでいる最中なのです。
東芝も本プロジェクトに当初より参画。東京医科大学と国立がん研究センターとの共同研究において、このほど膵臓がんや乳がんなど13種類のがん患者と健常者について、独自の電気化学的なマイクロRNA検出技術を活用し、2時間以内に99%の精度で網羅的に識別することに成功しました。
本研究により、13がん種いずれかのがんの有無について、簡便かつ高精度に検出するスクリーニング検査の実現が期待されています。独自のマイクロRNAチップと専用の小型検査装置を用いることで、検査時間を2時間以内に短縮し、即日検査も可能になるといいます。
そう遠くない時期に、がん健診は飛躍的に簡単になる可能性がありそうですね。特に、胃がん健診のバリウム検査や上部消化管内視鏡検査、大腸がん健診の2次検査である大腸ファイバーなどはなくなるかもしれませんね。
2019.12.17.
インフル、年末年始に大流行?
皆さん、こんにちは^^
本日は曇りのち雨ですが、なんだか空気は暖かい感じです。
年末まで2週間です。おそらく、あっという間の2週間ですね。
本日はインフルエンザの今後の予想をお届けします。
年末年始にかけて、インフルエンザが大流行するリスクが高まっています。各都道府県がまとめているインフルエンザ定点当たり報告数(速報値)によると、12月8日まで1週間(第49週)に全国の定点医療機関を受診した患者数は4万7200人となり、定点当たりで9.52人と急増。今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性を示す注意報レベル(定点当たり10人)に迫りました。
今冬のインフルエンザは流行の立ち上がりが早く、第37週(1.17人)に続き第38週(1.16人)も、流行入りの目安である1人を超えました。だが、このころは沖縄県の流行が中心で、全国的な流行とはいいがたい状況でした。
その後、沖縄県でのインフルエンザ流行が沈静化する一方で、流行期入りする自治体が広がり、第45週(11月4~10日)には定点当たり1.03人と全国的に流行期入りしました。以降も増加が続き、第49週(12月2~8日)には9.52人と前週の5.52人から1.7倍増となったのです。
注意報レベルに達した自治体は、前週の4道県から16都道県に広がりました。北海道が25.11人と最多で、青森県が21.88人、富山県が19.31人、宮城県も19.03人と続いています。神奈川県(12.86人)や東京都(10.36人)も多い状態です。今のところ、大阪は旭区が注意報レベルですが、それ以外の地域は注意報レベルにもなっていません。
注意報(定点当たり10人以上)は、今後4週間以内に大きな流行が発生する可能性を示すとされています。既に注意報レベルを超えた地域はもとより、注意報レベルに迫っている地域でも、年末年始にかけてインフルエンザが大流行するリスクが高いのです。加えて、年末年始は休診の医療機関も多いことから、休日診療所や救急外来に患者が殺到する事態も想定されます。
しっかりと、予防をして、インフルエンザにかからないようにしましょうね!
2019.12.12.
風邪と喘息
皆さん、こんにちは^^
今年ももうすでに20日を切りました。
本当に早いですね。歳のせいですかね。
最近、風邪症状で受診する方が増えています。
今回は、その風邪と喘息についてお届けします。
本格的な冬を迎えるこれからの時期は、気温の低下とともに空気が乾燥し、上気道感染症(一般の風邪)が増えることが予想されます。ウイルスによる上気道感染症は気管支喘息の増悪因子のひとつであることが知られており、患者さんの症状の悪化に注意が必要です。今回は、上気道感染症による喘息増悪が懸念されるこれからの時期の喘息コントロールへの対処について考えてみましょう。
喘息患者さん537例を対象に行われたインターネット調査では、喘息症状が発現する要因として、「風邪」が最も多く選択されました。ウイルスは上気道感染症の原因の9割を占めるといわれており、実際に増悪をきたした成人喘息患者さんの約4~8割で気道ウイルスが検出されています。気道上皮細胞にウイルスが感染すると、炎症性メディエータやサイトカインなどの産生・放出、炎症の増強、平滑筋収縮などが生じ、喘息の増悪が引き起こされます。
こうした喘息症状悪化の可能性を考慮し、この季節は特に、上気道感染症を予防するとともに、増悪を起こさないような喘息治療を行うことが重要と考えられます。そのためには、症状に対応して、その都度吸入薬を使用するのではなく、あらかじめ症状が出ない状態を目指した高いコントロールを維持するための持続的治療が重要なのです。
以前にも書きましたが、当クリニックでは症状が出ないように1日2回吸入を行うシムビコートを第一選択としています。このシムビコートは、自分である程度吸入の回数をコントロールすることができます。(1日2回、1回1吸入~1回2吸入)
また、風邪の引き初めで咳が出始めの時には、屯服として吸入することもできます。(SMART療法)
喘息の方は症状が治まっているから治療を止めるのではなく、治療を継続することによって、前述のように風邪をひいても咳や発作の症状が出ないようにコントロールすることがご本人にとっても一番大切なことなのです。
2019.12.10.
こたつにみかん
皆さん、こんにちは^^
昼間の気温の高低が激しくなってきました。
寒いと思えば、今週の大阪の最高気温は18℃の見込み。
本当に体調管理に戸惑います。
さて、本日はみかんについてお届けします。
柑橘類の中でも、特にみかんにはβ-クリプトキサンチンという成分が多く含まれており、みかんが健康に役立つと言われる大きな理由の一つと考えられることがわかってきました。
β-クリプトキサンチンは、β-カロテンやリコペンなどと同じカロテノイド色素の一種です。みかんのだいだい色はこの成分が元となっています。皆さんもよくご存知のとおり、みかんをたくさん食べると手が黄色くなりますが、これはみかんに含まれるβ-クリプトキサンチンが体内に吸収・蓄積された結果なのです。
最近、果物の摂取をジュースで代用するという方もいらっしゃいますが、生のまま食べていただくことをお勧めします。果汁100%であっても一般的なジュースでは、食物繊維などの不溶物の多くが取り除かれますが、これらとともにβ-クリプトキサンチンやポリフェノール類などの成分も多くが除去されてしまうのです。β-クリプトキサンチンはみかんを食べるほど体内に蓄積される成分なので、旬の時期である冬にたくさんみかんを食べることで食べ溜めができます。
農林水産省が提唱する「食品バランスガイド」では、果物を毎日200g摂取することを勧めています。みかんなら2~3個程度です。子供の頃から果物を食べる習慣は、大人になっても続いていきます。ぜひお子さんやお孫さんなど、家族みんなで果物をおいしく食べて、健康生活を目指しましょう。
是非、この冬は、こたつに入って、生のみかんを積極的に召し上がってくださいね。
2019.11.26.
養命酒でインフル予防?
皆さん、こんにちは^^
今週になって最高気温も20℃に届かず、肌寒いですね。
今回はインフルつながりで、TVのCMでもよく出てくる養命酒に関する話題です。
養命酒製造株式会社(以下、養命酒)と愛媛大学医学部附属病院抗加齢・予防医療センターの共同研究グループは、2017/2018シーズンに実施した「クロモジエキス配合あめ」のインフルエンザ予防効果に関する二重盲検試験を実施。風邪症状(発熱、喉・鼻症状)の有無や有症日数についても同時に解析を行った結果、クロモジエキス配合あめ摂取群がプラセボあめ摂取群と比較して、インフルエンザ感染患者の抑制ならびに風邪症状の有症期間を有意に短縮しました。対象者は同大学で勤務し、インフルエンザワクチン接種済みの看護師の男女134名で、1日3回、12週間にわたりクロモジエキス67mgを配合したあめ摂取群とプラセボあめ群に割り付けられました。
養命酒の含有成分であるクロモジ(黒文字、漢方名:烏樟[うしょう])は、日本の産地に自生するクスノキ科の落葉低木です。クロモジから得られる精油はリラックス作用が期待されるリナロールを主成分とし、非常に良い香りがあることから、古くから楊枝や香木などに使用されていました。また、耐久性もあるため、桂離宮の垣根や天皇の即位式後の大嘗祭でも使用されました。
クロモジは全国各地でお茶として販売されていますが、本研究ではあめを利用しています。その理由として、同グループは「インフルエンザウイルスは主に上気道で感染して増殖する。抗インフルエンザ効果が長期間発揮するには成分が長く滞留することが必要であり、あめならば咽頭から喉頭部分に滞留するため予防が可能と考えた」と述べています。加えて、「ただし、一般的な予防法(流行前のワクチン摂取、外出後の手洗いなど)を行いながらの摂取が前提」と、注意事項も伝えています。
養命酒もそのうち「あめ」に姿を変えて、薬局で売られる日が来るのでしょうか?
2019.11.21.
冬の寒さと喘息
皆さん、こんにちは^^
太陽が恋しい季節になってきましたね。
今年もあと40日です。
やり残しの無いように、今から準備していきましょう。
さて、今回は冬の寒さと喘息についてお届けします。
喘息は気候による気温や湿度の変化の影響を受けることが知られています。空気が冷たく乾燥してくるこの時期、喘息コントロールが悪くなる患者さんがいらっしゃいます。今回は、冷え込みによる喘息の増悪が懸念されるこれからの時期の診療に際した喘息コントロールへの対処について考えてみましょう。
喘息患者さん200例を対象に行われたアンケート調査では、約7割の患者さんが感冒に無関係な気候性の喘息コントロールの悪化があると回答しました。中でも、喘息コントロールを悪化させる気候として「秋の冷え込み」は最も多く選択されました。また、「冬の寒さ」を選択した患者さんは「秋の冷え込み」を選択した患者さんに次いで多い結果となりました。さらに、重症度別の結果では、中等症以上の患者群で「冬の寒さ」が最も多く選択されました。こうした結果を踏まえ、これからの季節は喘息コントロールの悪化に注意が必要と考えられます。
喘息のコントロールにおいて、症状が出ない状態を目指した高いコントロールを維持することが重要とされています。患者さんが日常生活を送るうえで、気候による冷え込みを避けることは困難です。冷え込みが増すこの時期に備えて良好なコントロール状態を維持できる治療が必要なのです。
当クリニックでは、持続的な抗炎症作用および気管支拡張作用が期待できるシムビコートを第一選択としています。シムビコートは朝夕2回の定期吸入に加え、症状増悪時の屯服としての吸入が可能だからです。また、第二選択として、比較的症状の安定した患者さんに対しては、1日1回1吸入で良いレルベアを処方しています。
前述のごとく、喘息の患者さんは症状がないからといって治療を止めるのではなく、治療を継続することが重要です。
これからの寒い時期を最適な治療で乗り越えていきましょう!
2019.11.19.
インフル、全国で流行期に
皆さん、こんにちは^^
朝晩の冷え込みが徐々に厳しくなってきましたね。
昨日の最高気温が25℃、本日は13℃。
気温差が激しいので、体調には十分留意してください。
さて、本日の話題はインフルエンザが流行期に突入したお話です。
厚生労働省は15日、全国的なインフルエンザの流行シーズンに入ったと発表しました。前年比で4週間早いシーズン入りで、現在の統計法で調査を始めた1999年以降では2番目に早い流行です。
国立感染症研究所が15日付でまとめた、2019年第45週(11月4~10日)の感染症発生動向調査において、インフルエンザの定点当たり報告数が1.03(定点数:全国約5,000 ヵ所、報告数:5,084)となり、流行開始の目安となる1.00を上回りました。
都道府県別では、報告数が多い順に、沖縄県(4.45)、鹿児島県(2.66)、青森県(2.48)、長崎県(2.31)、福岡県(2.03)、北海道(2.00)、熊本県(1.80)、広島県(1.73)、新潟県(1.61)、佐賀県(1.33)、岩手県(1.32)、宮崎県(1.31)、福島県(1.16)、茨城県(1.13)、東京都・神奈川県・静岡県(1.11)、石川県(1.00)。
大阪府全体ではまだ流行期に入っていませんが、地区によっては1.00を超えているところもあります。これからが本格的なシーズンなので、早めのインフルエンザワクチンの接種と、手洗い、うがい、マスク、加湿をお忘れなく!
2019.11.12.
喘息の妊婦さん2
皆さん、こんにちは^^
昨日は大阪でも富田林市でひょうが降ったみたいですが、本日は秋晴れです。
しかし、朝晩の気温差が大きくなると、喘息の方にはつらいかもしれません。
今回の話題は、喘息の妊婦さんの話です。
11月に入って昨日までで、なんと3人もの喘息の妊婦さんが来院されました。
一人目は、26歳の妊娠23週の妊婦さん。松原市に在住の方で、松原市の大きな病院の内科を受診したにも関わらず、妊娠しているという理由だけで、咳止めだけ処方されて返されたそうです。
二人目は、28歳の妊娠15週の妊婦さん。平野区に在住の方で、産婦人科の先生から喘息の治療をかかりつけの先生でしてもらうように指示されて受診しましたが、やはり妊婦に薬の処方は出来ないと言われたそうです。
三人目は、28歳の妊娠6週の妊婦さん。八尾市に在住の方で、日曜日に喘息発作が出て、大きな病院を救急受診しましたが、その先生の専門が呼吸器でないため、痰切りのお薬だけ処方されて、返されたそうです。
なんと、嘆かわしいことでしょう。特に喘息発作では妊婦自体が低酸素血症になる可能性もあり、そうなれば当然、胎児も低酸素血症になることは明らかです。薬による催奇形性を恐れるあまり、必要な薬が処方されない。何とも、情けない話です。医者の自己保身なのでしょうか。
まぁ、愚痴を言っても仕方ありません。
一人目には、いつもの喘息投薬セット(ホクナリンテープ、シングレア、カルボシステイン、シムビコート)と喘息点滴を2日間。
二人目も、の喘息投薬セットを。
三人目は、喘息投薬セットと喘息点滴1日。
三人目は昨日受診したので、1週間後しか容態は分かりませんが、一人目と二人目はだいぶ症状も改善し、発作もなく、夜間も良眠出来ているようです。
医学の世界でも、何でもかんでも訴訟、訴訟の時代ですから仕方ないのかもしれませんが、自分自身が間違っていないと確信できる薬や点滴は自信を持って処方すべきではないでしょうか?調べようと思えばWEBで何でも調べられる時代です。それでも分からなければ、その分野の研修会や講演会に行って情報を仕入れる。
それでも副作用で訴えられたら仕方ないじゃないですか。そんな町医者が一人くらいいなきゃね!
2019.10.10.
コーヒーで脂肪燃焼?
皆さん、こんにちは^^
この週末は台風直撃のようですね。
特に関東の方は十分な注意をお願いします。
さて、今回はコーヒーと脂肪燃焼のお話です。
世界中で広く親しまれているある飲み物が、米国で蔓延する肥満に立ち向かう助けとなるかもしれません。英ノッティンガム大学のMichael Symonds氏らが実施した研究で、コーヒーには体内の脂肪を燃焼して熱を産生する“褐色脂肪細胞”を活性化させる働きがある可能性が示唆されました。
余分なカロリーを蓄積する白色脂肪細胞などとは異なり、褐色脂肪細胞は、寒さを感じた時などに糖や脂肪を燃焼して熱を産生する働きをもっています。そのため、「褐色脂肪細胞の活性を高めると血糖コントロールや脂質値が改善し、余分なカロリーが燃焼されて減量につながるとされる」とSymonds氏は説明しています。同氏らによると、従来は、褐色脂肪細胞は寒さに弱い乳児や冬眠動物のみが持つものと考えられていましたが、近年、成人でもその存在が確認されたといいます。
では、食べたり飲んだりすると褐色脂肪細胞は活性化し、カロリー燃焼につながるのでしょうか? Symonds氏らは今回、マウスの幹細胞から分化させた脂肪細胞を一定量のカフェインに曝露させる実験を行いました。その結果、カフェインには脂肪を燃焼させるような働きがあることが確認されたのです。
次に、健康なボランティアの成人9人を対象に、コーヒーあるいは水を摂取してもらい、最新の赤外線画像装置を用いて産生される熱を測定しました。その結果、コーヒーを飲んだ直後に、褐色脂肪細胞が多いとされる肩甲骨周辺で熱が産生する様子が観察されました。これらの結果を踏まえ、Symonds氏らは「われわれは、カフェインである可能性が高いとみているが、今後、コーヒーの中のどの成分が褐色脂肪細胞を活性化させているのかを突き止める必要がある」と述べています。
ただし、肥満や栄養の専門家からは、「ダイエットにはコーヒーが最適と結論づけるのは時期尚早だ」とする声も上がっています。米レノックス・ヒル病院の管理栄養士であるSharon Zarabi氏は、「褐色脂肪細胞の活性化によるエネルギー産生は限られたもので、その影響力は極めて小さく、過体重の人が適正体重となるほどではない」と指摘しています。
また、Zarabi氏は「例えば、頭をすっきりとさせ、元気に1日をスタートさせるためであれば、コーヒーを飲むことは勧められるが、減量目的では勧められない」と話し、「ダイエット中の人は、コーヒーが減量につながる魔法の薬だと考えるべきではない」と強調。その上で、「カロリー燃焼に最善かつ最も効率的な方法は運動であることに変わりはない」と付け加えています。
これからの研究が待たれますが、やはり運動が第一のようですね。
2019.09.26.
楽観的な人ほど長生き
皆さん、こんにちは^^
秋らしいカラッとした天気ですね。
9月ももう少しで終わって、10月になると、今年も残り3か月。
やり残しの無いように、計画的に進めましょう。
さて、本日の話題は、楽観主義の方が長生き?という話題です。
女性を10年間、男性を30年間追跡した米国の大規模な研究では、楽観主義者の方が長生きし、85歳以上で生活する可能性が高いことがわかりました。
楽観主義とは、良いことが起こるという一般的な期待、または重要な結果を制御できるので将来が好ましいと信じていることを指します。今までの研究では、病気や早死の可能性を高める多くのリスク要因が特定されていますが、健康な加齢を促進できる肯定的な心理社会的要因についてはあまり知られていませんでした。
この研究は、69,744人の女性と1,429人の男性で行われ、女性は10年間、男性は30年間追跡調査されました。楽観主義のレベルに基づいて個人を比較すると、研究者は、最も楽観的な男女が平均して寿命が11%から15%長く、85歳に達する確率が50%から70%大きいことを発見しました。
研究者の一人は、「今までの研究は病気や早死の多くの危険因子を特定してきましたが、健康な老化を促進できる肯定的な心理社会的要因についてはあまり知られていません。この研究は、楽観主義が人間の寿命を延ばす可能性のある心理社会的資産の1つであることを示唆しているため、公衆衛生との関連性が高い。興味深いことに、楽観主義は、比較的単純な技術または療法を使用して修正可能です。」と。
ただし、楽観主義がどのように人々の長寿命に役立つのかは不明です。今後のさらなる研究が待たれますね。
2019.09.20.
シェーグレン症候群
皆さん、こんにちは^^
朝晩はだいぶ過ごしやすくなってきましたね。
このまま秋に突入していくのでしょうか?
今週末は台風に十分注意してくださいね。
さて、本日は当クリニックで最近診断したシェーグレン症候群についてお届けします。
和田アキ子さんや菊池桃子さんがこの病気であることを告白したシェーグレン症候群。自分の体を守るはずの免疫システムが誤って自らの体を攻撃してしまう自己免疫疾患で、膠原病の一つとされています。発症の仕組みが解明されておらず、指定難病ともなっています。慶応大学病院のリウマチ・膠原病内科の竹内勤教授は「シェーグレン症候群は、いかに早期に発見して早期に治療を行うかが経過を左右します」と話しています。
シェーグレン症候群は、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病に合併する二次性と、他の膠原病を合併しない原発性に分けられます。患者の約94%が女性といわれ、涙腺や唾液腺に炎症が表れるのが特徴です。主な症状は目や口が乾くドライアイやドライマウスで、両方の症状が出る場合もあれば、どちらか片方の場合もあります。
竹内教授は「症状の感じ方は様々です。目がゴロゴロする、痛い、見えにくいと感じたり、口の渇きで味が変わった、カラオケで歌いづらくなったなど、渇きとは結びつきにくい症状を訴えたりすることがあります」と説明しています。発症後早期には体のだるさや微熱、関節の痛みなど、捉えどころのない症状が出ることもあります。
目や口の症状以外にも、皮膚の乾燥や気管の乾きによる咳、女性の場合は腟が乾くことに伴う性交痛など、症状は全身に及びます。50~60代に発症しやすいとされていますが、慢性的に進行するため気付きにくく、「実際の発症年齢と診断年齢には大きな開きがあると思われます」と竹内教授は話しています。
シェーグレン症候群の診断には、唾液腺や涙腺の検査のほか、血液中の抗SS-A抗体と抗SS‐B抗体という自己抗体の検査が行われます。発症のメカニズムはまだ解明されていないため、治療は対症療法となってしまします。広範囲に炎症を抑えるステロイド薬を服用し、乾燥には人工涙液、スプレー状の人工唾液などを用います。竹内教授は「炎症により失われてしまった涙腺や唾液腺の機能は回復しません。どれだけ早く治療に取り掛かれるかが重要になります」と強調しています。
また、シェーグレン症候群は、間質性肺炎や間質性腎炎などの重い病気に移行することもあるので、病気の進行状態や他の膠原病の合併の有無を含め、定期的な受診が必須です。竹内教授は「目や口の乾燥は意外に意識しづらく、年だからと思いがちです。違和感があれば迷わず受診してください」と呼び掛けています。
2019.09.13.
暑い9月にインフルが
皆さん、こんにちは^^
昨日あたりからカラッとした秋の空気に変わったような感じです。
ただ、まだまだ暑い日はありそうなので熱中症にも十分注意してください。
本日はこの暑い9月にインフルエンザの話題です。
夏休み明け早々、インフルエンザによる学級閉鎖が、各地で相次いでいます。大阪でも東大阪のほうで学級閉鎖があったようです。
特に沖縄県を中心にインフルエンザ患者が増えています。沖縄の増加が全国平均を押し上げ、10年ぶりの高水準となっているのです。和歌山県や埼玉県などでも報告数が全国平均を上回っており、専門家はこまめな手洗いなどの感染予防策を訴えています。
国立感染症研究所が10日に発表した直近1週間(8月26日~9月1日)の全国1医療機関あたりの平均患者報告数は0.39人。新型インフルエンザが流行した2009年に次ぐ多さでした。前週の0.24人より大幅に増加しました。
特に沖縄県では1医療機関あたりの患者数が、大流行の発生・継続が疑われる「警報レベル」20.31人に達し、前週の1.5倍を超えています。増加の理由は不明ですが、沖縄では近年夏にインフルエンザが流行する年があるようです。沖縄県によると、今年の流行では特に9歳以下の小さな子どもの感染が多いということです。専門家によると、夏休み期間に南半球(気候は冬です)に旅行した人たちが、ウイルスを持ち帰っている可能性も指摘しています。
報告数が全国平均を上回ったのは、沖縄のほかに和歌山(0.55人)、宮崎(0.54人)、埼玉(0.42人)。感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「インフルエンザに限らず感染症予防にはこまめな手洗いが有効だ。また、急に熱が出たら夏風邪と思って放っておかず医療機関を受診してほしい」と話しています。
平野地区でもインフルエンザが検出されたクリニックや診療所があるようです。高熱が出たら是非早めに受診してくださいね。
2019.08.29.
亜鉛不足で脱毛に
皆さん、こんにちは^^
今年の秋雨前線は台風並みですね。
北九州や西日本の方は十分注意してくださいね。
さて、今回の話題は、亜鉛不足と脱毛のお話です。
亜鉛は1,000の酵素反応、2万以上の転写反応に必要な必須微量元素であり、発生、分化、増殖といった幅広い生体活動に関与しています。しかし、その役割の多くは明らかされていません。2019年7月13~14日に行われた日本men's health医学会において、小川 陽一氏(山梨大学皮膚科学部内講師)が「亜鉛と皮膚疾患」について講演されました。
亜鉛はすべての生物に不可欠であり、継続的に欠乏すると死に至ります。必須微量元素としての生体内含有量は鉄に次いで2番目に多く、体内で常時2~3gに維持されています。しかし、「亜鉛欠乏患者は発展途上国を中心に世界で13億人も存在し、全世界人口の17%に相当する」と小川氏はコメント。亜鉛が欠乏すると、味覚異常をはじめ、皮膚炎や口内炎のほか、脱毛や傷が治りにくいなどの症状が出現します。また、亜鉛濃度は日内変動と加齢変化を起こすことから、後者により50歳以上で潜在的な亜鉛欠乏に陥っている可能性が高いといわれています。
亜鉛不足による皮膚疾患として、ペラグラやビオチン欠乏症などが挙げられますが、同氏は「脱毛」に着目した研究結果を報告。亜鉛欠乏マウスの実験により、亜鉛欠乏による脱毛は、真皮乳頭が萎縮し毛包幹細胞が減少することで毛周期・再生の異常をきたすことが原因であることを明らかにしました。また、この臨床応用として、11歳女児の症例を報告。脱毛の原因として、トリコチロマニア(抜毛癖)や膠原病、甲状腺機能低下症などを否定し、亜鉛濃度が69μg/dLであったことから酢酸亜鉛水和物製剤を開始した結果、良好な結果が得られたそうです。
最後に同氏は「亜鉛欠乏は思っているよりもcommonな疾患・状態である。血清亜鉛が80μg/dL以下であれば酢酸亜鉛水和物製剤の投与を推奨する。また、採血のタイミングは早朝空腹時の測定が望ましいが、朝ごはんを食べたとしても午前中に採血できれば問題ない」と述べています。
50歳以上で脱毛が気になる方は、一度調べてみてはいかがでしょうか?
2019.07.29.
子供の熱中症
皆さん、こんにちは^^
大阪でもやっと梅雨が明けて、いよいよ夏本番の始まりです。
何回も書きますが、これからの時期は熱中症に気を付けてくださいね。
今回は、子供の熱中症にスポットを当ててみました。
先月後半から急に暑くなってきました。熱中症のニュースも、ちらほら耳にします。熱中症といえば、夏真っ盛りのイメージかもしれません。ですが、熱中症のリスクは、ただ気温が高いことだけではありません。湿度が高いと発症しやすく、また、体がまだ暑さに慣れていない時期もリスクは高くなります。
これらの条件がそろい始めるのが、この季節。梅雨明けあたりからは、特に注意が必要です。消防庁によると、記録的猛暑となった昨年は、全国で過去最多の9万5000人超(5~9月)が熱中症になり、救急搬送されました。患者数を見ると、6月後半から増え始め、7月がピークとなっています。
熱中症といえば、高齢者のイメージが強いかもしれません。実際、昨年、熱中症で救急搬送された方の年齢も、65歳以上が48%と約半数を占めています。ただ、その一方で、子供もまた、熱中症にかかりやすいことも知っておいて下さい。
子供は、体温を調節する機能が未熟で、汗腺も十分に発達していないため、大人と比べ、体温が上がりやすいのです。また、体に占める水分の割合が大人よりも大きく、代謝が活発なため、汗や尿として体から出る水分も多いという特徴があります。そのため、脱水になりやすいことも、熱中症のリスクになります。
もう一つ、強調しておきたい点があります。子供の中でも、特に小学生以上の場合に、重症化しやすいことです。昨年のデータでも、熱中症で救急搬送に至った子供の多くは7~17歳で、全年齢の14%。これに対し、7歳未満は1%でした。乳幼児は保護者が見守っていて、無理させないことが多いためと考えられますが、言い換えれば、乳幼児の熱中症予防は保護者にゆだねられているともいえます。
まず、小学校入学前までの子供特有の注意点を、お伝えします。まず、大人より背が低いため、同じ場所にいても、大人よりも地表からの照り返しを強く受けます。ベビーカーに乗っている子供も同じです。夏のアスファルトからの照り返しは、非常に高温になります。ベビーカーには、直射日光から子供を守る 覆いが必須ですが、それだけでは熱をさえぎることができないのです。
また、小さな子供は体の不調を正確に訴えることができず、遊びに夢中になるとギリギリまで無理をしてしまうため、熱中症のサインに気づくのが遅れがちです。休憩や水分補給は、本人任せではなく、大人が20~30分ごとに促すことが必要です。
小学生から高校生くらいまでの青少年の熱中症の多くは、スポーツ時に発症しています。野球などの球技や陸上競技など、グラウンドで行うスポーツが多いといわれています。しかし、日差しのない屋内でも安心はできません。特に、体育館は風もなく、閉め切っていることもあり、熱中症のリスクが高くなります。剣道など、防具や厚い衣類を着用するスポーツでは特に注意が必要です。米国小児科学会は、「気温29度以上の運動は危険」と、中止勧告を出しています。
昨年ほどではないかもしれませんが、今年の夏も暑そうです。しっかり予防し、少しでも熱中症の患者さんが減ることを願っています。
2019.07.23.
夏場も注意、脳梗塞
皆さん、こんにちは^^
本日の昼間の暑さは、まさに夏本番という感じでしたね。
これからの季節、ますます熱中症に注意する必要がありますが、その他にも意外な病気に注意が必要です。
それが、脱水による脳梗塞なのです。
脳卒中は冬に起こりやすいと思われがちですが、脳梗塞に限ると夏の発症も実は多いのです。
国立循環器病研究センター病院の豊田副院長は「夏は汗をたくさんかくため、脱水症状から脳梗塞を起こす危険性があります。特に高齢者では注意が必要です」と警鐘を鳴らしています。
脳梗塞は、脳の血管が細くなったり、血管に血栓が詰まったりして血流が途絶えることで発症します。脳の細い血管が詰まるラクナ梗塞、太い血管が詰まるアテローム血栓性脳梗塞など動脈硬化が原因となるものと、心房細動など心臓の病気が原因となって起こる心原性脳塞栓症があります。夏に比較的多いのは、動脈硬化が原因のラクナ梗塞とアテローム梗塞なのです。
「気温が高い夏は汗の量が増え、特に高齢者では簡単に脱水に至ります。脱水状態に陥ると、血液中の水分量も減少して血液がドロドロになり、血液の塊である血栓が生じやすくなります。この血栓が、動脈硬化により狭くなった血管を詰まらせるのです」と豊田副院長は説明しています。高血圧や高脂血症、糖尿病や肥満などがあると、動脈硬化が進みやすく、更に注意が必要です。
夏の脳梗塞予防では、小まめな水分補給が重要です。「高齢者では喉の渇きや暑さの感じ方が鈍くなる傾向が見られ、気付かぬうちに脱水になってしまうことがあります」と豊田副院長は指摘しています。アルコールには利尿作用があり、尿量が増えるので脱水の原因にもなります。運動後や入浴後はビールではなく、利尿作用の少ない麦茶や水などがお勧めです。また、人は睡眠中にも180mLほどの汗をかくので、就寝前や起床後にコップ1杯の水を飲むことをお勧めします。さらに、気温が高い日中の外出や炎天下での活動は避け、外出時には帽子や日傘などで直射日光を避けるよう心掛けましょう。脳梗塞を起こすと、突然、片方の腕や脚に力が入らなくなり、物がつかめない、歩けない、その場に倒れるといった状態になります。また、顔の片方が垂れ下がる、ろれつが回らなくなる、言葉が出なくなるなどの症状も表れます。
「発症後すぐに治療を開始すれば、後遺症もなく回復する可能性が高まります。脳梗塞が疑われる顔の麻痺(Face)、腕の麻痺(Arm)、言葉の障害(Speech)に突然見舞われたら、発症時刻を確認(Time)して、ためらわずに救急車を呼んでください」と豊田副院長。頭文字をつなげて「FAST(ファスト)」と覚え、活用してくださいね。
2019.07.18.
冷気と喘息症状
皆さん、こんにちは^^
ご無沙汰しております。というのも、、、7月1日に今まで使っていたノートPCが動かなくなったのです。
すぐにDELLのデスクトップ注文をしたのですが、届いたのは14日。
色々なソフトを再設定しながら、バックアップデータを戻し、何とか使えるようになったのが昨日でした。
(関係ありませんが、Windows10のメールは全く使えませんな。私はThunderbirdに変えました。)
さて、猛暑が予想されるこれからの季節、皆さんは家庭でのエアコン使用の機会や、職場や外出先でエアコンのきいた冷気のなかで過ごす機会が増えるのではないでしょうか。こうした状況を踏まえ、今回は冷気と喘息症状について考えてみましょう。
喘息の特徴的な病態とされている変動性の気流制限の要因である気道径の狭小化の機序のひとつとして、気道平滑筋の収縮があります。気道平滑筋の収縮の要因としてアレルゲン暴露が知られていますが、アレルゲン以外としては「外因性刺激として冷気、煙、化学物質、気象変化、内因性刺激として運動、心理的ストレスなどがあり、これらは炎症細胞からのメディエーターの遊離の促進あるいは迷走神経反射ないし軸索反射を介したアセチルコリン、神経ペプチドの遊離により平滑筋を収縮させる。」ことが知られています。(少し難しいですかね)
咳喘息、咳優位型喘息を対象に行われた調査において、咳の誘発因子として冷気が示されました。本調査では、咳優位型喘息・咳喘息140例と非喘息性遷延・慢性咳嗽54例を対象に、先行研究で示された18因子が咳を誘発するかのアンケート調査を行いました。その結果、喘息性患者、特に咳喘息患者では冷気により咳が誘発される頻度が高く、非喘息性患者と有意な差が認められました。特にこれからの季節は、クーラーによって冷えすぎた空気による咳の誘発にも注意が必要ではないでしょうか。
このような喘息患者の咳症状は、睡眠に影響を与える可能性が考えられます。喘息患者さんへの調査において、睡眠関連事象ありと回答された患者さんでは咳症状を多く経験していることが報告されました。つまり、そのような咳症状を訴える患者さんは、夜間や明け方の睡眠にも影響を受けている可能性が考えられます。
さらに、これからの季節は、皆さんが日常生活の中で冷気や外気温差に触れ、咳などの症状に苦しむ可能性があると考えられます。その際、症状に対応して、その都度吸入薬を使用するのも大切ですが、あらかじめ症状が出ない状態を目指した高いコントロールを維持することが重要ではないでしょうか。
そのためにも、症状がなくても継続的な治療をお勧めします。
2019.06.18.
頭痛に効く足裏反射帯
皆さん、こんにちは^^
未だに梅雨入りしない大阪。今年は空梅雨なのでしょうか?
この季節、低気圧の接近に伴い頭痛が悪化する方がいます。
そこで、今回は頭痛に効く足裏反射帯(ゾーン)のご紹介です。
頭痛は日常の中でよく起こる症状ですが、安易に考えてはいけません。くも膜下出血や脳梗塞など、重大な病気の前兆である可能性があるからです。もし激しい痛みやひどい吐き気をともなうようなら、病院を必ず受診してください。
このような重大な場合を除いても、頭痛の原因は様々です。歯痛や過労などのほか、度数の合わないめがねが原因になることもありますし、サイズの合っていない靴を履いて、足の親指や小指が圧迫されると頭痛が起こることがあります。また「頭痛の種」という言葉があるように、心配事や悩み事などの心労によっても起こります。
頭痛に効く反射帯(ゾーン)は「頭部」「側頭」「首」の三つです。「頭部」は足の親指の腹、「側頭」は親指の腹の左側で人差し指と接している部分、「首」は親指の付け根にあります。 頭の片側がズキズキと痛むような場合は、「側頭」のゾーンを念入りにもみほぐしてください。
もみほぐし方を説明します。足裏もみは右足から行ってくださいね。
1.側頭ゾーン 人差し指の第2関節の角の親指側で、もみほぐします。
2.頭部ゾーン 両手の親指の先で交互に押します。
3.首ゾーン 人差し指の第2関節の角で外側へ向けてこすります。
これを左足も同じようにやってください。
ときどき足裏をもんでいるという人でも、足の指まで、意識してもみほぐしている人はあまりいないのではないでしょうか。まずは、各ゾーンの区別をあまり厳密に考えず、親指全体をもんでみるとよいでしょう。リラックスできるはずです。
映画やドラマなどで、悩み事を持っている人が部屋の中をぐるぐると歩き回っているシーンがあります。これには理由があり、東洋医学では「人間は足を使うと頭の重いものが軽くなる」と言われています。頭痛のある人には、ウォーキングもオススメです。
頭痛は慢性化しやすいものです。まだ軽いうちに、日頃から足裏の刺激を行うことで慢性化を防ぎましょう。
2019.06.11.
胃腸のためのNG行動
皆さん、こんにちは^^
大阪はまだ梅雨入りしていませんが、すっきりしない天気です。
最近、嘔吐や下痢で来院される方が増えています。
そこで、今回は胃腸に優しいお話です。
胃腸を労わることは、健やかな身体をつくるためにとても大切なことです。国際薬膳調理師の倉口ゆうみさんが、できれば避けたい習慣として、胃腸が疲れやすくなるNG行動を5つご紹介しています。
(1)冷たいものを好んで食べる
薬膳のベースになっている中医学(中国伝統医学)の世界では、消化吸収システムのことを脾(ひ)といいます。脾は、冷たいものを食べると働きが弱ることがあります。働きが弱ると、食べたものをきちんと栄養に変えられず消化不良を起こしやすいので、温かいものを食べることが大切です。
(2)お刺身、生野菜を好んで食べる
お刺身や生野菜サラダなどの火を通さない調理法は、脾に負担をかけやすくなります。生物を食べる頻度を減らしたり、汁物をプラスするなどの工夫をしましょう。
(3)お腹いっぱいになるまで食べる
消化をするにもエネルギーを使うといわれています。苦しいと感じるまで飲食すると、消化にとてもエネルギーを使うので、胃腸に負担がかかります。腹八分目までを心がけましょう。
(4)揚げ物、辛い物を毎日食べる
揚げ物や辛いものは、消化をするにも時間がかかり、脾の働きを低下させる原因につながります。食べる回数を月に何回までと決めるなど、毎日食べない工夫をしましょう。
(5)毎晩ビールを飲む
ビールは身体を特に冷やしやすい寒性(かんせい)の部類に入り、脾を冷やし働きを低下させてしまいます。どうしてもアルコールを飲みたい場合は、ワインやお湯割りなどがおすすめです。
いかがでしたか? 食習慣を見直して健やかな身体をつくりましょう。
2019.05.27.
人生を支配するホルモン
皆さん、こんにちは^^
北海道では5月の最高温度を記録し、40℃に迫る39.5℃。
なんという異常気象でしょうか?
今年の夏はいったいどうなるのでしょうか?
さて、今回は大げさなタイトルですが、ホルモンのお話です。
『できる男』と言われて何を思い浮かべるでしょうか?年収、地位や名誉、そして女性にモテること。。。
これらをすべてクリアするには何がカギなのでしょうか? 2019年2月の日本抗加齢学会セミナーで、獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授の井手久満氏が登壇し、「男性のための理想的なライフスタイル」について講演しました。
井手氏によると、『できる男』の象徴は、冒頭でも述べた事柄のほかに、「スポーツ万能」、「性機能が強い」、「健康寿命が長い」などであり、これらに共通するのがテストステロン値の高さだといいます。証券会社に勤務するイギリス人男性の年収を比較した研究によると、テストステロンが高い男性の年収は、低い男性と比較して3~5倍も多いことが明らかになりました。また、テストステロン量は骨格でも判定が可能で、人指し指より薬指の長い男性で高値ということが、さまざまな人種のデータによって確証を得ています。
テストステロンは、造血作用や男性ホルモンを合成しているとされる海馬での認知機能制御など、多くの作用が報告されています。しかし、個人差や日内変動がとても大きく、ストレスや飲酒などにも左右される物質なのです。たとえば、恋愛過程でも、デートから真剣交際、婚約から結婚に至る過程で徐々に分泌が減少し、子供が生まれ、添い寝をするなどでも低下することが立証されています。
また、同氏は健康な中年男性のメタボリック因子と心血管疾患・心不全との関連について解説。メタボリック因子が多く、テストステロンが低下している症例にテストステロン補充療法を行い、「テストステロンの補充によって、それぞれが体重や腹囲の減少、血圧やHbA1cが有意に改善した。さらに骨密度や排尿状態の改善にも効果がある」とする一方で、「補充による有害事象として、多血症、睡眠時無呼吸症候群、肝障害、不妊症などが挙げられるので注意が必要」と、コメントています。
このような背景を踏まえ、まずは、「自身によってテストステロンを低下させるリスク因子(喫煙や肥満)を理解し、リスク因子を排除することが大切である」と、同氏は締めくくりました。
ちなみに、私も人指し指より薬指の長い男性のひとりですが。。。
2019.05.13.
27年ぶりの覚醒
皆さん、こんにちは^^
GWはのんびりされましたか?私も今後2度とないであろう9連休でした。
さて、今回は令和になって初めてのブログ更新なので、ちょっとうれしいニュースをお届けします。
交通事故で意識不明だったアラブ首長国連邦(UAE)の女性(60歳)が2018年6月、27年ぶりに目を覚ましました。現在は会話ができるまでに回復しており、リハビリ治療を続けているということです。
女性はムニーラ・アブドラさん。32歳だった1991年、東部アルアインで、当時4歳だった息子のウマルさんと車で移動中に別の車との衝突事故に巻き込まれ、頭を強く打って昏睡状態となりました。
英国やUAEの病院を転々とした後、2017年からはドイツの病院に入院して治療。昨年6月、ウマルさんが病院で口論していると音を立てて反応し、その3日後にウマルさんの名前を呼んだということです。現在は会話ができるまでに回復し、UAEに戻ってリハビリを続けているそうです。
事故当時の母親と同じ年齢になったウマルさんは、AFP通信の取材に「同じような経験をしている人たちにこの話を知ってもらい、希望を持ってほしい」と語っています。
こんな事が起こりうるのか!っていう内容ですが、素晴らしい奇跡です。
27年前。私は28歳。青春真っ盛りでした。。。
2019.04.19.
朝食と体内時計
皆さん、こんにちは^^
いよいよ明後日はフェスタです。
天気も良さそうなので、非常に楽しみです!
皆さんも、是非是非お立ち寄りくださいね。
さて、今回の話題は、朝食と体内時計についてです。
朝食を抜くと肝臓の脂質代謝や体温に関わる体内時計に乱れが生じ、エネルギーの消費が減って体重増加につながることを、名古屋大学・准教授の小田裕昭氏らの研究グループが突き止めました。朝食を取ることはメタボリック症候群や肥満の予防につながるだけでなく、体内時計の正常化にも重要であるといいます。
厚生労働省の調査によれば、2015年には20歳代の4人に1人が朝食を食べてないという実態が報告されています。朝食を抜くと肥満やメタボリック症候群、2型糖尿病などになりやすいことが知られていますが、これまでの研究は観察研究が多く、その機序は明らかになっていませんでした。
小田氏らの研究グループはこれまで、体内時計の調節には光よりも食事のタイミングが重要な役割を果たすという時間栄養学に着目した実験を重ねてきました。今回は、朝食の重要性に注目し、ラットを活動期に高脂肪食を与える群(対照群)と目を覚ましてから4時間後に高脂肪食を与え、ヒトが朝食を抜いた場合に相当する状態にした群(朝食を抜く群)に分けて2週間観察しました。同氏によれば、こうした条件はヒトが朝8時に朝食を食べた場合と12時に最初の食事を食べた場合に相当するといいます。
その結果、摂取する食事の量に両群間で差はみられませんでしたが、朝食を抜いた状態の群では、対照群に比べて体脂肪量や体重が大幅に増加していました。詳細に解析したところ、朝食を抜いた状態のラットでは肝臓の時計遺伝子や脂質の代謝に関与する遺伝子の発現リズムが乱れていることが分かりました。さらに、朝食を抜いた状態のマウスでは体温は食べ始めるまで上昇せず、食べている間にも体温は低下してしまうことも明らかになりました。
以上の結果から、小田氏らは「朝食を抜くと肝臓時計や体温時計に異常が生じ、エネルギー消費量が減少して体重増加につながると考えられる」と結論づけています。また、この結果は、朝食を取ることを勧める際の科学的エビデンスになるとしています。
私も、なかなか朝食をとる時間もないし、朝から食欲ないんですよね。難しいな~。
コーヒーとコンブチャクレンズは飲んでるけど。。。カロリーメイトでも食べようかな。。。
皆さんは、しっかりと朝食を食べてくださいね。
2019.04.09.
膵臓癌を早期発見
皆さん、こんにちは^^
段々と春らしい天候になってきましたね。
フェスタまでも、あと2週間とせまっていて、天気が気になるところです。
さて、今回の話題は、見つかりにくい膵臓癌のお話です。
早期発見が難しく死亡率も高い膵臓癌を効率的に見つける新しい方法の臨床研究を、国立癌研究センターが10日から北海道で始めるそうです。札幌で癌検診を受けた人に協力を呼びかけ、採血した血液の一部を利用するのです。
膵臓癌は、臓器の位置や自覚症状が出にくいことなどから早期発見が難しいとされています。発見された患者の8割は、すでに手術ができない状態まで進んでいたという調査結果もあり、国内で年間3万人以上が亡くなっています。一方、日本人の罹患(りかん)率は10万人中30人程度と少なく、検診で画像診断を多くの人に行うと費用がかさむ問題点がありました。
同センターの本田一文・ユニット長らは、血液中の「アポA2アイソフォーム」と呼ばれるたんぱく質の量を調べることで、早期の膵臓癌や、慢性膵炎など「癌を引き起こす可能性の高い病気」を見つけ出す方法を開発。この方法で陽性となった人に詳細な画像診断を受けてもらうことで費用を抑えつつ、膵臓癌を手術ができるうちに効率的に見つけ出す研究を進めています。
臨床研究は鹿児島県と神戸市で行われてきました。3カ所目として、膵臓癌の罹患率が10万人中44.4人と、都道府県で最も多い北海道が選ばれたということです。対象となるのは、北海道対癌協会「札幌癌検診センター」(札幌市東区)で10日以降に行う癌検診や健康診断を受けた50歳以上の受診者。血液検査が陽性になった場合、北海道大学病院で詳細な画像検査を受けてもらうことが条件になるため、対象者を札幌市民に限っています。膵臓癌に関する血液検査と北大病院で行う画像検査はなんと無料。
本田ユニット長は「今回の方法は有効性が高く、膵臓癌の治療に貢献できる可能性が高い。ぜひ多くの人に協力してほしい」と話しています。
出来るだけ早く大阪でも実施してもらいたいですね。
2019.04.02.
水分摂取の落とし穴
皆さん、こんにちは^^
昨日から真冬に戻ったような寒さですが、この寒さが過ぎれば春も近い事でしょう。
フェスタも20日を切って、準備も着々と進んでおります。
さて、今回は、これから暖かくなってきたときの水分摂取についてです。
これからの時期、水分摂取を意識することが増えて、ペットボトルを購入する機会も多くなりますが、ここに水分摂取の落とし穴があります。
1日の水分摂取量の目安として、水分制限がない場合は約1.5~2.0Lといわれています。これは、コップ1杯を200mLと換算して、8~10杯ほどです。水分には、「酸素や栄養素を運ぶ働き」「老廃物を排泄する働き」「血液を循環させる働き」「汗として体温を調整する働き」「体液の性状を一定に保つ働き」など多くの働きがあります。朝、起きがけの1杯から始め、こまめな水分摂取が必要です。
これからの時期、「電解質の多いスポーツドリンクを飲んだほうが良い」と考えている患者さんなどが、無意識下で清涼飲料水による糖分の過剰摂取で高血糖や清涼飲料水ケトーシスを引き起こすケースもあります。
大手2社のスポーツドリンク(ペットボトル500mL)で清涼飲料水の糖質を比較した場合、A社は23.5g、B社は31gでした。これを1本3gのスティックシュガーで換算すると、なんとA社は約8本分、B社は約10本分に相当するのです。また、最近では、水と間違えてしまうような清涼飲料水もあります。これでは、水分を摂取しているつもりで、糖質を大量に摂取してしまうことになります。
飲料に入っている糖分の問題点は、もう1つあります。裏の表示を見ると「果糖ぶどう糖液糖」「果糖 砂糖」などの表記があります。果糖やブドウ糖は単糖類に分類され、それ以上加水分解されない糖のため、体内に入るとすぐに腸管から吸収されます。吸収された糖は、血糖値の急上昇へつながるため、血糖コントロールへの影響、糖化など、生活習慣病のリスクが高くなります。
また、果糖は、内臓肥満やメタボへの影響が強く、米国・カリフォルニア大学のStanhope氏らは「ヒトにエネルギー比25%の果糖を10週間摂取させると、内臓脂肪の増加、脂質代謝異常、インスリン抵抗性の発症が引き起こされる」と報告しています。
空調のきいた室内にいることが多い、運動などをあまりしないなど、大量に汗をかくような環境ではない方や、食事がきちんと食べられている方は、食事から塩やミネラルが摂れるので、水、お茶、麦茶(ミネラル含有)などを中心に水分を摂取しましょう。
そして、まずは清涼飲料水の糖質量の多さを認識すること、清涼飲料水に多く含まれる果糖摂取のリスクも認識することが大切です。飲み物を買う際には、原材料名が記載されたラベルの確認を習慣にすることもお勧めします。
2019.03.19.
風疹にご用心
皆さん、こんにちは^^
昨夜からの雨で、本日はまた少し冬に逆戻り。
早く、春が来ないでしょうか?
さて、本日は風疹についての話題です。
風疹患者が増えています。国立感染症研究所は12日、直近1週間(2月25日~3月3日)の患者数が113人に上ったと発表しました。2週連続で100人を超え、今年に入って増加傾向にあります。専門家は春の異動シーズンで感染がさらに広がるおそれがあると、注意を呼びかけています。
風疹は昨夏から患者が増加。昨秋から冬にかけて、16週連続で1週間100人を超えました。2018年の年間患者数は2917人に上り、現行の統計調査が始まった08年以降、2番目の多さでした。今年の累計患者数も768人で、すでに14~17年の各年の年間患者数を超えています。
風疹は2~3年流行が続くことが多く、前回は12年に2386人の患者が出て、13年には1万4344人とさらに増えたのです。感染症に詳しい、岡部氏(川崎市健康安全研究所長)は「春の異動で感染が広がると、前回流行の二の舞いになる」と警告しています。
国も対策に乗り出しました。患者さんの中心は、過去に1回もワクチンの定期接種を受ける機会がなかった39~56歳男性です。約1610万人いるこの世代の男性が19~21年度の3年間で原則無料でワクチンを受けられるようになるのです。早ければ4月から始まる予定ですが、供給不足を防ぐため、19年度は39~46歳にしぼるようです。抗体検査を受けてもらい、免疫がない人にワクチンを打ちますが、免疫がないのは2割程度です。
国は3月中の無料ワクチンのクーポン券送付を呼びかけていますが、準備の進み具合は自治体間で差があるようです。東京都練馬区や名古屋市は3月末の発送を目指していますが、横浜市や大阪市はまだ発送時期のめどはついていないといいます。
風疹はウイルス性の感染症で、くしゃみやせきなどのしぶきでうつります。症状を和らげる対症療法以外に治療法はなく、ワクチンで感染を防ぐしかありません。妊娠初期にかかると、赤ちゃんに難聴や心疾患などの障害が起こるおそれがあるのです。岡部氏は「周りに妊婦や出産希望者がいる人は、制度を待たず、自主的にワクチン接種を検討してほしい」と話しています。
関西を中心に流行しているはしかも、今年の累計患者数は285人にのぼり、昨年1年間の患者数を超えました。はしかと風疹の混合ワクチン(MRワクチン)を打てば予防することができます。
今年に入って当クリニックでもMRワクチンを接種する方が増えています。
大阪も早く準備を進めてほしいものです。
しかし、私自身は今年の対象年齢ではありませんが。。。
2019.03.12.
BMIと糖尿病
皆さん、こんにちは^^
昨日の雨と打って変わっていいお天気です。
しかし、以前も書きましたが、こういう日こそ花粉症に要注意です!
本日の午前診でも多くの花粉症の患者さんが来られています。しっかり予防してくださいね。
さて、本日の話題はBMIと糖尿病に関する情報です。
たとえ適正範囲内であっても、20歳頃に体格指数(BMI)がわずかでも高いと、中年期に2型糖尿病になりやすい可能性があると、順天堂大学の染谷由希氏らの研究グループが発表しました。BMIが22~23kg/㎡の適正範囲内であっても、21kg/㎡未満の場合に比べて中年期に2型糖尿病を発症するリスクは2倍以上に高まることが分かったということです。
対象は、同大学体育学部の卒業生で、順天堂大学同窓生研究に参加した男性636人。1971~1991年に卒業し、2007~2017年に行った追跡調査に回答した者としました。対象者を在学中のBMIで4つの群(21kg/㎡未満群、21kg/㎡以上22kg/㎡未満群、22kg/㎡以上23kg/㎡未満群、23kg/㎡以上群)に分けて、追跡調査時の2型糖尿病の発症率との関連を調べました。
その結果、対象とした学生の卒業時の年齢(中央値)は22歳で、追跡終了時には55歳でした。追跡期間中に56人が2型糖尿病を発症しました。解析の結果、BMI区分(21kg/㎡未満群、21kg/㎡以上22kg/㎡未満群、22kg/㎡以上23kg/㎡未満群、23kg/㎡以上群)が高まるほど、2型糖尿病の発症率は上昇することが分かりました(各群4.4%、7.6%、10.5%、11.3%)。また、BMI 21kg/㎡未満群と比較した2型糖尿病リスクは、21kg/㎡以上22kg/㎡未満群では1.77倍、22kg/㎡以上23kg/m2未満群では2.42倍、23kg/㎡以上群では2.53倍と、適正体重の範囲内でもBMIがわずかに上昇するだけで、中年期の2型糖尿病リスクは約2倍に上ることが明らかになりました。
染谷氏らは「大学時代にBMIが適正範囲内でも、その後の糖尿病リスクが増加した機序は明らかではないが、日本人はBMIが同じでも欧米人と比べて体脂肪や内臓脂肪量が多く、太っていなくてもわずかなBMIの増加でインスリン抵抗性になりやすいことが耐糖能異常につながっている可能性がある」と説明しています。これらの結果を踏まえて、「20歳頃の若年期にBMIが22kg/㎡を超えることは、将来2型糖尿病を発症する重要なリスク因子となり得ることが示唆された」と結論づけています。
55歳の私には関係ない話ですが、もしこの記事を読んでる若者がいたら、もう一度、身長と体重をチェックしてみましょうね。
2019.03.07.
花粉症の子供
皆さん、こんにちは^^
2月もあっという間に終わり、3月もすでに1週間が過ぎました。
今年になっても月日が経つのは早いですね。
さて、本日は子供の花粉症が増えている話題です。
近年、花粉症と診断される子供が増えています。東京都の2016年度の調査では、0~14歳の40.3%が花粉症と推定され、全世代の48.8%と大差がありませんでした。1996年度の調査では8.7%、2006年度は26.3%でした。
都は、飛散量が増える樹齢30年以上の木が増えたことや、食物アレルギーを持つ乳幼児が増えた結果、同じメカニズムで花粉症を併発するケースが増えたことが要因とみています。
日本医科大学の大久保公裕教授は「食生活は欧米化が進んだ。保存料などの添加物が入った食品も多く、アレルギーが発症しやすい体質となった」と話しています。また同氏は「まずはマスクやメガネなどでセルフケアを徹底してほしい」とも。花粉用マスクを着用すると、吸い込む花粉の量を6分の1ほどに減らせるといわれています。
日本気象協会によると、近畿地方の飛散量は、ヒノキ花粉が前年と同程度(100%)で、例年よりはやや多い(110%)予想です。大阪では3月上旬がスギ花粉、4月上旬がヒノキ花粉の最盛期です。協会の担当者は「暖かく、風が強い日は、特に大量飛散に注意してほしい」と呼びかけています。
「花粉症の薬を飲むと眠気が来るから飲みたくない」と言われる方もおられますが、医薬は進歩しています。最近出た抗アレルギー薬の1つは、殆ど眠気の副作用がありませんが、効き目は早期からばっちりです。花粉症で困られているなら、早めに受診してくださいね。
2019.03.05.
今季初の
皆さん、こんにちは^^
日曜日は花粉症の人にとっては恵みの雨でしたが、本日は気温も上昇して、かなり花粉も飛散しているようです。
花粉症の方は万全の注意を払ってくださいね。
さて、昨日の話ですが、今季初のインフルエンザB型が当クリニックで検出されました。
患者さんは、9歳の女の子。
土曜日から調子が悪く、日曜日には39度の発熱。
来院時も38度の発熱があり、喉の痛みと鼻水がありました。
扁桃腺も腫れていて、喉も真っ赤でした。呼吸音は正常でした。
最近はインフルエンザの患者さんもだいぶ減ってきましたが、39度の発熱と聞いて調べないわけにもいかず、調べてみると。。。
なんと、インフルエンザB型でした。
今シーズンだけでも100人くらいのインフルエンザの患者さんが来られましたが、そのすべてがA型だったのです。
このままB型が出なければ、確率的にも1%以下なのです。
今まで、こんなことは経験したことがありませんでした。
ただし、通常はA型が治まってきてから、B型が流行するので、ひょとするとこれからB型が流行るのかもしれません。
どちらにせよ、油断せずに、手洗い、うがい、マスクはきちんとしておきましょう!
2019.02.26.
梅の干し方で
皆さん、こんにちは^^
今週はとっても過ごしやすい気候ですね。
でも、花粉症の方が続々と来院されています。
我慢せずに、早目早目に対応しましょうね。
さて、本日の話題は、梅の干し方で疲労回復効果が違うという話題です。
梅の干し方でポリフェノールやクエン酸の量が変わる。梅を干すときに当てる太陽光と機能性成分などの関係が、日本一の梅の産地、和歌山県の県うめ研究所(みなべ町)の研究で分かりました。太陽光を浴びた梅より、光をほぼ遮って干した梅は赤みが薄くなりますが、ポリフェノールやクエン酸が豊富になるというのです。
ポリフェノールには体の老化を食い止める抗酸化作用があり、クエン酸には疲労回復効果などがあると言われています。
研究所内で収穫した南高梅を塩漬けした後、干し上げる際に光の当て方を変えたのです。干し方は計5パターン。①ハウス内で紫外線をほぼ遮断して干す、②ハウス内で赤外線と紫外線をほぼ遮断して干す、③ハウス内で光全体をほぼ遮断して干す、④ハウス内で光を遮断せずに干す、⑤ハウス外で光を遮断せずに干す。それぞれで干した梅の色づきや成分を比較しました。
すると、光全体をほぼ遮断して干した梅はポリフェノール含有量が最も多くなり、クエン酸の含有量も他の方法で干した梅より多いことがわかりました。可視光を遮ることでポリフェノールなどの含有量が増える可能性を示しているといいます。さらに、光全体をほぼ遮断すると他の方法で干した梅より赤みが薄くなりました。干す時の可視光が梅を赤くする可能性もわかったということです。
健康志向の強い今日この頃。ひょっとして、有名な南高梅の梅干しも赤みの少ない梅干しに変わっていくのかもしれませんね。
2019.02.22.
やせメタボ
皆さん、こんにちは^^
本日は曇りの予想が、ポカポカ陽気でした。
その代わり、花粉がひどいようです。
気を付けてくださいね。
さて、本日の話題は「やせメタボ」についてです。
内臓脂肪の蓄積に着目した特定健診(メタボ健診)で、腹囲の基準値(男性85cm以上、女性90cm以上)は下回るものの、生活習慣病になるリスクの高い「やせメタボ」への対応が、専門家の間で議論されています。脳卒中などを発症する可能性が、メタボ並みに高いことが明らかになったためなのです。
肥満で内臓脂肪が蓄積すると、高血圧や高血糖、脂質異常を引き起こし、動脈硬化を進行させ、脳卒中や心臓病などのリスクを高めます。メタボの診断では、腹囲を最も重視しています。具体的には、男女とも腹囲が基準値以上であることを前提に、①血圧が高い、②空腹時血糖が高い、③中性脂肪が多い、の危険因子のうち、二つ以上あてはまるとメタボと診断されます。
ところが、腹囲とBMIが基準に満たなくても、3つの危険因子のうち複数があてはまる「やせメタボ」は、全国で推計914万人(男性380万人、女性534万人)に上ることが、厚生労働省研究班から発表されました。同じ調査で推計971万人とされたメタボとなんとほぼ同数だったのです。
やせメタボは、女性に多く、高齢、喫煙などとの関連も明らかになりました。また、健康な人と比べた脳卒中などの発症リスクは、やせていても危険因子が1つで男性1.78倍、女性2.12倍、2つ以上だと男性1.91倍、女性2.51倍と高いことが、別の研究班の調査で分かりました。メタボのリスクとほぼ同じ水準です。
やせているからといって決して安心せず、検査値に異常がある人は、早めに受診して、適切な治療を受けることが大切ですね。
2019.02.19.
魚中心の地中海食で喘息患児の肺機能が改善
皆さん、こんにちは^^
久々の雨ですが、明日から気温が上がり、風も強いので、花粉症には要注意です。
さて、今回は喘息の子供さんに朗報です。
小児喘息の改善には健康的な食事が有効であるとされていますがが、その具体的な内容に踏み込んだ報告はありませんでした。オーストラリア・La Trobe UniversityのPapamichaelらは地中海食に加え、良質な脂肪が豊富に含まれるサケやマス、イワシなどの魚を摂取することで、喘息患児の気道炎症が有意に改善したとする結果を発表しました。
脂肪が多い魚に含まれるω-3脂肪酸には、抗炎症作用や免疫調節作用があることが報告されています。しかし、喘息に対するω-3脂肪酸の有効性を検討した研究では、一貫した結果が得られていませんでした。そこで同氏らは、ω-3脂肪酸を豊富に含む魚と地中海食の摂取による喘息患児への有効性を検証するため、ギリシャのグループと共同で研究しました。
ギリシャの首都アテネに住む5~12歳の軽症喘息患児64例(男児52%、女児48%)を対象とし、このうち半数を、ギリシャでよく食されている地中海食と、その一部として調理した高脂肪の魚(150g以上)を週2回摂取する群(魚+地中海食群)に、残る半数を通常通りの食事を摂取する群(対照群)にランダムに割り付けました。なお、肺機能はスパイロメトリーにより評価し、気管支の炎症は呼気中一酸化窒素(NO)濃度の測定値に基づき評価しました。
年齢、性、BMI、身体活動レベルで調整して解析した結果、6カ月後の試験終了時点で魚+地中海食群では呼気中NO濃度が約14ppb低下し、気管支の炎症が軽減したことが分かりました。なお、同氏らによると、国際的なガイドラインでは呼気中NO濃度が10ppb以上低下した場合に、有意な治療効果があったと解釈することが推奨されているといいます。
この結果について、同氏は「植物由来の食品とω-3脂肪酸が豊富に含まれる魚を組み合わせた伝統的な地中海食を日常生活に取り入れることは、小児喘息の症状を軽減する簡単で安全かつ有効な方法といえる」と述べています。
なかなか子供に魚を食べさせるのは大変かもしれませんが、ハンバーグに混ぜたり、カレーに混ぜたりして、頑張って食べさせてあげてくださいね。
2019.02.14.
インフル3回かかるかも
皆さん、こんにちは^^
インフルエンザもややピークを過ぎたようですが、まだまだ流行は続いています。
しかも、今年は当クリニックではB型がまだ1例も出ていません。
今年のインフルエンザは少し変わっていて、注意が必要です。
インフルエンザの患者数が全国で推計約222万6000人にのぼり、統計開始以来最多を更新したことは以前に書きましたが、今年はインフルエンザに最悪3回かかるかもしれません。
インフルエンザウイルスにA型とB型があることは皆さんご存知だと思いますが、実は原因となっているウイルスの種類は「AH1pdm09」が50%、「AH3亜型」が49%で、B型はわずか1%なのです。(2018年第52週~2019年第4週)
この調査をしている国立感染症研究所の担当者によると、AH1pdm09は2009年に新型インフルエンザとして大流行し、現在は通常のインフルエンザウイルスとして扱われているもので、pdmはパンデミックを意味します。一方のAH3亜型は一般に「A香港型」と呼ばれ、1968年に世界的大流行を起こしたウイルスです。
同じA型ウイルスでも、同シーズンにAH1pdm09とAH3亜型の両方にかかる可能性がある理由について、この担当者は「A型という分類は同じでも分子構造が異なり、それぞれに対抗する抗体も違うためです」と説明しています。
つまり、AH1pdm09にかかった時に得られる免疫はAH1pdm09のものだけで、AH3亜型の予防には通用しないのです。
同担当者によると、例年、A型が同時流行することはあまりなく、特にAH3亜型が流行るとそれ一色になることが多いそうです。そのため、A型に2度かかる危険性は、あまり周知されていないのかもしれません。しかし、今シーズンはしばらくAH1pdm09が主流だったところに、年明け前後からAH3亜型が急激に増加。前述のように、2種類のウイルスがほぼ半々の割合で流行しているのです。
なお例年、A型の後を追うようにB型も流行する傾向が見られるので、理論上は、A型に2度感染したうえ、さらにB型にも感染する恐れがあるのです。
1シーズンで繰り返しインフルエンザにかかる事態はなんとしても避けたいものです。あまりに当たり前な方法ですが、手洗いは入念に。人混みは避けて、十分に睡眠をとることが、史上最悪のインフルエンザ大流行を乗り切るために重要なのです。
2019.02.05.
二日酔い対策
皆さん、こんにちは^^
昨日から寒さは和らいでいますが、今週末に向けてまた寒くなるようです。
日中の寒暖差も10度以上のこともあり、体調管理が難しい時期ですが、気を付けましょう!
今日のテーマは、新年会の時期には遅いかもしれませんが、二日酔い対策です。
二日酔い対策の前に、何故二日酔いになるのか考えましょう。
アルコール(エタノール)は小腸で吸収された後、門脈というところを通って肝臓に運ばれ、そこで代謝されます。まずアルコール脱水素酵素(ADH)によってアセトアルデヒドとなり、さらにアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)によって酢酸へと無毒化されます。
二日酔いがなぜ起こるかというと、大量の飲酒のためにALDH2によるアセトアルデヒドの分解が追い付かず、体内に多量のアセトアルデヒドが残ってしまうからです。アセトアルデヒドは酸性ですので体液のpHが酸性となり(アシドーシス)、全身の様々な代謝に関わる酵素の活性が低下して、それで気持ち悪くなるのです。
この二日酔いを早く治すためにはアセトアルデヒドを体外に排泄してしまえばよいわけで、水分をどんどん摂取して尿として捨ててしまえばよいのです。ただ、水をガブガブ飲むだけでは芸がありません。体液が酸性に傾いているのですからアルカリ性の飲み物がよいでしょう。
家庭にあるアルカリ性の飲み物としては牛乳と蜂蜜が代表的です。つまり、はちみつ牛乳を作ってがぶ飲みするのが、一番手っ取り早い方法なのです。しかし、ムカムカしている時に、がぶ飲みは危険ですので、無理はしないでくださいね。
その前に、二日酔いにならない飲み方がよろしいようで。
2019.02.02.
インフル過去最多
皆さん、こんにちは^^
つい最近、正月が終わったと思っていたら、なんと、あっという間に1月が終わり、すでに2月です。
月日の速さをつくづく感じます。歳のせいでしょうか?
さて、今回もインフルエンザの話題です。
インフルエンザの大流行が続いています。
厚生労働省は1日、全国約5000カ所の定点医療機関から報告された最新の1週間(1月21~27日)の患者数が、1カ所あたり、57.09人だったと発表しました。前週(53.91人)からさらに増え、現在の調査方法になった1999年以降で最多を更新したのです。
厚労省によると、全国の推計患者数は約222万6千人で、前週から約9万6千人増えました。
年齢別では5~9歳が約41万1千人と最も多く、10~14歳も約29万人に達しました。
定点1医療機関あたりの患者数は、全都道府県で「警報」レベルの30人を超えました。都道府県別では、埼玉が最も多く84.09人。次いで、新潟77.70人、千葉73.00人、宮城69.81人、神奈川67.94人と続いています。ちなみに、東京は64.18人、愛知は61.82人、大阪は47.99人、福岡62.70人でした。
休校や学年・学級閉鎖をした保育所や幼稚園、小中高校は全国で8928施設と、前週(6343施設)からさらに増えています。
ウイルスのタイプは直近の5週間では、2009年に新型として流行したA型のH1N1が50%、A香港型が49%を占めています。
厚労省は「手洗いやせきエチケット、人混みを避けるといった対策とともに、具合が悪ければ安静にして早めに医療機関を受診してほしい」と注意を呼びかけています。
本当にその通りだと思います。今年のインフルエンザは当クリニックでは全てA型です。以前にも書きましたが、多い日には10人以上検出されています。しかも、まだB型が流行していないのにです。
何回も言いますが、インフルエンザをなめてはいけません。インフルエンザ脳症を合併すると1~2日で死亡することもあるのです。
少しでも症状があって発熱があれば、早めに受診するようにしてくださいね。
2019.01.24.
悲惨な事故に思う
皆さん、こんにちは^^
インフルエンザが全国的に流行していますが、当クリニックでも1日に10人以上患者さんが出ることもあります。
そんな中、東京で悲惨な事故が起こりました。
22日午前9時半ごろ、東京目黒区の東京メトロ日比谷線の中目黒駅で、出勤するため電車を待っていた37歳の会社員の女性がホームから転落し、電車にはねられて死亡してしました。
警視庁によると、事故のあと、女性からはインフルエンザウイルスが検出されましたが、その後の調べで、女性は数日前から体調が悪いと周囲に話していたものの、インフルエンザという自覚はないまま出勤しようとしていたことがわかったのです。さらに、この女性はお昼に食べるためのパンを買って持っていたということです。
警視庁が当時ホームにいた人に確認したところ、女性はせきこんでいて、電車を待つ列の先頭に並んでいましたが、突然ふらついて転落したということです。
ここからは私の想像ですが、この女性は、インフルエンザの高熱で意識が朦朧としていたのでしょう。ひょっとして、やっとの思いで、ホームまでたどり着いたのかもしれません。そして、悪寒や関節痛のために足元がふらついて転落したのかもしれません。
非常に嘆かわしい事ですが、嘆かわしいで済ませてよいのでしょうか?
この女性は数日前から体調の不良を訴えていました。これだけ、テレビでインフルエンザが流行していると騒いでいるのに、何故彼女は病院に行かなかったのでしょうか?労働環境が許さなかったのでしょうか?
しかし、22日の数日前からといえば週末を挟んでいます。東京であれば土・日曜日診療しているクリニックは沢山ありますし、夜間でも救急病院を受診することもできたはずです。
逆に受診さえしていれば、彼女は死ぬことはなかったでしょうし、列車遅延で多大な人に迷惑をかけることもなかったのです。
何度もこのブログでもお伝えしていますが、インフルエンザをなめてはいけません。インフルエンザワクチンを打っているからと言って、油断してはいけません。少しでも症状があれば、必ず早めに近医を受診してください。
この女性は列車にひかれて、世間からはかわいそうとなっていますが、逆もありうるのです。
インフルエンザの高熱で車を運転していて、意識朦朧となって、人を跳ねてしまったら、、、世間はかわいそうだと思ってくれるでしょうか?
2019.01.11.
インフル、意外なことが
皆さん、こんにちは^^
先日の新年の挨拶でも言いましたが、インフルエンザの患者さんが増えています。
さらなるBAD NEWSをお届けします。
厚生労働省は9日、今冬のインフルエンザの全国的な流行が、今後4週間以内に大流行となる可能性を示す注意報レベルを超えたと発表しました。平野区も注意報レベルに達しましたが、さらに悪いニュースです。
これまで、インフルエンザの主な感染経路は感染者のくしゃみや咳で飛び散ったウイルスを含むしぶきを吸い込むことで感染する「飛沫感染」か、ウイルスが付着したものを触ることで感染する「接触感染」のいずれかだと考えられていました。しかし、感染者が呼吸するだけでウイルスが周りに拡散し、同じ部屋にいる人に感染する「空気感染」も予想以上に起こりやすいことが新たな研究で示唆されました。
この研究を実施したのは米メリーランド大学環境衛生学教授のMilton氏ら。同氏らは今回、インフルエンザ患者142人に協力してもらい、発症から1~3日目に(1)いつも通り呼吸しているとき(2)話しているとき(3)咳をしたとき(4)くしゃみをしたとき―の呼気サンプル(計218サンプル)を集め、分析しました。
遺伝子検査の結果、咳が出ていない状態で採取された呼気サンプル(23サンプル)の48%(11サンプル)でインフルエンザウイルスが検出されました。また、感染力を有するインフルエンザウイルスの量を測定したところ、これら11サンプルのうち8サンプルで感染力のあるウイルスが確認されたのです。このことから、咳が出なくてもインフルエンザウイルスの含まれるエアロゾル(空気中に浮遊する粒子)は発生しうることが示唆されたのです。さらに、くしゃみが数回出た場合も呼気サンプル中のウイルス量に変化はなかったことから、くしゃみによる影響もこれまで考えられていたほど大きくはないことが示されたといいます。
Milton氏は、今回の研究に関する同大学のプレスリリースで「咳やくしゃみをしなくても、インフルエンザ患者が呼吸するだけで周囲の空気にウイルスが放出されることが分かった。したがって、インフルエンザに感染した人が職場に現れた場合には、周囲への感染を防ぐため職場にとどまらせず、すぐに帰宅してもらうべきだ」と強調しています。また、同氏らは「この研究結果を企業や学校、地下鉄車内の換気システムの改善などを通じたインフルエンザ予防策の向上に生かしてほしい」としています。
今回の結果を受けて、インフルエンザに罹ったとわかったら、頑張って仕事をしたり外出することは罪なのだと自覚して、自宅に閉じこもって回復するのを待ちましょう。
言い方は悪いかもしれませんが、天が与えてくれた5連休だと思ってくださいね。
2019.01.08.
新年のご挨拶
皆さん、こんにちは^^
そして、明けましておめでとうございます。
平成31年がスタートしましたね。
私たちも昨日から通常診療を開始しておりますが、一気にインフルエンザの患者さんが増えた印象です。
今のところ、すべてインフルエンザA型です。
しかし、まだまだこれからが本格的なシーズンですので、まだワクチンを接種されていない方は、一刻も早く接種してください。
昨年は一時期、ワクチン不足により皆様にもご迷惑をお掛けしましたが、現在はしっかり在庫を確保していますので、まだの方も2回目の方もご安心ください。
さて、今年は元号が変わり、新天皇が即位され、GWは一般的に10連休、そして秋には消費税10%と色々なイベントがあります。
めまぐるしい1年となりそうですが、皆様にとっても良い1年でありますようにお祈りしております。
今年は暖冬のようですが、それでもこれからが寒さの本番。どうか健康にも十分注意してくださいね。
それでは、今年も宜しくお願い致します。
2018.12.25.
今季、初インフル
皆さん、こんにちは^^
今週末にかけて、今季最強のクリスマス寒波が来るらしいですね。
やっと、本格的な冬の到来でしょうか。
年末年始には交通機関の乱れも予想されますので、お気をつけください。
さて、インフルエンザの患者数も急増しています。各都道府県がまとめているインフルエンザ定点当たり報告数(速報値)によると、12月16日までの1週間(第50週)に全国の定点医療機関を受診した患者数は1万6589人と前週の8438人から倍増し、定点当たりで3.35人となりました。速報値によると、全域で流行期入りしたのは前週の28都道府県から、42都道府県に拡大し、全国で流行期入りとなりました。
都道府県別では、北海道が9.59人(前週3.96、以下同)で最多となっています。愛知県が8.41人(3.43)、香川県が7.13人(4.00)、奈良県が5.20人(1.09)、三重県も5.04人(2.39)で続いています。前週比をみると、山形県と奈良県がそれぞれ4.8倍、山梨県が4.5倍、滋賀県が3.7倍、徳島県と岩手県がそれぞれ3.5倍と急増しています。
ということで、いよいよインフルエンザの季節ですが、当クリニックでも今季初のインフルエンザが先週の土曜日22日に検出されました。
45歳の男性で、前夜に39度の発熱と、頭痛、関節痛にて来院されました。
結果としてはインフルエンザA型でした。昨年より22日日遅い検出です。
やはり、今年は暖かだったので、遅くなったのでしょう。
ちなみに、去年は11月31日、一昨年は11月17日でした。
当クリニックでは、インフルエンザ診断に高感度迅速診断検査機器『富士ドライケム IMMUNO AG1』を導入しています。最新の技術で検出感度を飛躍的に向上させ、少ないウイルス量でも検出できるので、発症後4時間から判定が可能です。症状がある場合には、出来るだけ早く受診するようにして下さい。
2018.12.18.
飲酒と睡眠
皆さん、こんにちは^^
前回、とりあえずビールは正解と書きましたが、今回も飲酒に関する話題です。
先日の吉澤ひとみ被告の事件にしろ、ロンドンで捕まった副操縦士の事件にしろ、全くひどい話です。
でも、皆さんも少し勘違いしていませんか?
お酒を飲んでも、一晩寝れば大丈夫!。そんなふうに思っていませんか?しかし、飲酒運転で検挙される人の中には、少なからず「昨日の酒」が残っているケースがあります。警察庁が、2016年に起こった飲酒死亡事故のうち、飲み終わった時刻から死亡事故発生時刻の経過時間が分かっている当事者113人を調べたところ、うち7人が5~9時間たった後に事故を起こしていました。「9時間以上」という人も2人いました。
厚生労働省では、「節度ある適度な飲酒」の量を、1日平均で「純アルコール20グラム程度」としています。ビールで換算すると中瓶1本、ウイスキーやブランデーなら、ダブルで1杯。これらを「1単位」とし、飲酒量と分解時間の目安を作成し、1単位を分解するのにかかる時間を「男性は4時間、女性は5時間」としています。
アルコール依存症の治療で知られる国立病院機構・久里浜医療センターによると、「アルコールの分解は、肝臓・心臓・筋肉などの働きに左右される。女性が男性より分解に時間がかかるのは、一般的に男性よりも体が小さく、肝臓のサイズも比例することや、体脂肪が多い分、筋肉量が少ないことなどが原因」と。また、体内の水分量が少ないと、血中のアルコール濃度が高まります。加齢で体内の水分量が減る高齢者も注意が必要です。厚労省でも、女性や65歳以上の高齢者は、20グラムよりも少ない飲酒を推奨しています。
一方で、「多量飲酒」とされるのは純アルコール60グラム以上。つまり3単位以上です。例えば、ビール中瓶2本、チューハイ(7%、350mL)を3缶飲めば5単位となり、女性であれば、分解のために約25時間が必要となります。
また、仮眠する、サウナに入る、コーヒーを飲むなど、自己流の「酔いざまし」を解決策とするなど、誤った知識で運転の可否を判断する人も多いようです。例えば「仮眠」の場合、寝ている間の方が覚醒時より分解スピードが遅くなるので、十分に時間をおいたつもりでも、起床時にアルコールが残っている可能性もあるのです。
では、通勤などで毎日運転する人は、お酒とどのように付き合えばいいのでしょうか。
呼気をチェックする検知器も手軽に買えますが、質が保証されていないものもありますし、結構値段も張ります。機械に頼らない簡単な方法は、翌日運転するときは、必ず1単位以内の飲酒を心がけることが大切です。タクシー、ハイヤー、バス運転手約6千人を抱える国際自動車(東京)のテキストでは、「ビール中瓶なら1本、ワイングラス2杯弱、焼酎半合弱、日本酒1合、ウイスキーダブル1杯が適量の飲酒目安」と明示しており、前述の1単位とほぼ同じ基準になっています。
久里浜医療センターでは、多量飲酒者の酒量を減らすための方法として、周りの人に目標を宣言して協力してもらう、1口飲んだら、コップは必ずテーブルにおく、飲酒中に、飲んだ酒量をチェックするなどの方法を紹介しています。
とは言うものの、ついつい飲みすぎてしまうのが世の常。基本はやはり「飲んだら乗るな」となるのでしょうね。もしくは、「飲むなら休日前に」を心掛けましょう。
2018.12.14.
とりあえずビール
皆さん、こんにちは^^
寒さも厳しさを増して、今年もあと半月となりました。
そこで、今回は乾杯に「とりあえずビール」が正しいのか検証したいと思います。
何かと酒量が増える年末年始。呑兵衛には心弾む季節ですが、気になるのは体への影響です。“飲み方”を間違うと、二日酔いや高血圧、さらにはもっと深刻な病のきっかけになってしまうこともあります。
老化と糖化でお話ししたビールは「抗酸化作用が高く、ホップのアロマによるリラックス効果が得られたりと、健康維持に一役買っている」とされる一方、糖質が多いため飲み過ぎは肥満に直結してしまいます。
ただ、“酒席の作法”として定着している「乾杯はビールで」は、実は医学的にも正しいのです。
東海大学医学部付属東京病院院長の西崎泰弘医師が言います。「空腹時に最初に口をつけるお酒はアルコール度数の低いものにすべき。ウイスキーなど度数の高い酒は内臓に負担がかかるうえ、急な酩酊や平衡感覚の喪失、血圧の変動を誘いやすい」
それならチューハイや水割りでもいいのでは?しかし、ビールには低アルコール以外の利点もあるのです。
ビールに含まれる炭酸ガスは胃液の分泌を促進します。これはチューハイにも当てはまりますが、ビールの原材料のホップには消化を助ける作用があるため、食欲増進も期待できるのです。
ということで、今夜もとりあえずビールで乾杯しましょう!
2018.11.30.
老化と糖化⑤
皆さん、こんにちは^^
吉澤ひとみ被告の判決が決まりました。
飲酒でのひき逃げ。猛省を促したいと想います。
お酒を飲む機会が増えるシーズン。アルコールの話題も書くつもりですが、今回は「老化と糖化」の5回目です。
40歳を超えたら抗酸化作用があり、質の良い油を摂ることも大切です。
「新鮮な『エキストラバージンオリーブオイル』には、抗酸化や悪玉コレステロールを減らす作用があります。皮膚の細胞膜の柔軟性も保ち、肌がつややかになる。生の野菜や魚にかけたり、毎日おちょこ1杯程度飲んでもいいでしょう」(森氏)
一方で体に悪い油もあるから気を付けたいですね。
「マーガリンや、デニッシュやドーナツ、焼き菓子などに多く含まれるショートニングなどの質の悪い油、繰り返し使用した油は、体を確実に老けさせます」(早川氏)
若々しい体を保つためには、日々生まれ変わる髪や肌、筋肉や血液を作る「新陳代謝」や、体内の脂肪を燃やす「エネルギー代謝」を高めることも必要です。ここでポイントとなるのは、どういったタンパク質を摂ったらいいかということ。
森氏は、毎日の代謝をスムーズにさせるための食材として「豚肉」を挙げています。
「豚肉は炭水化物の代謝に欠かせないビタミンB1の宝庫です。ビタミンB1が不足すると糖質が消費できず、体脂肪の増加につながります」
肌の潤いが減って乾いた雰囲気になるのは、筋肉の減少が大きな原因。見た目の若々しさは、水分保持の働きがある筋肉量によって左右されます。
「ウォーキングなどの運動をしてから1時間以内に、市販の『サラダチキン』(蒸し鶏を密封パックにしたもの)を摂ると、筋肉合成につながります」(早川氏)
筋肉をつけるなら体を動かした後に鶏肉、と覚えておきましょう。鶏肉は悪玉コレステロールを減らし、血液をサラサラにしてくれる不飽和脂肪酸を豊富に含む点がほかの肉と異なるのです。食べ過ぎて体に毒、太る、ということもありません。
ちなみに肥満と老化には深い関係があるのです。糖質の摂りすぎから、太る→糖化によるAGE発生→老化、という負のスパイラルに陥りやすいのです。食事では、自分が太らない程度の糖質量に留めることが肝要です。
代謝を上げるには豚肉、筋肉をつけるなら鶏肉、そして、エキストラバージンオリーブオイルで調理を!
完璧です。
2018.11.27.
老化と糖化④
皆さん、こんにちは^^
小春日和が続いていますが、明日からは天気も下り坂。
いよいよ、冬がやってきそうな気配です。
さて、今回は「老化と糖化」の4回目です。
前回お話した飲み物のほかにも抗酸化作用の強い食べものに野菜や果物があります。日本臨床栄養協会理事で名古屋経済大学准教授の早川麻理子氏はこう話しています。
「野菜の中では『ブロッコリー』や『キャベツ』、『菜の花』のようなアブラナ科がビタミンCが豊富。細胞を元気にします」
ビタミンCは抗酸化、抗AGE作用の両方を持ち、老けないために欠かせない成分。体内にストックできないので、毎食後に果物を60gずつ(柿でいうと3分の1程度)摂る形で補給するのが効果的です。
「見た目を老けさせないためには、ビタミンA、C、Eとポリフェノールを摂ることが鍵になりますが、果物はそれらを満たしていることが多い。さらに旬のものは栄養素の効能が強く、柿やみかんのオレンジ色のもとになるβ―カロテンに強力な抗酸化作用があります」(森氏)
目安として一食あたり生野菜なら両手のひらいっぱい、それを毎食摂って1日350gの野菜、そのうち120gは色の濃い野菜を摂るとだいたい必要な栄養素をカバーできるのです。
女性に朗報です。すでに老化が進行したしわや肌のくすみに効果がある野菜と果物があるのです。
「野菜なら、肌の美白に効くのは『セロリ』。果物なら、『イチゴ』や『ブルーベリー』などのベリー類がいい。老けないための予防だけでなく、すでに“老いてしまった”部分の改善にも非常にいい。ベリーに含まれる青紫の色素成分、アントシアニンはポリフェノールの1種で、傷ついた細胞を修復する力を持っています。冷凍しても栄養価は変わらないので常備をおすすめします」(早川氏)
色々な野菜や果物が老化防止に役に立ちそうですね。
特に、かきやみかんやいちごはこれからが旬ですから、ちょっとだけでも摂り入れてみませんか?
2018.11.20.
老化と糖化③
皆さん、こんにちは^^
この週末は冬将軍が来るみたいですね。
しっかりと暖かくしてお過ごしください。
さて、今回も「老化と糖化」の3回目です。
実は、老けない飲みものもあるのです。牧田医師のおすすめは「ワイン」です。
「赤も白も、糖化と酸化を予防する成分が豊富に含まれています。糖質の少ない辛口のものがいい。特に赤のほうはレスベラトロールやケルセチン、カテキンといった成分が、AGEを抑えて動脈硬化を防ぎます。『人は血管から老いる』というように、血管を酸化させずサビから守ることは、若さを維持する秘訣。AGEが蓄積されると、血管も肌と同様に弾力やハリが失われて、硬くもろくなります。すると全身の細胞への酸素や栄養素の供給が滞り、見た目も老けていきます」(同前)
牧田医師自身は毎晩、夫人と二人でワインを一本飲み干すようですが、適量は「1日グラス1~2杯」です。
また、「ビール」(350ml)にも、赤ワイン(125ml)と同程度のポリフェノールが含まれ、体を老けさせない作用があります。
「ビールの原料の1つ、ホップに含まれるキサントフモールやビールの色素(メラノイジン)に、体内の酸化を防ぐ作用があるのです。ウイスキーや焼酎など、アルコール度数が高い飲みものは、活性酸素が肝臓の細胞を傷つけて体を老けさせてしまう可能性があります。私はアルコールで老化予防ならビールがおすすめ。普段の飲みものなら『緑茶』。ポリフェノールの1種、カテキンが体内の活性酸素を消去します」(森氏)
カテキンはAGEができるのを抑える効果があります。また緑茶には、抗酸化作用を持つビタミンA、C、Eも含まれています。
人の体内では「糖化と酸化は同時に起きる」(牧田医師)ため、糖化と酸化のどちらかを予防することが双方にいい影響を及ぼす、すなわち老化を遠ざけることになるのです。
ワイン、ビール、緑茶をどんどん楽しみましょう!
2018.11.13.
老化と糖化②
皆さん、こんにちは^^
朝晩の冷え込みきつくなってきて、昼も20度を切るくらいになりました。
まだ、半そでの私にはちょっと寒いですね。
さて、今回は、「老化と糖化」の2回目です。
ベストセラー『老けない人は何を食べているのか』(青春出版社)の著者で、日本抗加齢医学会指導士の森由香子氏は、抗酸化作用の強い食べものとして、秋が旬の「鮭」を一押ししています。
「鮭のピンク色のもとであるアスタキサンチンという天然色素に強力な抗酸化作用があります。その強さは、抗酸化の代名詞であるビタミンEの500~1000倍ともいわれています。DHAやEPAも豊富で、動脈硬化の予防にもなり、全身を若返らせてくれる食品といえます」と。
前出の牧田医師によると、アスタキサンチンは美肌効果も高く、化粧品などにも使われる成分なのだとか。ただし、似たような赤身の魚でもマグロやカツオには含まれていません。鮭の身やエビ、カニなど、熱すると鮮やかな赤色に変わるものに入っているのです。赤みの強いものほどアスタキサンチンがたくさん含まれています。
抗酸化物質には数多くの種類があり、それぞれ体内で働く場所が異なります。たとえばビタミンCは細胞膜の外側に、β―カロテンやビタミンEは細胞膜の内側に働きやすいのです。「偏らずに複数の抗酸化物質を摂ることで、より効果的に抗酸化作用を発揮します」と森氏。
その森氏が「毎日食べてほしい」と言う、もう一つのおすすめが「納豆」です。「美肌や美髪作りを促すにはビタミンB6だけでなく、B1、B2、ナイアシン、葉酸といったビタミンB群をまとめてたくさん摂る必要があります。その点、ダントツの優れものなのが納豆。ビタミンB群だけでなく、毛細血管の血行を促すビタミンEも豊富で、肌のためには最高の食材といえるでしょう。また、納豆は、肝機能も活発にしてくれます。肝臓は、アルコールやニコチンなどの有害物質を無害にしたり、体に必要な栄養素を蓄える大切な臓器。肝臓の機能が落ちると、肌をきれいに保つためのビタミン類などが体内に十分行き渡らなくなる恐れがあり、肌トラブルを引き起こす原因にもなります」(森氏)
さて、今晩は鮭と納豆で何を作りましょうか?
2018.11.05.
老化と糖化①
皆さん、こんにちは^^
2連休はどのように過ごされましたか?
全国的にも秋晴れで、非常に過ごしやすかったですね。
今年もあと2か月を切りました。
健康に気を付けて、頑張りましょう!
さて、今回からしばらく「老化と糖化」をテーマにしていきます。
老ける最大の要因は「酸化」と「糖化」。各組織の弾力性が失われ、サビつくのはこの二つが原因です。長年の研究によって、この2つの進行を防ぐ食材が数多くあることがわかってきました。それは鶏肉や鮭など意外に身近なものばかりです。
いくつになっても肌や髪がツヤツヤして、エネルギッシュな若々しい人がいます。一方で、年とともに体型が崩れ、しわが深く刻まれ、くたびれた雰囲気を漂わせる人もいます。見た目の老ける、老けないの差に、毎日の食べものが大きく影響することが近年の研究により明らかになってきました。
老化のメカニズムを38年にわたって研究し、食に関する著書を数多く持つ牧田善二医師が、老ける食べものワースト3に挙げるのは、「フランクフルトソーセージ、ベーコン、フライドポテト」。AGE(終末糖化産物)という悪玉物質が大量に含まれ、老化を促進させるのだそうです。
「老ける最大の要因は、酸化と糖化です。かつてのアンチエイジング医学では、体内に取り込んだ酸素の一部が活性酸素に変わる『酸化』が老化の元凶だと言われてきました。しかしそれと並んで現在では、『糖化』が注目されています」
糖化とは、食品に含まれるタンパク質や脂質が糖質と結びついて劣化する反応のことで、そのときAGEという老化を促進させる物質が発生します。たとえば唐揚げやステーキ、トーストなど、こんがりしたおいしそうな焼き色がつく時に糖化が起こり、AGEは生まれます。食事そのものにも含まれますし、体内で毎日少しずつ、化学反応によっても生まれます。また、関節や眼球、血管など、新陳代謝のスピードが遅い場所ほどAGEは蓄積しやすく、悪影響を及ぼします。たとえば肌の奥にAGEがたまっていくと、弾力性や柔軟性を保つコラーゲン線維の機能が低下し、硬い皮膚になったり、しわができやすくなります。肌が黄色っぽくくすんでくるのは、AGEが茶褐色の物質のためなのです。肌の中で起きるAGE発生は、20代後半から始まり、少しずつ蓄積されていくといわれています。
ただし大事なのは、老化のスピードは食事の内容によって変えられるということです。体内にAGEを蓄積させない、”若返りの食べもの”の代表格は「鶏肉」だそうです。最近の研究で、鶏肉に含まれるカルノシンという物質が酸化と糖化を強力に抑えることがわかってきました。
「渡り鳥が長い距離をノンストップで飛べるのは、運動によって大量に発生する活性酸素を消去してくれるカルノシンを持っているためと考えられます。パワーが持続するということは、すなわち老けないこととイコールです。人の体にも肝臓や筋肉に多く含まれていますが、年齢とともに減少してしまうので、外から補給することをおすすめします」(牧田医師)
また、鶏肉に含まれるビタミンB6は、体内でタンパク質と糖質が合成するのをブロックしたり、AGEが発生するプロセスを初期の段階で抑えてくれます。その強力な抗AGE力から”若返りのビタミン”とも呼ばれているのです。
最近流行の「サラダチキン」は、老化防止にもってこいのようですね。
2018.10.29.
耳鳴りは白髪と同じ
皆さん、こんにちは^^
すっかり秋の空気に包まれて、過ごしやすい季節になってきました。
ただ、寒暖差があるので、体調管理には十分注意してくださいね。
さて、今日のテーマは耳鳴りです。
国内で初めてとなる、耳鳴りの診療指針がまとまりました。耳鳴りの大半は、薬で治療をしても効果がなく、カウンセリングによって、耳鳴りとの付き合い方を支援することの重要性を強調する内容となっています。
耳鳴りは、多くは加齢に伴うもので、耳が遠くなる「難聴」の裏返しの現象のようです。耳が衰える一方で、脳の認知機能が音を拾おうとするために起きているのが耳鳴りという症状です。ある意味、白髪や薄毛のようなものなのです。人口の1~2割が経験しているとされていて、超高齢社会の訪れとともに、今後も増えていくとみられます。
しかし、残念ながら、加齢に伴う耳鳴りに特効薬はありません。「このまま耳が聞こえなくなるのではないのか」「頭がおかしくなりそうだ」といった悩みを抱えている人がいる一方で、そんなに気にしない人もいます。耳鳴りは個人の受け止め方次第で、苦しむ人と平気な人が出てきます。「まあ、年だから」くらいに受け止めて、気にしないで生活できるようになるということが耳鳴りと付き合う上で重要のようです。
疲れたり、ストレスがたまったりすると、人は身を守るため危機を早く察知しようと感度が上がります。このため耳鳴りもひどくなったり、気になったりします。自分の生活の環境やリズムを整えることだけでも、苦痛が和らげられる可能性があります。気になって眠れない場合には、音楽をかけたり一時的に睡眠薬を使ったりすることも考えられます。
加齢に伴う耳鳴りの多くは、両耳で徐々に現れてくるということが多いのです。こうした場合はほとんど心配ありません。片方の耳だけで急に耳鳴りがするようになった時などは注意が必要です。突発性難聴や、メニエール病、聴神経腫瘍などが隠れている場合もあります。まずは耳鼻科でしっかりとした検査をしてもらうことが大切です。
内容的には、ちょっとショッキングな内容ですが、あまり深刻に考えない方が良いのかもしれませんね。
2018.10.22.
魚と大動脈疾患
皆さん、こんにちは^^
突然ですが、さんまの美味しい季節ですよね。
今回は、そんな魚と大動脈疾患のお話です。
国立がん研究センターは、魚をほとんど食べない人で大動脈疾患(大動脈解離・大動脈瘤)による死亡が増加することを世界で初めて明らかにしたと発表しました。
大動脈疾患は、かつては日本での死亡率は高くありませんでしたが、高齢化に伴って近年やや増加しています。大動脈瘤が破裂、解離すると、医療が進んだ現代でも急速に死に至ることが多く、予防が重要です。同疾患は主に動脈硬化が基盤として生じることから、心筋梗塞と同様に魚に予防効果があると考えられていました。しかし、がんや脳卒中などに比べると症例が少なく、科学的エビデンスはほとんどありませんでした。
研究グループは、日本の8つの大規模研究から36万人以上を統合した解析を行い、日本人における魚摂取頻度と大動脈疾患死亡リスクとの関連を分析しました。それぞれの研究で使用している食習慣アンケート調査結果から、魚摂取頻度を、ほとんど食べない、月1~2回、週1~2回、週3~4回、ほとんど毎日の5つの群に分けました。循環器疾患の主なリスク要因を統計学的に調整した上で、ほとんど食べない群に対する他の群の大動脈疾患死亡リスクを算出し、その後、全ての結果を統合しました。
その結果、魚を週1~2回食べる群と比べ、ほとんど食べない群では、大動脈解離で死亡するリスクが2.5倍、大動脈瘤で2.0倍、これらをあわせた大動脈疾患全体では1.9倍高くなりました。一方、月に1~2回食べる群では、魚を週1~2回食べる群と比べて大動脈解離で死亡するリスクの上昇は見られませんでしたが、大動脈瘤で1.9倍とややリスクが上昇する傾向が見られました。また、週3~4回食べる群、ほとんど毎日食べる群では、リスクの大きさは変わらなかったようです。
今回の研究では、魚をほとんど食べないような非常に摂取頻度が少ない場合に、大動脈疾患で死亡するリスクが上がり、魚を摂取する機会が少なくとも月1~2回あれば、大動脈疾患で死亡するリスクは高くならないことが判明しました。このことから、魚の摂取が極端に少なくならないことが大動脈疾患死亡を予防するために重要だと考えられます。なお、魚の高摂取は心筋梗塞のリスクを低下させることがわかっているため、摂取が極端に少なくならないよう気をつけるだけでなく、より多く摂取していくことが循環器疾患予防につながると考えられます。
魚を全く食べない人は殆どいないと思いますが、2週間に1回は最低でも魚を食べる習慣を身に着けてくださいね。
2018.10.16.
昼食後の眠気
皆さん、こんにちは^^
季節はすっかり秋めいてきて、朝晩の冷え込みも徐々に進んできました。
当クリニックでは、まだインフルエンザの発生はありませんが、大阪でもチラホラ発生しているようです。
気を付けてくださいね。
さて、今回は昼食後に来る眠気についてです。
午後から大事な会議があるというのに、昼食後に襲ってくる眠気。コーヒーを飲もうが、体を動かそうが、なかなか眠気を振り払うことができないビジネスマンも多いことでしょう。ところで、どうして食後に眠気が襲ってくるのでしょうか?
昼食後に襲ってくる眠気は、「消化するために胃や腸に血流が集まり、脳に行く血流が減るので眠くなる」と言われています。でも、それに異を唱えているのが西野精治スタンフォード大学医学部精神科教授です。
西野教授は、「どんな状況であっても“脳への血流”は第一に確保されることがわかっています。14時ごろに眠くなるのは“アフタヌーンディップ”と呼ばれるヒト固有の生理機能です。ランチは食べても、抜いても、その後眠くなるのです」と、「ランチを食べたから眠くなるは誤解」であると解説しています。さらに、「ランチ後にやってくる眠気は、厳密にいうと“眠気”ではなく、満腹感からくる“気だるさ”」ということのようです。
睡眠については、1998~1999年に脳の覚醒と睡眠に関係する脳内神経伝達物質「オレキシン」が発見、それをきっかけに研究が進み、睡眠の謎が次々と解明されています。ところで、このオレキシンが発見されたのは、食欲を刺激する脳の中の「食欲中枢」という場所です。オレキシンが活発に働いているときには、脊髄動物の多くは覚醒し、オレキシンの働きが鈍ると睡眠状態に入ると考えられています。
たとえば野生動物は、お腹が空くとエサを確保しなければなりませんが、そのためには敵と戦う危険性もあります。身を守り、エサを確保するためには意識を最高潮に覚醒する必要が生じてきます。しかし、満腹になると意識を覚醒する必要がなくなりますから、オレキシンの活動が鈍って眠くなるというわけです。つまり、食後に眠くなるのは、野生動物時代の名残なのかもしれません。
また、空腹時には血液中の血糖値が低下してオレキシンが活性化しますが、満腹時には、血糖値が上昇し、オレキシンの活動が低下することも解明されています。つまり、満腹時と空腹時のオレキシンの活動状況を比べると、眠気は満腹時に襲ってくるようです。
睡眠、眠気のメカニズムについては、まだまだ謎が多いですが、“アフタヌーンディップ”と呼ばれる生理機能か、それとも野生動物の名残かは研究の成果を待つとして、午後に適度な仮眠タイムを採り入れることなども検討する必要がありそうですね。
2018.10.11.
インフルで8万人死亡
皆さん、こんにちは^^
秋雨前線の影響で、すかっとしない天気ですが、気温差が大きくなっていますので、体調には十分注意してくださいね。
昨日よりインフルエンザの予防接種を開始しておりますが、インフルエンザでのショッキングな出来事をお届けします。
昨年の冬(2017/18)のインフルエンザシーズンにインフルエンザによって命を落とした米国民は8万人と推定され、過去40年で最も死者数の多いシーズンとなったことを米国の公衆衛生当局が9月27日に明らかにしました。
昨シーズンには特に病原性が高い亜型であるH3N2インフルエンザウイルスが米国全土で猛威をふるい、米疾病対策センター(CDC)のデータでは死亡者数や入院者数が史上最多となりました。米公衆衛生局のAdams氏は「昨年はインフルエンザワクチンの接種率が低下し、インフルエンザに感染しやすい状態の人が多かったことも事態を悪化させた」と説明しました。
CDCの推計では、2017/18シーズンにはインフルエンザによる小児の死亡者数も180人と2012/13シーズンの171人を上回りました。Adams氏によると、死亡した小児の大多数はワクチンを接種していなかったといいます。
また、昨シーズンはインフルエンザによる入院者数も90万人と史上最多を記録し、病人で溢れかえった病院の様子がメディアでも報じられました。さらに、全ての年齢層で重症度の高さが記録された初めてのシーズンとなったのです。
しかし、インフルエンザによる打撃を受けたにもかかわらず、米国におけるワクチン接種率は2年前の59%から昨シーズンには57.9%と1.1ポイント低下。特に感染弱者であり、感染すると周囲にも感染が広がりやすい特定の年齢層で接種率が低下したことは状況を悪化させましたた。例えば、生後6カ月~4歳の乳幼児でも接種率の低下がみられましたが、「これらの年齢層の子どもは、それまで健康であったとしても病気になると重篤な合併症を発症しやすい」とAdams氏は指摘しています。また、「低年齢児が感染すると、免疫系の働きが低下した祖父母などの家族間や学校で感染が拡大する可能性もある」と説明しています。
昨シーズンは妊婦のワクチン接種率も低下しましたが、米マサチューセッツ総合病院のRiley氏は「妊婦は免疫が低下しているためインフルエンザに感染しやすい。また、妊娠中に高熱が続くと子どもに先天異常が起こる可能性が高まることが分かっている」と指摘しています。また、「6カ月未満の子どもにワクチンは接種できないが、妊婦がワクチンを接種すると胎児にも抗体が移行するため出生後に感染から守ることができる」と話し、妊婦に対しても積極的な接種を呼びかけています。
これは、あくまでもアメリカでのお話ですが、8万人といえば、2020年の東京五輪でメーンスタジアムに予定されている国立競技場の入場者数です。その人たちが、バタバタとお亡くなられることを想像するだけでもゾッとします。
他人の振り見て、我が振り直せではないですが、いかにインフルエンザの予防接種が重要であるかを理解いただけたと思います。
早目の接種を心掛けてくださいね。
2018.10.04.
来年の花粉予想
皆さん、こんにちは^^
台風25号の備えは十分ですか?
日本海を通る予想のため、関西は暴風域圏内ではないと思いますが、十分気を付けましょう。
さて、少し気が早いですが、来年の花粉予想が出たので、ご紹介します。
気象情報会社ウェザーニューズは10月1日、来年春は花粉(スギ、ヒノキ、北海道はシラカバ)が広い範囲で大量に飛散する恐れがあると発表しました。今年夏に「災害級」の猛暑となった影響もあり、同社は現時点で全国平均の飛散量は平年(2009~18年の平均)の約6割増と予想しています。
大量飛散が予想されるのは、東北南部、関東甲信、北陸、東海、近畿、山陰。山陽と九州北部は平年よりやや多く、北海道と東北北部、四国、九州南部は平年並みの予想。特に関東で飛散量が多く、埼玉県は約3倍、東京都、神奈川県、栃木県などは2倍以上とみています。
同社は独自の観測や花粉のもととなる雄花の生育状況調査などから飛散量を予想。猛暑で雄花の生育が活発だったことや、飛散量は隔年で増減を繰り返す傾向がある中で今年春が少なかったため、大量飛散を予想しているといいます。
飛散開始時期や飛散ピークについてまとめる「第二回花粉飛散傾向」は、12月上旬に発表される予定です。
花粉症も事前の内服治療による準備が重要なので、発表されたらまたご報告しますね。
2018.10.02.
夢のワクチン
皆さん、こんにちは^^
台風24号が過ぎたと思ったら、今度は25号。
ひっきりなしに台風が発生していますが、本日はからっとした秋晴れ。
貴重な快晴なので、有意義な午後をお過ごしください。
さて、昨日、インフルエンザ予防接種の開始をアップしましたが、本日はそれに関連した夢のようなお話です。
インフルエンザの予防接種で病院やクリニックを受診すると鼻水をすすり、くしゃみをする患者で溢れかえった待合室で呼ばれるのを待たなければなりません。しかし、代わりにパッチ型(皮膚に貼るタイプ)のインフルエンザワクチンを自宅に郵送してもらい、自分でワクチンを接種できる日は近く実現するかもしれません。
米感染症研究所のDarrick Carter氏らは、そのようなコンセプトで注射針を使用しない腕に貼る絆創膏状のワクチンを開発し、その予備的な臨床試験の結果を発表しました。Carter氏らは今回、病院を受診しなくても自分で接種できるように、パッチ型の新たなインフルエンザワクチンを開発しました。このパッチはマイクロニードルと呼ばれるごく微小の針を備え、これを通してワクチンが接種される仕組みになっています。同氏によれば、かすり傷や浅い傷を負うと皮膚表面の免疫システムが反応するメカニズムを応用することで、筋肉注射が不要となりました。また、ワクチン抗原には、別の企業から提供されたウイルス様の粒子を産生するようにリプログラミングされた植物細胞を用いまいした。
さらに、Carter氏らは、今回のワクチンに使用した効果増強のために添加されるアジュバントの液状製剤を、ワクチンとともにフェレットに投与する実験を行いました。その結果、1回のワクチン投与でフェレットを完全にインフルエンザ感染から守ることができたのです。
このパッチ型ワクチンの安全性を検証するために100人の健康な成人を対象に実施した臨床試験では、ワクチンの重大な副作用は認められず安全性が確認されました。また、この臨床試験はヒトにおける有効性の検証を目的としたものではありませんでしたが、ワクチン接種群では非接種群と比べてより強い免疫応答が示されたことが分かりました。
以上の結果を受けてCarter氏らは「このワクチンであれば郵送することもできるため、使用者は自分で皮膚に貼ってインフルエンザの感染から身を守ることができるだろう」と説明しています。
日本でいつ認可されるか分かりませんが、郵送は出来なくても、注射の嫌いな子供たちにも非常にメリットのある開発だと思います。
注射が好きな人なんていませんからね!早い実用化を期待しています!
2018.09.20.
ウォーキングにガム
皆さん、こんにちは^^
朝晩やや涼しくなってきて、ウォーキングにも最適な季節がやって来ました。
そこで、今回はウォーキングの効果をアップさせる方法をご紹介します。
ウオーキングの運動効果を高めるには、ガムを噛むとよいかもしれない。ガムを噛みながら歩くと、噛まなかった場合と比べて心拍数が増え、エネルギー消費量が増加する可能性があることが、早稲田大学スポーツ科学学術院の研究グループと株式会社ロッテの共同研究で分かりました。特に40歳以上の男性で高い運動効果が得られたということです。
ウオーキングは手軽に行える運動の一つとされ、広く一般に親しまれています。共同研究グループは今回、交感神経活動や心拍数、エネルギー消費量を増加させることが以前より報告されているガムの咀嚼に着目。健康な男女を対象に、歩行中のガムの咀嚼が身体機能や生理機能に与える影響について検討しました。
研究では、21~69歳の健康な男女46人を対象に、安静に1時間過ごしてもらった後に(1)ガムを噛みながら、あるいは(2)ガムベースのみを除いたガムと同じ成分の粉末を摂取後に何も噛まない状態で、自分のペースでウオーキングを15分間行ってもらいました。その際には心拍数と歩行距離、ケイデンス(ピッチ=歩数/時間)を計測し、歩行速度、歩数、歩幅、エネルギー消費量を算出しました。
その結果、ウオーキング中の心拍数は、ガムを噛みながら歩行すると、噛まなかった場合と比べて有意に3%増加することが分かりました。こうした心拍数の増加は男女ともに認められました(男性では2.1%増、女性では3.8%増)。特に、40歳以上の男性でガムを噛みながら歩行すると歩行距離(3.5%増)と歩行速度(3.5%増)、歩数のほか、エネルギー消費量が有意に2.5%増加したのです。
これらの結果から、研究グループは「ウオーキング中にガムを噛むことは、健康や体力づくりを目的とした歩行効果を高める可能性が示唆された」と結論づけています。研究グループによると、この結果について、ガムを噛むと心拍数が増大し、心拍リズムと運動リズムが同期する現象が生じて歩行距離や歩行速度、歩数といった身体機能が増大した可能性が考えられるということです。また、こうした心拍と運動のテンポが同期する現象は若年者よりも高齢者で起こりやすいことが分かっており、高齢者の健康維持に歩行中の咀嚼運動を活用することが期待されるとしています。
ガムはそんなに高価なものではないので、早速、ウォーキングに活用してみてはいかがでしょうか?
2018.09.11.
コーヒーに発癌性?
皆さん、こんにちは^^
台風が過ぎたというのに、秋雨前線の影響で各地大雨の被害が出ていますね。
朝晩も涼しくなってきて、このまま夏が終わるのでしょうか?
少し寂しい気もします。
さて、今回はコーヒーについての話題です。
少し前の話になりますが、米カリフォルニア州の裁判所は5月7日、同州内で販売されるコーヒーに発がん性を警告するラベルを貼るようコーヒーチェーン大手のスターバックスなどの販売業者に命じた判決を支持する判断を示しました。ロサンゼルス上級裁判所のバール裁判官は、非営利団体「有害物質に関する教育・研究協議会」がコーヒーを製造・販売する約90社を相手に起こした裁判における先の判決を最終的に確定したそうです。
バール裁判官はこの判断において、スターバックスやキューリグ・グリーン・マウンテン、ピーツ・オペレーティングなどの企業は、コーヒーを飲むことから得られる健康上の利益が、豆の焙煎時に生じる発がん性物質によるリスクを上回ることを証明できなかったと指摘しました。
有害物質に関する教育・研究協議会は2010年に、発がん性のある製品への警告表示を義務付ける法律に基づき、今回の訴訟を提起。同協議会の主張によると、ほとんどのコーヒーに含まれる化学物質アクリルアミドはカリフォルニア州において発がん性物質、または健康に有害な物質に規定されているということです。
被告側はコーヒーにアクリルアミドが含まれているという点では争う姿勢は示さなかったものの、アクリルアミドは健康上のリスクを引き起こすことのない、焙煎過程で自然に生じる副生物だと主張。コーヒーを飲むことの利益は発がん性物質によるリスクを上回ると訴えました。しかしバール裁判官は、健康に問題がないと考えられるアクリルアミドの最低量がどのくらいかを決める具体的な証拠を、被告側が提示しなかったと結論付けました。
セブンイレブンなど被告の一部は判決前に和解に応じ、コーヒーに発がん性の警告表示を決定していた一方、スターバックスなどは最終的な判断を裁判所に委ねていました。
これはあくまでカリフォルニア州の話ですが、日本にも飛び火してくるのでしょうか?
2018.08.17.
本当に「1人前」?
皆さん、こんにちは^^
お盆も終わりましたが、続々と台風がやってきて、本当に気候が変わったみたいですね。
台風が来ても残暑は厳しい模様。
以前は「夏バテ」で痩せる人が多かったですが、最近は夏でも体重が増える人が多いのです。
そこで、今回は少し食生活を見直してみましょう。
普段の食生活で、問題となってくるのが主食です。主食量を意識することで、カロリーや糖質量などに大きく違いが出てくるため、主食量についての分量をお話しする機会も多くあります。1回量を考えて食べている人も多くいると思いますが、そんな人たちでも気付かない落とし穴、「自分の1人前と外食での1人前の違い」があります。
一般的に、自宅などで食べる1人前に比べ、外食で提供される「1人前」は圧倒的に量が多くなっているのです。とくに主食(米飯、麺類、パン類)は顕著です。多くの人は、その落とし穴に気付かず、当たり前のように1人前として食べてしまい、知らないうちにバランスを崩している場合があります。また、外食での量の誘惑に負けてしまい、「ちょっと多いかな…」と思いつつ、食べる量が増えてしまうこともあります。
外食の中でも丼物、うどん、そばといった単品で急いで食べるメニューに特化し、外食の主食量をみてみましょう。牛丼並は、店によって320g、230gと設定が異なりますが、いずれにしても確実に家で食べる1膳(約150g)よりも多くなります。うどんやそばの場合も同様で、うどんは外食で420g、自宅で200gと約2倍、そばは外食で240g、自宅で170gと約1.4倍にもなるのです。
こうした丼物、麺類は「急いで食べる」シチュエーションで選ぶことが多いため、普段よりも多くの量を食べても満足感が低いことが多く、さらに「大盛り」を求める場合もあります。これを防ぐ最大の方法は、「ゆっくり食べること」なのですが、それを伝えても実行できない人のほうが多いのが実情です。
ここで食行動変化を起こさせるポイントは、「トッピングをすること」です。トッピングとしては、低カロリーでビタミンやミネラル食物繊維を含むネギやほうれん草、わかめ類、タンパク質が豊富な卵などがお薦めです。ご飯や麺の量を増やすのではなく、トッピングをすることで栄養バランスが整うほか、噛みごたえや食感の変化が生まれ、満足度を高めることができます。外食が多い人には、
「外食での主食は多く摂取しがちであること」
「せめて主食量だけは、家で食べている量を思い出して調整すること」
「丼や麺類は、トッピングをすること」
をポイントにすると、食行動が変わりやすくなりますよ。
2018.07.23.
救急医学会も緊急提言
皆さん、こんにちは^^
いやぁ~暑いです。
大阪でも10日連続の猛暑日。
埼玉県熊谷市では41.1℃の日本最高記録更新。
東京では22日の救急出動件数は3125件で、1日あたりの件数としては救急業務を始めた1936年以降で最多。
さらに、熱中症の疑いで今年搬送された人も22日までに計3544人となり、今の時点で昨年1年間の計3454人を超えたのです。
そんな中、救急医学会も緊急提言を発表しました。
特に子どもや高齢者は熱中症になりやすいとし、水分をこまめに取ることや涼しい場所への誘導、周囲が互いに注意し合うことなどを提言しています。横田裕行代表理事は「熱中症は怖いが、注意すれば防げる」と対策の徹底を求めています。
同学会の熱中症に関する委員会の清水敬樹委員長によると、勤務する東京都立多摩総合医療センターの救命救急センターでは今年は熱中症による救急搬送患者が多く、特に重症者が多いといいます。清水さんは「今年の熱波は未体験ゾーン。危機的状況にある」と語っています。
提言は、子どもは汗腺の発達や自律神経が未熟で体温調節機能が弱いと指摘。親や学校の教諭、部活動の監督などが見守り「いつもと様子が違う」と感じたら迅速に対応するよう求めています。集団生活の際は、最も弱った子どもを基準にすることが大事としています。
当クリニックでも熱中症と思われる方が、お越しになられます。
水分と塩分をしっかりと摂って、涼しいところで休んでください。
塩分はポカリやアクエリアスではなく、梅干し、塩昆布、味噌汁で。
なお、提言は同学会のホームページ(http://www.jaam.jp/index.htm)で公開しているので参考にしてくださいね。
2018.07.02.
熱中症は予防できる(再掲)
皆さん、こんにちは^^
関東では6月に梅雨明け、大阪でも枚方や八尾では猛暑日を記録。
先週末、地車も試験引きも何とか熱中症で倒れる人は出ませんでしたが、なりかけの方は何人かおられました。
東組総会でも話をさせていただきましたが、再度認識してほしいので、再掲します。
熱中症では、頭痛やだるさ、吐き気といった症状がでます。そして、体に熱がこもって体温が上がります。すると熱や脱水が原因で、血液中に炎症物質が増えてしまいます。この炎症物質が頭痛の原因です。熱と脱水が頭痛の原因なので、ロキソニンやバファリンのような頭痛薬を飲むだけでは、効果は十分に得られません。体を冷やして水分補給をすることが一番の治療になります。
また、「日曜日に炎天下でスポーツをした。その後からぐったりとしてしまい病院へ。熱中症と言われて点滴をしたけれど、水曜日になってもまだ頭痛が続いていて…。頭以外は大丈夫なんですが…」
これは熱中症としては、典型的なパターンです。熱中症は、よく食べよく寝て、一晩たてばすっきり治るという病気ではありません。水分補給を正しくしても、体内のバランスが整い切るまでには数日間のズレがあります。それが原因で、治療をしてから何日も頭痛やだるさが続いてしまうのです。この症状が続いている最中は、体が特に熱中症に弱い状態です。辛い間に無理をして、2回目の熱中症にならないようぜひ注意してください。
さて、熱中症では、具合の悪さを3段階に分けて表現することになっています。
1度:めまい、立ちくらみ、吐き気、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)
2度:頭痛、嘔吐、だるさ、脱力感、集中力や判断力の低下
3度:意識や反応が低下する、全身がけいれんする
1度が軽症、3度が重症です。このうち、1度はその場で対処可能ですが、2度以上は医療機関の受診が必要となります。頭痛は2度の熱中症の目安になるので、頭痛が目立つときは無理をせず病院に行ってください。
次に、軽い熱中症(1度の熱中症)に対する応急処置としては、以下点にまず気をつけます。
○直射日光を避ける
○風通しの良い場所、または、冷房の効いた室内へ移動する
○太い血管がある場所(首、脇の下、足の付け根)を冷やす
○休んだ後に、水分と塩分を十分にとる
体を冷やすときは血管の近くを冷やすと、体の表面だけでなく体全体を効率良く冷やすことができます。また、クーラーだけでなく扇風機も有効です。冷たい風を送るだけでなく、体の表面の汗が蒸発する際に体の熱も一緒に逃がしてくれるためです。
前述しましたが、熱中症の原因は、大きく3つあります。
1.体温の上昇
2.脱水
3.ミネラル(特に塩分)の不足
しかし「水と塩をこまめに!」と言われても、量が分かりにくいですよね。量の目安を説明します。
まず水分です。暑い日に運動していたら、ペットボトル1本や2本では全く足りません。中高生が炎天下で1日部活動をするようなときには、4~5リットルと必要な場合もあります。頭痛がするほどなら水不足の可能性が大きいです。
水分が不足しているサインは2つあります。
1.尿が出ない
2.脈が早い
たとえば半日のスポーツや作業あたり、一度も尿が出ないというのは、水分が不足している証拠です。十分に水分摂取ができている場合には、2~4時間に1回は尿が出ます。尿の回数が少なければ、増えるまで水分を補給してください。
脈拍も大事です。普段なかなか脈拍を測る習慣はないとおもいますが、「熱中症かな?」と思ったら、運動をやめて休んだあとの脈拍を測ってみてください。1分間測って、おおまかな目安は次のようになります。
○50-90回:正常範囲内です。それでもだるさや吐き気がある場合は熱中症の可能性があります
○90回:脱水気味で、熱中症が疑われます
○100回以上:本格的な脱水です。
水分についてまとめると、
○運動量によって飲むべき量は変わる
○炎天下で運動していたら、500ml のペットボトル1本や2本では足りない
○どれだけ飲むべきかは、「尿が2~4時間に1回出る程度」または、「脈拍が1分間に90回未満になる程度」が目安と言えます。
また、熱中症で忘れられがちなのが塩分です。水分摂取に気をつける方は多いのですが、汗の中には水だけでなく塩分も含まれています。熱中症で足がつったり、頭がぼーっとしたりする場合には、塩分が足りないという可能性に注意が必要です。
「塩分が大事だから、お茶じゃなくてスポーツドリンクを飲もう」
そう思う方もいるかもしれません。しかし、スポーツドリンクに含まれている塩分は微々たるもので、スポーツドリンクだけで熱中症を防ぐことはできません。スポーツドリンク(500ml)を1本飲むよりも、コンビニのおにぎりを一つ食べる方が効果的です。味噌汁やおかずであれば、もっと多くの塩分が含まれています。塩分を摂るならば、水分よりも食事が大切です。含まれている塩分量が大きく違うためです。
さて、最後に、塩分の目安を確認してみましょう。
1リットルの汗をかくごとに、塩分はおよそ1グラム失われます。
炎天下で、3リットルの汗をかいた場合
○ポカリスエットなら2リットル
○アクエリアスなら3リットル
○塩飴なら15個
○味噌汁なら2杯
○梅干しなら1個半
この量で、ちょうど失った塩分(3グラム分)が補給できる計算になります。朝に味噌汁を1~2杯飲むだけで、効率良い塩分補給になることが分かります。
熱中症は予防できる病気です。
「水と塩をとる」ことは知っていても、どのくらいとったらいいかはよく知られていません。また、どんなに完璧なスケジュールで食事・水分を摂っても、休憩なしで炎天下で運動していたら、やはり熱中症になってしまいます。
最後にまとめです。
○熱中症の頭痛は要注意。頭痛薬ではなく水分・塩分補給が一番の治療
○水分摂取は「尿が2~4時間に1回出る程度」または、「脈拍が1分間に90回未満になる程度」が目安
○塩分摂取はドリンクよりも食事。運動前後ではしっかり食事を摂る
○運動中は2時間に1回(以上)を目安に休憩をする
これらを心がけるだけで、熱中症の発症率は下がります。頭痛がして「熱中症かな?」と感じた方は、まず部屋を涼しくして、水分と塩分を補給してみてください。暑さのピークの季節が過ぎるまでは、「スポーツドリンクを飲んでおけばなんとかなる」というのではなく、ぜひ上記の目安を意識してみてください。
2018.06.21.
虫刺されにご用心
皆さん、こんにちは^^
関西は梅雨の合間の晴れ間です。
昨日は大地震の後の激しい雨で心配していましたが、2次災害はなかったようですね。
さて、今回は暑い日も増えてきたので、虫刺されの話題です。
気温の上がる季節を迎えると、気になるのが虫刺されです。注意が必要なのは、蚊だけではありません。重症化することもあり、正しい情報と予防法を知ることが大切です。
蚊やブユは人の肌に止まり、血を吸う時に血液が固まるのを防ぐ唾液腺物質を注入します。人の体がこの物質を異物として認識し、アレルギー反応が起きるのに伴い、刺された部位がかゆくなったり赤くなったりします。
ハチは腹部の毒針から毒液を注入します。毒液には、痛みやアレルギーの原因となる物質が含まれています。
ドクガの幼虫が持つ毒針毛が皮膚に触れて刺さると、ひどいブツブツができます。
蚊のアレルギー反応には、「即時型」と「遅延型」があります。即時型は刺された直後~15分でかゆみが出て、1~2時間で治まります。個人差はありますが、大人に多くみられます。遅延型は刺されてから、1~2日後にかゆくなったり炎症が起きたりします。激しいかゆみが続くこともあり、子供に多くみられます。青年の頃は、両方の型がみられることが多く、直後のかゆみが治まった翌日から再び症状が出たりします。高齢になると、反応が出ない人もいます。まれに1日以内に38度以上の高熱が出て、皮膚に潰瘍ができることもあります。「 蚊刺過敏症 」という症状で、EBウイルスが原因とされています。
ブユに刺された場合は、多くは遅延型です。
ハチは初めて刺された場合、痛みは1~2時間で治まりますが、2回目以降は呼吸困難や意識消失などが出て、激しいアレルギー症状で死に至ることもあるので、注意が必要です。
市販の塗り薬の主な成分は2種類です。抗ヒスタミン剤は、かゆみを抑える一方、炎症を抑える効果は少ないです。一方、ステロイド剤は、効果が高く、かゆみとともに皮膚の炎症も抑えてくれます。軽い症状は市販薬で改善しますが、炎症がひどい場合は病院を受診しましょう。
ハチやブユに刺された場合は、毒を器具などで吸い出して患部を冷やし、激しいアレルギー症状が出た場合は救急車を呼びます。
ドクガに触れた時は粘着テープを貼って、毒針毛を取り除きます。
マダニは無理に除去すると体の一部が残るので、ピンセットで慎重に取り除くほか、病院で局所麻酔をして皮膚ごと切り取ることもあります。
予防するには、当たり前ですが、草むらや野山で肌の露出を避ける服装を心がけましょう。ハチは黒いものを攻撃するので注意が必要です。
また、虫刺されを防ぐため、「ディート」や「イカリジン」といった成分が配合された虫よけ剤が販売されています。国内では2014年にデング熱が感染拡大したことなどから、国が濃度を高めた製品の販売を認め、効果が長持ちするものも登場しました。ただし、ディートには生後6か月未満の乳児には使用しないなどの制限があるので注意が必要です。
2018.05.29.
五月病
皆さん、こんにちは^^
いよいよ梅雨の時期が近づいてきましたね。蒸し暑いです。
もうすぐ6月ですが、今回は五月病のお話です。
日本人にとって、春は別れと出会いの季節。誰しも、何かしら環境の変化を経験することが多いのです。学生は卒業、入学、進級、クラス替え、新しい友達、新しい先生。社会人は異動・転勤、入社、新しい同僚・上司あるいは部下に新しい仕事。家庭の主婦も、ご主人の転勤などに伴う引っ越しや子供の進級・進学、新しいご近所さんに新しい保護者。慌ただしく3月、4月が過ぎ、5月になって新しい環境にもなじんできたと感じるころ、連休あたりから心身の不調を感じる人が増えてきます。いわゆる「五月病」です。
「五月病」は、ご存じのとおり正式な病名ではありません。新しい環境や秩序への適応が困難になることによって起こるさまざまな症状を総称したもので、5月に特徴的に現れやすいことからこのように呼ばれています。「五月病」の歴史は、実は古く、今から50年前の1968年に初めて報告され、この年の流行語にもなったそうです。もともとは、主に大学の新入生が、5月の連休明けごろに一過性に虚脱感、無気力、抑うつ感などを呈する状態を指す言葉でした。
その後、「五月病」という言葉が一般に広まっていくと、むしろ大学生に対して使われることは少なくなり、新入社員、異動など職場環境の変化にさらされたサラリーマン、さらには子供まで、幅広く用いられるようになりました。新入社員の場合は、3ヵ月程度研修があるため、6月ごろに調子が悪くなり、不安や抑うつが顕在化することが多いといわれ、「六月病」とも呼ばれることもあります。
社会人1年目にメンタルの調子が悪くなるのは、サラリーマンに限ったことではありません。医師にとっても、初期研修の時期が最も強いストレスを感じている時期とされています。では、どのくらいの研修医が抑うつ状態となっているのでしょうか。
全国の臨床研修病院250施設において、2011年度採用の研修医1,753名を対象にアンケート調査が行われています。このうち4月のオリエンテーション時と研修開始3ヵ月後の6月末の2回のアンケートに両方とも回答があり、抑うつ状態を評価する項目に欠損のない1,238名を対象とした解析において、研修開始3ヵ月後に新たに抑うつ状態を呈した研修医の割合は19.6%でした。臨床研修制度が導入された2004年度調査時の25.2%に比べると有意に減少しているものの、依然として約5人に1人が抑うつ状態を発症していました。研修開始前から抑うつ状態にあった研修医を含めると、研修開始3ヵ月後の抑うつ状態率は30.5%となりました。
5~6月に抑うつ状態になってしまった場合、周囲との人間関係ができ、適応に時間をかけるうちに、自然と改善していくことが多いとされています。しかし、抑うつ気分、興味や喜びの喪失が1ヵ月以上続くようであれば、積極的にうつ病を疑い対応することが望まれます。
2018.05.22.
野菜ジュース
皆さん、こんにちは^^
今日の大阪は予想気温29℃でした。
昼間にちょっと買い物に歩いて出たのですが、すでに汗ダラダラです。
暑いのは好きなのですが、汗かきにとってはつらい季節でもあります。
さて、今日の話題は皆さんも飲まれている野菜ジュースについてのお話です。
皆さん、市販の「野菜ジュース」はお好きですか?
市販のものには、トマトジュースのように単品野菜で作られたものや、複数の野菜で作られた100%のもの、それに野菜汁と果物果汁がそれぞれ50%ずつのものなど、さまざまな種類があります。
「なかなか野菜を取れないので、代わりに野菜ジュースをよく飲んでいます。それでよいでしょうか?」
よくこんな質問をされます。栄養を取り入れるためにおなかに穴をあける「胃ろう」から野菜ジュースを注入している人もいます。野菜不足を気にして、野菜ジュースを飲んでいる医療関係者もよく見かけます。
結論から言うと、野菜ジュースは「野菜の代わり」にはなりません。その理由を、簡単に解説していきます。
一日の野菜の摂取量の目安が350gとされているのは、皆さんご存じの通りです。野菜350gは、「量」だけでなくその「質」が大切です。レタスを350g食べたとしても栄養的に十分ではありません。ニンジン、ホウレンソウ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜と、キャベツ、レタス、タマネギなどの淡色野菜を約半量ずつ、これに食物繊維の豊富な根菜、海藻、キノコ類をプラスすれば、ビタミンやミネラル類、食物繊維などを満遍なく取れます。
この「野菜350g」を、すべてミキサーにかけてスムージーにすれば、「野菜そのもの」ですが、市販のジュースの中には「野菜350gに含まれる栄養素量」に見合うように、乳酸カルシウムや塩化マグネシウムなどを添加して栄養素を補っているものがあります。ですから、これらのジュースは「野菜の代わり」ではなく、「野菜汁入りサプリメントドリンク」なのです。
もう一つ市販の野菜ジュースの栄養成分表示を見て気になるのは、栄養素の含有量の幅がかなり広いことです。ある野菜ジュースは、1本あたりのビタミンCが60~134mgとなっています。もしこれが最少量の60mgであった場合、「野菜の代わり」にするにはやや少ないのです。
また、野菜には旬があります。夏のホウレンソウと冬のホウレンソウでは、ビタミンCの含有量が違います。ゆでたもの100gあたりで計算すると、夏のものは10mgですが,冬のものは30mgにもなります。このように季節によって栄養素の含有量が変わるため、ジュースの栄養成分を一定に保つことは不可能です。
大半の定番野菜は、最近は1年中販売されていますが、旬のものはやはり栄養価も高く、たくさん出回るために価格も安くなります。私たちは、それらの中から、「今一番おいしくて、栄養価があって、安い野菜」を350g選べばよいのです。
最近、野菜の値段もやや落ち着いてきましたが、とにかく旬の野菜を中心に摂っていれば、「野菜350g」のハードルはグッと下がりますからね。
2018.05.14.
はしかの拡大
皆さん、こんにちは^^
昨日までの雨とうってかわって、温かい日でした。
今週は穏やかな日が続きそうですね。
さて、今回の話題は「はしかの拡大」です。
以前のブログでも紹介しましたが、沖縄県で3月下旬、海外からの観光客から麻疹(はしか)が広がり、愛知や東京でも感染者が見つかりました。全国各地で不安が広がっており、今年の患者数は、全国で累計120人以上に上ります。
麻疹の特徴は、感染から約10日後、風邪のような症状で2~3日熱が出て、その後、全身に発疹が現れ、高熱が数日続きます。肺炎や中耳炎を合併することもあり、まれに脳炎を発症するケースもあります。先進国でも1000人に1人の割合で亡くなるとされています。
感染経路は、咳やくしゃみなどの飛沫からだけではなく、ウイルスが浮遊した空気を吸い込むことでも感染します。マスクを装着しても防げません。特に風邪のような症状の時は最も感染力が強いといわれています。
唯一の予防策はワクチン接種です。1回では約5%の人に免疫がつかないため、2回接種することが推奨されています。免疫があるかどうかは、採血による「抗体検査」で調べられますが、判明するのに約1週間かかります。しかし、現在は今回の麻疹の流行で、検査薬が不足しており、当クリニックでも検査を受けることはできません。
1990年4月2日以降に生まれた人はワクチンを2回打っている可能性がありますが、それ以前の生まれで、麻疹にかかっていない人は、免疫が十分でない可能性があります。ワクチン接種が1回以下の人は打つことを勧めます。ただし、妊婦は接種できません。また、免疫がつくのには、約2週間かかります。
ワクチンは当クリニックでも接種できますが、予約が必要です。定期接種の対象でなければ全額自己負担で、麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)で7,500円(税抜き)です。
不安な方はお早めにご予約を。
2018.05.10.
ドライマウス
皆さん、こんにちは^^
今年も今日で130日目。1/3以上が過ぎてしまいました。
早いものですね。あっという間に夏祭りですよ。
さて、本日はドライマウスのお話です。
加齢とともに唾液の分泌が減り、口の乾きが長く続く「ドライマウス」になりやすくなります。ドライマウスは虫歯や歯周病を悪化させる原因にもなり、若い頃とは違う口腔ケアが必要です。
唾液を出す唾液腺は3種類あります。耳の前あたりにある耳下腺、顎関節の内側にある顎下腺、舌の真下にある舌下腺です。
唾液腺の機能は、加齢につれて低下し、唾液が十分に出なくなります。唾液は口中のpHバランスを整えたり、殺菌したりする作用があり、唾液が減ると、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
唾液は食べ物をかむことで出やすくなりますが、高齢者は歯に問題を抱え、かむことがおろそかになって唾液がでにくいこともあります。持病の薬の副作用で口が乾くケースもみられます。
唾液の分泌を促すにはどうすればよいでしょうか。「手軽にできる唾液腺マッサージがお勧めです」と高齢者の歯の健康増進を促す公益財団法人8020推進財団の専務理事さん。
三つの唾液腺は、それぞれマッサージのコツがあるそうです。耳下腺は左右の上の奥歯あたりのほおに指をあて、後ろから前に円を描くように10回刺激します。顎下腺は顎のカーブの内側を耳の下から顎の先にかけて左右5か所ほど場所を変えて各5回ずつ押します。舌下腺は両親指をそろえて顎の真下を10回刺激します。
舌の運動も効果的で、前に3回大きく出す、左右に大きく3往復する、唇をなめるように舌先で3回円を描きます。
アメをなめるのもいいでしょう。最近はドライマウス対策のアメも出ています。アサヒグループ食品の新商品「うるおいキャンディ」はノンシュガーで、pHバランスを保つよう酸性とアルカリ性の2層構造になっているそうです。
口腔ケアを十分に行うには「かかりつけ歯科医を持つことが大切」と専務理事さん。各地の保健センターや歯科医師会で、シニアの口腔ケアに力を入れている歯科医などの情報が入手できるのです。虫歯などがなくても、年2~3回は歯科を受診し、歯石などをきれいに取り除くことが望ましいようです。
とは言うものの、なかなか歯科受診もできない方も多いはず。
しっかりとした歯磨きと、上記のマッサージが実用的かもしれませんね。
2018.04.27.
麻雀の論文
皆さん、こんにちは^^
前回書いたはしかの件ですが、愛知県でも8人かかっているようですね。
十分注意してくださいね。
さて、今回は非常に珍しい麻雀の論文についてお届けします。
私は医学生の頃、よく友達と徹夜で麻雀を打っていました。も、も、も、も、もちろん、お金なんて1円も賭けていない、健康麻雀ですよッ!
麻雀は現在では全自動卓が当たり前になっていますが、安くても数十万円するあんな大きなモノが学生に買えるはずがなく、仲間内では“手積み”でプレイするのが一般的でしょう。
かの有名な「Lancet」に、麻雀の論文があることをご存じでしょうか。これは、麻雀の本場である中国から投稿された短報です。
2009年、左下肢痛を訴えた40歳女性が来院しました。下肢は赤くパンパンに腫脹していました。問診してみると、どうやら彼女は連続8時間も麻雀に興じており、なんとその間ほとんど水分を摂らなかったというのです。
下肢エコーを見てみると、見事なドデカイ深部静脈血栓症があるではありませんか。経口避妊薬を常用しており、もともと多少なりとも血栓症があったのかもしれませんが、8時間に及ぶ死闘が引き金になったのは確かなようです。
あまりにひどかったので、入院して低分子ヘパリンで治療が施されました。その後、リハビリなどを経て、無事2ヵ月後に退院したそうです。
麻雀は、全自動卓でないと、1局あたり1時間に及ぶこともあります。その間、足を動かさずにじっとしているわけですから、ほとんどエコノミークラス症候群と同じ状況です。麻雀の対局中は、立ち上がって対戦者の手牌をのぞき込むわけにはいきませんので、ふくらはぎを揉んだり足を動かしたり、工夫をしないといけないかもしれませんね。熱中して、水分を摂るのを忘れないようにしたいものです。
ちなみに長時間の麻雀は痙攣のリスクもあると報告されています。てんかんの既往がある人は注意したほうがよいかもしれません。
というわけで、麻雀に熱中している皆さん、気を付けくださいね!
2018.04.06.
初体験
皆さん、こんにちは^^
日曜日はフェスタですが、何とかお天気は回復しそうです。
やはり、日頃の行いでしょうか^^
ポスター以外にも、いろいろな方が参加される予定なので、最新情報は平野東ふれあいフェスタ公式facebookでご確認ください。
さて、今回の話題は初体験のお話です。
初体験といえば何となく意味深な言葉に聞こえますが、、、
真面目なお話です。
3月27日頃から左前胸部に3か所、プツッとした(何かに噛まれたような)小水疱で周りが赤くて、痒みを感じていました。その前の週末に公園に行ったので、何か虫にでも噛まれたのかなと思い、それなりの軟膏を塗っていたのです。
通常であれば、2~3日で軽快したり、治癒したりするのですが、なかなか治りません。
おかしいなと思いながらも同様の治療を続けていると、4月2日の風呂上りに見つけてしまったのです。更に背部にかけて同様の赤い湿疹様のものが更に3か所出現しているのを。
私は確定診断を下しました。その診断は、
「帯状疱疹」
さっそく抗ウイルス薬の内服を開始しました。
更に、4月4日からは、シャツが擦れるとピリピリとした痛みが出現しました。そして、時間がたつとその赤くなった部位に沿った肋間神経に鈍い痛みを感じるようになりました。
またまた確定診断が下りました。
「帯状疱疹後神経痛」
ということで、リリカという薬も開始しました。帯状疱疹後となっていますが、帯状疱疹が完治する前に痛みを感じたらできるだけ早く内服を開始した方が、痛みが残りにくいと言われているのです。
この帯状疱疹後神経痛は、非常に厄介で、長い方だと1年位長引くこともあるのです。
帯状疱疹は、子供の時にかかった水疱瘡のウイルスが神経節に潜伏しつづけ、大人になってストレスや過労によって免疫力が低下するとムクムクっと起き上がって悪さをするのです。
今回は本当の早期に治療を開始したので、今のところ順調に推移していますが、放置すれば水疱が形成され、皮膚のただれ、夜も眠れないほどの痛みが出現したりするのです。
特に高齢者の方は重症化する可能性があるの、十分注意してください。
以上、私の帯状疱疹の初体験のお話でした。
2018.04.04.
シムビコートが効かない②
皆さん、こんにちは^^
本日、4月4日って何の日か知ってましたか?
おかまちゃんの日なんだそうです。
3月3日が女の子の日で、5月5日が男の子の日だからだそうです。
と、関係のない話でしたが、本日もシムビコートが効かなかったお話です。
1か月以上続く咳で来院された20歳代の男性。
呼吸音は正常、強制呼気でも呼吸音正常。
呼気NOは56と好酸球性炎症は高い状態。
アレルギー歴は特になし。
胸部レントゲンでも特に異常を認めませんでした。
やはり、咳喘息の診断のもと、シムビコート等を処方し、吸入の仕方も説明し、1週間後に来院を勧めました。
そして、1週間後、その男性が来院されました。
咳の具合を聞くと「ほとんど変わりません」との返答。
???と思いましたが、同じ処方でもう2週間頑張りましょうと励ましました。
看護師さんが待合で待つ男性に薬を持っていくと、何やら話し声が。
その後、看護師さんが「先生、吸入の方法を再度説明してください」と。
???と思いましたが、いつも通り「」右に回して、左に戻してカチッと音がしたら、吸いましょう」と説明すると、その男性は「逆にしてました」と。
つまり、左に回してカチッと音がしてから、右に回して、吸っていたようです。
薬がセットされてないのですから、そりゃ効かないでしょう。
改めてデバイスの説明の重要性を感じたのでした。
その患者さんは、2週間後、だいぶ良くなりましたと来院されました。
めでたし、めでたし。
2018.03.29.
シムビコートが効かない①
皆さん、こんにちは^^
すっかり春ですね。平野公園の桜も満開です。
花見したいですね!
さて、今回は私が最も信頼している薬の一つである「シムビコート」のお話です。
風邪の後の長引く咳で来院された30歳代の女性。
以前から同様な症状を繰り返されて、色々な病院を回り、気管支喘息や逆流性食道炎や咳喘息等の診断のもと、治療されていました。
待合でもかなり咳き込まれている様子。
呼吸音は正常、強制呼気でも呼吸音正常。
呼気NOは26と微妙な数字。
アレルギー歴は花粉症かな?程度。
お薬手帳を見ると、モンテルカスト(シングレア)とシムビコートが処方されていました。
「シムビコートでよく効きませんでしたか?」と質問すると、
「ほとんど効きませんでした。先生(前医)はよく効くからって言ってたんですけど。。。」
おかしいなぁ?と思いましたが、やはり咳喘息の診断のもと、気管支を広げるテープ、アレルギーを抑える薬と、上皮を修復して痰の切れを良くする薬と、吸入のシムビコートの説明に入りました。
「帰ったらすぐ2吸入、寝る前にも2吸入、そして明日からは定期的に朝2吸入夜2吸入してください。それでも途中で咳き込むようなことがあったら、屯服として追加で吸入してください。ただし、1日8吸入までで。」と、当たり前の説明を終えると、その患者さんは、
「こんな話は一切聞いていませんでした。ただ単に、吸入してとしか聞いていませんでした。」と。
なんとも勿体ない話です。せっかくのシムビコートの特徴であるSMART(Symbicort Maintenannce & Reliever Therapy)療法の説明が一切されていなかったのです。しかも、低用量の朝1吸入夜1吸入のみ。
説明に納得されたその患者さんは、1週間後にやってきました。
「先生、とっても良くなりました!」
めでたし、めでたし。
2018.03.19.
快便のコツ
皆さん、こんにちは^^
三寒四温といいますが、春が近づいている証拠でしょうか。
フェスタまであと3週間。
お天気が気になる今日この頃です。
さて、今回の話題は、快便のコツについてです。
背筋がスッと伸びた姿勢は美しく、賢く見えます。
しかし、洋式トイレでおなかに力を入れる時は、フランスの彫刻家・ロダン作のブロンズ像「考える人」のような前傾姿勢が良いらしいのです。
その理由を明らかにしたのは大腸肛門病センター高野病院(熊本市)の副院長さん。米国の病院で、排便困難を訴える患者約50人を対象に研究したそうです。
小麦粉とバリウムで作った疑似便を排せつしてもらうと22人は背筋を伸ばした姿勢では排泄できませんでしたが、うち11人は前傾姿勢で完全に排泄できました。この検査中にエックス線写真を撮り、直腸や肛門の様子を詳細に分析した結果、前傾姿勢になると直腸から肛門につながる便の通り道が真っすぐになり、排便しやすくなることが分かったのです。副院長は「直腸の下部は、安静時は恥骨直腸筋という筋肉に引っ張られて曲がり、便が出にくくなっている。おなかに力を入れると、この筋肉が緩んで便が出やすくなる。この筋肉は前傾姿勢でも緩みやすくなることが分かった」ということです。
洋式トイレに座り、両肘を両膝の近くに置くと、ちょうど良い前傾姿勢になります。「考える人」をまねてほおづえをつく必要はありませんよ。和式トイレでは自然と前傾姿勢になりますが、洋式トイレでは意識して前傾にすることが大切なようです。
また、床にしっかりと足をつけることも重要。便器に座ると足がブラブラする子どもは、足置きの台を使うと排便しやすくなります。台は大人にも有効のようで、高野さんは「高さ15~20センチの台に足をのせて前傾すると、さらに排便しやすくなる人もいる」と語っています。
排便に違和感のある方は、是非お試しくださいね。
2018.03.12.
今年の花粉症
皆さん、こんにちは^^
今週前半は春の陽気になりそうですが、一部の方にはつらい時期でもあります。
鼻水、くしゃみ、目のかゆみ。
そうです。あの季節です。
今や日本人の国民病ともいえる「花粉症」の季節がまたやって来ました。
日本気象協会の発表によると、関東地方の一部では早くも1月23日に花粉の飛散が確認されており、広い範囲で昨シーズンの飛散量を上回る見込みだそうです。すでに首都圏の耳鼻咽喉科には数多くの患者が訪れており、昨シーズンに比べ深刻な症状を訴えるケースも少なくありません。
その一因として考えられるのは、昨年末から今年にかけて猛威を振るったインフルエンザの影響です。
今年は患者さんの数も増えていますし、例年に比べて症状がひどい方が多いようです。インフルエンザや風邪が完治しておらず、それに伴う様々な症状を抱えているのに、間髪入れずにスギ花粉の飛散が増えてきてしまったことが理由として考えられます。免疫力が低下している時はアレルギー症状も強く出るので、タイミングが悪いとしか言いようがありません。
花粉の出所であるスギやヒノキの生育には、前年の6月から8月頃にかけての気象条件が大きく影響するとされています。その時期に気温が高く、日照時間が多く、降雨量が少ないと花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散量が増加するのです。日本気象協会は北海道、九州を除く広範囲で、昨シーズン比で「非常に多い」「多い」「やや多い」飛散量を予想しています。福岡はすでにスギ花粉の飛散量のピークを迎えていますが、高松、広島、大阪、名古屋は3月上旬〜中旬にピークを迎える見込みです。
ストレスが多い方や不眠が続いている方などは症状が強く出ることも多いので、よく食べ、よく眠り、よく運動をするなど、人間が基本的に必要としている行動を取ることが症状の抑制に効果的です。
そのうえで花粉の飛散予報に従い、防護していただければと思います。花粉対策に王道なしです。皆さま、ご自愛を。
2018.03.05.
更年期障害とトマトジュース
皆さん、こんにちは^^
あっという間に2月も終わり、3月ですね。
昨日は大阪も21度で、初夏を思わせる温かさでした。
また、正式には発表しますが、第6回平野東ふれあいフェスタを4月8日(日)に開催します。
詳細はまた掲載しますが、平野東ふれあいフェスタ公式facebookもご覧ください。
さて、今回の話題は更年期障害とトマトジュースの話題です。
更年期障害は、ホルモンや自律神経のバランスが崩れることにより、ほてりや倦怠感、不眠といった症状が起こる状態です。今回の研究では、中年女性の更年期障害による症状を改善する飲み物として、トマトジュースの効果を検証しました。
今回の研究は、更年期障害の症状をひとつでも発症している93人の中年女性を対象としました。対象は、無塩のトマトジュースを8週間1日2回(1回200ml)飲み、その後の更年期障害の症状や血液検査値の変化を分析しました。
その結果、①更年期障害の症状、②不安症状、③中性脂肪値(開始時に中性脂肪の値が150mg/dl以上の女性のみ)の3指標が研究の4週間、8週間時点で、開始時と比較して統計的に有意に改善していました。
トマトジュースは、リコピンという成分が多く含まれており、動脈硬化を防ぐ可能性があることは比較的知られています。その他にも、上記のような効果もあるのかもしれません。
ただし、今回の研究は、全員がトマトジュースを飲み、その後の変化を追跡したものです。ですから今回は、トマトジュース以外の生活習慣や自然の経過が影響していることを否定できませんので、その点についても留意する必要があります。
でも、更年期かなと感じたらトマトジュースを試してみるのもいいかもしれませんね。
2018.02.19.
インフルに新薬
皆さん、こんにちは^^
全国的にインフルエンザの発生もやや少なくなってきましたが、当クリニックでも1日2~5人は出ています。
さて、今日の話題は、インフルエンザに対する新薬のお話です。
なんと1回飲むだけの新たなインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」が5月にも発売される見通しとなりました。
ウイルスの増殖を抑えるこれまでになかったタイプ。塩野義製薬が開発しました。従来の薬に耐性を持ち、効きにくくなった人にも効果が期待されています。順調にいけば3月に承認され、5月にも薬価が決まり発売される予定です。なので、残念ながら今期のインフルエンザには使えません。
A型、B型のインフルエンザウイルス感染症が対象で、年齢や体重によって異なる量の錠剤を1回飲むだけ。成人の場合、1日2回、5日間飲み続けるタミフルなどと比べて使いやすいのが特徴です。塩野義製薬によると、既存薬よりも他人にウイルスを感染させるリスクを減らせると期待されているそうです。
国内でよく使われるタミフルなどの4種のインフル薬は、細胞内で増殖したウイルスが細胞外に広がるのを抑えます。このタイプの薬が効かない耐性ウイルスが流行した時に、ゾフルーザは効果を発揮しそうです。実際に、10年前には、欧州でタミフルに耐性のあるウイルスが登場し世界中に広まりました。4年前には、札幌市内の患者から、タミフルなどが効きにくいウイルスが検出されています。
しかし、なんとタイミングの悪い発売なのでしょうか。。。
あと、半年発売が早ければ、大活躍したでしょうに。
2018.02.02.
BAD NEWS !!
皆さん、こんにちは^^
ついこのあいだ正月だったかと思えば、あっという間に1月が終わり、早くも2月がスタート。
とにかく月日が経つのが速い。これも歳のせいでしょうか。。。
最近、インフルエンザの話題が多くなっていますが、インフルエンザの更なるBAD NEWSをお届けします。
日本ではインフルエンザ患者がさらに増え続けていますが、米国でもインフルエンザの大流行が続いており、さらに悪いニュースが発表されました。
これまで、インフルエンザの主な感染経路は感染者のくしゃみや咳で飛び散ったウイルスを含むしぶきを吸い込むことで感染する「飛沫感染」か、ウイルスが付着したものを触ることで感染する「接触感染」のいずれかだと考えられていました。しかし、感染者が呼吸するだけでウイルスが周りに拡散し、同じ部屋にいる人に感染する「空気感染」も予想以上に起こりやすいことが新たな研究で示唆されたのです。
この研究を実施したのは米メリーランド大学環境衛生学教授ら。同氏らは今回、インフルエンザ患者142人に協力してもらい、発症から1~3日目に、①いつも通り呼吸しているとき、②話しているとき、③咳をしたとき、④くしゃみをしたときの呼気サンプル(計218サンプル)を集め、分析しました。
遺伝子検査の結果、咳が出ていない状態で採取された呼気サンプル(23サンプル)のなんと48%(11サンプル)でインフルエンザウイルスが検出されました。また、感染力を有するインフルエンザウイルスの量を測定したところ、これら11サンプルのうち8サンプルで感染力のあるウイルスが確認されました。このことから、咳が出なくてもインフルエンザウイルスの含まれるエアロゾル(空気中に浮遊する粒子)は発生しうることが示唆されたのです。
さらに、くしゃみが数回出た場合も呼気サンプル中のウイルス量に変化はなかったことから、くしゃみによる影響もこれまで考えられていたほど大きくはないことが示されました。
同氏は、「咳やくしゃみをしなくても、インフルエンザ患者が呼吸するだけで周囲の空気にウイルスが放出されることが分かった。したがって、インフルエンザに感染した人が職場に現れた場合には、周囲への感染を防ぐため職場にとどまらせず、すぐに帰宅してもらうべきだ」と強調しています。
一般的に、頻繁に手洗いをし、咳をしている人に近づかないようにするといった対策は、インフルエンザの感染リスクを低下させる上で一定の効果があるはずですが、患者が呼吸するだけでインフルエンザウイルスが飛び散ってしまうのであれば、これらの対策だけでは完全に感染から身を守ることはできない事になってしまいます。
いったい私達はどうしたらよいのでしょうか?(きっと、運を天に任せるしかないのでしょう。。。)
2018.01.30.
ジャパニーズインフル
皆さん、こんんいちは^^
また寒さがぶり返してきそうですね。
当クリニックでもインフルエンザがA型、B型問わず、毎日4-5人検出されています。
今回は、インフルエンザで面白い記事を見つけたのでご紹介します。
これまでインフルエンザが、ある特定の国名を冠した呼称で呼ばれる事象が歴史上何度か見られてきました。
スペインかぜ、アジアかぜ、ソ連かぜ等々。
そして、ついに日本が登場したのです!
日本ではA/H1N1pdm2009とB型(山形系統)が同時並行で流行していますが、イギリスでもまた、B型(山形系統)が流行しており、それが「Japanese flu」とマスコミに命名されて見出しを賑わせているのです。いわく「猛烈に感染するジャパニーズインフルエンザが我が国で流行、ご注意を」といった具合です。そして、ジャパニーズインフルとは何ぞやと丁寧に解説する記事が大衆紙にも高級紙にも出て来ているのです。
B型(山形系統)を「ジャパニーズインフルエンザ」と勝手にマスコミ命名して報道されるのは我々日本国民としては面白くないわけですが、実は「大先輩格」がいるのです。「オージーインフルエンザ」がそれなのです。
今シーズンに先立つ、南半球のシーズンではオーストラリアでA/H3N2の大流行が起こり、入院病床の不足、待機手術の延期など様々な影響が出ていました。そしてオーストラリアと交流の多い英連邦諸国では、オーストラリア発のAH3亜型の流行に戦線恐々として、シーズン入り前から「オージーインフルエンザ」なる珍病名を大見出しに並べていました。英マスコミの期待どおり(?)にAH3亜型の大規模流行が起こり、連日の報道合戦を展開、挙句の果てに「オージーインフルエンザの生還者(Aussie flu survivor)」まで引っ張り出して「worst sickness EVERだった」と語らせ、エボラ熱流行時を彷彿させるような報道ぶりなのです。
我が国でも、オーストラリアの流行を見て秋口から某週刊誌が「殺人インフルエンザが2カ月後に上陸してくる」とあおっていましたが、実際にはAH1pdm09亜型とB型の流行でAH3亜型の大流行で混乱する事態にはなっていません。
日本のマスメディアでは英国のように特定の国名を感染症に冠することは少なく、代わりにエボラ熱、MERS、鳥インフルエンザ、ジカ熱と、“殺人ウイルス”と命名される騒動に、医療界は毎年のように対応迫られてきました。
ともあれ、現時点ではインフルエンザが猛威をふるっていることには代わりありませんが、まだパニック的状況には至っていません。過激なマスコミ報道に迷わされることなく、しっかりとJapanese Styleで予防していきましょう!
2018.01.29.
食中毒に要注意
皆さん、こんにちは^^
インフルエンザが猛威をふるい、過去最高の患者数となっておりますが、、、
インフルと同様に気を付けて欲しいのが、実は「食中毒」なのです。
食中毒には冬でも気を付けてください。患者数は冬の方が多いくらいなのです。
食べ物は腐りにくくなるのに? と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。実は、夏と冬では原因が違うんです。
夏の食中毒は、主に細菌が原因です。加熱不足の鶏肉などから感染するカンピロバクター、卵や牛肉のレバ刺しが原因になりやすいサルモネラ菌、作り置きのカレーなどで増えるウェルシュ菌、そして今夏、各地で被害が出た腸管出血性大腸菌などが代表的です。
一方、冬の食中毒の大半はノロウイルスが原因なのです。 ノロウイルスと言えば、生ガキでおなかを壊す元になる原因ウイルスで有名です。カキなどの二枚貝は、海水中からノロウイルスを取り込んで蓄積している場合があります。十分に加熱しないで食べると食中毒を起こすことがあるのはそのためです。ただ、二枚貝が原因のものは、ノロウイルスによる食中毒全体の1割程度に過ぎません。
食材というより、料理をする人が感染して原因になることが多く、全体の8割程度にも上ります。ノロウイルスの感染力は非常に強く、さらに感染しても症状が出ないことがあります。トイレで排便した後に手をよく洗わないと、自らが排出したウイルスが料理に付着して集団食中毒を引き起こす心配があります。嘔吐や下痢など少しでも症状がある時は、調理を控えるなど、注意が必要です。
感染を防ぐには、なんといっても、手洗いの徹底です。ドアノブなどから自分の手に付くこともあるため、特に調理や食事前には、せっけんを使って流水でしっかり洗いましょう。手洗い後もタオルは共有せず、使い捨てのペーパータオルを使って拭きましょう。
感染者の嘔吐物には大量にウイルスが含まれているので、使い捨ての手袋やマスク、エプロンを使って処理し、塩素系の漂白剤などで消毒してくださいね。
2018.01.18.
インフル予防は手洗いを
皆さん、こんにちは^^
今週は暖かい日が続いていますが、以前も書いたようにインフルの患者さんがたくさん来られています。
そこで、今回はインフルの予防についてお届けします。
予防と言えば「マスク、うがい、手洗い」とお思いでしょうが、実は、、、、なのです。
まず、マスクの予防効果はかなり限定的なのです。マスクは呼吸をしやすくするために繊維の目を粗くしているため、非常に小さなインフルエンザウイルスは簡単にくぐり抜けてしまうからです。
ただし、周囲の人にうつさないようにするためにマスクを着用するのは有効です。インフルエンザウイルスは確かに非常に小さいですが、唾液や鼻水などに含まれたウイルスはブロックできます。
マスクの効果を発揮するためには乾いていることが大切なので、湿ったら必ず交換しましょう。マスクにはウイルスがついていますから、ビニール袋などに入れて捨てるなど、特に子供や高齢者のいるご家庭では気をつけてください。
次は最新の研究で、うがいにインフルエンザ予防の効果が期待できないことが明らかになりました。
インフルエンザは風邪と同様にウイルス感染による疾患ですが、ウイルスは体内の細胞に侵入して分裂することで増えていきます。20~30分程度で侵入してしまうため、口内のウイルスを除去するためにはかなりの頻度でうがいをしなければならず、予防効果はあまり期待できません。
そこでぜひ実践してほしいのが、「手洗い」と「顔を触らない」こと。
インフルエンザはかなり近づかない限り、くしゃみや咳で感染することはありません。飛沫感染よりも注意したいのは、接触感染。インフルエンザの多くはくしゃみや咳で飛散したウイルスが付着したドアノブや机などを触り、ウイルスが付いた手で目や鼻をこすることにより感染するからです。だから外出中は顔を触らないことが大切です。
というわけで、一番大切なのは「手洗い」でした。
正しい手洗いやアルコールなどでこまめに手を清潔に保つことを心がけて、インフルエンザを予防してくださいね。
2018.01.15.
爪の黒い縦線
皆さん、こんにちは^^
本日は昨日までと打って変わって、穏やかな日中でした。
歩いていると少し汗ばむくらいでした。
明日も穏やかな天気みたいなので、イルミネーションの片づけでもしましょうか。
さて、本日の話題は「爪の黒い縦線」です。
というのも、本日、同じ症状で3名もの方が受診されたのです。
なんで?と思っていたら、最後の患者さんが「テレビに脅かされたので、、、」とのこと。
昨日の日曜日のとある番組の最後の2分位がこの話題だったようです。
そこで、癌の可能性があるから早急に病院を受診しなさい!なんてことを誰かが言ったのでしょう。
皆さん、落ち着いてくださいね。
基本的には、日本人によくある「黒色線状」と呼ばれる爪の色素沈着です。
黒子(ホクロ)と同じです。爪の黒子だと思ってください。
小児の場合は生後間もなくから出現することが多く、一時的に広がったりすることもありますが、いずれ消失することが多いものです。
大人の場合も、殆どが黒子だと思っていただいて結構です。
但し、その線が広がったり、色が濃くなってきたら、悪性黒色腫(メラノーマ)の始まりのこともあります。
そうなったら、皮膚科を受診して下さい。
そうでなければ、経過観察してください。黒子ですから。
心配で来院されるのは全然かまわないのですが、メディアの恐ろしさを体験しました。
いい加減な医療番組は止めて頂きたいものですね。
2018.01.11.
インフルエンザ発生中
皆さん、こんにちは^^
今季最大級の寒波来襲で、関西も非常に寒いです。
平野区ではありませんが、雹が降った地域もあるようです。
そんな中、当クリニックでもインフルエンザの患者さんが急増しています。
今週に入って、火曜日の午前診、午後診、水曜日の午前診、本日の午前診でなんと7人もの患者さまにインフルエンザが発生しています。
その内訳は、A型4名、B型3名です。
以前にも書きましたが、例年なら今の時期はA型が主流で、高熱で、症状も思い方が多いのです。
そして、2月中旬頃からB型に移行して、熱も症状も軽い方が多くなっていくのです。
しかし、今年のインフルエンザは全く予想がつきません。
症状が軽くてもA型が出たり、39℃の高熱でもB型だったり。
平野区はまだそうではありませんが、大阪府全体では第52週(平成29年12月25日~12月31日)には、定点あたりの患者報告数が10を超え、注意報レベルに入りました。
是非、症状のある方は、早めの受診をお願いします。
2017.12.21.
風邪の咳に効く薬はない
皆さん、こんにちは^^
昨日と今日はやや過ごし易い天気ですね。
昨日は横審と相撲協会の臨時理事会があり、色々な処分が下りましたが、貴乃花が処分見送りで、まだまだゴタゴタは続きそうですね。
さて、今回の話題は、しつこい咳を抑える風邪薬を探し求めている人に、残念なニュースです。
市販されている様々な咳止めの薬から米国で「風邪に効く」とされているチキンスープといった民間療法まで、あらゆる治療法に関して米国胸部医学会(ACCP)の専門家委員会が文献の再検討を行ったところ、効果を裏付ける質の高いエビデンスがある治療法は一つもなかったということです。これに基づき同委員会は指針をまとめ、「風邪による咳を抑えるために市販の咳止めや風邪薬を飲むことは推奨されない」との見解を示しました。
筆頭著者で米クレイトン大学教授のMark Malesker氏によると、数多くの米国人が風邪による咳に対して市販薬を使用しており、2015年の米国における市販の風邪薬や咳止め薬、抗アレルギー薬の販売額は95億ドル(なんと約1兆700億円)を超えていたということです。
再検討の結果、抗ヒスタミン薬や鎮痛薬、鼻粘膜の充血を緩和する成分が含まれる風邪薬に効果があることを示す一貫したエビデンスはありませんでした。また、ナプロキセンやイブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の試験データの分析からも、これらの効果を裏付けるエビデンスはないことが分かりました。
では、眠れないほどつらい咳にはどう対処すればよいのでしょうか。同氏によると、1歳以上の小児に対しては蜂蜜にある程度の効果があることを示した複数の研究があるようです。ただし、1歳未満の小児に蜂蜜は与えるべきではないとしています。また、成人の咳には、「お気に入りのお茶やスープを飲んで気分が良くなるなら、そうするべき」と話しています。そして、「そんな時は手っ取り早い方法を求めがちだが、休暇を取って安静にすることも必要だ」と助言しています。水分摂取も咳の原因となる粘液を洗い流すのに有効だということです。
そんなこと言われても休暇が取れない人や安静にできない人もいるはずです。何とかならないのでしょうか?
もともと咳は肺の中の要らないものを身体の外に出そうとする生理現象です。ですから、私も咳止めはあまり出しません。しかし、寝れないほどの咳であれば、体力も消耗しますし、睡眠不足の悪循環に陥ります。ですから、咳止めを屯服で出すようにしています。
なお、頻繁に風邪をひく場合や咳が長引く場合は、軽度の喘息や慢性副鼻腔炎などの疾患が隠れている可能性もあるため、早めに医師に相談した方がよいでしょう。
2017.12.05.
インフルBがこの時期に
皆さん、こんにちは^^
今日から今年最大級の寒波で寒いです!
北風も厳しく、最高気温も10℃に達しませんでした。
先日、インフルAが今季初めて検出されましたと報告しましたが、今度は、、、
一人の中年男性の方が、昨夜37.5℃の発熱と風邪症状で来院されました。
喉は真っ赤ですが、呼吸音は異常ありませんでした。
通常であれば、「風邪」として薬を処方するのですが、その男性の方が、
「会社でインフルエンザの方が出たんです。」
とポツリ。まさかとは思いましたが、「一応調べてみましょう。」とお答えしました。
そして、待つこと15分。
なんと、なんと、インフルエンザB型だったのです。
通常、インフルBはインフル流行時期の後半で出てくることが多いのですが、こんなに早く検出されるのは初体験です。
男性が来られたのが、昨日。
そして本日、ある女性の方が発熱なしの風邪症状で来院されました。
喉はそこそこ赤いですが、呼吸音正常。
「風邪」として、薬を処方しようとすると、
「昨日インフルBになった男性の家内です。」
とポツリ。まさかとは思いましたが、「一応調べてみましょう。」とお答えしました。
そして、待つこと15分。
なんと、なんと、なんと、インフルエンザB型だったのです。
発熱もなくインフルが出るなら、全例にインフル検査が必要ということでしょうか?
しかも、まだ12月初旬というのに。
何かがおかしい今年のインフルエンザなのでした。
2017.12.01.
今季初のインフル検出
皆さん、こんにちは^^
今年もあと1か月になりました。師も走る師走です。
今年もあっという間ですね。
さて、今日の話題はインフルエンザについてです。
インフルエンザが全国的に流行期入りしました。11月26日までの1週間で全国の定点医療機関を受診した患者数は7280人で、定点当たり1.47人(速報値)となり、流行開始の目安とされる「1人」を超えたのです。昨シーズンより1週遅れでした。
各都道府県がまとめているインフルエンザ定点当たり報告数(速報)を見ると、11月30日時点の集計で、少なくとも17都県が全域で流行期入りしました。
最も患者数が多いのは沖縄県で、定点当たり4.88人でした。愛媛県が3.40人、石川県が3.08人、宮城県が2.78人と続いています。第47週に初めて流行期入りした自治体は関東地区に多く、栃木県が2.55人、千葉県が1.45人、東京都が1.86人、神奈川県も1.86人と増加しました。
しかも、東京都のデータによると、患者の6割近くが9歳以下の子どもとなっています。
ということで、いよいよインフルエンザの季節ですが、当クリニックでも今季初のインフルエンザが昨日検出されました。
16歳の男性で、前夜に39度の発熱と、鼻水、咳、関節痛にて来院されました。
結果としてはインフルエンザA型でした。昨年より13日遅い検出です。
当クリニックでは、インフルエンザ診断に高感度迅速診断検査機器『富士ドライケム IMMUNO AG1』を導入しています。最新の技術で検出感度を飛躍的に向上させ、少ないウイルス量でも検出できるので、発症後4時間から判定が可能です。症状がある場合には、出来るだけ早く受診するようにして下さい。
2017.11.13.
その一口が豚になる
皆さん、こんにちは^^
本日は晴天ですが、明日は雨。そして、一雨ごとに冬が近づいてくるようです。
急な気温の低下は身体にもこたえるので、しっかり防寒してくださいね。
さて、本日の話題はついつい食べてしまうことへの対策です。
太っている人に対して、
「その『つい』を止めなさい!」
「食べなきゃ痩せる。もっと意志を強く持たないと…」
「その一口が豚になる。残す勇気を持ちなさい!」
などと注意していませんか?
「つい食べてしまう」という人の心理として「健康のために、食べ過ぎることはよくない」という認識はあるのですが、目の前に自分の好きな物や残り物があると「味見をしておかないと」、「捨てるのがもったいないから」などの意識が働いて、「つい食べてしまう」という行動に移ってしまうようです。
太っていない人が空腹になると食べる物を探して食べはじめ、満腹になると食べ終わります。ところが、太っている人は、空腹ではないのに眼の前においしそうな外的刺激があると食べはじめることが知られています。これを「外発的摂食」といいます。そして、ある程度、お腹がいっぱいになっても食べ終わりません。お皿の中の食べる物がなくなるまで、食べる傾向があります。
機能的MRIなどを用いた脳科学で、肥満者は目の前に自分の好物があると、視覚野で食品を認識した後、前頭前野に信号を伝えているそうです。もしかすると、「早く食べなさい」というシグナルを伝え、その結果、反射的に「つい手が出てしまう」という行動になっているのかもしれません。そういった患者さんには「意志を強く持て!」ではなく、その外的刺激を減らす作戦を立てていくほうがよいのかもしれません。これを「刺激統制法」と呼びます。
これらの肥満者の心理を知ったところで、「つい食べてしまう」という人には、「その一口が、、、」ではなく、「目の前から食べ物をなくしましょう」とアドバイスしてみてはいかがでしょうか?
2017.11.07.
サザエさん症候群
皆さん、こんにちは^^
11月になって今年もあと2か月と思っていたら、11月も既に1週間終わってしましました。
何と早いんでしょうか。
このペースだとあっという間に今年も終わりそうです。
さて、本日の話題は、皆さんも良くご存じの「サザエさん」に関する情報です。
おそらく「サザエさん」を知らない方はおられないと思いますが、「サザエさん症候群」という言葉をご存知でしょうか?
サザエさんのように歳をとらないとか、かつお君がいつまでも小学生というような意味ではありません。
正式な病名ではありませんが、「サザエさん症候群」は心療内科や精神科では一定の認知度がある概念です(おそらく)。これは、日曜日の夕方、「サザエさん」が始まる頃になると気分が憂欝になるというものです。明日から仕事や学校が始まるというプレッシャーに由来する、軽い抑うつ状態と考えられます。海外では、「Blue Monday」と呼ばれています。
今回の研究によれば、月曜日の自殺率が全年齢層の男性で高いことがわかりました。そして火曜日、水曜日と進むにつれて、この比は減衰していくこともわかりました。また、生産年齢層と呼ばれる脂の乗り切った男性で自殺率が高いこともわかりました。働いているので、ストレスを感じることも多いわけですから。
一方、女性の場合、就労している層が男性ほど多くないからか、曜日ごとの差はみられなかったようです。 また、男女ともに休日、祝日における自殺は少なかったようです。
やはりネックは月曜日ですね。サザエさん症候群かもと自覚している人は、月曜日は注意して出勤するようにしましょう。また、病的だと思うならば早めにしかるべき医療機関へ相談するようにしてください。
そして、日曜日の夕方にサザエさんを見ないことが大事なのかもしれません。(こんなこと書いたらテレビ局に怒られるかも、、、)
2017.10.26.
肥満の原因
皆さん、こんにちは^^
久しぶりの秋晴れで、気持ちの良い気候です。
しかし、先週末に台風21号が通過したと思えば、今週末も台風22号。
21号で被害にあわれた地方は、またまた脅威にさらされますね。
大和川が氾濫しないように祈っております。
さて、本日の話題は、興味津々の肥満に関する話題です。
脳の摂食中枢で働き、肥満の原因となる酵素を特定したと、基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)などの研究チームが発表しました。
この酵素は血糖値を下げるインスリンの働きも阻害しているといい、同研究所の野田教授は「酵素の働きを抑制する薬が開発できれば、肥満と糖尿病を改善できる」と期待しています。
チームによると、体内では、脂肪細胞から分泌されるレプチンというホルモンが摂食中枢に作用して食べる量を調整していますが、肥満の人では必ずしも食べる量が抑えられていないのです。レプチンが働きにくくなっているためですが、その仕組みは分かっていませんでした。チームは、摂食中枢にある神経細胞の表面で働き、さまざまな情報伝達に関わる酵素に着目。PTPRJという酵素の一種がレプチンの働きを抑えていることを見つけたのです。
正常なマウスとPTPRJを持たないマウスに14週間、高脂肪食を与えて肥満状態にさせた後、レプチンを1週間続けて投与。正常なマウスではほとんど変化がありませんでしたが、PTPRJがないマウスでは食べる量が約半分になり、体重も約20%減りました。つまり、レプチンの働きがPTPRJで阻害されなかったためとみられています。
まだ、マウスの実験段階ですし、実際に人間に有効かどうかは分かりませんが、近い将来食欲を抑える新しいダイエットの薬やサプリが出来るかもしれませんね。
2017.10.19.
今年のインフルは早い
皆さん、こんにちは^^
最近、急激に気温が下がって、11月下旬から12月の気温になってきました。
しかも、今回は秋雨前線の停滞と台風の影響で、長雨にもなりそうですね。
先日、インフルエンザのワクチンが不足しているという話題を書きましたが、当クリニックでも確保に必死です。
是非、早めの接種を再度お願いします。
さて、今回の話題もインフルエンザ関連です。
もう1か月以上前の9月5日、都内の小学校で今シーズン初となる、インフルエンザによる学級閉鎖のニュースがありました。例年より2か月も早い出来事です。また、この時点で、定点あたり報告数の総数は899人で昨年同期の約3.5倍、保育所・幼稚園・学校での患者報告数は137人で昨年同期の約5.7倍となり、今季は例年より流行が早まる傾向がみられています。
9月下旬に暑さが戻ったこともあり、やや落ち着きを取り戻していますが、10月1週の報告では患者数は1,000人を超えており、都道府県別にみると、沖縄333人、大阪88人、神奈川68人、東京54人、愛知43人となっています。当クリニックではまだ出ていませんが、なんと大阪は全国2位なのです。また、10月2~8日の休校、学年閉鎖、学級閉鎖の数も19校を数えています。
定点当たりの報告数は0.21人(1人以上で流行開始、10人以上で注意報、30人以上で警報となります)なので、まだ本格的な流行ではありませんが、上記のように立ち上がりが早いだけに、一気に流行に突入する可能性もあります。
また、このところ急激に気温が下がってきているので、体調を崩しやすい気候ですし、ウイルスにとっても低温は絶好の繁殖条件になります。ありきたりですが、うがい、手洗い、マスク着用を徹底し、ワクチンも早めに接種しましょう。
2017.10.13.
インフルワクチン不足
皆さん、こんにちは^^
昨日まで30度近くあったのに、今日から全国的に冷え込むようです。
急な温度変化で、体調を崩す方も多くいらっしゃるので、気を付けましょう!
さて、今回の話題は、先日開始したインフルエンザワクチンの話題です。
インフルエンザが例年よりも早く流行する兆しが出ている中、一部の地域でワクチン接種の予約ができない事態が起きています。厚生労働省が今年度のワクチン製造量について、昨年度の使用量を下回ることを公表した後、医療機関から卸売販売業者への発注が急増したとみられ、入手できなかったり、例年並みの数量を確保できなかったりする医療機関が相次いでいます。
その原因は、インフルエンザHAワクチンの2017年度製造株は5月時点でA/埼玉/103/2014(CEXP002)が選定されていましたが、同株の増殖効率が昨シーズンのワクチン株と比較して約3分の1と著しく悪かったため、A/香港/4801/2014(X-263)に変更。株の変更によりワクチンの製造開始が遅れたことで、製造量不足が生じたとみられています。
厚労省によると、今年度の予想製造量は2528万本。2010年度以降で最少の製造量となった昨年度よりも250万本以上減る見通しで、昨年度の使用量よりも114万本少なくなっています。厚労省は「昨シーズンと同等程度の接種者数を確保できる見込み」としていますが、ワクチンの供給が滞り、入手が困難な地域が増えつつあります。
当クリニックも例年10月1日からワクチンの接種を開始していますが、入手が遅れたため10日からの開始となりました。これからワクチン接種が本格化しますが、こうした地域の医療機関の担当者は「ワクチンを確保できず、いつから予約ができるようになるのか分からない」「確保できた本数が例年より少ない。しばらく入手できそうもない」と悲観的です。
全国的に昨年より早く患者報告数が増えており、すでに流行期に入った地域も出てきまいした。厚労省は都道府県などに対し、卸売販売業者と医療機関の在庫状況を3日間程度で把握できる体制の構築を要望しています。また、医療機関に対しても、昨年の使用実績を上回らないようにすることに加え、「必要以上に早期の、または多量の納入を求める予約・注文を行う行為は厳に慎むこと」としています。
当クリニックでも例年は1月31日まで接種していましたが、このシーズンは最後までワクチンを確保できるか分からない状況です。
出来るだけ、早めの接種をお願いします。
2017.09.26.
片頭痛と鍼治療
皆さん、こんにちは^^
昨日と本日は30度近くまで気温が上がって、暑いくらいです。
そんな中、平野公園愛護会の皆さまが、この日曜日にフェスタで使用する公園の一部の草刈りをしてくださいました。
暑い中、本当にありがとうございました。
さて、今回の話題は、前回に引き続き「片頭痛」に関してです。
片頭痛は繰り返す頭痛の発作が特徴です。痛みがひどい人では仕事や日常生活もできなくなります。治療にはトリプタン製剤やエルゴタミン製剤、NSAIDsなどさまざまな薬が使われています。しかし、薬の効果にも限界があります。適切な治療をしても長年発作が消えない人もいます。
鍼治療を受けた人と受けなかった人を比較した研究では、鍼治療を受けた人のうち41%で片頭痛の頻度が半分以下になっていました。それに対して鍼治療を受けなかった人は17%で片頭痛の頻度が半分以下になり、鍼治療で短期的に片頭痛の頻度を減らす効果があると見られました。
次に、鍼と薬を比較した研究のデータから、次の結果が得られました。
鍼治療によって、短期的には薬を使うよりも片頭痛の頻度を減らせることが分かりました。副作用にあたる有害な出来事の頻度は、薬を使うよりも鍼治療のほうが少なくなっていました。
鍼治療は実際の医療でもさまざまな場面で使われ、痛みを和らげる役に立っています。効果と副作用のデータがしっかりまとめられていることで、安心して治療を受けるために役立ちます。
但し、鍼治療を受けるときには、鍼を打つ人によって全然効果が違うので、その先生の評判を確認してからにしましょうね。
2017.09.12.
片頭痛とコレステロール
皆さん、こんにちは^^
本日は奈良の方面で記録的短時間大雨情報が出されて、JRも一時ストップしていた様子です。
大阪市内はそんなに感じませんでしたが。
本当に局地的なゲリラ豪雨が増えていますね。日本も熱帯地域になっているのでしょうか?
さて、今回の話題は片頭痛についてです。
片頭痛がある人でコレステロールなどの検査値が高いとした報告があります。今回の研究では、片頭痛の重症度によっても違いがあるかを分析し、LDL(悪玉)コレステロール値が片頭痛の重症度と関係していることを報告しました。
今回のイタリアでの研究は、片頭痛患者52人を対象に、片頭痛の強さと血液検査値との関連を検証しました。血液検査値は、LDLコレステロール値、HDLコレステロール値などを測定し、片頭痛の治療を行う前後でも比較しました。
その結果、片頭痛の頻度が高い人、また強度が高い人では、全コレステロール値とLDLコレステロール値が高かったという結果でした。また、治療により片頭痛が改善した人は、全コレステロール値とLDLコレステロール値も改善していたと報告しています。
LDLコレステロール値が高い人は、生活習慣に特徴があり、その特徴が片頭痛を引き起こす原因となっている可能性もあります。今回の研究だけでは、因果関係に言及することはできませんが、もし関連性が認められるのであれば、薬治療もコレステロール値に着目するなど工夫できるようになるかもしれません。
片頭痛でお悩みの方は、一度コレステロール値を測ってみてはいかがでしょうか?
2017.09.01.
びもうとびへい
皆さん、こんにちは^^
本日から9月ですね。
今年もあと4か月ですよ。早いですね。
最近は朝夕は涼しくなってきましたが、昼間の残暑は厳しいです。
体調管理をしっかりしましょう!
さて、本日はトレビア的なお話です。「びもう」についてです。びもう?
探せば見つかる鼻毛論文。知っておきたい鼻毛論文。見逃せない鼻毛論文。「はなげ」ではありません。「びもう」です。さて今回ご紹介するのは、鼻毛と鼻閉の関係を報告した医学論文です。
鼻閉というのは、耳鼻咽喉科領域では一般的な症状の1つであり、とくに花粉症の時期には多くの患者さんがやってきます。しかし、鼻毛の濃さと鼻閉について真剣に論じた医学論文はこれまでにありませんでした。
この研究は、鼻毛が鼻閉にどのような影響を与えるのかを調べたものです。たぶん鼻毛が濃い方が鼻閉になりやすいんだろうな、そしてタイトルにあるように鼻毛を抜くと鼻の通りが良くなるんだろうな、と予想しているそこのアナタ! ちゃんと最後まで読みましょう!
この前向き研究では、鼻症状のない30人の健康な被験者が登録されました。そして、ベースラインの鼻毛の密度を調べました。剃毛前後で主観的および客観的な鼻の通りが良くなるかどうかを調べました。
その結果、鼻毛を剃毛することで、主観的な鼻腔通気特異的症状スコアおよび客観的鼻腔通気測定は、統計学的に有意に改善しました。そして、ベースラインの鼻毛が中等量~多量にあると、その改善は主観的にも客観的にも大きかったという結果でした。濃い人ほど剃毛の意義があるということですね。
つまり、「濃い鼻毛の人は鼻毛を抜くと鼻の通りが良くなる」ということです。今回は鼻閉がない健常な人を対象に介入を行ったわけですが、鼻閉がある患者さんでも鼻毛の密度を減らすことで、鼻閉症状がちょっとはマシになるかもしれないと示唆されています。
鼻毛が濃くて鼻閉に悩んでいるそこのアナタ! 今すぐ鼻毛カッターの購入を!
2017.08.28.
高齢者の脱水
皆さん、こんにちは^^
まだまだ関西は暑い日が続いています。
今年5月から8月20日までに熱中症で救急搬送された人が4万5千人を超えました。
自力で受診した人を入れるとどんな数字になるのでしょうか。
そして、このうちの42.1%が高齢者の方でした。
もっと驚くことは、なんと34.3%の人が居室中(家や事務所)に熱中症にかかっていおるのです。
ということで、今回は高齢者の脱水についてお届けします。
兵庫医科大学、小児科学の教授は、2017年7月に実施した「脱水に関するアンケート調査」の結果を発表しました。
65歳以上の男女の高齢者(n=516)への「食事に含まれる水分以外で、1日にどれくらい水分を補給しているか?」という質問では、1日の必要量(1,000~1,500mL)のうち1,000mL未満と回答した高齢者が61.8%にのぼりました。必要な水分量が摂取できている高齢者はわずか38.1%でした。さらに「食事に含まれる水分以外で、1日に1,000~1,500mLの水分補給が必要だと知っている?」という質問では、「知っている」が52.3%、「知らない」が47.7%と、半数に情報が知られていませんでした。
次に「水分補給を控えたり、拒んだことがあるか?」という質問では、19.8%の高齢者が「水分補給を控えたことがある」と回答。「控えたことがある」と回答した高齢者にその理由を聞いたところ、77.7%が「トイレが心配だから」と回答し、次に25.2%が「喉の渇きを感じていなかったから」という回答でした。
30・40代の介護従事者に「高齢者の水分補給の介助は難しいと思うか?」と質問したところ、90.6%が「難しい」と回答。その理由(複数回答)として、86.7%が「本人に水分補給の意思がない(進んで飲まない)」、次いで多かったのが60.6%の「水分補給を拒否された」でした。
次に「高齢者の水分補給における工夫について」を質問したところ、複数回答で「飲み物にバリエーションを持たせる」(63.8%)、「飲み物にトロミをつける」(56.6%)、「飲み物を固める(ゼリーにする)」(46.5%)、「経口補水ゼリーを勧める」(35.1%)などの工夫が行われていたことがわかりました。また、このうち、ゼリーを勧めたことのある介護従事者331人のうち、85.8%が「ゼリーで高齢者の水分補給の介助に成功した」と回答しました。
まだまだ暑さが続く中で、高齢者には水分補給の重要さの啓発、高齢者の家族には脱水予防への配慮、介護従事者には今後の水分摂取の工夫など、さまざまな活動へのヒントを与えてくれる結果となりました。
2017.08.22.
癌はタイプミス
皆さん、こんにちは^^
関東では8月に入って21日連続雨ですが、関西は猛暑が続いています。
野菜の高騰など今後に影響を残しそうですね。
さて、今回の話題は、癌の発生はタイプミスと同じという話題です。
肺癌や胃癌は、たばこや食事などの環境要因で起きやすく予防が有効ですが、脳腫瘍や乳癌、前立腺癌など多くの癌は、細胞分裂の際に誰にでも起きる遺伝子の複製ミスが主な原因だとする研究結果を米ジョンズ・ホプキンズ大のチームが発表しました。
チームは「複製ミスは、タイプミスと同じで一定の割合で必ず起きる。癌との戦いに勝つには、予防だけでなく、早期発見が重要だ」と訴えています。
癌の原因には大きく分けて、大気汚染、喫煙、食事といった環境要因、親から受け継いだ遺伝要因、自然に起き、防ぐことの難しい遺伝子の複製ミスの三つに分けられるのです。
チームは国際癌研究機関に登録された世界69カ国の癌患者のデータベースや英国のデータなどを使って、32種の癌について三つの原因の寄与度がどの程度になるか調べました。
この結果、全体では癌を引き起こす遺伝子変異の66%は複製ミスが原因なのに対し、環境要因は29%、遺伝要因は5%であることが分かりました。
複数の変異がなければ癌を発症しないことを考慮すると、環境を改善することで癌の42%は防げると見積もっています。
種類別では、肺癌、胃癌は環境要因の寄与する度合いがそれぞれ66%、55%と高かった一方で、前立腺癌や乳癌は環境要因の割合が低かったのに対し、複製ミスが96%、83%と高くなっていました。
タイプミスと同じと言われても、しっくりしませんが、やはり早期発見が非常に大切なようです。
そのためにも、遺伝子検査がもっと手軽に安価にできる時代が来てほしいものです。
2017.08.08.
鉄分と注意力
皆さん、こんにちは^^
各地に被害を及ぼした台風5号ですが、大阪は大きな被害もなかったようですね。
今日は猛暑日の予想でしたが、台風のお蔭で、にわか雨もあって少し過ごし易い感じです。
以前は、この時期の健診は少なかったのですが、今年は異常に多い気がします。
そして、女性が結構引っかかるのが「貧血」です。
鉄分不足は特に若い女性でよく起こります。鉄分不足は血液が酸素を運ぶために必要なヘモグロビンの不足につながり、息切れや疲れやすいなどの症状を起こすことがあります。今回、アメリカのペンシルバニアで、この鉄分不足が注意力と判断力にどんな影響を与えるのか研究が行われました。
18~35歳の女性127人を対象に、鉄分不足や貧血に関係する検査値と、注意力・判断力の関連性を調査しました。注意力・判断力は、決まった課題を行ってもらい評価しました。その結果、良好な鉄分状態では、注意力や判断力が良好になりました。注意力や判断力の状態が鉄分を反映することが分かりました。これらのデータから、健康な18~35歳の女性の貧血に近い状態が注意力や判断力に影響していることが示唆されました。
無理なダイエットなどで食事のバランスを崩すことでも、日々の活動に影響を与えるかもしれません。
日頃から、レバーやほうれん草、小松菜、ヒジキなどをしっかり摂りましょう
鉄分と健康についてのさらなる研究に期待したいと思います。
2017.07.31.
意外とインドア派
皆さん、こんにちは^^
今日で7月も終わりです。今年も5か月となりました。全く、はやい!
そして、暑い!今日も36度!猛暑日ですよ。
先日、車の中の「Indoor Pollution」の問題について書きましたが、本日もその話題です。
こんな暑い日はカラッとしたアメリカ西海岸でも行きたくなりますよね。(なかなか行けませんが、、、)
アメリカ西海岸といえば、タンクトップや水着姿の人々が、ビーチパラソルの下で、ザ・ビーチ・ボーイズの“サーフィンUSA”でも聴きながら、小説のページをめくる、、、こんなアウトドアライフを想像するのではないでしょうか?
しかし、このようなイメージをいとも簡単にひっくり返すデータがあります。実は、アメリカ西海岸・カリフォルニアの人々は、過ごしている時間の87%を室内(インドア)で過ごしているのだそうです。
カリフォルニアでさえ87%であるなら、梅雨や猛暑、雪など四季の移り変わりがある日本ではどうなのでしょうか。国内の調査によると、平日は90%、休日は88%をインドアで過ごしているそうです。洋の東西を問わず、多くの人は日常生活の大半をインドアで過ごしていることがわかります。
そして、インドアに関して世界的に注意喚起されているのが室内汚染、“Indoor Pollution”の問題です。これは、アレルギー疾患の発症・悪化要因になるアレルゲン・汚染物質が室内の空気を汚すことを指します。欧州からの報告によると、室内の汚染濃度は屋外の2~5倍になりうることが指摘されているのです。
やはり、アレルギー疾患をもつ患者さんにとって、室内環境を整え、アレルギーの原因になるアレルゲンや汚染物質を除去することは重要と思われるます。しかし、インドアは自宅だけとは限りません。職場や公共施設などもインドアのことがあるので、全ての室内環境を個々の人々に最適な状況に整えることはとても難しいことです。
思わぬ場所で発症したアレルギーなどは、アレルゲン回避とともに適切な治療も重要となってきます。
最近では、眠たくならずに効きのいい抗アレルギー薬もあるので、思い当たる方は早めに受診して下さいね。
2017.07.24.
レジャーシーズンとアレルギー
皆さん、こんにちは^^
先週は大阪も4日連続の猛暑日でした。
外に出るだけで、蒸し焼きになってしまいそうな暑さでした。
今週はややましですが、それでも真夏日には変わりなく、体力消耗しますよね。
さて、今回の話題はレジャーシーズン到来に相応しい話題です。
海開き、山開きと本格的な夏のレジャーシーズンを迎えました。家族や親しい友人を誘って、キャンプや避暑地へのドライブを計画している人もいることでしょう。待ちに待った週末、自家用車にさっそうと乗り込んで「さあ、出発!」とカーエアコンをつけた瞬間、吹き出し口からすっぱい臭いが一気に噴き出してきたら、、、楽しい気持ちも一瞬にして薄れてしまいそうです。
この臭いのもとは、主に好湿性のカビであるアオカビやクロカビの一種とされています。どちらも浮遊性で、アレルゲンとしてもよく知られているカビです。これらの車内に浮遊するカビの量を春と夏で比べると、何と夏のほうが3倍以上も多いことが報告されています。これは、カーエアコンの使用頻度が高くなることでカーエアコンの中にある熱交換器に結露が発生しやすく、カビにとって絶好の環境になるからです。
また車内を汚染しているのはカビだけではありません。靴の裏や服に付着しているアレルゲン、車内の食べかすに集まる虫やダニも汚染にかかわっている可能性があります。車の中は密閉された空間であり、室内と同じく“Indoor Pollution”が問題になります。
車内の“Indoor Pollution”なんて気にせず、消臭剤の使用や軽い拭き掃除で済ませれば良い、と考える人もいるでしょう。しかし、一年中アレルギーでお困り(通年性アレルギー)の患者さんではどうでしょうか。
例えば、通年性アレルギー性鼻炎の患者さんが時速40キロで運転中に、車内のアレルゲンに誘発されてくしゃみを1回したとします。くしゃみをすると反射的に目をつぶってしまいますが、目を閉じている時間が0.5秒だとすると、車は非コントロール下で約5mも進んでしまうのです。
イギリスの保険会社の調査によると、くしゃみをして一瞬車をコントロールできずに危険な目に遭ったり、事故を起こしたドライバーは、調査対象の7%(200万人)にものぼることが報告されています。また、くしゃみだけでなく、鼻をかんだり目をこすったりと、アレルギー症状に注意が向いて脇見運転となると、重大な過失につながりかねません。
アレルゲンを除くためには、車内の清掃を定期的に行うことが大切です。しかし、カーエアコンの内部洗浄などは個人では難しく、清掃によるアレルゲンの除去には限界があります。
したがって、治療も並行して行わなければならないときがありますが、抗アレルギー薬として用いられる抗ヒスタミン薬の一部には、飲んだ人が気づかないうちに能力が低下してしまう作用があるとされています。最新版の「鼻アレルギー診療ガイドライン」には、自動車運転に関する注意が記されています。
アレルギーの発症を予防し、症状も上手にコントロールすることで楽しい夏をお過ごしください。
2017.06.15.
脂肪とがんリスク
皆さん、こんにちは^^
梅雨入りしたというのに、雨は一向にふりません。
というか夏並みの暑さです。
外を歩いて買い物に行くだけで、汗ダラダラです。
少しくらい雨も降って欲しいものです。
さて、今日の話題は、脂肪とがんリスクについてです。
余分な脂肪が付くと一部のがんリスクが上昇しますが、その際は脂肪の量だけでなく脂肪の付く場所が重要であるという研究結果が、「British Journal of Cancer」オンライン版に掲載されました。
研究を率いた国際がん研究機関(IARC)によると、「今回の研究で、過剰な腹部脂肪はBMI(体格指数)と同じくらい、肥満関連のがんリスクを示す指標となることが判明した。今回の研究は、体型によるリスクに対する理解をさらに深めるものだ。生物学的な基盤による影響をより明確に示すためには、がんリスクを検討する際にBMI以外の因子についても調べることが重要だと考えられる」と話しています。
今回の研究では、平均年齢62~63歳の計4万3,000人を前向きに追跡した7件の研究結果を分析しました。中央値12年間の追跡期間中に、1,600人超が肥満関連のがんと診断されました。
分析の結果、腹囲(ウエスト周囲長)が1標準偏差(SD)増大するごとに肥満関連のがんリスクは13%上昇していました。同様に、臀囲(ヒップ周囲長)が増大すると9%上昇し、ウエスト・ヒップ比が大きくなると15%上昇していました。ただし、この結果は過剰な腹部脂肪ががんリスクを高めると証明するものではありません。
過体重や肥満は、予防可能ながんの原因としては喫煙に次ぐ因子であり、大腸がん、乳がん、膵臓がんなど13種類のがんと関連しています。イギリスのがんの専門家は、「がんリスクを減らす方法について、人々に知らせることが重要である。健康体重の維持は、がんのリスク低減に利益をもたらす可能性があり、他にも多くの恩恵が得られる」と話しています。
さて、皆さんの最近のお腹周りはいかがですか?
2017.06.09.
野菜と果物と血圧の関係
皆さん、こんにちは^^
関西も梅雨入りですが、今日はとっても気持ちの良い天気です。
今年の梅雨は、雨量が多く、蒸し暑いのだそうです。
健康管理には十分注意してくださいね。
さて、今日の話題は、野菜と果物と血圧のお話です。
野菜や果物は血圧を下げると言われています。中でも特に関係しているものがあるのでしょうか。18万人を超える人の長期間のデータから、統計的に関連が見られた食品が報告されました。
研究班は、アメリカで行われた大規模研究3件からデータを集め、合計187,453人の対象者について解析を行い、野菜、果物の消費量と高血圧症の頻度の関連を調べました。
果物、野菜ともに、週4食以上食べる人で高血圧が少なくなっていました。食品ごとに見ると、ブロッコリー、にんじん、大豆食品、レーズン、リンゴを週4食以上食べる人で、それぞれ月1食未満の人と比べて高血圧が少なくなっていました。
やはり野菜や果物は血圧には良いようです。
ただし、この研究の方法では、ほかの原因が関係していた可能性も否定しきれません。たとえば個別の食品についての結果は週4食以上と月1食未満の比較ですが、にんじんを月に1回も食べない食習慣はほかの面でもかなり偏っていたかもしれません。
ここで挙がった食品をひとつの目安にすることで、全体としてバランスのいい健康的な食事につながるかもしれませんね。
2017.06.01.
アニサキス食中毒
皆さん、こんにちは^^
今日から6月です。早いもんですね。
来週には梅雨入りするそうですが、非常に暑い5月でしたね。
全国で2000人以上の方が熱中症で救急搬送されています。
充分お気を付け下さい。
今回は、アニサキスについての話題です。
近年、魚の生食などによって発生する、アニサキスという寄生虫による食中毒の報告が急増しており、大きな問題となっています。厚生労働省の発表している食中毒統計資料によると、2016年のアニサキスによる食中毒の報告件数は124件で、2007年における報告数の20倍以上となり、ノロウイルス(354件)、カンピロバクター菌(339件)に次ぐ、第3位の原因微生物となっていました。
しかし、これらの件数は、あくまでも医療機関から発生届のあった報告数であり、それ以外にも多くの未報告例もあることが指摘されています。国立感染症研究所が行った調査では、病院の患者33万人における診療報酬明細書データによる試算で、年間に約7000件のアニサキス食中毒が発生していると推計されました。つまり、報告されている件数は「氷山の一角」であり、それよりも 遥はる かに多いアニサキス食中毒が、全国で発生しているということなのです。
アニサキスは、長さ2~3cmの白い幼虫として、サバ、サンマ、アジ、カツオ、イワシ、サケ、イカなど、いろいろな種類の魚介に寄生しています。一般的なスーパーなどで買ってきた魚でも、その内臓や身をよく探してみれば、白い糸のようなアニサキスの幼虫が、小さくとぐろを巻いて住んでいる姿がみつかることがあります。アニサキスは、魚の内臓が大好きで、ふつうは内臓を中心に寄生しています。しかし、魚の内臓の鮮度が落ちてしまうと、刺し身などで食べる魚の身(筋肉)の方に移動する傾向があります。
アニサキスは、胃や腸の壁に入ってしまうことで、強い腹痛や嘔吐を起こすことがあります。腹痛は想像以上の激痛となることもあり、緊急手術を必要とするような虫垂炎や胆石症などと間違えられることもあるほどなのです。
アニサキスを駆除する有効な治療薬はありません。胃のアニサキスの場合には、内視鏡検査で胃の壁に頭を潜り込ませている幼虫をみつけて、直接つまみ出すことで治療しています。
アニサキスは、養殖魚ではほとんどみられません。加熱には弱く、60℃でも1分間、70℃以上ではすぐに死んでしまいます。 また、冷凍にも弱く、マイナス20度以下で24時間以上で死んでしまうので、一度冷凍した魚であればリスクは少なくなります。一方、酢、しょう油、わさび等では、アニサキスの幼虫は死にません。したがって、シメサバも残念ながらアウトです。
かつてアニサキス食中毒は、新鮮な魚を食べることができる漁港近くの地域で、集中的に発生していました。しかし今は、本来は焼いて食べたり、冷凍して運んでいた魚を、そのまま食べる機会が増えています。それによって都心でも、サンマの刺し身などによるアニサキス食中毒が、多くみられるようになってきています。
まずは、アニサキスがいる可能性が高い内臓を、生で食べるのは避けましょう。また、鮮度の良い魚を選ぶことで、内臓にいる幼虫が身の部分(筋肉)へ移動することを、少しでも防ぐことができます。
「新鮮=安全」とは限りません。天然物で冷凍なし、おまけに内臓つき、というのが危険なパターンです。「天然、新鮮」は美食のキーワードですが、そこにはアニサキスがいるかもしれません。ご注意を!
2017.05.23.
ビールで認知症予防
皆さん、こんにちは^^
大阪は真夏日まではいきませんが、この時期にしては暑い日が続いていますね。
こんな時期は、帰宅後のビールが非常に美味しいものです。
そこで、本日はビール好きな方にとっておきの情報です。
ホップ由来のビール苦み成分「イソα酸」がアルツハイマー病の予防に有効である可能性が、マウスを用いた実験で判明しました。イソα酸はアルツハイマー病の原因物質であるAβの脳内沈着を抑制し、認知機能の改善に働く可能性があることを、東京大学の研究グループが学習院大学、キリン株式会社との共同研究で明らかにしました。
超高齢社会となった日本では認知症対策は緊急の課題ですが、根本的な治療法はいまだ確立されていません。そこで、日常生活でできる認知症予防への取り組みが注目されています。その1つとして赤ワインに含まれるポリフェノールの摂取が認知症予防に効果がある可能性が報告されていますが、ビールの成分については十分に検討されていませんでした。そこで、研究グループは古来より薬用植物として利用されてきたポップ由来のビール苦み成分である「イソα酸」に着目し、アルツハイマー病モデルとして用いられている遺伝子改変マウスを使って実験を行いました。
研究グループは、イソα酸がマウスの脳内ミクログリア(脳内免疫を担う細胞の一種)のAβ貪食能を亢進し、炎症性サイトカインの産生を抑制する作用をもつことを見いだしました。次に、通常マウスにイソα酸を含有する食餌を3日間摂取させたところ、脳内ミクログリアの貪食活性が亢進して抗炎症型へと変化したことから、脳の炎症が抑制されることも明らかにされました。
さらに、アルツハイマー病モデルマウスにイソα酸を含有する食餌を3カ月間摂取させたところ、対照マウスに比べて脳内ミクログリアの機能が活性化し、脳内に生じるAβなどの老廃物の沈着や炎症を抑制することがわかりました。また、イソα酸の摂取により海馬における神経細胞のシナプス量が有意に増加し、記憶学習機能が改善することも判明したのです。
研究グループは、適量のビールやノンアルコールのビールテイスト飲料の摂取が認知症予防につながる可能性があるとしています。確かに、人間にとってどれだけの量のビールが認知症予防に必要なのかはこれからの課題ですが、ビール好きな方にとっては、ビールを飲む言い訳の一つに出来そうですね^^
2017.05.18.
紫外線予防
皆さん、こんにちは^^
5月も中盤、すっかり新緑の季節になりましたね。
過ごし易い季節ですが、紫外線も気になりはじめる季節でもあります。
そこで、今回は紫外線予防対策のお話です。
アメリカの研究班が、日焼けを防ぐためにビーチパラソルと日焼け止めの効果を比べたア研究結果を紹介します。
この研究は、日焼けで肌が赤くなりやすいタイプ(フィッツパトリックスキンタイプI、II、IIIのいずれか)の参加者81人を対象としています。
2014年8月13日から15日の晴れた日に、テキサス州のルイスビル湖の浜辺で3時間半過ごし、パラソルか日焼け止めのどちらかを使うことによる効果が試されました。
比較のため参加者はランダムに2グループに分けられました。一方はビーチパラソルだけを使うグループ、もう一方はPF100の日焼け止めだけを使うグループとされました。そして、日光を浴びて22時間後から24時間後に、皮膚の状態を評価されました。
その結果、全身のうち1か所以上に赤みが出た人は、パラソルのグループでは78%、日焼け止めのグループでは25%でした。
つまり、強力な日焼け止めを使ったほうがパラソルよりも赤みが出にくかったという結果でした。
しかし、どちらのグループでも完全には日焼けを予防できていませんでした。
どちらのグループでも赤みが出る人がゼロにはならなかったという点が大切です。実際にはどちらか一方ではなく色々な方法を組み合わせて日焼け対策をすることが重要なのです。
日焼け止めをうまく使うことで、赤みが出やすい人も効果的に対策ができます。
2017.05.09.
この時期にインフル?
皆さん、こんにちは^^
楽しいGWも終わって、まだ仕事や勉強に身の入らない方もいらっしゃるのでは?
今年は5連休をいただき、のんびりさせて頂きました。
診察が始まった昨日、インフルエンザB型の患者さまが来院されました。
この時期に?と思われるでしょうが、4月も10人程度のインフルエンザの患者さんがおられました。
今回の話題は、この時期のインフルエンザについてです。
インフルエンザは、毎年、冬に大きな流行を繰り返しています。そのイメージが強いことから、「暖かくなってくれば、インフルエンザにかかる心配はない」と考えている方も多いと思います。ところが、埼玉県の高校で全校生徒966人のうち101人がインフルエンザの症状で欠席し、4月18日に学校閉鎖となったというニュースがありました。そして、全国各地で散発的な流行が続いていることから、「春インフル」という言葉もみられるようになっています。
日本におけるインフルエンザの流行は、通常は毎年12月頃に始まって、翌年の1~3月にピークを迎えます。また、前半は、A型のインフルエンザが中心となって流行し、後半にはB型が増える傾向があります。そして、インフル流行のピークを越えても、5月上旬頃までは地域ごとに散発的な流行を起こすというのが典型的なパターンとなっています。
したがって、「春インフル」というのは、決して珍しいことではないのです。インフルエンザが冬に流行しやすいのは、気温や湿度の低下が関与していると考えられています。しかし、B型が遅く流行する理由なども含めて、季節的な流行の原因が詳しくわかっているわけではありません。
インフルエンザは、春だけでなく、夏にも発生することがあります。たとえば、2009年に世界的な大流行を起こした「新型インフルエンザ」は、夏頃には日本各地でも広がりはじめ、夏休み明けには全国的な流行となりました。しかし、このインフルエンザは、夏に流行する特別なウイルスだったわけではありません。その証拠に、この時に流行したウイルスは、翌年からは冬の流行を繰り返す普通のインフルエンザとなっています。
また、台湾や東南アジアなどの亜熱帯地域では、年間を通してインフルエンザの発生がみられています。つまり、インフルエンザは夏には発生しないというわけではないのです。
流行のピークは越えたとはいえ、まだインフルエンザは各地で散発的な集団発生を起こしています。感染症は、1人の発症をきっかけに広がっていきます。みなさんも、インフルエンザの「残り火」をもらわないように、人混みに出かけた後の手洗いなどの日常的な対策を継続しておきましょう。
2017.04.27.
AIで医者いらず?
皆さん、こんにちは^^
あと少しでゴールデンウィークですね。
5月1,2日を休んで9連休の方もいらっしゃるでしょうね。
何とも羨ましい次第です。
さて、最近、「AI」という言葉を良く耳にするようになりました。
自動運転や音声認識などもAIの恩恵を受けているのですが、医療の世界にもAIが浸透し始めました。
AI(人工知能)を使って心筋梗塞や脳卒中などの患者の電子カルテの情報を分析し、発症や再発するリスクをより正確に予測する研究を始めたと、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)が発表しました。
医師がカルテに自由に書き込む患者の具体的な症状は、同じ症状でも「胸痛」「胸が痛い」などと異なる表現があり、自動的に集計するのは難しかったのです。今回日本IBMの協力を得て、言葉の意味や文脈を理解し、データの関連性などを分析できるAI「ワトソン」を活用。患者約1500人分の電子カルテを読み込ませ、自由記述を正確に識別できるようになりました。
試しにワトソンで識別した「胸の痛み」や「呼吸の苦しさ」といった具体的な症状の情報を、既存のリスク評価基準と組み合わせて人間が分析したところ、心筋梗塞や脳卒中が起こる確率の予測精度を10~15%上げることができたのです。
半年後をめどに同じ規模のデータを読み込ませ、識別の正確さを更に検証する予定です。将来的にはAIで自動的により高い精度でのリスク予測を目指しているようです。同センターの安田聡副院長は、「予後の早期の診断や治療に役立てたい」と話しています。
ワトソンを活用した重症化リスク予測は、藤田保健衛生大(愛知県)なども糖尿病患者で取り組んでいます。
といことは、将来的にAIが医療現場を支配して、医者がいなくなるか奴隷のように働く、、、
そんな、映画「ターミネーター」のような時代が来るのかもしれませんね。
まぁ、その頃には、私は死んでると思いますが。。。
2017.04.21.
スルフォラファン
皆さん、こんにちは^^
先日の雨と強風でクリニックの前の公園のソメイヨシノは葉桜になりましたが、八重桜が満開を迎えています。
淡い色のソメイヨシノもいいですが、濃い色でどっしりした八重桜もいいものです。
さて、本日はスーパーでも最近よく見かけるようになったブロッコリースプラウトのお話です。
「スルフォラファン」とはブロッコリーや大根、ケールなどのアブラナ科の植物に含まれる辛み成分の一種で、普通のブロッコリーよりもブロッコリーの新芽(ブロッコリースプラウト)に多く含まれています。これまでの研究で、このスルフォラファンは体内の毒を排出する解毒作用や健康に害を及ぼす活性酸素の発生を抑える抗酸化作用などをもち、癌や肝機能障害などのさまざまな疾患予防に効果がある可能性が報告されています。
今回、金沢大学とカゴメ株式会社の研究グループは、スルフォラファンの肥満に対する効果に着目し、マウスを用いた実験で検討しました。
マウスを、高脂肪食または通常食にスルフォラファンを「混ぜる」あるいは「混ぜない」4群に分けて14週間観察しました。その結果、通常食を摂取した2群に比べて高脂肪食を摂取した2群では体重増加がみられましたが、高脂肪食+スルフォラファンを摂取した群では高脂肪食だけを摂取した群に比べて体重増加率が15%抑えられたほか、内臓脂肪も20%減少しました。
スルフォラファンを摂取すると、高脂肪食の摂取で上昇したインスリン抵抗性や空腹時血糖値が改善することもわかりました。また、スルフォラファンの摂取でエネルギーの消費量が増えて脂肪燃焼を促進する「脂肪細胞の褐色化」が促されると説明しています。
さらに、スルフォラファンを摂取すると、高脂肪食の摂取で増加した悪玉の腸内細菌が減少し、肥満型の腸内細菌叢を改善することもわかりました。腸内の毒素が減少し、慢性的な炎症を抑えることでインスリン抵抗性を改善し、糖尿病などの生活習慣病の予防に働くと結論付けています。
今後、ブロッコリースプラウトを食べることで肥満や2型糖尿病といった生活習慣病の改善や予防につながる可能性が期待されています!
早速、近所の
2017.04.06.
ロイコトリエン受容体拮抗薬
皆さん、こんにちは^^
暖かい日が続いて、クリニックの前の平野公園の桜も5分咲きくらいでしょうか。
今日もシートを広げてお花見を楽しんでいる方がいらっしゃいました。
うらやましい。。。
しかし、今夜から天気は下り坂。
イベントの日曜日は降水確率50%。。。何とか持ち直してほしいところです。
さて、今日の話題は喘息の治療薬についてです。
喘息や咳喘息の治療には、吸入ステロイド薬のほか、ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)の飲み薬も使われています。
喘息の治療に第一選択として使われる薬は、やはり吸入ステロイド薬です。しかし、人によって吸入ステロイド薬だけでは足りない場合もあります。ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)は主に吸入ステロイド薬を補う治療として使われます。日本では、プランルカスト(商品名オノンなど)、モンテルカスト(商品名キプレス、シングレアなど)が使え、いずれも飲み薬です。
喘息患者を対象として、吸入ステロイド薬の治療中にLTRAを追加した時の効果について、これまでに行われた研究結果が調査され、『Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告されました。
吸入ステロイド薬の量を変えないでLTRAを追加した場合、LTRAを追加しなかった場合に比べて次の改善が見られました。
LTRAを追加したグループでは、研究期間に増悪発作が起こってステロイド内服薬が必要になった人の数が約半数になりました。すなわち、6週間から16週間の間において、22人に1人の割合で、LTRAを追加することにより同程度の発作を防げることを意味しています。
また、副作用の可能性がある症状などが発生した数については、LTRAを追加したグループと追加しなかったグループの間で統計的な違いは見られませんでした。
ロイコトリエン拮抗薬は、現在の喘息治療の中で重要な役割があり、広く使われています。効果を示すデータがまとめられていることで、実際に行われている治療の根拠を確かめることができ、ほかの治療と比較するためにも参照することができるので、ありがたいですね。
ロイコトリエン拮抗薬は、当クリニックでも、大活躍している薬なのです。
2017.04.01.
ペットも花粉症に
皆さん、こんにちは^^
4月になりましたね。
大阪の桜も開花を迎え、イベントもあと1週間となりました。
そんなか、一昨日には、今季初のインフルエンザB型が当クリニックでも検出されました。
38度以上の高熱が出たらご用心です。
さて、今まで花粉症の話題は書いてきましたが、今回はペットのお話です。
花粉症を持つ方はこの時期はとてもつらいですよね。
実はこの花粉症は人間だけのものではなかったのです。人間と同じ哺乳類に属する動物達も人と同じく、外から入ってきた細菌やウイルスから自分の体を守る免疫という仕組みを持っています。
人間に近い猿はもちろん、身近な猫や犬も花粉症になるのです。症状としては、くしゃみ鼻水、、、まさに人間と同じような症状をみせます。
猿や猫は比較的人間に近いくしゃみや鼻水といった症状が見られますが、犬は皮膚炎やアトピー性皮膚炎の症状が強く出るようです。
花粉症は、戦後にスギの木をたくさん植えたことで、おおよそ20年くらいで急に増えたと言われています。
花粉症の発症の仕組みは同じことから、動物達の花粉症も、ここ20年くらいで急増していると思われます。人にとってもつらい花粉症は実は身近なペット達もつらい思いをしているのかもしれません。
この時期にペットに皮膚炎などの症状が出ていたら、人間と同じように早めにお医者さんに診てもらうといいかもしれませんね。
2017.03.27.
あなたの健康食は大丈夫?
皆さん、こんにちは^^
あっという間に3月の最終週。今年も1/4が終わります。
まだまだ寒い日が続いていて、桜の開花はもう少し先になりそうですね。
さて、今回の話題は色々と巷で言われている健康食についてです。
近年、野菜や果物をジュースにして飲む「ジューシング」やココナッツオイルなどの健康食がブームとなっていますが、最新の科学的レビューによれば、このような流行は逆に健康に害をもたらす可能性もあるということです。レビューの筆頭著者は、「栄養に関する情報は混乱を来しており、誰かが『これがよい』と言ったかと思えば、翌日には『よくない』と言っている」と指摘。「このレビューの目的は、医師が患者を助けるために必要なツールを提供するために最善を尽くすことであった」と述べています。
同氏らは、健康的な食事パターン全般と、米国で現在流行している特定の健康食に関する医学的エビデンスをレビューしました。その結果、以下のような結論が得られたのです。
○「ジューシング」は、ビタミン、ミネラルなど一部の栄養素の吸収率を向上させますが、丸ごとの野菜や果物に含まれる繊維質や栄養素は除去されてしまう。また、ジュースはカロリーが濃縮されているが、飲んでもさほど満腹感が得られないという結果に。
○同様に、高用量の抗酸化物質サプリメントを飲んでも、単に抗酸化物質を豊富に含む食品を食べること以上の効果は得られません。植物から何かを抽出しても、一般的には同様の利益は得られず、むしろ危険となることさえあるのです。「バランスのよい食事を摂っていれば、通常、ビタミンサプリメントは必要ない」と同氏は指摘しています。
○ココナッツオイルは、健康食として流行していますが、健康に有害な飽和脂肪を多量に含んでいます。料理には、不飽和脂肪の含まれるオリーブ油やサラダ油を用いるほうがよいのです。ココナッツオイルの効果を裏づけるデータは存在しません。
○グルテンフリーダイエットは、グルテン過敏症やセリアック病の人には有益ですが、穀類の消化に問題のない健康な人に利点はありません。加工炭水化物の比率が高いグルテンフリー食品よりも、全粒穀類のほうが健康によいのです。
○卵はコレステロール値を増大させますが、これまで考えられていたほどではありません。心疾患や高コレステロール血症のリスクが高い人でなければ、1日に1~2個の卵はほとんど影響がないと考えられます。肉や乳製品に含まれる飽和脂肪のほうが、コレステロール値への害は大きいのです。
全体として、未加工の食品を中心とする植物性の食事を摂るのがよいと同氏は結論づけ、「色の鮮やかな野菜や果物は抗酸化物質の豊富な栄養源である」と付け加えています。
つまり、健康食に頼らずに、きちんとした食事を摂るのが一番健康に良さそうですね。
2017.03.21.
キスペプチン
皆さん、こんにちは^^
昨日までの連休は本当に春の陽気で、皆さんもお出かけされたのではないでしょうか?
ところが、本日から冬に逆戻り。
この寒暖差は体にこたえますよね。。。
本日は、ちょっと面白いお話です。
愛情や性行為に関連するホルモンの活性を高める方法があるかもしれないという研究結果が、 ロンドン医学部内分泌代謝学教授らにより報告されました。キスペプチンというホルモンは、体内で自然に分泌され、他の生殖ホルモンの放出を促します。今回の研究では、健康で若い異性愛者の男性29人に、キスペプチンまたは不活性のプラセボのいずれかを注射した後、いろいろな写真を見せながら脳機能の画像解析を行いました。
その結果、カップルの性的な画像やロマンチックな画像を見たときの、性的興奮や恋愛により活性化する脳領域の活動量は、キスペプチンの注射後に増大することが判明しました。
教授らは、「これまで、ほとんどの不妊の研究や治療法では、自然妊娠を困難にしうる生物学的要因に着目してきた。しかし、脳と情動の役割も非常に重要で、これはごく一部しか解明されていない」と話しています。共著者の1人は、「今回の研究は、キスペプチンが性や恋愛に関連する脳の活性を高め、ネガティブな気分を抑えることを示しており、不妊症の人によくみられる心理的な性機能障害やうつ病の治療にキスペプチンを利用できる可能性も提議している」と述べています。
日本人カップルの6組に1組は、何らかの不妊治療をしたことがあると言われています。そういう意味でも、このキスペプチンの更なる解明が待たれる所ですね。
2017.03.16.
花粉症の低年齢化
皆さん、こんにちは^^
やっと寒さから抜け出した感じですが、花粉症の方にはつらいです時期ですよね。
クリニックの看護師も鼻水と闘っておりました。
さて、今回の話題は、花粉症の低年齢化です。
花粉症シーズン真っ只中。花粉飛散量を考えると憂鬱になる人も多いでしょう。最近では子供の花粉症が多く、発症の低年齢化が進んでいることがロート製薬株式会社の調査で明らかになりました。
0歳から16歳の子供を持つ親1,589人のうち、自分の子供が花粉症だと実感している割合は33.4%。2013年の28.8%から増加が続いています。アトピー性皮膚炎や喘息、食物アレルギーは減少傾向にありますが、花粉症に対する実感は年々増加しています。
また、花粉症を発症したと思われる年齢について聞いたところ、5歳までの発症が45.5%、10歳までの発症が82.3%という結果に。対して2012年は5歳までが36.6%で、10歳までが69.3%。発症の実感が低年齢化している傾向が読み取れます。
調査では、花粉症と住環境の関連も浮き彫りになりました。花粉症の子供の住環境で最も多かったのは「一戸建て」で35.2%。次いで「7階以上の高層階」が32.4%。近くをトラックがよく通る坂道で一戸建ての場合、花粉症の割合が38.2%と高くなる傾向が窺えました。
一戸建ては、トラックの排気ガスを吸い込みやすいことが考えられます。排気ガスにはディーゼル粒子やPM2.5が含まれており、それらの化学物質が花粉のアレルギー反応を強めるため、花粉症が起こりやすいと考えられています。
花粉症は集中力の低下をまねき、生活や学習への悪影響が懸念されます。屋内への花粉の侵入を防ぎ、花粉の季節に関係なく、PM2.5や黄砂のリスクが高い日はマスクを着用しましょう。
2017.03.10.
口腔アレルギー症候群
皆さん、こんにちは^^
今週は寒い冬に逆戻りですが、季節は確実に進んでいますね。
それは、花粉症の患者さんが連日来られるからです。
今日は、花粉症に関連した口腔アレルギー症候群についてです。
この季節、「今年も来たか…」と憂鬱な気分の方も多いのではないでしょうか。目はかゆいし、鼻もグジュグジュ…、仕事や日常生活に影響を与える花粉症ですが、今や大人だけの問題ではありません。
ロート製薬株式会社が0~16歳の子ども2,935人の親に行った調査では、約3割の親が「子どもが花粉症だと思う」と回答。子どものアレルギー症状のなかでも花粉症は増加傾向にあり、アトピー性皮膚炎(9.9%)の3倍以上。一方、喘息は8.0%、食物アレルギーは6.1%という結果でした。
症状が出る季節は、春が85.8%と断トツ。スギのほかにも、ヒノキやシラカバ、ハンノキなど、さまざまな樹木の花粉が飛び交います。次が秋で、39.0%。春に比べると少ないものの、秋もれっきとした花粉症シーズンで、ブタクサやヨモギなど雑草の花粉が症状を引き起こします。
花粉症との関係が指摘されている症状に、「口腔アレルギー症候群」があります。食物アレルギーの一種で、特定の果物を食べると、口や唇、喉などにかゆみやピリピリ感が表れます。今回の調査では、花粉症の子どもの20.6%が「果物を食べてかゆみを感じたことがある」と回答。たいていはしばらくすると治りますが、長く続く場合や息苦しさを感じる場合は、アナフィラキシーショックにつながる危険もあるので、速やかに医療機関を受診しましょう。
原因となる果物は「リンゴ・モモ・キウイ」が50.0%と最も多く、次が「メロン・スイカ」の38.9%。いずれの果物も花粉のアレルゲンと構造が似ているため、口腔内でアレルギー症状が起こると考えられており、「交差反応」といわれています。リンゴ・モモ・キウイはハンノキやシラカバ、メロン・スイカはヨモギやブタクサ、トマトはスギと交差反応があると報告されています。
子どもの花粉症については、ぼーっとしているなど、他人からはわかりづらい特徴があるので、周囲の大人が注意してあげることが大切。さらに、乳幼児期から花粉を避ける、屋内への花粉侵入を予防するなど、発症を防ぐことも大切です。
しっかりと予防して、きちんと内服をして、花粉症の季節を乗り切りましょう!
2017.03.06.
睡眠不足で太りやすい?②
皆さん、こんにちは^^
あっという間の2月が終わり、3月になってやや過ごし易くなってきましたね。
しかし、花粉症の方にはつらい時期ですね。
今回は、前回と同じ睡眠不足についてです。
睡眠時間を大幅に制限すると、食欲抑制にはたらくホルモンが減少し、空腹感が増すなど食欲に影響を及ぼし、その結果、肥満リスクが増加することを、早稲田大学と花王株式会社ヘルスケア食品研究所との共同研究で明らかにしました。
これまでの疫学研究で、慢性的な睡眠不足が肥満をもたらすことはわかっていましたが、睡眠時間がヒトのエネルギー代謝にどういった影響を及ぼすのか、その詳細な機序は明らかにされていませんでした。そこで、研究グループは健康な男性を対象に、睡眠時間を通常の7時間と比較して3.5時間に制限した場合のエネルギー代謝や食欲の変化を観察しました。
対象は、平均年齢23歳の健康な男性9人。参加者には決められた食事をとってもらったうえ、(1)7時間睡眠を3日間続けてもらい、3日目の7時間睡眠と翌日の睡眠回復を含む48時間における代謝への影響を測定。次に、2週間の休止期間ののち、(2)3.5時間睡眠を3日間続けてもらい、3日目の3.5時間睡眠と翌日の睡眠回復を含む48時間におけるエネルギー代謝への影響を同様に測定しました。(1)と(2)をランダムな順番で行いました。
その結果、睡眠時間を7時間から半分に制限すると、夜間のエネルギー消費量は増加した一方で、1日のエネルギー消費量には変化はみられないことがわかりました。また、睡眠時間を制限すると、食欲抑制作用をもつペプチドホルモンであるペプチドYY(PYY)の分泌が有意に低下したほか、1時間ごとに質問票で評価した空腹感が増すなど、食欲に影響を及ぼすことも明らかになりました。つまり、。睡眠時間を制限しても1日のエネルギー消費量には変化はみられなかったことから、カロリー摂取量が増えることで体重増加リスクが高まると考えられました。
難しいお話だったかもしれませんが、PYYのような薬が出来れば無理せずに食欲を抑えてダイエットできるかもしれませんね。
しっかり睡眠をとることがダイエットへの近道なのかもしれません。
2017.02.24.
睡眠不足で太りやすい?①
皆さん、こんにちは^^
春眠にはまだまだですが、しっかり睡眠をとってますか?
今回は睡眠不足で太りやすくなるという、ちょと興味深いお話です。
睡眠不足が続くと太りやすくなるという話を聞いたことがあるかもしれません。今回の研究では、睡眠不足と食欲が増すように脳に働きかける物質との関連性が検証されました。
グレリンは、胃から作られるホルモンの一種で、脳に働きかけて食欲を増す物質です。
今回の研究では、健常者19人を対象に、通常の睡眠時間を取る場合と睡眠時間に制限を設けた場合で、摂取カロリーとグレリンにどのような影響が見られるかを検証しました。
その結果、睡眠不足の場合には、グレリンの値が増加していました。さらに、グレリンの値が増えた場合に、甘い物の摂取カロリーが増えているという結果でした。
睡眠不足であると太りやすいという話には、このような背景があるのかもしれません。
しかし、いくら睡眠が大切だからと言って、食っちゃ寝、食っちゃ寝していたら、逆効果ですからね!
あしからず。
2017.02.14.
喘息吸入薬が花粉症に効く
皆さん、こんにちは^^
まだまだ寒い日が続いていますが、体調はいかがでしょうか?
という本人も先日の連休で風邪をひいて、2日間寝て治しました。
金曜日のあの寒い夜に出歩いたのが原因です。
医者の無養生とはよく言ったものです。
本日はバレンタインですが、全く関係のない喘息と花粉症の話題をお届けします。
喘息患者さんのうち6~7割の患者さんがアレルギー性鼻炎を合併していると言われています。花粉症の時期に鼻炎対策をおろそかにしてしまい、喘息症状が悪化することもしばしば見受けられます。その原因は主に3つ考えられます。
1)アレルギー性鼻炎の鼻汁が、鼻腔から後鼻漏を生じ、それを吸いこんでしまうことで喘息症状を誘発する。
2)アレルギー性鼻炎の鼻粘膜で反応するヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症物質が血流を介し、喘息炎症を誘発する。
3)アレルギー性鼻炎による鼻閉の結果、口呼吸になってしまい、アレルゲンが鼻粘膜のフィルター機能を介さないで気管支粘膜に直達し、喘息炎症を誘発する。
そのため喘息患者には、本格的な花粉飛散期の2~4週間ほど前から、花粉症の初期治療を開始するように勧めています。それに加えて、当クリニックでは以前から、初期治療以外に、吸入ステロイド薬(ICS)または吸入ステロイド配合薬を吸入したら鼻から呼気を出すよう指導しています。
ICS使用中の喘息患者さんに対し、ICS吸入後に鼻から呼気を出すように指導すると、鼻腔にステロイドが広がり、花粉症の症状が軽くなるケースを数多く経験してきました。ICSは吸入すると肺に沈着しますが、呼気中に残るICSは鼻腔側へ呼出することで鼻粘膜に作用すると考えられます(下図参照)。ICSと同じ成分が含まれている点鼻薬が市販されていることを考えると、ICSを鼻腔へ呼出することはアレルギー性鼻炎にも効果が期待できると言えるでしょう。
ICS吸入後の鼻腔への呼出が効果的な理由として
1)鼻腔後方から流入する霧状のICSは鼻腔全体から副鼻腔に至るまで拡散する。一方、鼻腔前方から薬剤を噴霧する点鼻ステロイド薬は、主に下鼻甲介に付着し、上部や副鼻腔にまで拡散されにくい。
2)副鼻腔の開口部は鼻腔後方に向けて開いており、解剖学的に鼻腔後方から流入する霧状のICSは副鼻腔まで拡散しやすい。
などのメカニズムが考えられています。
つまり、解剖学的に言っても、ICS吸入後の鼻腔への呼出は理にかなっているのです。
追加料金がかかるわけではないので、是非実践してみてくださいネ!
2017.02.10.
ゾウはガンにならない
皆さん、こんにちは^^
西日本は今季最強寒波に襲われていますね。
大阪も寒い寒い。。。風が冷たい!雪が舞うかもです。
さて、今回はトリビア的な話題をお届けします。
6トンを超える体をもちながら70年以上生き、ほとんどガンにならない動物 ― それがゾウなのです。
この世界最大の陸上動物がガンにならない理由の解明に取り組んだ研究チームが、その秘密を突き止めたと発表しました。
米ユタ大学の研究者は、「男性の半数、女性の3人に1人は生涯にガンを発症する。加齢とともに細胞の損傷を修復する能力が低下するため、ガンは加齢による疾患であるといえる」と説明しています。ゾウの体はヒトの100倍もあり、細胞数も多いことから、確率的には全てのゾウがガンで死んでもおかしくないのに、そのゾウがガンにならないという不思議な能力は科学者らの関心の的でした。
研究者は、動物園の記録を分析した結果、ゾウがガンで死亡する確率は5%未満であることが判明しました。人間の場合は11~25%と言われているので、相当低い数字と言えそうです。さらに、ゾウの全遺伝子の解析を行い、特に腫瘍抑制因子として知られるP53遺伝子に着目した結果、ヒトにはP53が2コピーしかないのに対し、ゾウには40コピーもあることが判明しました。
次に、8頭のアフリカゾウおよびアジアゾウから採取した血液を、健康なヒト11人およびリ・フラウメニ症候群(P53が1コピーしかなく、90%が生涯にガンを発症する)のヒト10人の血液と比較しました。これらの血液検体に放射線を照射し、DNAに損傷を与えると、最初はいずれのP53遺伝子も同じように作用するように見えたが、さらに詳しく調べると、ゾウのP53遺伝子はヒトに比べ、損傷した細胞を修復するよりも死滅させる比率が高いことがわかりました。その数は健康なヒトの2倍以上、リ・フラウメニ症候群患者の5倍でした。
研究者は、「ゾウがガンに抵抗する機序が解明された今、それをヒトに応用する方法を研究することができる」と述べています。
私もゾウの血液を輸血しようかな。。。そうすれば不死身の体が手に入るかもです。
(拒絶反応で必死です。良い子は絶対に真似しないようにしましょう!)
2017.02.02.
チョコレートは健康に良い?
皆さん、こんにちは^^
あっという間に1月が終わり、2月ですね。
テレビなどでもバレンタインデイに向けて色々とチョコレートの特集を目にする機会も増えてきました。
そこで、今回はそのチョコレートについての話です。
今までの研究を解析した結果、チョコレートに含まれるカカオは実際に身体によいという新たな裏づけが得られたことが報告されました。
アメリカの研究者らは、計1,131人の被験者にフラバノール(健康に有益とされるカカオの成分)またはプラセボのいずれかを摂取させた19件の対照試験をレビューしました。フラバノール群の被験者は、1日166~2,110 mgのフラバノールを2週間~1年間にわたり摂取していました。
なお、標準的なチョコレート製品には、この用量のフラバノールは含まれていません。2011年に発表された研究によると、人気のダークチョコレート菓子の間ではフラバノール値に大きなばらつきがあり、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートではさらに差が広がることがわかってます。
米国立衛生研究所(NIH)と製菓企業マース社による研究、さらに米国心臓協会(AHA)と製薬企業のファイザー社による知見をレビューした結果、カカオフラバノールを含む食品を摂取した群では、中性脂肪値が低いことが判明したといいます。また、炎症や血糖値をコントロールする能力の向上が示されたほか、「善玉」コレステロール値にもやや上昇がみられました。
しかし、チョコレート自体による日常の健康への影響は不明であり、利益が害を上回る摂取量や種類についても明確にされていません。いずれにしても、「チョコレートとともに摂取されるカロリーと糖分を無視すべきではない」と、アメリカの研究著者は述べています。
つまり、カカオフラバノールは健康に良いけれど、チョコレートが健康に良いかどうかはチョコレート次第と言えそうですね。
2017.01.27.
今年の花粉飛散は?
皆さん、こんにちは^^
今日は久々に底冷えから解放されて、少しホッとしますね。
でも、気付けば1月もあと5日。
そろそろ花粉症の方は準備が必要です。
日本気象協会は昨年の12月6日、2017年春の花粉飛散予測の第2報を発表しています。
それによると、2017年春のスギ花粉の飛散は、2月上旬に九州北部や中国・四国・東海地方の一部で始まるとのことです。大阪は2月20日ごろ、名古屋は2月15日ごろ、東京は2月15日ごろと予測されおり、全国的に例年並みとみられています。
飛散量については、2016年春と比較すると、九州・四国・近畿地方で非常に多く、中国・東海地方で多く飛散する見込みです。そのほか、北陸地方はやや多く、関東地方ではやや少なく、東北地方と北海道では少ない見込み。2016年夏は全国的に気温が高くなり、日照時間は北海道、北陸・東海・近畿・四国・九州地方のほとんどで多くなりました。「高温」「多照」なほど、翌年のスギ花粉飛散量が多くなることから、西日本の多くの地域で前シーズンよりも「非常に多い」予測となっています。飛散量が少なかった2016年春の3倍以上となる地域もあるようです。
なお、ここでいう「飛散開始」とは「1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日連続して観測した場合の最初の日」のこと。
それ以前も、わずかではありますがスギ花粉は飛散します。早め早めの対策が肝心なのです。
昨年も書きましたが、花粉症のシーズンが始まってから抗アレルギー薬を内服するのではなく、飛散の1か月前から内服しておくと花粉症の症状を軽くすることができます。
ということで、花粉症の方はそろそろ内服を開始しましょう!
2017.01.16.
お酒の後のラーメン
皆さん、こんにちは^^
今季最強の寒波のせいで、寒い日が続いていますね。
強風のせいで、裏の休憩所のテントが破壊されました。。。信じられません!
さて、昨年末から忘年会から新年会と飲む機会が多いですが、お酒に関する話題です。
お酒を飲んだ後に、ついついラーメンを食べてしまうことがありませんか?
ラーメンやアイスクリームを食べたくなるのは、アルコールが食欲にかかわる脳の神経細胞を活性化させるためらしいことを、イギリスの研究グループがマウス実験で突き止め、発表しました。
アルコールは高カロリーなので、飲めば飢えは満たされるはずなのに、逆に食が進むことが知られています。酔って食べ過ぎを防ぐ抑制心が働かなくなるなどの説がありますが、理由はよくわかっていませんでした。
研究グループはマウスにアルコールを与えると、食べる量が約1~2割増えることを確認。アルコールを与えた時のマウスの脳を調べたところ、ふだんは飢えによって食欲が増す時に働く神経細胞が活性化していることがわかったのです。人為的にこの神経細胞の活動を抑えると、アルコールを与えても食べる量は増えませんでした。
この神経細胞は、マウスと人で共通だといわれています。
お酒を飲むと過食しやすいことを、しっかりと自覚しておく必要がありそうですね。
2017.01.13.
地ビールにご注意を
皆さん、こんにちは^^
この冬最大の寒波到来で、北日本を中心に大荒れの天気ですね。
大阪も風が冷たくて、本当にしばれます。
しかも、明日からはセンター試験。
受験生の皆さんは体調に十分気を付けてくださいね。
さて、約束通り、前回に引き続き尿酸のお話です。
最近、小規模なビール工房がつくる「クラフトビール」、いわゆる地ビールの人気が高まっています。
国内のクラフトビールの製造免許場数は2014年時点で181ヵ所と、小規模な醸造所や銘柄が乱立しています。日本のクラフトビール自体は市場の1%にも満たない規模なのですが、米国では成長分野として期待され注目が集まっています。
国内でも、2015年にはキリンビールが「よなよなエール」などを主力商品に持つヤッホーブルーイングと提携を果たし、業界では「2015年はクラフトビール元年」などと言われたそうです。実際に、コンビニや居酒屋でクラフトビールを目にする機会も増えているのではないでしょうか?
ところがこのクラフトビール、実は一般のビールと比べると総じて2倍量から3倍量のプリン体を含んでいるものが多いと言われています。その差はどこからくるのでしょうか?
実は、ビールの中に「酵母」が残っているか否か?が、その主な原因とされています。ビールは、一般的に製造の最終工程で酵母を取り除くために濾過を行います。しかし、クラフトビールでは、濾過をせず酵母を取り除かないことが多いようです。
つまり、クラフトビールにはたくさんの酵母が含まれることになります。酵母も生き物ですので、DNAを持っています。DNAの主な成分の1つにプリン体があるため、結果として、クラフトビールは一般のビールよりもプリン体が高くなってしまうわけです。
クラフトビールは各醸造所において「原料」、「発酵方法」、「酵母の種類」等の工夫が施されています。これらの工夫によりもたらされるユニークかつ多様な酵母は、ビールの個性となって独自の香りや味わいとなっています。
多種多様なクラフトビール。
それぞれの酵母の違いを味わいながら、飲み過ぎない程度に楽しんでみてはいかがでしょうか。
2017.01.07.
恐竜も痛風に
皆さん、こんにちは^^
急に寒くなりましたが、体調にお変りありませんか?
また、正月に美味しいお節料理やお雑煮、お酒をいっぱい摂られた方。
体調は大丈夫ですか?
ということで、尿酸に関連したお話を2回連続でお届けします。
今から6500万年以上前、肉食恐竜のティラノサウルスが痛風に苦しんでいたことをご存じですか?
シカゴのフィールド自然史博物館には、世界で最も有名と言われる「スー」と名付けられたティラノサウルスの化石があります。この「スー」の右手指の骨には、骨の一部が丸く溶けるという痛風の痕跡が認められています。原因は解明されていませんが、赤身肉などの高プリン食の摂取が原因と考えられています。
しかし、肉食動物はすべて痛風かというと、そうではありません。トカゲや亀、ワニ類は痛風になることが明らかになっています。
しかし、肉食動物であるライオンは痛風にはなりません。
この違いは何によるものなのでしょうか?
それは「ウリカーゼ」という酵素の存在によります。
ヒトを含む霊長類や爬虫類にとって、プリン体の最終分解産物は尿酸です。しかし、霊長類以外の哺乳類は、尿酸をウリカーゼで酸化し、水溶性の高いアラントインという物質にまで分解します。このため、人間のように排泄しきれなくなった尿酸が結晶となって関節にたまり痛風の症状として出る、といったことは起こりません。
太古の時代にはヒトもウリカーゼを保有していたといわれていますが、進化の過程で失われたということです。
太古の時代、地球の王者であった恐竜は、ウリカーゼを保有しておらず、現在の王者である人間もウリカーゼを保有していません。
これは偶然なのでしょうか?
王者は、次の王者に痛風という病も継承したのかもしれませんね。
2016.12.26.
見えないネコ
皆さん、こんにちは^^
今年も1週間を切ってしまいました。
そしてクリニックの診療も、今日を含めてあと3日。
何とも早いものです。
さて、今日の話題は「ネコ」です。
2015年頃から、空前のネコブームに沸いています。ネコブームによる経済効果はアベノミクスをもじって「ネコノミクス」と呼ばれているそうですが、関西大学名誉教授・宮本勝浩氏の試算によると、2015年の1年間で約2兆3162億円となるそうです。
このブームを受けてか、平成23年度ではイヌの方が230万頭も多く飼われていましたが、最近ではイヌとネコの飼育頭数はほぼ同数で推移しています。近いうちに、ネコの飼育頭数がイヌを抜くかもしれません。この記事を読まれている方のなかにも、これからネコを飼うことを考えている人もいることでしょう。
しかし、飼いネコが増えることにより心配になるのが、ネコアレルゲンによるアレルギーです。
実は、ネコがいないはずの学校やデイケアなどの公共施設、ネコを飼っていない家庭からも、ネコアレルゲンが検出されることが報告されています。なぜネコを飼っていない場所なのに、ネコアレルゲンがあるのでしょうか。
ネコアレルゲンはネコの毛ではなく、皮膚の皮脂腺からの分泌液や唾液に含まれているFel d1と呼ばれる糖タンパクが主犯格とされています。その成分が、毛づくろいするときなどに毛やフケなどに付着することで空気中に飛び散ってしまうのです。そして、これらが飼い主の衣類等に付いて家の外へ持ち出され、それが別の場所の床に落ちる、他の人の衣類等に付着するなどして、拡散するのではないかと考えられています。特に原因が見当たらないにも関わらず、突然アレルギー症状を訴える患者さんは、どこからかともなく現れたネコアレルゲンに曝露されている可能性があります。
「不思議の国のアリス」に登場する、片方の耳から反対側の耳にまで広がった大きな口でにやにや笑いながら、現れたり消えたりする「チェシャネコ」のように、ネコアレルゲンも意外な場所に現れて、空中を漂っているのかもしれませんね。
2016.12.10.
膝の痛みにキャベツ?
皆さん、こんにちは^^
12月も今日で10日目。本当に早いです。あっという間です。
最後まで気を引き締めて頑張りましょう!
さて、前回、変形性膝関節症に関するお話を書きましたが、今回もその絡みです。
前回も書きましたが。長引く膝の痛みの原因で一番多いのが変形性膝関節症です。重症では手術が必要になります。薬などいろいろな治療が試されていますが、決定的なものは見つかっていません。今回、ドイツの研究班が、なんとキャベツの葉を巻く治療を変形性膝関節症に試した研究の結果を報告しました。
変形性膝関節症は、加齢などにより膝の軟骨がすり減って痛みや動かしにくさを現す変化です。一度傷付いた軟骨は再生しないので、変形性膝関節症はしだいに進行し、治ることはありません。この研究では、変形性膝関節症の進行度がステージIIまたはIIIの人が対象とされました。ステージIIとステージIIIは、ある程度進行し、手術が検討されることもある状態です。平均年齢65歳の変形性膝関節症の患者81人が集められました。対象者はランダムに3グループに分けられ、それぞれ治療を受けました。
①毎日2時間以上キャベツを巻くグループ
②毎日1回以上痛み止めのジェルを塗るグループ
③通常のケアをするグループ
痛み止めのジェルとして、薬剤1gあたり10mgのジクロフェナクが使われました。ジクロフェナクは痛み止めの成分として広く使われています。日本で処方箋なしで買える薬としてはボルタレンACゲルなどが1gあたり10mgのジクロフェナクを含んでいます。
そして、4週間の治療によって次の結果が得られました。
キャベツを巻いたグループで、通常のケアのグループよりも痛みが弱くなっていました。痛み止めのジクロフェナクと比べると痛みに差が見られませんでした。
また膝の機能や生活の質の質問紙でも効果が見られました。
キャベツを巻く治療の効果を示すデータが得られました。キャベツに含まれる何らかの成分が炎症や痛みを抑えるように作用していたのかもしれません。
ただし、ここで紹介したキャベツの効果も、キャベツを食べたときに同じ効果がありそうだとは言えません。
キャベツを巻く方法も、この1件の報告だけで「確かに有効」と決めることはできません。試してみてもいいでしょうし、効果があるかもしれませんが、ほかの方法もいろいろあることと、一度傷付いた軟骨は元に戻らないことを頭に置いていてくださいね。
でも、私的には、ドイツの研究班は何故キャベツを選んだのかの方が興味がありますね。
2016.11.29.
グルコサミンとコンドロイチン
皆さん、こんにちは^^
11月も明日で終わり。今年もあと1か月となりました。
12月は師走と呼ばれるだけに、日が過ぎるのが今以上に早く感じるのでしょうね。
だんだん寒くなってくると、膝の痛みを訴える方が増えてきます。
今回は、CMでもよく流れているサプリメントのお話です。
少し長くなるのですが、お付き合いください。
膝の痛みや変形をおもな症状とする変形性膝関節症。代表的な治療法は手術やリハビリなどです。一方で「膝の痛みに効くかもしれない」と消費者が感じている民間療法に、グルコサミンやコンドロイチンといったサプリメントがあります。しかし、実際に効果はあるのでしょうか?
まずグルコサミンとコンドロイチンについて説明します。
グルコサミンは「糖」のひとつで、軟骨に含まれるプロテオグリカンを作る物質として知られています。一方、コンドロイチンは、前述のプロテオグリカンに含まれる成分のひとつです。
つまり、グルコサミンもコンドロイチンも、軟骨を構成する物質であるという理由で注目されています。しかし、ここで気をつけないといけないことは、「軟骨を構成する物質」を「口から飲む」ことによって、軟骨に行き渡るのか?という点です。さらに、もし行き渡るとしても、人間の体にはたくさんの関節があり、それが「傷んでいる膝に集まる」ことはあるのだろうか、という点も考えなければいけません。
それでは、実際にグルコサミンやコンドロイチンといったサプリメントを飲むことで、すり減った軟骨が改善することはあるのでしょうか?
動物実験では、軟骨が再生したという研究と軟骨は再生しないという研究があります。一方、人を対象とした研究では、軟骨が再生するか画像検査で検討したものがありますが、それについては「効果があるとは言えない」という結果でした。そもそも、口から入ったグルコサミンやコンドロイチンは体内で分解されるのですが、それが軟骨の成分に再合成されるのかという疑問が残ります。ちなみに、効果があるという論文もあるのですが、そのサプリメントを飲む量や継続期間などは実現可能性が高いとは言えない方法であるようです。
一方、軟骨がどうなったかという視点ではなく「痛みはどうなったか?」という視点に基づいた研究も多く検討されています。これに関しては、British Medical Journalという雑誌で検証されています。この研究では、過去に行われた10の研究(3803名の変形性関節症の患者)を対象にグルコサミン、コンドロイチンの効果を調べたものです。効果は痛みについて調べており、痛みのスケール(10cmの線上で、自分の痛みがどの程度か示してもらう検査。0cmを全く痛みがない、10cmを想像できる最大の痛みとしている。)を使っていました。
結果は、グルコサミンを飲んだ群ではプラセボ群(偽薬群)よりも、平均で0.4cm改善したというものでした。コンドロイチンを飲んだ場合、グルコサミンとコンドロイチンを併用した場合では、統計的に意味のある効果はありませんでした。この0.4cm(4mm)という数値を想像してみてください。感じ方はそれぞれかと思いますが、この論文では「臨床的に意味があるほど、痛みに対してグルコサミンとコンドロイチンの効果はない」と結論付けています。
また、この論文が世に出される前には、アメリカ食品医薬品局(FDA)は同様に、「グルコサミンとコンドロイチンに、健康上の有効性を示す、または変形性膝関節症などの危険性を減らすほどの信頼できる根拠はない」と結論付けています。
以上のように、変形性膝関節症の膝の痛みにグルコサミンやコンドロイチンの効果があるとは言えないというのが一般的な意見なのかもしれません。(飲みたい方は全然飲まれてもいいと思いますが、、、信じる者は救われるかもしれません)
2016.11.17.
今季初のインフル検出
皆さん、こんにちは^^
当クリニックではインフルエンザの予防注射で来院される方がピークを迎えています。
1日40人以上来られる日もあります。
そんな中、当クリニックでインフルエンザA型が今季初めて検出されました。
昨季の初検出は年が明けた1月中旬だったので、約2か月早い計算になります。
といっても、昨季が遅すぎただけなのですが。。。
3日前から寒気と関節痛があり、咽頭痛と鼻水と咳。
来院時の体温は37.6℃でした。
インフルと判明して、「5日間の飲み薬にするか、1回15分で終わる点滴にしますか?」とお尋ねすると、点滴が良いというお返事だったので、別室にて点滴を行いました。
以前も書きましたが、当クリニックでのインフルエンザに対する治療は、大人の場合、タミフルを朝晩1カプセル5日間内服するか、ラピアクタという点滴を1回だけ15分かけて点滴するか選択して頂けます。
また、インフルエンザの判定キットですが、判定に適した時間があるのをご存知でしょうか?
発熱してすぐでは陰性となることがあります。
目安としては、発熱から12時間から24時間くらい経過している時がベストタイミングとなります。
ですから、朝起きて熱っぽかったら、1日様子を見て次の日の朝一番に受診、夕方に熱っぽかったら、次の日の昼前くらいに受診するタイミングがいいと思います。
ご参考にしてください。
2016.11.14.
喫煙で遺伝子変異
皆さん、こんにちは^^
暖かい週末でしたが、いかがお過ごしだったでしょうか?
そして、今日はスーパームーンですが、あいにくの天気。
次回見られるのは、2年後の1月1日だそうです。楽しみですね。
さて、今回の話題は喫煙者にはちょっと耳の痛いお話です。
たばこを吸う本数が多いほどDNAが傷つきやすく、1日1箱を1年間吸い続けると肺の細胞では遺伝子に150個の変異が生じるとの研究結果を、国立がん研究センターなどの国際チームが11月4日付の米科学誌サイエンスに発表しました。
変異の数は肺が最も多く、喉、口と続いています。遺伝子の変異はがん発症の危険性を高めるとされ、たばこの影響を部位ごとに詳細に解析したのは初めてで、禁煙の重要性を改めて示した結果となりました。
センター長は「変異が起きる仕組みを解明できれば、がんの予防や治療に役立つ」と話しています。
チームは、日本を含むアジアや欧米の5千人以上のがん患者について、がん細胞のゲノム(全遺伝情報)を解読。患者の喫煙歴を基に1日1箱を吸い続けたときの影響を推計すると、肺は150個、喉頭は97個、咽頭は39個、口腔は23個の変異が1年間に発生し、生涯を通じて蓄積されているとの結果になりました。膀胱は18個、肝臓は6個でした。
さらに詳しく調べたところ、変異の起こり方は部位によって違いがあることも判明。肺や喉頭、肝臓などでは、たばこに含まれる発がん物質によって変異が引き起こされていましたが、膀胱や腎臓では発がん物質と関係なく変異が起きていました。膀胱や腎臓では、喫煙の影響で細胞のDNAを修復する働きに異常が生じた可能性があると考えられています。
なにはともあれ、タバコはやめた方がよさそうですね。
2016.11.08.
ワクチンは午前中が効果的
皆さん、こんにちは^^
大阪は久々の雨で、明日からまたぐっと冷え込みがきつくなりそうです。
日中の温度差も大きく、体調をコントロールするのが難しい時期なので、しっかり管理しましょう!
そんな中、インフルエンザの予防接種に来られ方が増えています。
先週末くらいから、1日15~20人くらいいらっしゃいます。
そこで予防接種ワクチンのちょっとお得な情報をお届けします。
交感神経が活発に働く時間帯は病原体を攻撃する免疫機能が強まり、ワクチンが効果的に働くことをマウスの実験で明らかにしたと、大阪大の免疫学チームが10月31日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン」電子版に発表しました。
チームによると「病は気から」と言われるように、神経系が免疫機能に関わる可能性は古くから指摘されていましたが、詳細は分かっていませんでした。
チームはリンパ節で、交感神経が活発に働くと、神経伝達物質ノルアドレナリンの分泌によって、免疫反応を担うリンパ球が増加するメカニズムを解明。夜行性のマウスでは、交感神経が活発化する夜の方が、昼よりもリンパ球が増加しました。
そこで、夜間にマウスにワクチンを接種し、約1カ月後、病原体の働きを弱める「抗体」を測定すると、昼に接種したマウスよりも、血中濃度が約4倍も高くなったのです。
つまり、ワクチンによる感染症の予防効果には個人差がありますが、「人の場合は交感神経の活動がピークになる午前中に接種すれば、高く安定した効果が期待できる」としています。
チームは「交感神経の活動が高まる時間帯は病原体に遭遇するリスクも高く、免疫機能が強まる仕組みになっているのは理にかなう。神経系と免疫系が相互に作用しながら進化し、生み出された生存戦略ではないか」と話しています。
ということで、ワクチンの接種は午前中が効果的のようですが、午後から接種しても効果がないわけではないので、早めの接種をお願いします。
特に13歳未満の方は2回接種が必要ですので、要注意ですよ!
2016.11.01.
マイコ、今シーズン大流行か
皆さん、こんにちは^^
なんと、今年もあと2か月となりました。本当に早いですね。
この2か月もあっという間に過ぎていくんでしょうね。
悔いの残らないように今年を頑張りましょう!
先日、インフルエンザの流行が早いかもというブログを欠きましたが、今シーズンはインフルエンザだけではないようです。
それは、マイコプラズマなのです。
マイコプラズマ肺炎は、かつては周期的な大流行を繰り返し、その流行のタイミングが4年に1度のペースとなっていました。それが、ちょうど夏季オリンピックの開催年に重なっていたことから、一部では「オリンピック病」と呼ばれたこともありました。しかし、ソウル・オリンピックが開催された1988年を最後に、このような規則性はなくなっています。それでも、小さな流行を繰り返している状況は続いており、国立感染症研究所発表の感染症発生動向調査によると現時点では過去10年間で最大の報告数となっているのです。
マイコプラズマ肺炎は、特に子どもや若者に多くみられる代表的な肺炎のひとつです。近年の報告では、全体のうち約80%が14歳以下で発症しており、そのピークは小学校低学年となっています。
マイコプラズマは、感染してから発症するまでの潜伏期間が長く、約2~3週間(最大1か月程度)もあります。このため、人が多く集まる保育園や学校、会社、病院などでは、施設内で流行が始まると、それが落ち着くまで何か月もかかってしまうこともあるのです。
マイコプラズマによる症状で代表的なのは「発熱」と「咳」です。咳は、乾性咳嗽と呼ばれ、痰を伴いにくい傾向があります。そして、熱が下がっても頑固な咳が長く続くことも多くみられます。また、体のだるさ、頭痛、筋肉痛、関節痛などを伴うこともあります。
治療は抗菌薬の内服です。抗菌薬は細菌の壁に作用することで効くものが一般的です。しかし、マイコプラズマの細胞には壁がないので、このような種類の抗菌薬は効かないのです。したがって、マイコプラズマに効果があるのは、抗菌薬のうちのマクロライド系、ニューキノロン系という種類の抗菌薬が選ばれます。
さらに近年は、通常使用されるマクロライド系という抗菌薬の効かない、「耐性菌」の増加が大きな問題となっています。
マイコプラズマは、くしゃみや咳によって出る飛沫によって感染します。発病する数日前から感染させる可能性がありますが、症状が出た頃から1週間くらいが特に感染しやすい時期となります。その後は、感染力は徐々に低下していきますが、咳が続く1か月以上は人に感染させる可能性があります。
くしゃみや咳によってうつる感染症では、本人が人にうつさないように気をつけることが、最も効果の高い予防策となります。マスクと手洗いをしっかりしましょう!
2016.10.22.
今年のインフル早いかも
皆さん、こんにちは^^
5日連続の夏日の後は、一気に秋に変わった大阪。
昨日の帰宅時、2枚しか着ていなかった私は、「さぶっ!」って震えてしまいました。
明日はいよいよふれあいフェスタです。天気になあれ!
今回はちょっと気になるインフルエンザの話題です。
実は沖縄県のインフルエンザ流行が、例年にない早い立ち上がりを見せているのです。全県では7週連続で増加し、第40週(~10月9日)には定点当たり6.22人と高水準に達しました。地域別には、那覇市で定点当たり11.17人と注意報レベルである10人を超えています。
現在の沖縄県の流行から何が読み取れるのでしょうか?
第40週で、県全体では6.22人を超えましたが、これは同時期で比べると、過去8シーズンで2番目に高い数字となります。ちなみに全国では、同週時点で0.23人と低いままです。
沖縄県で最も高かったのは2009/10年シーズンで、新型インフルエンザが発生した年でした。この時の流行は全国的に夏に始まり、冬にかけて再燃しました。新型発生という特殊事情があったことを考慮し、通常シーズンだけでみると、今シーズンは例年にない早い立ち上がりとなる可能性が高いのです。
ちなみに昨シーズンの全国的な流行入りは年が明けてからで、9年ぶりの遅い立ち上がりでした。
気になるのは流行しているウイルスのタイプ。沖縄県のインフルエンザウイルス検出状況によると、9月以降に検出されている株は7件で、その全てがA香港型でした。同県は昨シーズンも、流行当初に検出されたタイプはA香港型が主流でした。A香港型は他のタイプに比べて重症化しやすいと言われているので、早めのワクチン接種で、重症化を防ぎたいところです。
第40週のデータを感染者の年齢別で見ると、10歳代が107人で最も多く、0-9歳が72人、60歳以降が63人で続いています。
まだシーズンが始まったばかりで予断を許しませんが、沖縄県の流行の現状からは、①早い流行の立ち上がり、②A香港型の先行、③10歳代以下で流行―という特徴が見えてきます。
沖縄県の流行状況が必ずしも全国の流行を先取りするものではありませんが、先行指標の1つとして考慮しておく必要はありそうですね。
2016.10.18.
秋バテ
皆さん、こんにちは^^
秋らしくなったと思ったら、夏日を記録したり、良くわからない気候ですね。
平野東ふれあいフェスタもあと5日後。
現在の天気予報では、曇りのち晴れみたいですが、どうか雨だけは降らないでくださいね!
さて、本日は「夏バテ」ではなく「秋バテ」についてです。
過ごしやすい季節になったはずなのに、疲れがとれない、食欲が出ないなどと体調不良を訴える人が増えています。最近は「秋バテ」と呼ばれていて、高齢世代は特に注意が必要です。
「秋バテ」は、まだ聞き慣れない言葉ですが、秋特有の気候が引き起こす症状なのです。
まず影響するのは気温の変化です。秋は昼夜の寒暖差が大きく、体温を調節する自律神経のバランスを崩しやすくなりあます。十分な睡眠がとれず、体力の低下にもつながりやすいのです。
気圧の変化も人間の体に影響します。台風や秋雨前線で低気圧になると、空気中の酸素濃度が少し低い状態になります。すると、体を休ませようと副交感神経の働きが活発になり、喘息などの人はアレルギー症状が出やすくなります。体力のない人ほど影響を受けやすく、高齢者は要注意です。
過ごしやすくなって、活動的になりすぎてしまうのも秋バテの落とし穴です。夏の間の疲れを残したまま激しい運動をしたり、食べ過ぎたりすると体に負担をかけます。
秋バテは、日頃の心がけで、ある程度予防できます。
電車やバスなどでは立つよう心がけ、エスカレーターではなく階段を使うなど適度な運動で筋肉を落とさないようにしましょう。ただし、体力を消耗する激しい運動は控えることも肝腎です。
入浴は、ぬるめの湯にゆっくりつかると、リラックスし深い眠りにつくことができます。食べ物は胃に優しいものを。ニンジンやサトイモなどの根菜類は体を温めてくれます。腹巻きやスカーフなどで体を冷やさない工夫も有効です。
秋ならではの楽しみを満喫し、冬に備えるためにも、今一度日々の暮らしを振り返ってみてはいかがでしょうか。
2016.10.04.
1975年の日本の食事が老化を防ぐ
皆さん、こんにちは^^
今年もあと3か月を切りました。月日が経つのが本当に早く感じる歳になりました。
但し、歳はとっても、老化はしたくないですよね。
ということで、本日は老化防止に役立つ話題です。
日本の伝統的な食事は健康的と言われますが、最近は日本人の食生活が欧米に近くなっているとも言われます。時代ごとの日本人の食事をマウスに与える実験で、老化を防ぎ、寿命を長くする効果が調べられました。
研究班は、遺伝的に老化が早いことで知られる「SAMP8系」と呼ばれるマウスを実験に使いました。マウスが産まれてから死ぬまで、普通のエサを与えた場合と、日本食を粉末にしたものを加えて与えた場合とで、老化と生存期間に違いがあるかを調べました。
日本食は、国民健康・栄養調査のデータをもとに、1960年、1975年、1990年、2005年のそれぞれで平均的な食事内容のものとし、どれかひとつの年代のものをマウスの一生を通じて与えることで、年代ごとの食事内容により結果に違いがあるかを調べました。
その結果、1975年の日本食を食べたマウスでは、2005年の日本食を食べたマウスよりも老化が遅く、生存期間が長くなり、特に認知機能のうち学習・記憶の能力の低下が抑えられました。
マウスの実験がそのまま人間にも当てはまるとは限らず、またマウスのエサに混ぜることと日本人の食事そのものを対応させて考えられるかどうかも検討の余地があるかもしれません。しかし、同じ日本人の食事でも、年代ごとの違いによってマウスに違う影響があったという結果は興味を引きます。
1975年と言えば、私が小中学生だった頃の食事ですが、確かに田舎育ちだったので、今のようにファストフードを食べる機会が少なかったのは確かです。そして、ハンバーグやカレーは何よりのご馳走でしたしから。食が豊かになるのも、良し悪しですね。
2016.09.27.
芋焼酎に血糖値抑制効果
皆さん、こんにちは^^
朝晩が過ごし易くなったかと思えば、9月の下旬に真夏日。
いったいどうなっているんでしょうか?
秋はいつになったら来るのでしょうか?
待ち遠しい食欲の秋。しかし、食べ物だけではありません。当然ながらお酒も美味しい季節です。
ということで、お酒好きにはとっても嬉しい情報をお届けします。
鹿児島で「酒」と言えば「芋焼酎」を意味するくらい、鹿児島県人は芋焼酎がお好きらしいですが、今回、鹿児島大学の研究グループは、本格芋焼酎に血糖値の上昇を抑える効果があることを臨床実験で確認しました。
臨床実験は、健康な30~50歳代の男女3人ずつ計6人が入院して、ビール、清酒、芋焼酎、水の4種類を、アルコール量が40gになる配分で、1週間おきに1種類ずつ飲みながら夕食を摂ってもらいました。
そして、食後1時間と2時間、12時間後の3回採血し、血糖値を下げるホルモンであるインスリンと、アルコール濃度を測定しました。
その結果、6人の平均値で芋焼酎の濃度がいずれも低く、1時間後の血糖値では水が約50%上昇したのに対し、芋焼酎は約15%にとどまりました。
血糖値抑制のメカニズムはまだはっきりと分かっていませんが、研究グループは「芋焼酎の麹成分が筋肉への等の取り込みを促進するのかもしれない」と推測しています。さらに、「芋焼酎は、食事に注意すれば、糖尿病を心配する人たちでも比較的安心して楽しめる」と話しています。
芋焼酎はブーム時から比べると出荷量が減少しており、鹿児島県酒造組合は「アピール材料が増えるのはありがたい」と喜んでいるそうです。
ついでに私も喜んでいるようです^^
2016.09.13.
恥ずかしいダニ
皆さん、こんにちは^^
台風と秋雨前線の影響で、本日もムシムシしますね。
ということで、先週のダニ続きで、ダニの話題をもう一つお届けします。
突然ですが、「エロダニ」をご存知でしょうか?
このダニは、寝静まったころに寝具に潜り込み、衣服と身体のすき間から軟らかい皮膚を這い回り、人肌を刺して紅色丘疹を残すイエダニのことです。股や腋の下周辺を好んで刺す習性があるため、このような恥ずかしい別名がつけられました。
室内で人を刺すダニは、イエダニのほかにもツメダニが知られていますが、この2種のダニは人を刺す理由が異なります。イエダニは、通常寄生しているドブネズミの巣から人の家へ侵入して、吸血するために人を刺します。しかし、ツメダニは吸血せず、人の肌と触れた時に偶発的に刺すと考えられています。
わが国は世界でもダニの多い地域とされており、世界で約5万種類いるダニの種類のうち、日本には約5千種類が生息しているといわれています。また、ハウスダストにいるダニをまとめた報告でも、少なくとも135種が確認できるそうです。
ツメダニと同じく室内に生息するダニとして、ヒョウヒダニ(ヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニ)も知られています。これらのダニは人を刺さないものの、ダニの中では最も数が多く、日本人のアレルギー疾患の主要なアレルゲンとして問題になっています。通年性アレルギー性鼻炎患者では、52.4~80.0%もヤケヒョウダニに感作されているのです。
ヒョウヒダニは体長0.3~0.6mm前後であり、通常、体長が0.3~0.7mm前後のツメダニより一回り小さく、ツメダニの餌となります。室内でヒョウヒダニが発生すると、それを捕食するツメダニも増加するので、居住者と出くわす機会も増えると考えられています。室内で恥ずかしいところが刺されていたら、エロダニかツメダニの仕業かもしれません。そして、それがツメダニだった場合、アレルゲンの原因でもある小さなダニ達が大発生していることも考えられます。
ダニに最適な繁殖条件は温度25~30℃、湿度60~80%とされていますが、わが国の梅雨は繁殖にぴったりの時期にあたります。また、夏は人でも水分補給が欠かせませんが、ダニも生物ですので水分補給をしています。ただ、口からではなく、全身の表面から水分を吸収しています。室内の湿度が70%ですと、ダニは水分でぷっくりと太りますが、湿度が55%ですと干からびてしまうようです。このようなダニの生態から考えると、室内の湿度管理(湿度を40~60%程度に保つこと)がダニ増殖を防ぐカギになりそうですね。
2016.09.06.
寝室に忍び寄る○○
皆さん、こんにちは^^
9月に入っても残暑が厳しいですね。
しかも、毎週のように台風が発生して、ムシムシ感もMAX。
ということで、ムシに関連した話題をお届けします。
○○の死骸や糞はアレルギー疾患のアレルゲンとしてよく知られており、目には見えませんが、寝室やカーペットなどの室内に潜んでいます。その○○が、ダニ(チリダニ)なのです。寝室の布団や枕にダニがはびこってしまう理由として、どのようなことが考えられるのでしょうか。それを解くカギは意外にも「臭い」にあるのかもしれません。
自分の臭いが染み込んだ寝具やその臭いがこもった寝室は、自分自身は気にならなくても、時に自分以外の人を不快にさせることがあります。夫と同居している25~49歳の妻に、体臭が気になる夫の物についてアンケート調査を行ったところ、82.0%もの妻が「枕・枕カバー」と答えています。そのように、妻たちに嫌がられる夫の枕ですが、意外にもその臭いに惹かれてやってくるのがダニなのです。
では、どの臭い成分が問題なのでしょうか。使い古した枕カバーやハウスダストに付いた成分を調べたところ、揮発性物質の一つであるノナナールに多くのダニが誘引されました。ノナナールは、加齢臭の原因物質としてよく知られているノネナールとよく似た構造をしています。
ノナナールは、人の頭や背中等の皮膚表面からだけでなく、人の落せつからも揮発すると考えられています。ダニは、広い寝室で餌である落せつを探すとき、高揮発性のノナナールの臭いを感知しているのです。
夫の枕の臭いを気にする妻がこのことを知ったら、夫は枕に嫌な臭いをつけるだけでなくダニまで呼び込んでいるのかと、夫に対して腹立たしく思うかもしれません。しかし、ノナナールは若い女性の体臭からも検出されており、決して男性だけの問題ではないのです。
また、その他の様々な化合物についても検討されました。それによると、枕カバー・ハウスダストの抽出物の成分中に、フタル酸エステルが多量に検出されました。フタル酸エステルは汚染物質のひとつであり、アレルギー疾患の有病リスクを上げることが示唆されています。つまり、ノナナールなどにより誘引されたダニの糞や死骸がアレルゲンとなって喘息の発症・悪化にかかわり、さらにフタル酸エステルが喘息に悪影響を及ぼすことが、理論上問題になります。
ダニアレルゲンや汚染物質が喘息を引き起こさないようにするためにも、身体を清潔にすることはもちろん、室内のこまめな掃除、寝具・衣類の洗浄、換気などでアレルゲンや汚染物質を除き、“Indoor Pollution”を避けましょう。
2016.08.31.
映画「甘くない砂糖の話」
皆さん、こんにちは^^
台風一過で大阪はカラリとした晴天です。
昨夜も割と涼しかったですが、なんともう秋の虫の音色が聞こえました。
先日まで蝉の鳴き声でうるさかったのに、季節の移り変わりは早いですね。
そして、本日で8月も終わりです。今年も残すところたったの4か月。
本日はちょっと恐ろしくもあり、おかしくもある映画のご紹介です。
好むと好まざるとにかかわらず、オーストラリア人は1日にティースプーンに換算して平均40杯分の砂糖を摂取しているそうです。飲み物や加工食品のほとんどに大量の砂糖が含まれているからです。我々はこんなにも砂糖漬けなのに、その影響を知らないのはおかしいと、自らが実験台となり、60日間、1日ティースプーン40杯分の砂糖の摂取を実行し、人間の心と体はどのように変化していくのか。本国オーストラリアで社会現象を巻き起こした体験型ドキュメンタリー映画なのです。
この実験に乗り出したデイモン・ガモーさんはオーストラリアの俳優さん。普段は健康志向の恋人の影響で、加工食品を避けて野菜や果物、肉などのバランスの良い食事で平均的なカロリーを摂取していました。子供が生まれたのを機会に砂糖と健康に関する明確な答えが欲しいと、何よりも信じられる自分の体で実験することにしたのだそうです。
実験のルールは5つ。①1日にティースプーン40杯分の砂糖(160g)を取る②砂糖は低脂肪ヨーグルト、シリアルなどのヘルシーとされているが実は砂糖を多く含む食品から摂取する③ソフトドリンクやチョコレートなどのお菓子類、ジャンクフードは食べない④必ず「低脂肪」の食品を選ぶ⑤運動習慣は続ける。医師、栄養士などの専門家チームの管理の下、実験はスタートしました。
実験開始から12日間で3.2kgも体重が増え、18日間でGOTの数値が大きく上昇し肝臓が脂肪だらけになり、精神的な不調も出始めました。しかし驚くことに、体がこの状況に適応し、甘いものを欲するようにさえなったのです。たばこと似ているとデイモンさんは話しています。糖分を取ると興奮状態に陥ることも。35日が経過したころには集中力の低下、うつ状態、さらにはだるさも感じるように。60日の砂糖漬け生活終了時には、摂取カロリーも変わらず、運動も続け、ジャンクフードも避けたのに、体重が8.5kg、ウエストは10cmも増加し、あらゆる生活習慣病の発症リスクが高まっていました。
国の食品規制や嗜好性の違いから、全てが今すぐ日本の状況に当てはまるわけではなさそうですが、体験として示されたこの「現実」から目を背けるのは難しいでしょう。
身近な砂糖に隠された、甘くない真実をあなたはまだ知らない。
2016.08.19.
緑茶の効用
皆さん、こんにちは^^
昨日は少しましでしたが、本当に暑い日が続いていますね。
それもそのはず。8月に入って18日間で猛暑日でなかったのは3日だけ。
外来にも普通に熱中症の患者さまが、熱中症だと思わずに来られています。
皆さんもお気を付け下さいね。
さて、今回の話題は、緑茶のちょっとうれしい話題です。
緑茶には様々な面で健康に良い効果が知られています。特に有効と考えられている成分が、エピガロカテキンガラート(EGCG)です。今回、台湾の研究班が、肥満治療を目的として、多量のEGCGを毎日飲む効果を試しました。
BMI(体重÷身長の2乗)が27以上、腹囲が80cm以上の女性102人を対象として、高用量EGCGを飲むグループと偽薬を飲むグループにランダムに分け、12週間の高用量EGCGによって違いが出るかを調べました。
その結果、高用量EGCGを飲んだグループでは、体重、BMI、腹囲が減少していました。
ただし、私の読んだ要約文にはどの程度多量のEGCGを飲んだのかは、記載されていませんでした。そして、その多量のEGCGを、実際の緑茶ではどれだけ飲めばいいのかも分かりませんでした。
何はともあれ、 EGCGの効果はまだ調査されている段階ですので、もし確かな効果が見つかれば、将来治療薬として使われることがあるかもしれませんね。
2016.07.19.
熱中症で下痢に
皆さん、こんにちは^^
関西もやっと梅雨明けで、本格的な夏を迎えそうです。
先日、熱中症の話題をアップしましたが、今回も熱中症つながりのお話です。
皆さんは、熱中症で下痢になることをご存知でしょうか?
暑い日が続くとお腹がゆるくなり下痢になることがあります。食あたりかとも思いながら、心当たりはない…そういう時には、熱中症かもしれません。
全国的に暑い日が続いていますが、病院では熱中症の患者さんが毎日続々と受診されています。
しかし、下痢をしている時に自分が熱中症だと思う人は少ないのではないでしょうか。実は、熱中症のよくある症状の一つに下痢があるのです。少し緩いくらいの軟便だけでなく、水様下痢が出ることも少なくありません。真夏日に下痢で救急病院を受診する方の、大半が熱中症ということはよくあります。
なぜ熱中症で下痢をしてしまうのでしょうか?
熱中症は、体温が上がって体中の機能がうまく働かなくなってしまう状態です。
熱中症で下痢になる原因には、以下のようなことがあります。
1.熱中症のときには、サイトカインという炎症物質が体内で増える。このサイトカインが下痢を引き起こす。
2.脱水になって、血液が濃くなる(高ナトリウム血症)。すると腸のはたらきが悪くなって下痢をする。
3.汗をたくさんかいて、その後に水分を一気飲みすると、腸で水分を吸収しきれずに便が水っぽくなる。
ここで大切なのは、熱中症は体温だけの問題ではなくて、脳から胃腸、肝臓、腎臓など、あらゆる内臓に影響をおよぼす病気だということです。
また、熱中症は、炎天下の運動だけで起こるわけではありません。暑い日に一気に熱中症になることもあれば、何日もかけてじわじわと熱中症になることもあるのです。
ずっと屋内にいても、閉めきった部屋で冷房なくすごしていると熱中症になってしまいます。寝ている間は水分補給ができませんから、10時間近く汗だけをかきながら、一滴も水分をとらないという状況が体に良くないことは、想像にかたくありません。クーラーの使い過ぎは体によくありませんが、体が冷えすぎないように注意しつつ適切に冷房を使用することは、体を守るためでも大切なことです。
熱中症の下痢に対する治療は、基本的に通常の熱中症に対する治療と同じです。飲んでも点滴をしても効果は変わらないのですが、吐き気が強くて沢山は飲めないという人は、点滴することで十分な量の水分・塩分補給ができます。
そして、下痢そのものの治療はあまり必要なく、水分・塩分補給をして体を休ませているうちに、自然と治ってくるのを待つことになります。
「下痢と熱中症」と言われてもあまり結びつきを感じにくいと思うのですが、だからこそ頭の隅に記憶しておいてくださいね。
2016.07.11.
熱中症は予防できる!
皆さん、こんにちは^^
いよいよ、本日から平野郷夏祭りが始まりました。
明日からは地車が町中をうねり歩きます。
そこで、少し長くなるのですが、熱中症の予防法や対処法をお届けいます。
熱中症では、頭痛やだるさ、吐き気といった症状がでます。そして、体に熱がこもって体温が上がります。すると熱や脱水が原因で、血液中に炎症物質が増えてしまいます。この炎症物質が頭痛の原因です。熱と脱水が頭痛の原因なので、ロキソニンやバファリンのような頭痛薬を飲むだけでは、効果は十分に得られません。体を冷やして水分補給をすることが一番の治療になります。
また、「日曜日に炎天下でスポーツをした。その後からぐったりとしてしまい病院へ。熱中症と言われて点滴をしたけれど、水曜日になってもまだ頭痛が続いていて…。頭以外は大丈夫なんですが…」
これは熱中症としては、典型的なパターンです。熱中症は、よく食べよく寝て、一晩たてばすっきり治るという病気ではありません。水分補給を正しくしても、体内のバランスが整い切るまでには数日間のズレがあります。それが原因で、治療をしてから何日も頭痛やだるさが続いてしまうのです。この症状が続いている最中は、体が特に熱中症に弱い状態です。辛い間に無理をして、2回目の熱中症にならないようぜひ注意してください。
さて、熱中症では、具合の悪さを3段階に分けて表現することになっています。
1度:めまい、立ちくらみ、吐き気、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)
2度:頭痛、嘔吐、だるさ、脱力感、集中力や判断力の低下
3度:意識や反応が低下する、全身がけいれんする
1度が軽症、3度が重症です。このうち、1度はその場で対処可能ですが、2度以上は医療機関の受診が必要となります。頭痛は2度の熱中症の目安になるので、頭痛が目立つときは無理をせず病院に行ってください。
次に、軽い熱中症(1度の熱中症)に対する応急処置としては、以下点にまず気をつけます。
○直射日光を避ける
○風通しの良い場所、または、冷房の効いた室内へ移動する
○太い血管がある場所(首、脇の下、足の付け根)を冷やす
○休んだ後に、水分と塩分を十分にとる
体を冷やすときは血管の近くを冷やすと、体の表面だけでなく体全体を効率良く冷やすことができます。また、クーラーだけでなく扇風機も有効です。冷たい風を送るだけでなく、体の表面の汗が蒸発する際に体の熱も一緒に逃がしてくれるためです。
前述しましたが、熱中症の原因は、大きく3つあります。
1.体温の上昇
2.脱水
3.ミネラル(特に塩分)の不足
しかし「水と塩をこまめに!」と言われても、量が分かりにくいですよね。量の目安を説明します。
まず水分です。暑い日に運動していたら、ペットボトル1本や2本では全く足りません。中高生が炎天下で1日部活動をするようなときには、4~5リットルと必要な場合もあります。頭痛がするほどなら水不足の可能性が大きいです。
水分が不足しているサインは2つあります。
1.尿が出ない
2.脈が早い
たとえば半日のスポーツや作業あたり、一度も尿が出ないというのは、水分が不足している証拠です。十分に水分摂取ができている場合には、2~4時間に1回は尿が出ます。尿の回数が少なければ、増えるまで水分を補給してください。
脈拍も大事です。普段なかなか脈拍を測る習慣はないとおもいますが、「熱中症かな?」と思ったら、運動をやめて休んだあとの脈拍を測ってみてください。1分間測って、おおまかな目安は次のようになります。
○50-90回:正常範囲内です。それでもだるさや吐き気がある場合は熱中症の可能性があります
○90回:脱水気味で、熱中症が疑われます
○100回以上:本格的な脱水です。
水分についてまとめると、
○運動量によって飲むべき量は変わる
○炎天下で運動していたら、500ml のペットボトル1本や2本では足りない
○どれだけ飲むべきかは、「尿が2~4時間に1回出る程度」または、「脈拍が1分間に90回未満になる程度」が目安と言えます。
また、熱中症で忘れられがちなのが塩分です。水分摂取に気をつける方は多いのですが、汗の中には水だけでなく塩分も含まれています。熱中症で足がつったり、頭がぼーっとしたりする場合には、塩分が足りないという可能性に注意が必要です。
「塩分が大事だから、お茶じゃなくてスポーツドリンクを飲もう」
そう思う方もいるかもしれません。しかし、スポーツドリンクに含まれている塩分は微々たるもので、スポーツドリンクだけで熱中症を防ぐことはできません。スポーツドリンク(500ml)を1本飲むよりも、コンビニのおにぎりを一つ食べる方が効果的です。味噌汁やおかずであれば、もっと多くの塩分が含まれています。塩分を摂るならば、水分よりも食事が大切です。含まれている塩分量が大きく違うためです。
さて、最後に、塩分の目安を確認してみましょう。
1リットルの汗をかくごとに、塩分はおよそ1グラム失われます。
炎天下で、3リットルの汗をかいた場合
○ポカリスエットなら2リットル
○アクエリアスなら3リットル
○塩飴なら15個
○味噌汁なら2杯
○梅干しなら1個半
この量で、ちょうど失った塩分(3グラム分)が補給できる計算になります。朝に味噌汁を1~2杯飲むだけで、効率良い塩分補給になることが分かります。
熱中症は予防できる病気です。
「水と塩をとる」ことは知っていても、どのくらいとったらいいかはよく知られていません。また、どんなに完璧なスケジュールで食事・水分を摂っても、休憩なしで炎天下で運動していたら、やはり熱中症になってしまいます。
最後にまとめです。
○熱中症の頭痛は要注意。頭痛薬ではなく水分・塩分補給が一番の治療
○水分摂取は「尿が2~4時間に1回出る程度」または、「脈拍が1分間に90回未満になる程度」が目安
○塩分摂取はドリンクよりも食事。運動前後ではしっかり食事を摂る
○運動中は2時間に1回(以上)を目安に休憩をする
これらを心がけるだけで、熱中症の発症率は下がります。頭痛がして「熱中症かな?」と感じた方は、まず部屋を涼しくして、水分と塩分を補給してみてください。暑さのピークの季節が過ぎるまでは、「スポーツドリンクを飲んでおけばなんとかなる」というのではなく、ぜひ上記の目安を意識してみてください。
2016.07.06.
火薬が心臓病を治す?
皆さん、こんにちは^^
昨日の大阪は猛暑日。
もう梅雨は明けたのでしょうか??
台風は近づいていますが、暑い日が続きそうなので、体調には十分注意しましょう!
さて、今回はちょこっと趣向を変えて、トレビア的なお話です。
狭心症発作の時にニトログリセリンを使うことは、皆さんもご存じだと思います。このニトログリセリンは、ダイナマイトの原料でもありますが、火薬がどうして狭心症に使用されるようになったのでしょうか?
昔ヨーロッパの火薬工場で働いていた作業員が、休暇明けに出勤して仕事を始めると、ひどい頭痛やめまいに悩まされるという苦情が相次ぎました。一方で、狭心症を患う従業員が自宅では発作が起こるのに工場では起こらないというエヒソードかあり、これに注目した医師が「火薬には血管を拡張させる作用があるんじゃないか?」と考えて研究したことで発見されたといわれています。
このメカニズムは長年未解明だったのですが、1990年代になってニトログリセリンが加水分解されて硝酸ができ、さらに還元されて一酸化窒素(NO)が産生され、それが血管拡張のシグナル伝達物質であるということが発見され、1998年のノーベル生理学・医学賞の対象となりました。NOのような気体が血管拡張や神経伝達、免疫反応のメディエーターとして働いているという発見は、生理学や薬理学の発展に大いに貢献し、世界を大きく変えたといっても過言ではありません。
ちなみに、現在医薬品として使われている硝酸化合物は、硝酸イソソルビドなどのニトロ基をもつ硝酸系の薬品が主で、医薬品のニトロをいくら集めても爆薬にはならないし、医薬品が爆発事故を起こすこともありませんのでご安心を。
2016.06.15.
痛風の遺伝子
皆さん、こんにちは^^
梅雨入りしたのに、雨の日が少ないですね。
特に関東では貯水率が低下して、夏場の水不足も心配です。
関西は大いなる琵琶湖があるので、大丈夫なのでしょう。
さて、本日は前々回の痛風つながりで、痛風の遺伝子に関する話題です。
痛風発作は、過度の飲酒などで血中の尿酸値が高い状態が続くと発症します。
中年以降の男性に多く、国内患者は約100万人、予備軍の「高尿酸血症」は約1千万人とされています。
防衛医大の研究チームは、東京と京都の医療機関に通う痛風患者の男性1048人と、痛風ではない男性1334人の遺伝子を解析。発症に関連する五つの遺伝子領域のうち未解明の一つを調べ、アルコール分解にかかわる酵素をつくる遺伝子ALDH2が影響していることを突き止めました。
この酵素はアルコールから分解されたアセトアルデヒドを酢酸に変える役割ですが、ALDH2遺伝子に変異があるとうまく働かず、二日酔いになりやすくなるのです。そして、この遺伝子に変異がある人に比べ、変異がない人の痛風発作発症リスクは2.27倍でした。
研究チームは、「痛風は遺伝子の影響も強く、遺伝子の個人差に応じた予防や医療の重要なモデルの一つとなる可能性がある。未成年の発症リスクも調べられる。今後もさらに研究を進めていきたい」と話しています。
ちなみに、アルコールを分解するのに関連する遺伝子はADH18で、この遺伝子に変異があると酩酊状態になりやすいのだそうです。
そして、私の遺伝子は、アルコール分解は弱いのですが、アセトアルデヒド分解には強いタイプらしく、酩酊状態になりやすいけど二日酔いしにくいタイプらしいです。。。
気を付けましょうね!(誰が?)
2016.06.09.
喘息と梅雨
皆さん、こんにちは^^
本格的な梅雨シーズンが始まりました。
この時期には、喘息の症状が悪化したり、発作が起こったりしやすいのです。
何故でしょうか?
ジメジメと蒸し暑いこの時期は、ダニが大好きな季節なのです。 湿度60%、気温25度を超えると、ダニは一気に増え始めます。
梅雨から夏にかけて増えたダニは、空気が乾燥して気温も涼しくなってくる秋には死滅します。 このダニの死骸は生きているダニよりもさらに細かく、気管支に入り込みやすいため、秋の発作の原因の一つとなってしまいます。
ですからこの梅雨の時期にできるだけダニの繁殖を防ぐことは、秋のダニアレルゲンを減らすことにもなって、一石二鳥の効果があるわけです。
また、この時期の天気図を見てみると、梅雨前線が日本列島を横断するように長く伸びていますよね。
梅雨前線は雨を降らせるのと同時に、気圧にも影響を与えています。 急にお天気が変わる時、つまり気圧が急激に変化する時に、発作が起こりやすいのです。
そして、夏風邪です。冬の風邪の原因となるウイルスは、寒くて乾燥したところを好みます。 しかし、夏風邪の原因となるウイルスは、逆に暑くてジメジメしたところが大好きなのです。これらのウイルスが梅雨になると繁殖し始めます。 そしてこのウイルスが原因の夏風邪をひき、そこから発作が誘発されてしまうのです。
ダニ、気圧、夏風邪。
気圧の変化を予防することは出来ませんが、ダニや夏風邪は予防することが可能です。
しっかりと対策をして、梅雨の時期を乗り切りましょう。
それでも、喘息症状が悪化したら、早めに受診して下さいね!
2016.06.03.
痛風放置は危険!
皆さん、こんにちは^^
早いものでもう6月ですね。
あと27日で今年も半年が終わります。
この歳になると、月日が経つのが早く感じるのは、私だけでしょか?
さて、本日の話題は「痛風」についてです。
痛い関節炎を特徴とする痛風は、心筋梗塞などの心血管疾患や、腎障害とも関係があると考えられています。
原因は血液中に「尿酸」という物質が多くなるためで、薬で尿酸を減らす治療が行われます。
今回、台湾で17歳以上の約4万人の対象者を6.5年間追跡し、尿酸を下げる治療によって心血管疾患による死亡およびほかの死因による死亡に違いがあるかが統計解析されました。
その結果、痛風がある人は、ない人に比べて死亡率が高く、痛風がある人の間では尿酸を下げる治療を受けていなかった人の死亡率が、尿酸を下げる治療を受けていた人に比べて高くなっていました。心血管疾患による死亡に限っても、すべての死因による死亡についても同様でした。
この研究の方法では、痛風が長期間治療されなかった背景にほかの原因があり死亡率を高くしていた可能性を否定できません。その可能性を踏まえても、痛風を治療しないということが危険な状態の指標になりうることを示唆する結果と言えそうです。
痛風の治療は確実に行いましょうね!
2016.05.28.
ウエスト増加で病気も増加
皆さん、こんにちは^^
いい天気が続いていましたが、大阪では昼からシトシト雨が降り始めました。
気温も少し下がるみたいなので、喘息の方は十分注意してくださいね。
さて、今回の話題は、皆さんが気にしている「ウエスト」の話です。
数年の体型変化が、どの程度病気の危険性を増すかは今まで知られていません。
今回の研究では、デンマークとスウェーデンの研究に参加した女性2,492人を対象に、ウエストの太さの6年間の変化と心筋梗塞や脳卒中といった心血管系疾患の発症に関連があるかが検証されました。
その結果、ウエストの太さの増加と心筋梗塞や脳卒中の増加、また死亡率の増加は関連しており、特にウエストが8.1cm以上太くなるとその危険性は2.16倍になるという結果でした。
ダイエットでウエストを細くすれば、死亡率が低くなるかどうかはわかりませんが、もしかしたらウエストの太さは生活習慣に関連していることから、このような結果が出たのかもしれません。
いずれにしても、ウエストが太くならないように普段から気をつけることが健康を維持するうえで重要なようです。
ウソのような本当の話でした。。。
2016.05.25.
ココアで美肌!?
皆さん、こんにちは^^
少し暑さも和らいだみたいですが、湿気が多くてジメジメしますね。
湿気が多い時には汗が出にくく、体温が上昇しがちなので、熱中症には十分注意してくださいね。
さて、今回の話題は女性に嬉しい美肌のお話です。
ココアに含まれるフラバノールは、動脈硬化の予防に有効であるという研究を以前に紹介しました。
今回の研究では、対象者がココアフラバノールを飲むことで、肌荒れや皮膚の弾力性の改善に有効であるかが検証されました。
ココアフラバノールは、1日320mg、24週間飲み続けました。
その結果、ココアフラバノールを飲んだ群で、より肌荒れが改善しました。また、肌の弾力性も改善するという結果でした。
ただし、ココアの他の成分に、肌にいい影響があったのかもしれません。
そして、今回の研究で検証されたココアフラバノールの量は1日320mgです。この量は、ココア製品によっては10杯以上飲まなければいけない量ですので注意が必要です。
でも、美意識の高い貴女なら、やっちゃうかもですね!
2016.05.20.
巻き爪(嵌入爪)は外科受診を
皆さん、こんにちは^^
とても良い天気が続いていますね。もう暑いくらいです。
先週末の食いしん坊マラソンで日焼けして両腕は真っ黒です。
今週末は甲子園に行ってきます!
さて、今回の話題は「巻き爪」についてです。
女性の10人に1人は巻き爪と言われています。
今回は、20年以上巻き爪に悩まされていた患者さまが来院されました。
何度も化膿を繰り返し、その度に痛い目に合われ、色々な病院に行かれたようです。
そして、ワイヤー矯正治療やプレート矯正療法を受けられたそうです。これらは、保険診療ではないので、自費払いです。1回10,000~20,000円かかったそうです。しかも、爪は当然伸びるので、2~3か月ごとに受診が必要で、その度にお金がかかります。大変な出費です。
そして、矯正を止めたので、来院時には見事な元の巻き爪に戻っていました。
「一生矯正し続けないといけないのですか?」、「根治療法はないのですか?」と先生に尋ねたそうですが、「そうですね。根治療法はないので、矯正しかありません。」と言われてそうです。
私は「何科の先生がそう言われましたか?」と患者さまに尋ねると、「皮膚科です。」と言われました。
まあ納得です。皮膚科の先生であれば、巻き爪の手術はやらないので、根治療法があるのをご存じないかもしれません。
なので声を大にして言いたい!
「巻き爪の根治療法はあるのです!」
「巻き爪は外科を受診してください!」
2016.05.06.
高タンパクの朝食で血糖値も改善
皆さん、こんにちは^^
昨日で私のGWは終わりましたが、なんと世の中の40%近くの方は本日も休みだそうです。
ということは、超羨ましい10連休ですね。。。
と言っても仕方がないので、仕事、仕事。
さて、本日の話題は前回の高タンパクの朝食が糖尿病も予防するかもというお話です。
青年期における過体重あるいは肥満レベルは、将来の為にも改善が望まれますが、特に血糖値を正常範囲で調節しながらの改善が必要です。今回、アメリカの研究グループは朝食の内容に着目し、高タンパク質の朝食が及ぼす影響を調べました。
太っているけど糖尿病ではない10代28人に対し、12週間とる朝食を高タンパク質(35gタンパク質)か通常タンパク質(13gタンパク質)かの2グループに分けて、血中ブドウ糖の計測で比較を行いました。
その結果、高タンパク質食を朝食にすると、一日で最大になる時のブドウ糖値を減らし、食事後のブドウ糖の変化量も減らす結果となりました。
著者らは、「これらのデータは、過体重か肥満以外は健康で、”朝食を抜く”青年において、日々35gの高品質タンパクを含む高タンパク朝食を摂ることが通常量タンパク質朝食よりも、自由な生活をしながらの血糖コントロール改善に効率が良いことを示唆する」と述べています。
10代の肥満は生活習慣や環境など様々な要因が絡みますが、このように朝食の質を改善する方法も対策になるかもしれません。
高タンパク質朝食にかかる費用や調理方法など、日常的に無理なく実践できる具体的な方法についても提言があれば、さらに毎日の食事の参考にできるかもしれませんね。
それにしても、高タンパク朝食、恐るべし!
2016.04.25.
高タンパクの朝食で体脂肪をセーブ
皆さん、こんばんは^^
暖かい日が続いていますが、熊本や大分ではまだ余震が続いているうえに、エコノミー症候群の発症やノロウイルスの検出など様々な問題が起こっていますね。
仮設住宅を含めた早期の支援体制の確立が必要ですよね。
さて、今期の話題は高タンパクな朝食の影響です。
健康的な食生活には朝食が大切と言われています。朝食にはどんなものを食べるとよいのでしょうか。
朝食を抜く習慣のある若い肥満傾向の人を対象に、高タンパクの朝食による効果を調べる研究がアメリカで行われました。
この研究では、19歳前後でBMI(体重÷身長の2乗)が25以上の過体重または肥満にあたり、朝食を抜く習慣がある人57人が対象となりました。
対象者はランダムに3グループに分けられ、13gのタンパク質を含む普通の朝食を食べるか、カロリー量が同じで35gのタンパク質を含む高タンパク朝食を食べるか、朝食を食べない習慣を続けるかに割り当てられました。そして、12週間の朝食の違いによって、グループごとに体重などに変化があるかを比較されました。
その結果、朝食を食べないグループでは体脂肪量が増加しましたが、それに比べて高タンパク朝食を食べるグループでは体脂肪量増加が抑えられました。普通の朝食ではこの効果は見られませんでした。
高タンパク朝食の効果については他にも研究があり、健康に良いと見られる影響が報告されています。
食生活改善のための参考になるかもしれませんね。
2016.04.19.
ヨーグルトで糖尿病予防
皆さん、こんにちは^^
熊本や大分では大変な状況が続いていますね。
余震がいつまで続くのでしょうか。
木曜日には再び雨という予報で、更に被害が拡大しないのを願うばかりです。
さて、イベントの関係で、健康に関する情報が2回飛びましたが、その前にアップしたヨーグルトに関する別の話題です。
今回の研究は、英国ケンブリッジ大学の研究チームが、英国のノーフォーク州在住の男女3,500人を、11年間追跡して調査し、食事と糖尿病の発症との関連を調べました。
調査期間中に753人が2型糖尿病を発症しましたが、ヨーグルトや低脂肪のフレッシュチーズやカッテージチーズなどの乳製品を食べていた人達は、全く食べていない人達と比べて糖尿病を発症した割合が24%低い結果となりました。
低脂肪の乳製品を種類別に調べたところ、ヨーグルトのみを食べていた人では、糖尿病リスクは28%低下したことが判明しました。その人たちは、カップ入りヨーグルト(120g)を平均で週4~5個食べていました。結構な量ですよね。
ただし、糖尿病のリスク低下との関連がみられたのは、乳製品の中でも低脂肪製品に限られており、牛乳や高脂肪のチーズなどでは糖尿病リスク低下の効果はみられませんでした。
なお、間食としてポテトチップの代わりにヨーグルトを食べていた人では、糖尿病リスクは47%も低下していました。
最後の一文は、当たり前の気がしますけどね。。。
前回のヨーグルトの話題と併せても、ヨーグルトはメタボ予防や糖尿病予防には良さそうですね^^
最近CMでもやってますが、ただヨーグルトだけを食べるのではなくて、ジャムと一緒にパンに付けたり、サラダにかけたり、パスタに絡めたり、色々な方法で摂るのがいいかもしれませんね。
2016.04.08.
ヨーグルトや低脂肪牛乳でメタボ予防
皆さん、こんにちは^^
昨日は、本当に春の嵐でしたね。
満開の桜も散ってしまうのかと思うほどの風と雨でした。
さて、今回の話題は、メタボ予防に有効な情報です。
乳製品を取りすぎると太る、というイメージを持たれている方が多いかもしれません。
今回のスペインでの研究では、メタボではない1,868人を最大7年間追跡調査し、乳製品の摂取量とメタボリックシンドロームの関連が検証されました。
乳製品のうち、ヨーグルトと低脂肪牛乳を多く摂っている人は、メタボになる危険性が低いという結果でした。一方、チーズを多く摂る人はメタボになる危険性が高かったと報告されています。
メタボリックシンドロームは様々な病気につながるため、食習慣や運動習慣に気をつける必要があります。その際、ヨーグルトや低脂肪牛乳を多く摂ることで、メタボリックシンドローム予防になる可能性があるかもしれませんね。
2016.04.04.
黄砂とPM2.5
皆さん、こんにちは^^
大阪の桜も先週末満開となって、クリニックの前の平野公園でも花見の人がいっぱいです。
私は、今週末に行うフェスタの準備でバタバタしていて、お花見ができるか心配です。
さて、今回はこれから増えてくる黄砂についてです。
黄砂(とそれに含まれるPM2.5)は、中国大陸の砂漠地域で風に巻き上げられた砂や鉱物の粒子などのことを指します。この黄砂が風に乗って日本に運ばれる際に、黄砂と大気汚染中に含まれる有害な化学物質が日本に降下し、体に影響する可能性が問題視されています。大気汚染としては、工業地帯の排煙、車の排気ガス、ダスト、森林火災などが原因として考えられており、1年中日本で観測されるものですが、特に2月から増え始め、だいたい4月ごろにピークとなります。
黄砂の粒子には、石英などの鉱物、粘土鉱物が多く含まれています。日本に到達するまでに、黄砂の大きさは4μmくらいになりますが、一部2.5μm以下(PM2.5と呼びます)のものも含まれていて、黄砂が飛来してくる場合、PM2.5の濃度も高くなります。多くの研究により、黄砂に含まれないはずのアンモニウムイオン、硫酸イオンといった物質が抽出されていることから、日本に運ばれるまでに汚染物質を取り込んでいるのではないかと言われています。日本の黄砂降下量は、なんと年間1~5トンと推定されています。
黄砂の健康への影響については、様々な研究報告があります。黄砂の直径がおおよそ4μmで、この大きさは肺の中でも気管支の一番奥にある肺胞まで到達してしまう大きさであるため、健康に影響するのです。ですから、気管支喘息や閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎・結膜炎などの病気との関係性について報告されています。
また、黄砂の多い日では救急搬送が多くなることや咳症状の悪化が認められたという報告があり、黄砂によって気管支や肺に何かしらの病気を抱えている人の症状が増悪する可能性も言われています。
鳥取県では、健康な人を対象に、黄砂が多い日と少ない日で、自覚症状がどのように変わっているか?という研究が行われた結果、健常者であっても、目、鼻、皮膚の悪化を訴える人が多いというものでした。つまり、健康な人への影響もある可能性が示されたわけです。
このような背景の中、黄砂やそれに含まれるPM2.5に対して、どのように対策をすれば良いのでしょうか?
黄砂やPM2.5への対策は、体内にそれらの物質が入ることを防ぐことが大事です。天気予報などで知ることができる黄砂やPM2.5の情報をチェックして、もし気になるようでしたらマスクなどをして外出するということもひとつの手かもしれません。
2016.03.29.
アトピー性皮膚炎と汗
皆さん、こんにちは^^
3月もあと2日で終わります。
だいぶ暖かくなってきましたね。
桜も順調に開花しているようです。
しかし、気温が上がってくると気になるのが「汗」。
今回は、アトピー性皮膚炎とその汗の関係をお届けします。
アトピー性皮膚炎(通称アトピー)は、アレルギーの体質があったり、それに加わる乾燥肌が原因で起こる病気です。症状としては、強いかゆみ、湿疹があり、さらに皮膚の免疫力が低下していることから感染症にもかかりやすいと言われています。これらの症状は、様々な要因で悪化するのですが、その中のひとつが、「汗」です。なぜ汗をかくと、アトピー性皮膚炎の症状が悪化すると言われているのでしょうか?また、本当に汗がアトピー性皮膚炎を悪化させる要因なのでしょうか?
まず、汗には体温調節、感染から身を守る、肌の保湿などの機能があります。汗をかくことが悪いとは言えません。さらに、アトピー性皮膚炎診療ガイドライン(日本皮膚科学会、2016年版)では、実は発汗自体がアトピー性皮膚炎を悪化させるという明確な根拠はないと示されています。それでは、なぜ汗とアトピー性皮膚炎の関係性が注目されているのでしょうか?
この理由を説明するためには、「汗」を大きく2つの観点から見る必要があります。
前述した汗は、「いわゆる汗をかくこと」です。汗のもうひとつの側面は、「かいた後の汗」です。実は、過去の研究において、「かいた後の汗」はアトピー性皮膚炎の症状である痒みを増強するということが報告されています。つまり、「汗をかくことがアトピー性皮膚炎の症状を悪化させる」ということではなく、「かいた後の汗をそのままにしておくことがアトピー性皮膚炎の症状を悪化させる」と捉えることが適切なのです。
前述のように、アトピー性皮膚炎の症状は「かいた後の汗」により悪化する可能性がありますが、そもそもアトピー性皮膚炎では「発汗障害」と呼ばれる汗をかく機能の異常が認めれていて、時間当たりの発汗量が少ないという報告も多くされています。この理由として、アレルギーに関わる要因のなかでも、ヒスタミンという物質が多く分泌されることで発汗が少なくなると言われています。
簡単な仕組みを説明しますと、アトピー性皮膚炎では、汗をかくはずの場面(例えば、緊張する場面、運動、ストレス、体温の上昇など)で十分に汗をかけず、皮膚内に熱がこもったり、皮膚が乾燥することで、皮膚に現れる症状が悪化するというわけです。
このように、実は汗をかくことが悪いというよりも、適切に汗をかくことはアトピー性皮膚炎では必要なのです。
それでは最後に、アトピー性皮膚炎で汗をかいた場合、どのような対処法により、症状の悪化を減らすことができるのでしょうか。
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016では、以下の記載があります。
汗をかいた場合は、シャワーや水を含んだタオルなどで洗い流すといった対処法が良さそうです。また、着る洋服に関しても少し工夫するだけでも違うかもしれません。例えば、汗をよく吸収してくれるものや速乾性の良いもの、ゴム性ではないものといった衣類にすることです。
今回は、アトピー性皮膚炎と汗の関係について述べました。繰り返しますが、ポイントは「汗をかくことが悪いのではなく、汗をかいた後にそのまま放置しておくことが悪い」ということです。お忘れなく!
2016.03.23.
アーモンドが善玉を増やす
皆さん、こんにちは^^
明日からは花冷えになりそうですが、本日は実にポカポカ陽気です。
東京の開花は21日だったようですが、大阪も本日の予定。
いよいよ春本番ですね。
さて、本日の話題は、アーモンドが身体に良いというお話です。
HDLコレステロール(善玉コレステロール)の検査値が高いほうが、心筋梗塞などの冠動脈疾患が少なくなると考えられています。
今回の研究では、HDLコレステロールの値を増やすアーモンドの効果を検証しました。
心筋梗塞などを含む冠動脈疾患患者150名を、パキスタンアーモンド、アメリカンアーモンド、対照群の3群にランダムに振り分けました。アーモンドは朝食前に1日10g食べることとしました。
その結果、どちらのアーモンドでも、アーモンドを1日10g食べると、HDLコレステロールが増えるという結果でした。
筆者らは、「朝食前に食べる少量のアーモンド(10g/日)は、HDLコレステロール値が初めに低い冠動脈疾患患者において、脂質異常症の血液マーカーを改善することに加え、HDLコレステロールを増やすことができる。」と結論づけています。
コレステロールと言えば総コレステロールやLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の数値を気にしがちですが、それだけではなく、HDLコレステロールの数値に注目する必要があります。その数値を改善するひとつの食事法として、アーモンドの効果を調べたこの研究も参考になるかもしれませんね。
2016.03.16.
ビタミンDとアレルギー性鼻炎
皆さん、こんにちは^^
ちょっと寒さが和らいで、いよいよ春が近いなと感じられますね。
テレビでも桜前線やお花見の話題も聞かれるようになりました。待ち遠しいですね。
さて、今回の話題は前回のビタミンDつながりです。
ビタミンDとアレルギーの関係については、前回も紹介しましたが、その他にもさまざまな議論がされています。今回のアメリカの研究では、妊娠中のお母さんのビタミンD摂取と生まれた子どものアレルギー性鼻炎発症との関連が検討されました。
対象は1,248人のお母さんとその子ども(小学校低学年)です。
妊娠中にお母さんが摂取していたビタミンDの量を推定し、お母さんの血液検査と、臍帯血の検査、子どもの血液検査から、ビタミンDの量を評価しました。これらの結果と、子どものアレルギー性鼻炎発症、アレルギー体質かどうか、アレルギーの原因物質と反応する抗体がすでに作られているかどうかとの関連を検討しました。
その結果、お母さんが妊娠初期から中期に食事から摂取するビタミンDの量が多いほうが、子どもが小学校低学年までにアレルギー性鼻炎を発症する場合が少なくなっていました。ただし、ビタミンDをサプリメントで摂った場合は、リスクの低下は見られませんでした。
研究チームは「妊娠中の食事にビタミンDを含む食品を採り入れることは、生まれる子どものアレルギー性鼻炎の予防に有益な影響をもたらすかもしれない」と結論しています。
妊娠中に、脂の多い魚、卵、バター、キノコなどビタミンDを多く含む食品を適切に摂ることは栄養のバランスをとるという意味からも大切かもしれません。しかし、サプリメントでは効果がないというのは、何とも不思議な気がします。やはり自然の食べ物が一番なのでしょうね。
2016.03.10.
ビタミンDが喘息改善
皆さん、こんにちは^^
ポカポカの陽気から一転、真冬に逆戻りですね。
インフルエンザもまだまだ検出されています。
10度以上の温度差なので、体調管理には十分注意してくださいね。
さて、今回の話題はビタミンDと喘息のお話です。
一般的にビタミンDはカルシウムの吸収に必要で、骨粗鬆症の補助治療として良く使われますが、骨だけでなく様々な臓器に作用しています。実は、喘息に関してもビタミンDの摂取が有効と言われています。東京の医療チームは、喘息を患う日本の子供達を対象に、低濃度・短期間でのビタミンDの効果を調べました。
今回は、喘息を患う日本人の子供(89名)を無作為に、ビタミンDを摂取する群(800IU/日、54名)と偽薬を摂取する群(35名)に分けました。そして、摂取後2か月と6か月に、喘息発作の頻度と重篤度を判定しました。
その結果、低容量、短期間(2ヶ月間)のビタミンD摂取で、喘息発作の頻度・重篤度が低下していたのです。医療チームは、「標準的な治療に加えて低容量の短期間のビタミンD補充は、学童期の子供の喘息のコントロールを改善するかもしれない。」と述べています。
喘息に対するビタミンDの作用は知られていましたが、今回の調査は、沢山摂らなくても、短期間でも、ビタミンD摂取が有効である結果となりました。ビタミンDの大量摂取による血中カルシウム濃度への影響を考えると、低量での有効性は非常に大事だと思われます。
一般的な食材である椎茸やきくらげ、イワシやしらす干し等のビタミンDを多く含む食品が効果を現しうるかどうかも興味がありますね。
2016.03.05.
間違った花粉症対策
皆さん、こんにちは^^
ポカポカ陽気です。幸せな気分になります。
しかし、前々回にもお話しましたが、花粉症の方にとっては最悪の時期になってきました。
そこで、今回は花粉症対策のお話です。
①お茶、ヨーグルトで花粉症が治る?
ヨーグルトのごく限られた種類の乳酸菌に関しては、花粉症の症状軽減について報告しているものもありますが、残念ながらこれらは治療薬ではありませんので、すでに発症した花粉症の症状をしっかりと抑える効果は基本的に期待できません。ポリフェノールの抗酸化作用や乳酸菌のプロバイオティクス効果などは、アレルギーに対しては薬ほど大きくありません。薬でしっかりと治療することが大前提です。根拠がしっかりしていないものも多く存在しますので注意が必要です。
②花粉症は症状が出てから治療すれば良い?
毎年、花粉症でつらい思いをしている方は、症状が出る前や軽いうちから治療を開始する「初期療法」をおすすめします。花粉が飛びはじめる2~4週間ぐらい前から第2世代抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬などの経口治療薬を投与する治療法です。
前もって薬を飲みはじめることで、症状が出る時期を遅らせ、花粉が飛ぶ最盛期の症状を軽くする効果が期待できます。
③雨や曇りの日は花粉飛散が少ない?
雨の日は、確かに花粉の飛散が少ないと思われます。しかし、雨の日の翌日は、雨で落ちた花粉が乾いて再び飛散するので、飛散する量はかえって多くなります。曇りの日も、風が強い日などは注意しましょう。
まだまだ間違った花粉症対策はあると思われますが、くれぐれも根拠のない方法や対応には十分注意してくださいね。
2016.02.29.
ニンニクの日
皆さん、こんにちは^^
昨日の暖かさから一変。真冬に戻ったような寒さです。
さて、今日は言わずと知れた閏日ですが、実はニンニクの日でもあるのです。
2(ニン)2(二)9(ク)、語呂合わせですね。
ということで、ニンニクの話題をお届けします。
ニンニクを食べると元気もりもりになるというイメージがありますが、実際はどうなのでしょう?
フロリダの研究チームは、21歳から50歳までの健康な成人120人を調査対象とし、対象者を無作為に、1日2.56gの熟成ニンニクエキスを90日間摂取するグループと、有効成分のないサプリメント(プラセボ)を90日間摂取するグループ2つのグループに分けました。
そして、風邪の流行する季節に調査を行い、各グループで風邪やインフルエンザの起こる頻度や重症度に変化が出るのかどうかを確認しました。さらに、食事による影響を受けやすいと言われているγδ(ガンマ・デルタ)-T細胞やナチュラルキラー細胞(NK細胞)のような白血球に着目することで、ニンニクの有無による免疫への影響を調査しました。
熟成ニンニクエキスの摂取から45日後、γδ-T細胞とNK細胞は、プラセボを摂取したグループの細胞よりも増殖し、活性化していました。また90日後には、病気の数には有意な差がありませんでしたが、熟成ニンニクエキスを摂取したグループは、風邪やインフルエンザ症状の重症度が低下し、症状の数にも減少が見られました。
つまりこの研究からは、熟成ニンニクエキスを飲むことで免疫細胞の活性化が見られ、風邪やインフルエンザの症状が少なく、軽くなったことが示されたのです。
ニンニクには、様々な成分が含まれています。今回の結果のように免疫を強化する効果を持つ成分もあるかもしれません。
ただし、この研究はニンニクの成分を薬として飲んだ場合を調べたもので、普通のニンニクを食べても効果があるかどうかは判断できません。また食べ過ぎることでニンニクの成分の一部が胃腸を刺激し、胃腸障害を引き起こす可能性もあります。
ほかの食品と同様、ニンニクも適切な量を摂ることが健康に繫がるのかもしれません。
でも、このニンニクの日も4年に1回しかないのは、ちょっとさびしい気がします。
2016.02.26.
いよいよ花粉飛散が本格化
皆さん、こんにちは^^
寒い日が続きますね。北風ピープーです。
暖冬と言っていたのがウソのようです。
この寒い中、以前から4階にあった村田クリニックと平野新生苑の看板に自分で照明を取り付けました。
以前は夜になると真っ暗で何も見えなかったのですが、遠くからでも認識できるようになりました!
まるで、街の便利屋さんのようです。。。
さて、今回は花粉症についてです。
2016年春のスギ・ヒノキ花粉飛散総数は、2015年6~8月の気象条件と11~12月のスギ雄花の花芽調査から、東北北部と北陸を除き2015年を上回る見込みです。関西から九州にかけては前年の2倍から3倍になる地域が多く、過去10年平均の52%~131%と予測されています。
また、過去10年平均の飛散量は、10年前と比較して約2倍になっており、近年の花粉飛散量自体も増加しています。
スギ花粉の飛散開始を同じ地点で区切った予測前線図では、2016年春のスギ花粉飛散開始は、15年から16年にかけてはエルニーニョの影響があり暖冬の見込みで、飛散開始は各地とも例年並かやや早く、関西では2月中旬からと予想されていました。
この予想はかなり的中しており、花粉に敏感な患者さまは、眼の痒みや鼻水、鼻づまり、くしゃみといった花粉症の症状をすでに訴えておられます。そして、来週には気温も上昇し、いよいよ本格的に花粉が飛散する予想です。
花粉症対策としてマスクを使用されている方も多いのではないでしょうか。マスクを使用することで、吸いこむ花粉の量を約15~30%に減らすことができると言われており、特に鼻の症状が気になる方にはお勧めです。
また、服装はウールなどの素材は花粉が付着しやすく、綿や化学繊維などは付着しにくいと言われています。春先用の洋服選びに覚えておくと便利ですね。
花粉症を理解し、早めに対策をして、症状が出た場合には早めに受診して、花粉シーズンを快適に乗り切りましょう。
2016.02.17.
平野区もインフルエンザ警報発令
皆さん、こんにちは^^
今週は寒い1週間になりそうですが、週末には暖かくなり、来週はまたまた寒くなる様子。
株価も乱高下していますが、気温も同じですね。
本当に寒暖の差が激しく、体調管理が難しい気候になってきました。
さて、ついに平野区にもインフルエンザ警報が発令されました。
保育園や学校でも学級閉鎖が相次いでいます。
以前にも書きましたが、今年は例年に比べインフルエンザの立ち上がりが2か月遅れています。
この調子で行くと、4~5月位までインフルエンザが続くかもしれません。
また、これから本格的な花粉シーズンです。
花粉症の方は、鼻の粘膜がアレルギー反応で傷つくことにより、いっそうインフルエンザにかかりやすくなります。
しっかりとマスクで防御して、早めの服薬を心がけましょう!
でないと、インフルエンザと花粉症のダブルパンチを受けかねませんよ!
2016.02.13.
食べても太りにくくなるサプリ?
皆さん、こんにちは^^
今日は暖かいですね。でもこの週末は春一番が吹いて大荒れ模様。
そして、来週には再び寒波が。。。
春が待ち遠しいですね。
本日の話題は、皆さんにとって夢のようなサプリの話題です。
食べても太らないことを望んでいる人も多いかもしれません。
「プロバイオティクス」という言葉を聞かれた方もおられると思いますが、プロバイオティクスは、人にとって有益な働きをしてくれる微生物で、腸内環境を整える役割があります。
このプロバイオティクスのサプリが夢のサプリになるかもしれません。
今回のアメリカ・バージニアの研究では、肥満ではない男性20人に対し、プロバイオティクスのサプリメントを飲む群と偽薬群にランダムに分け、高カロリー、高脂肪の食べ物を4週間毎日食べた時に、身体にどのような効果が見られるか検証されました。
その結果、プロバイオティクスを飲んだ群では、4週間の体重増加が平均約880g少なくなったのです。
プロバイオティクスを飲むことで、体重増加を抑える効果が見られたということです。
高脂肪、高カロリー食を1か月も続ければ、誰でも体重が増加するのは当たり前ですが、生活習慣の改善に加えて、このような研究を参考にすることで、より健康に近づくかもしれませんね。
2016.02.08.
インフルエンザの解熱薬
皆さん、こんにちは^^
立春も過ぎて、暦の上では春ですが、まだまだ寒い日が続きます。
今週末から寒さも和らぐみたいですが、そのまま暖かくなるのでしょうか?
最近の話題はインフルエンザばかりですが、皆さんにどうしても知っておいて欲しいことがあるので、本日もインフルエンザの話題です。
インフルエンザは多くの場合、高熱により体力などを奪い、重症化し命に関わることも少なくない感染症です。処方されるタミフルなどの抗インフルエンザ薬はウイルスの増殖を抑える薬であり、熱を下げる薬ではありません。
当然ですが、熱を下げるには通常、解熱薬を使います。一般的な解熱薬は、体の中で熱や痛み、炎症などをおこす化学物質などを抑えることで効果をあらわす解熱鎮痛薬となります。「痛み止め」とはこの解熱鎮痛薬を指すことが多く、処方薬だけでなく市販薬としても多くの種類が流通しています。
さて、解熱鎮痛薬と言えば、多くの方がイメージするのは「バファリン」ではないでしょうか?
この製剤の主成分はアスピリンという成分なのですが、このアスピリンを含めていくつかの解熱鎮痛薬をインフルエンザの症状に使用すると体に思わぬ障害をもたらす可能性があります。
アスピリンやエテンザミドなどのサリチル酸系と呼ばれる薬の他、メフェナム酸(ポンタールなど)やジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)といった解熱鎮痛薬をインフルエンザの発熱に対して使用すると、インフルエンザ脳炎・脳症、ライ症候群といったものが発症する危険性が高くなるとされているのです。頻度は稀ですが特に小児に発症すると、重症化し死亡に至ることさえあります。
医療機関を受診した場合は、インフルエンザでこれらの成分を含む解熱鎮痛薬が処方されることはないとは思いますが(ないと信じたいですが)、市販薬は医療機関の受診無しで購入できてしまうことや同じような名前でも含まれている成分が異なる場合があるため、特に注意が必要と思われます。
日本ではインフルエンザの発熱時に使用する解熱鎮痛薬としてアセトアミノフェンという薬が推奨されています。アセトアミノフェンはカロナール、コカール、アンヒバ、アルピニーなどの名称で処方される薬で、一般的な解熱鎮痛薬とは少し異なる機序で熱や痛みを緩和する薬剤です。そして、一般的な解熱鎮痛薬に多いとされる胃腸障害などの危険性も少ない薬剤です。また喘息などの呼吸器疾患をもつ人にも比較的安全に使用できるとされ、小児から高齢者まで幅広い年代で使用できるのもメリットの一つとなっています。
インフルエンザの発熱にロキソプロフェンナトリウム(ロキソニンなど)も処方されることがありますが、小児などへの安全性が確立していないことなどもあり、ことインフルエンザによる発熱に対しては、第一選択薬はアセトアミノフェンといえるでしょう。
ちなみに、当クリニックでは、ロキソプロフェンを鎮痛目的以外で処方することはまずありませんし、一般の風邪の時の解熱にもアセトアミノフェンを処方しています。
熱が出た時に何でもかんでも手持ちの解熱鎮痛薬を飲むのは控えてくださいね^^
2016.01.29.
授乳中のタミフル
皆さん、こんにちは^^
全国的に冷たい雨が降っていますね。
この1週間で平野区もインフルエンザが注意報レベルに上がってきました。
昨日も1日でA型2名とB型1名が検出されました。
今月はインフル繋がりの話題が続いていますが、今回は授乳中のタミフル内服についてです。
授乳中に薬を使うと、薬が母乳を通じて子どもの体に入ることがあります。そのため授乳中の薬には注意が必要とされますが、インフルエンザの治療に使われるタミフルは安全なのでしょうか。実際の計測値を報告した論文を紹介しましょう。
ある研究班は、インフルエンザをタミフルで治療された女性から相談を受けました。この女性は9か月の子どもに授乳中でしたが、タミフルが母乳を通じて子どもに影響を与えるかどうかを判断する根拠がなかったため、研究班は治療期間の授乳中止を勧めました。
そのかわり、研究班はタミフルの治療が行われた5日間に、この女性から母乳のサンプルを提供してもらい、母乳の中にタミフルまたはその代謝物が含まれているかどうかを調べたのです。
分析の結果、母乳に含まれていたタミフルとその代謝物の量はわずかでした。乳児が1日母乳だけを飲んだ場合、最大で体重1kgあたり0.012mg程度のタミフルを飲むことに相当すると計算されました。これは母親が体重1kgあたり2.5mg程度を飲んでいたことに比べると0.5%の量であり、一般に安全性の目安とされる10%を下回ることから、影響の心配が少ない範囲と判断されました。
微量ながら母乳にもタミフルが移行することから、タミフルの添付文書には「授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせる」という記載がありますが、具体的な危険性が指摘されているわけではないのです。
また、国立成育医療研究センターが公表している「授乳期でも安全に使用できると考えられる薬」の一覧の中にもタミフルは含まれています。
そうでなくても育児に大変な時に、高熱や倦怠感や関節痛や頭痛などの様々なインフルエンザの症状で苦しむのは更につらいことです。
早期に受診をして、早期にタミフルの内服を行いましょう!
2016.01.25.
妊娠とタミフル
皆さん、こんにちは^^
今年最強の寒波で沖縄でも雪!
大阪も寒いです。。。
インフルも猛威をふるいはじめました。
ということで、またまたインフルつながりの話題です。
妊娠中のインフルエンザ感染は、産まれてくる子どもにも影響することがあります。子どもと母親の体を守るため、早い時期から治療を始めることが重要です。
一般的にインフルエンザの治療に使われるタミフルは、症状が現れてから2日以内に服用することで有効性が示されている薬です。今回の研究は、2009年にニューヨークで確認されたインフルエンザ感染者のデータを分析し、妊婦がインフルエンザ感染から何日以内にタミフルを服薬したかというデータとその後の重症化について検証しています。
症状の開始から2日以内にタミフルを服用した妊婦30人のうち重症化した人は1人だけ(3.3%)でしたが、症状の開始から3~4日後に治療を開始した14人のうち3人(21.4%)が、5日以上経てから治療を開始した9人のうち4人(44.4%)が重症化しました。
また、22人の女性がインフルエンザによる入院中に出産し、新生児がNICUで集中治療を受けたり死亡したりする割合は重症の女性6人のうち5人(83.3%)に、対して中等症の女性では16人中2人(12.5%)に起こりました。
つまり、妊婦ではインフルエンザの発症後2日以内にタミフルを服用すると、それよりも後に服用した人と比べて、重症化する人が少ないという結果でした。また、重症化した人のほうが、産まれた子どもがNICUで集中治療を受けたり死亡したりする割合が多くなっていました。
妊娠中に熱や咳が出ると、不安になることも多いと思います。
母体のためだけでなく、お腹のお子さまのためにも、できるだけ早く治療を受けることをお勧めします。
2016.01.20.
インフルエンザにかかりにくい人?
皆さん、こんにちは^^
いっぺんに寒くなって、北海道や東北では2か月間の雪が2日で降るという大寒波。
大阪でも一昨日の夜中は粉雪が少し舞ってました。
さて、前回アップした「しょう油でインフル阻止」は12月にもアップしておりました。
すいませんでした。
ということで、気を取り直して、インフルつながりの話題をお届けします。
毎年流行するインフルエンザ。インフルエンザが流行しない年というのは、未だかつてありません。
患者数は例年1,000万人前後ですから、およそ10人に1人がインフルエンザにかかる計算になります。
インフルエンザの話になると、「まだ一度もかかったことがない」、「大人になってからかからなくなった」という人は珍しくなく、その一方で逆に「2年連続でかかっている」という不運な方もいらっしゃいます。体質によって、インフルエンザにかかりやすい人とそうでない人がいるのでしょうか?
インフルエンザにかかりにくくなる体質というのは、まだ医学的には信頼できる報告がありません。しかし、「今まで一度もかかったことがない!」という人もいるのが現実です。それはなぜでしょうか? かかりやすい人、かかりにくい人がいるのでしょうか?
1年のうちで10人に1人がインフルエンザになるとすると、20年連続でインフルエンザに「かからない」確率は計算上12%です。つまり、知人が100人いたら、その中で12人は20年連続でかかっていない人だということになります。その一方で、2年連続でかかってしまう不幸な人が数人いても、おかしくないでしょう。
つまり、インフルエンザに強い(または弱い)気がしてしまうのは、体質ではなく単に統計的な問題として説明可能なようです。そこから考えると、これまで一度もインフルエンザにかかったことがなかったとしても、今年かかる可能性が低いとは決して言えないということになります。
インフルエンザを予防するための効果が最も高いと考えられているのはワクチンによる予防接種です。
しかし、ワクチンであっても100%の予防率というわけにはいきません。ワクチンの効果については様々な研究があり、これらを統合したところ、予防効果は75~86%と推定されています。
当クリニックでも1月末までご用意しているので、まだの方は早めに接種してくださいね^^
2016.01.15.
しょう油でインフル増殖を阻止
皆さん、こんにちは^^
本当に寒くなりましたね。といってもこれが例年通り。
前回も書きましたが、今までが暖かすぎたのです。
前回から、さらにそのご家族からもインフルA型が検出され、ラピアクタの点滴をして帰られました。
さて、今日の話題は前回に引き続きインフルの話題です。
しょう油は殺菌効果や臭みを消す効果などが古くから知られていますが、こうした機能を基に、あのキッコーマンは、富山大学、中部大学との共同研究で、しょう油によるインフルエンザウイルス増殖阻害効果で新知見を得ました。
様々なウイルスに対する増殖阻害効果を培養細胞により評価したところ、インフルエンザウイルスで比較的高い効果が確認できました。そこで、インフルエンザウイルスに感染させたマウスを用いて、感染前後それぞれ7日間しょう油を経口投与し、体重の変化、感染3日後のウイルス量、感染14日後の中和抗体価を測定。しょう油非投与のマウスと比較したところ、有意なウイルス増殖阻害効果と中和抗体の産生増強効果、感染にともなう体重減少の抑制が認められました。
さらに、しょう油にエタノールを添加し沈殿物と上澄みに分けて、しょう油、沈殿物、上澄みをマウスに投与したところ、しょう油摂取群と上澄み摂取群に同じウイルス増殖阻害、中和抗体産生増強、体重減少抑制の効果が確認されました。
今回の結果を踏まえて、キッコーマンは上澄みから活性成分を探索し同定するとしています。
将来、しょう油から製造されたインフルエンザワクチンが登場するかもしれませんね^^
2016.01.08.
PM2.5とアレルギー性鼻炎
皆さん、こんにちは^^
急に寒くなって、このあいだまでの陽気がウソのようです。
インフルエンザはまだ流行していませんが、胃腸炎が非常に増えています。
皆さんも気を付けてくださいね。
さて、最近中国の大気汚染の話題をよく耳にしますが、今回はその主役であるPM2.5の話題です。
少し前の話になりますが、兵庫医科大学は、PM2.5の大部分を占める「ディーゼル排気微粒子」がアレルギー性鼻炎を悪化させるメカニズムを明らかにし、それを予防する薬剤と薬剤のスクリーニング法も開発したと発表しました。
アレルギー性鼻炎の患者数は先進国を中心に増加の一途にあり、国内でも約40%もの国民がアレルギー性鼻炎に罹患していると言われています。しかし、アレルギー性鼻炎の発症機序には不明な点も多く、根本的治療法は確立していません。
また近年、中国大陸から高濃度のPM2.5が飛来した時期と春のスギ花粉飛散時期が一致し、以前に比較してアレルギー性鼻炎の患者数は急激に増加、症状の悪化を訴える患者が増加しています。
さらに、国内の自動車からのディーゼル排気微粒子が原因で、今日も喘息やアレルギー性鼻炎の患者はその症状の悪化に悩まされていますが、ディーゼル排気微粒子のアレルギー性鼻炎を悪化させるメカニズムも不明で、治療・予防方法も全く確立されておらず、その解明が急務となっていました。
今回の研究の結果、ディーゼル排気微粒子が鼻粘膜上皮細胞のバリア機能である「タイトジャンクション」(=隣り合う上皮細胞を強く結合する膜蛋白質)を破壊することで、花粉アレルゲンの透過性が亢進し、それによって少量の花粉でもアレルギー性鼻炎症状が重症化する可能性があることを明らかにしました。
さらに、このタイトジャンクションを破壊する正体は、ディーゼル排気微粒子に含まれる炭化水素や有機物質、硫化塩などの「酸化ストレス」であることを解明。抗酸化剤であるN-アセチルシステインがタイトジャンクションの破壊を抑制し、アレルギー性鼻炎症状の悪化を予防できることを明らかにしました。このことにより、「新規アレルギー性鼻炎」の治療・予防薬のスクリーニング法を確立することも可能になりました。
また、このスクリーニング法はアレルギー性鼻炎に留まらず、ディーゼル排気微粒子が原因となって発症する呼吸器疾患(喘息や慢性閉塞性肺疾患など)や皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など)、神経疾患、循環器疾患などに対しても効果が期待されているのです。
現在の喘息の治療の第一選択薬は吸入ステロイド薬ですが、いつの日か抗酸化剤の吸入薬が第一選択薬になるかもしれませんね^^
2015.12.26.
しょう油がインフル増殖を阻止!
皆さん、こんにちは^^
クリスマスも終わり、今年もあと5日となりました。
早いですね。師走とはよく言ったものです。
今年のインフルエンザは11月ごろから騒がれましたが、暖冬のおかげで流行は少し遅れるようです。
そこで、今回はちょっと面白いインフルエンザの話題をお届けします。
しょう油は殺菌効果や臭みを消す効果などが古くから知られていますが、こうした機能をもとにウイルスに対する効果を調べたのが今回の話題です。しょう油で有名なあのキッコーマンは、富山大学、中部大学との共同研究で、しょう油によるインフルエンザウイルス増殖阻害効果で新知見を得ました。
様々なウイルスに対する増殖阻害効果を培養細胞により評価したところ、インフルエンザウイルスで比較的高い効果が確認できました。そこで、インフルエンザウイルスに感染させたマウスを用いて、感染前後それぞれ7日間しょう油を経口投与し、体重の変化、感染3日後のウイルス量、感染14日後の中和抗体価を測定。しょう油非投与のマウスと比較したところ、有意なウイルス増殖阻害効果と中和抗体の産生増強効果、感染にともなう体重減少の抑制が認められました。
さらに、しょう油にエタノールを添加し沈殿物と上澄みに分けて、しょう油、沈殿物、上澄みをマウスに投与したところ、しょう油摂取群と上澄み摂取群に同じウイルス増殖阻害、中和抗体産生増強、体重減少抑制の効果が確認されました。
今回の結果を踏まえて、キッコーマンは上澄みから活性成分を探索し同定するとしています。
将来、しょう油から製造されたインフルエンザワクチンが登場するかもしれませんね^^
2015.12.17.
動物に触れて喘息予防
皆さん、こんにちは^^
皆さんは忘年会はもう済みましたか?
私は昨日が医療法人の忘年会でした。
約40名の職員が一堂に会し、食事を楽しむのもいいものです。
最後は酔いも回って現金争奪戦じゃんけん大会も盛り上がっていました^^
さて、本日の話題は、動物と喘息についてです。
小児喘息の増加は世界的な健康上の懸念となっており、子どもが小さい頃の生活習慣によって、喘息の起こりやすさが変わるといわれています。
今回の研究では、スウェーデンで産まれた約65万人の子どもを対象に、生後1年以内に犬などの動物に接触したことと喘息の発症に関連性があるか検証されました。
その結果、0歳児から犬に触れた子どもは、3歳から6歳までの間で喘息を発症する危険性が少なくなるという結果でした。
子どもに動物のアレルギーが見つかっているときなどは勧められませんが、子どもが動物に触れることで、教育上や健康上、心理上の良い影響があるという意見があり、こうした研究も参考にしてよいかもしれませんね。
2015.12.08.
フレンチパラドックス
皆さん、こんにちは^^
先月にはボジョレーヌーボも解禁となり、これからのシーズンは忘年会等でワインを飲む機会も増えると思います。
本日は、そのワインに関係のある「フレンチパラドックス」の話題です。
「勤労は日々を豊かにして、酒は日曜日を幸福にする」
19世紀に活躍したフランス人の詩人ボードレールの名言です。フランス人はグルメで美味しいものを食べ、ワインも多く飲んでいるのにもかかわらず、イギリス人やドイツ人よりも寿命が長く、心筋梗塞が少ないという「フレンチパラドックス」が指摘されていました。
デンマークで行われたある研究では、ワインをたくさん飲んでいた人ほど死亡率が低く、ビールや蒸留酒ではこのような傾向は認められなかったと報告されています。赤ワインに含まれるポリフェノールがLDLの酸化を防ぐため心筋梗塞になりにくいという説もあります。しかし本当にフレンチパラドックスの原因はワインにあるのでしょうか?
先ほど紹介した研究グループは、この疑問へのヒントとなる興味深い論文も発表しています。大手スーパーマーケット2社が提供した約350万件のレシート情報を得て、ビールを買った人、ワインを買った人が他にどんな食品を買ったのか調査しました。その結果、ビール派はソーセージ、マーガリン・バター、豚肉など、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸といった心筋梗塞の原因となりうる食品をより多く買っていることが分かりました。逆にワイン派は、心筋梗塞を予防する多価不飽和脂肪酸の多い油脂、野菜、果物を選んでいました。さらに、普通のチーズや牛乳ではなく、低脂肪のものを好んで買っていることも分かりました。
フレンチパラドックスには、ワインのポリフェノール効果のみならず、おつまみの種類も関係していたようです。
では、ワインなら安心してたくさん飲むことができるでしょうか?健康な人を対象に飲酒量を調べ、10年あまりフォローした研究では、最も健康的な飲酒量(エタノール量)は6g/日で、健康被害が出始めると考えられるのは42g/日を超えたときでした。
お酒の種類ごとにエタノール量を概算すると、度数16度の日本酒1合は23g、度数5度のビール大びん1本は25g、度数30度の焼酎0.5合は21g、度数12度のワインをグラス1杯なら12gです。こう見るとワインのエタノール量が一番少ないですが、ボトル1本空けてしまうと71gとなるので、油断は禁物です。
もうひとつの疑問は、飲む量は変わらないとしても、毎日飲む「晩酌型」か、たまに飲む「宴会型」ではどちらが良いのかということです。飲酒量ごとに適した飲酒頻度があるのかもしれませんが、まだ結論は出ていないそうです。
これからの宴会のちょっとしたネタにも使えそうな話ですよね。
ちなみに私は晩酌型でもあり宴会型でもありますが、、、
2015.11.19.
香りの効用
皆さん、こんにちは^^
週末の雨はあがりましたが、今日は晴れの予想なのにずっと曇り。
昼間に用事があって少し外出しましたが、寒いくらいでした。
どうもすっきりしない天気が続きますね。。。
さて、今回の話題は「香り」についてです。
自然の香りの中には、覚醒、鎮静作用等の様々な生理的な作用をもたらすものが存在しています。
大阪市立大学の抗疲労に関する研究を行っているグループは、香りを認識する嗅覚受容体に着目した研究を行っている花王株式会社との共同研究において、香りによる抗疲労作用機構の一端を明らかにしたと発表しました。
今回の一連の研究では、まず約400種存在するヒトの嗅覚受容体の中から、抗疲労作用を示すことが知られているグリーンとグレープフルーツの2種の香りに共通して応答する嗅覚受容体6種を特定。これら6種の嗅覚受容体が、抗疲労作用に関係する可能性を示しました。
また、前述の6種の嗅覚受容体に対し、それぞれの受容体を活性化する新しい香りの探索を行ったところ、約170種類の香料の中から、4種の香料の混合物である、ハチミツがかった甘い花の香り(MCMP)が、6種の受容体を活性化することも発見しました。
さらに、このMCMPによる抗疲労作用を、パフォーマンス試験で調査。17名の健常男性を対象に、MCMPの香りあり、なしの条件下でパソコン作業による疲労負荷を40分間行い、その前後で作業効率の指標である課題の正答率を評価しました。その結果、香りなしの場合に疲労負荷後に正答率が有意に低下するのに対し、香りありの場合には正答率の低下が認められず、疲労が抑制されたことが示されました。
香りの生理作用に関する研究は、グレープフルーツ精油による抗肥満作用やラベンダー精油によるリラックス作用などが知られていますが、生理作用に関わる可能性がある嗅覚受容体を特定し、実際にヒトの抗疲労における生理作用との関連を確認した研究は今回が初めてとなります。
ちなみに、私は、鶴橋の駅を降りた時の、あの焼肉の臭いが大好きです。。。^^
2015.11.13.
ブルーベリーで血圧改善
皆さん、こんにちは^^
関西も夕方から雨となりました。
最近、週末になると雨ですね。その度に秋が深まっていく気がします。
さて、本日の話題は「ブルーベリーと血圧」についてです。
閉経後の女性は高い割合で高血圧になり、動脈硬化が生じやすいことが知られています。
今回のイギリスでの研究は、閉経後の女性の高血圧に対し、ブルーベリーの効果を検証しています。
今回の研究は、血圧が125/85 mmHg以上、160/90mmHg未満の閉経後の女性48名を、22gのフリーズドライブルーベリーパウダーを摂る群と22gの偽パウダーを摂る群にランダムに分類し、8週間後の血圧、動脈硬化の程度を比較しました。
その結果、ブルーベリーパウダーを8週間摂取すると、なんと血圧と動脈硬化の両方が改善したという結果でした。
今回の対象は閉経後の女性に限定されていたため、ほかの年齢の人や男性にも適用できるかは不明です。
以前に紹介した「クランベリーエキスでメタボ改善」や「紅茶で体型改善」などと併せて考えると、紅茶にブルーベリーとクランベリーを入れたフルーツティーを作れば、一石二鳥いや三鳥のような気がしますよね。
味も美味しそうではありませんか?
2015.11.06.
睡眠不足と風邪の関係
皆さん、こんにちは^^
先週は寒い日が続いたのに、今週は晴天で昼間は暑いくらい。
でも、来週からまた寒さが復活するようです。
こんな気候の中、風邪で受診する患者さまが増えています。
そこで、今回は睡眠時間と風邪の関係についての話題です。
寝不足が続いた後に体調を崩すという経験をしたことがある人は多いと思います。
では、どの程度の睡眠が必要なのでしょうか?今回のちょっとおもしろい研究では、風邪を引いた人はどの程度の睡眠時間であったかを検証しています。
18歳から55歳までの健康なアメリカ人男女164人の睡眠時間などの睡眠状態を7日間連続で測定しました。その後、風邪のウイルスを鼻に滴下し、5日間で風邪の徴候が現れるかどうか検証しました。
その結果、1日6時間以下の睡眠時間では、風邪を引く可能性が4倍程度大きいという結果となりました。
忙しいとなかなか睡眠時間を確保することも難しいと思いますが、体調管理のためには、6時間以上の睡眠の確保も重要なのかもしれません。 秋の夜長を楽しむのもいいですが、しっかりと睡眠はとりましょうね!
また、これから寒くなり、インフルエンザなど体調を崩しやすい季節にもなります。くれぐれも体調には気をつけてお過ごしください。
2015.10.27.
貼り薬の咳止めを希望?
皆さん、こんにちは^^
昼間は快適な陽気ですが、朝晩めっきり冷え込んできましたね。
昨夜も外出時にはボア付きのパーカーを羽織ったくらいでした。
しっかり、体調管理しましょうね!
さて、本日は、当クリニックで処方している「ツロブテロールテープ」についてのお話です。
最近、当クリニックを咳で受診される患者さまやお子さまの保護者の方で、
「以前処方してもらった貼り薬の咳止めが欲しいんですが、、、」とか、
貼り薬の説明をしていると「これは咳止めではないのですか?」という場面に遭遇します。
当クリニックでは「ツロブテロールテープ」を処方していますが、「ホクナリンテープ」も「セキナリンテープ」も同じものです。これらのテープの裏には「ツロブテロール」という薬が塗ってあり、貼るとじわじわと皮膚から薬が吸収され、6〜8時間後に血中濃度が上がり、24時間以上持続して気管支を広げる効果があります。夕方に貼っても朝まで効果が持続するので、早朝に起こりやすい喘息発作や咳喘息を予防することもできます。
注意していただきたいのは、「ツロブテロール貼付薬は咳止めのお薬ではない」ということです。あくまでも「気管支拡張薬」なのです。また、ツロブテロール貼付薬は、既に起こっている喘息発作をすぐに止めることはできません。効果が出るまで、多少時間がかかるからです。
少し専門的な話になりますが、ツロブテロール貼付薬の効能は「下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解:気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫」と、製薬会社発行の添付文書に記載されています。
この「気道閉塞性障害に基づく」という部分に注目してください。気道閉塞性障害とは、喘息、気管支炎などで気管支を取り巻く筋肉が炎症によって分厚くなり、呼吸困難となる症状のことを指しています。簡単に説明すると、ヒューヒュー、ゼーゼーし、息が吐きにくくなる症状のことです。この症状を緩和するものがツロブテロール貼付薬で、咳を止める効果は添付文書にも明記されていません。
貼るお薬は手軽ではありますが、咳が出るからツロブテロール貼付薬という考え方は正しくありません。
各々の薬の働きを正しく理解して、適切に使用しましょう!
2015.10.22.
スパイスで長生きに
皆さん、こんにちは^^
大阪は秋晴れが続いております。
運動にも非常に良い季節です。
11月の10kmマラソンに向けて、走り始めていますが、筋肉痛が、、、
やはり歳には勝てません。
さて、今回の話題は私の大好きな「スパイス」に関してです。
スパイスが健康にもたらす影響については、世界的な関心が高まっています。
一部のスパイスや、スパイスに含まれるカプサイシンなどの成分については、肥満や心血管疾患、消化器疾患、癌などのリスクを低減する可能性や、抗菌活性、腸内細菌叢を整えるといった効能の存在も示唆されています。
しかしこれまで、スパイスで調味された食事と寿命との関係については検討されていませんでした。
そこで今回、地理的に多様な中国国内10地域から、研究開始時に癌、心疾患、脳卒中ではなかった30~79歳の男性約20万人と女性約29万人を対象として、スパイスの効いた食事と、総死亡や癌など特定の疾患による死亡との関連を調べました。さすが中国、規模が違いますよね。
なお、中国で最も多く消費されているスパイスは唐辛子なので、この研究で摂食頻度を調査した「スパイスの効いた食べ物」とは、ほぼ「唐辛子により調味された辛い食べ物」を指しています。
その結果、辛い食べ物を週に6~7回と、ほぼ毎日食べる人では、ほとんど食べない人よりも総死亡率が低いことが判明しました。さらに、癌、虚血性心疾患、呼吸器疾患による死亡率も、辛い食べ物を摂取する人の方が有意に低い結果となりました。
ただし、糖尿病や感染症による死亡、その他の原因による死亡と、辛い食べ物の摂取の間には一貫した関係は見られませんでした。
辛い物が大好きな私にとっては、非常に喜ばしい結果ですが、実際に1日どのくらいの唐辛子を食べればよいのかは書かれていないので、詳細な情報が欲しいところです。
昨日も汗をかきながら、ヒーヒー言いながら、激辛のガパオ(先日紹介したタイ料理)を食べましたが、この辛さをほぼ毎日食べるのは難しそうです。
というか、辛さをもう少し抑えればいいという話ですが。。。
2015.10.13.
オレンジジュースで酸化ストレス低下
皆さん、こんにちは^^
この連休は各地で運動会が行われていたようですね。
私は法人の方に誘われて岸和田のだんじり祭りPart2に行ってきました。
やはり、すごい迫力でした。ありがとうございました。
さて、今回の話題はオレンジジュースの効能です。
酸素の一部は私達の体の中で「活性酸素」という物質に変化し、生体に悪影響を及ぼすことはよく耳にします。この活性酸素による悪影響を「酸化ストレス」と言うのですが、スペインの研究者らは肥満の成人にオレンジジュースを飲ませ、酸化ストレスや肥満の改善等について研究しました。
研究者らは、100人の非喫煙で肥満の成人を対象として、被験者を2つのグループに分けて、通常量のポリフェノール量と高ポリフェノール量(それぞれ299mg/日と745 mg/日)を含むオレンジジュースを飲んでもらいました。そして酸化ストレスに関するマーカー量の変化、BMIや血圧等のメタボリックシンドロームに関連する指標の測定を行いました。
その結果、通常または高ポリフェノール含量のオレンジジュースを飲むと、活性酸素の抑制に加え、BMI、腹囲等の改善が見られました。更に通常量ポリフェノール含量のオレンジジュースを飲んだ集団では、血圧の改善もみられました。
研究者らは、「通常量または高ポリフェノールを含有するオレンジジュースの摂取は、非喫煙で肥満の成人においてDNA損傷や脂質の過酸化から体を守り、いくつかの抗酸化酵素を修飾し、体重を減らす」と述べています。
酸化ストレスは個体のゲノムを傷つけたり、脂質分の性質を変えたりしてしまうので、出来るだけ減らした方が良いと考えられています。ポリフェノールには以前から酸化ストレスを減らす作用が知られていますが、今回の結果でも効果が見られました。また、酸化ストレスを減らす事が肥満や血圧の改善に繋がる可能性を示しており、肥満や糖尿病の予防として役立つかも知れませんね。
但し、加糖のオレンジジュースの飲みすぎは糖尿病の悪化にも繋がるので要注意ですよ!
2015.10.07.
妊婦さんへのインフルエンザ予防接種
皆さん、こんにちは^^
すっかり秋ですね。大阪も秋晴れです。
朝晩の気温差が大きい時期なので、体調管理をしっかりとしましょう!
といいつつ、私はちょっと風邪気味です。。。
先日、インフルエンザワクチンの接種開始のお知らせをアップしましたが、今年からインフルエンザワクチンが変わったのをご存知ですか?
今までのワクチンは、A型ウイルス2種類とB型ウイルスの1種類に対応する成分が含まれていましたが、今年からはA型2種類とB型も2種類に対応する成分が入った、いわゆる4価のワクチンとなりました。より多くの型のインフルエンザに対応できるように変更されているのです。
実はこの変更に伴い、ワクチンの価格も値上がりしたのですが、何とか頑張って昨年と同じ税込2,000円に据え置きました!早めに接種して下さいね!
さて、話がそれましたが、妊婦さんへのインフルエンザワクチンの接種は大丈夫なの?とご心配の方もいらっしゃると思いますので、説明しておきます。
予防接種に用いられるワクチンには、ごく弱く感染させて免疫をつくる「生ワクチン」と、感染力のない死菌を使った「不活化ワクチン」とがあり、インフルエンザワクチンはこの不活化ワクチンです。そのためワクチンを接種したために感染することはありません。
そして、日本産婦人科学会のガイドラインでも、これまでに妊娠初期の接種で赤ちゃんに悪影響が出たという報告はなく、流産、奇形の危険性が高まるという研究結果もないため、妊娠初期も含め、全妊娠期間においてワクチン接種希望の妊婦さんに接種することが出来るとしています。
また、妊婦さんにワクチンを接種することにより、生まれてきた赤ちゃんにも予防効果が期待できるという報告もあります。
さらに、妊娠初期に接種を受けたために胎児に異常が出る確率が高くなったという報告はないので、接種を受けた後に妊娠が判明しても妊娠中絶などを考える必要は全くありません。
つまり、妊娠を考慮することなく安心してインフルエンザの予防接種を受けてくださいね。
今年は例年になく早い流行が予想されますので、早めに接種しましょう!
2015.10.03.
喘息の妊婦さん
皆さん、こんにちは^^
北海道は暴風雨で大変のようですが、大阪は秋晴れ。
前の公園ではどこかの運動会が行われていました。
さて、今までに「喘息と妊娠」については、ブログにアップしたり、新たなページを作成したりしてきましたが、先日実際にあった悲しい出来事をお知らせします。
先日、喘息の妊婦さんが小さなお子さんを連れて来院されました。
妊娠29週目で、喘息が悪化しやすい時期です。
その方は看護師さん。
もともと喘息があって、メプチン吸入が効かなくなって、発作が収まらない状態でした。
なのに、直線距離で10km以上も離れているこのクリニックにどうして来られたのか理由が分かりませんでした。
看護師さんならお勤めの病院にかかればいいのになぁ。
もしくは、近くのかかりつけ医の方が子連れなので楽なのになぁ。
別の事情があるのかなぁ。
と考えましたが、ご本人は喘息の発作でしゃべるのもしんどいくらい。
早速、ステロイドと気管支拡張剤の点滴を行いました。
点滴終了時にはだいぶ楽になられたようなので、事情をお伺いしすると、
「勤務している病院も近くの診療所も全部あたったんですが、『妊娠しているので薬は出せない』と言われたんです。ネットで必死に探して、こちらに来させてもらいました。これだけ、たらい回しにされるとは思ってもみませんでした。」とのお答えでした。
何と悲しい現状でしょうか。
というか、妊娠しているからこそ、お腹の子供の命を守る必要があるからこそ、投薬や治療が必要なのに、「薬は出せない」なんて、いったい何を考えているのかと少し腹立たしくなりました。
当然、妊婦さんに対しても安全性の高いシムビコートの吸入を処方し、2週間後に再度受診をするようにお伝えして、帰宅して頂きました。
もっともっと、喘息の妊婦さんに正しい情報を提供して、丈夫なお子さんを出産してもらえればと思います。
2015.09.28.
紅茶で体型改善
皆さん、こんにちは^^
9月ももう少しで終わりですね。
昨夜は中秋の名月でしたが、本日はsupper moonで今年一番大きく月が見える日だそうです。
少しだけ、夜空を見上げてみませんか?
さて、本日の話題は紅茶と体型改善についてです。
これまで、紅茶が心血管疾患のリスク因子(例えば、血圧やコレステロール)を改善することが報告されてきました。
今回のノルウェーの研究チームは、日常的に紅茶を飲んでいる男女111名(BMIが20~35)を対象に、1日3杯の紅茶粉末を飲む群と、フラボノイドが0で味とカフェイン量を紅茶とマッチさせたプラセボ飲料を1日3杯飲む群に分けて、体重やウエストなどへの効果を比較しました。
その結果、紅茶を飲んだ群では、プラセボ飲料を飲んだ群と比較して、体重で-0.64kg、ウエスト周径で-1.88cm改善したという結果となりました。
今回の研究では、カフェイン量を両群で合わせているため、その他の成分が関連した可能性があります。フラボノイドも候補に入るかもしれませんが、推測の域を出ません。
体重減少に効果がある未知の成分が紅茶に含まれているかどうか、今後の研究に期待したいところですが、体型が気になる方は早速実践できる簡単な方法ですね。
私も10kmマラソンに向けて、試してみようっと!
2015.09.24.
ファストフードと喘息②
皆さん、こんにちは^^
シルバーウィークも終わりましたが、皆さんはお出かけになりましたか?
私は事情により遠出はしませんでしたが、11月のマラソンに向けてウォーキングを強化してやってました。
さて、以前に妊婦さんとファストフードの関係をアップしましたが、今回は子供とファストフードの関係についてお届けします。
子供によく見られるアレルギーの症状と食習慣の関係はしばしば議論されています。
今回、研究班は、コロンビアの6歳から7歳の子供3,209人を対象として、12種類のグループの食品を摂取する頻度と、喘息などのアレルギー反応によって起こる代表的な症状である喘鳴や、鼻炎、湿疹の症状を調べ、統計的に解析を行いました。
その結果、新鮮な果物、豆類を多く食べる子供で湿疹が少なく、ジャガイモを多く食べる子供で喘鳴が少なく、ファストフードを多く食べる子供では喘鳴が多くなっていました。
この研究の方法では、アレルギーの症状が原因で食べ物が偏った可能性や、ファストフードを多く食べる背景にアレルギーを誘発する別の要因があった可能性なども考えられ、必ずしも果物や豆類がアレルギーを予防するとは断定できません。
また、コロンビアで得られた結果は、食習慣が似た地域には当てはまりやすいかもしれませんが、日本でも同様かどうかはわかりません。コロンビアでの食習慣とアレルギーの関係、またコロンビアの生活環境についてのより多くの情報とあわせて考える必要がありそうです。
とはいえ、ファストフードの摂りすぎは、前回の妊婦さん同様、喘息のお子さんにとっても良くはなさそうですね。
一般的で構わないので、バランスのとれた食事を心がけましょう!
2015.09.15.
オリーブオイルと糖尿病
皆さん、こんにちは^^
朝晩めっきり涼しくなって、特に夜は虫の音が心地よいですね。
日中との温度差が大きいので健康管理には十分注意してくださいね。
さて、今回の話題は「オリーブオイルと糖尿病」についての話題です。
オリーブオイルはいくつもの面で健康に良いと考えられています。
今回、アメリカで女性を対象に行われた大規模調査2件から、合計14万人あまりの対象者について22年にわたって追跡し、新たな2型糖尿病の発症と食習慣に関する統計解析が行われました。
その結果、1日あたりスプーン1杯を超える量のオリーブオイルを消費していた人では、オリーブオイルをまったく消費しなかった人に比べて、新たに2型糖尿病を発症することが少なくなっていたのです。
この研究の方法では、オリーブオイルに2型糖尿病を防ぐ効果があったかどうかは必ずしも断言できません。オリーブオイルを多く使う人に、生活習慣などの背景として、2型糖尿病を防ぐ要因がほかにあった可能性が完全には否定できないからです。
とは言うものの、普通のサラダ油を使うより、オリーブオイルの方が身体には良さそうなイメージは変わりませんよね。
実際にオリーブオイルをふんだんに使う地中海食では、心血管疾患の発症が低いことも知られていますし。
但し、オリーブオイルの消費量世界一のギリシャでは、日本の一人あたりの消費量のなんと100倍も使っていますけどね。。。
2015.09.10.
季節の変わり目に要注意
皆さん、こんにちは^^
台風18号が各地に災害をもたらしましたが、大阪は大きな被害がなくホッとしています。
しかし、各地の冠水の様子を見ていると、川が氾濫しているわけではなのに何故?って思ってしまいます。
排水設備能力の見直しが必要なのかもしれませんね。
さて、今回はこの時期に喘息症状の悪化で気を付けていただきたい点をお届けします。
一般的に、喘息症状の悪化や発作は、1年のうちで秋に多いと言われています。
9~10月は秋雨前線や台風の影響で雨が降りやすく、不安定な気候が多い季節です。
台風などによる気圧の変化と喘息発作には関係があることが知られており、患者さんに対するアンケート調査でも喘息症状の悪化原因で最も多かったのは、気候の変化という報告もあります。
気象予報などを参考に、気候が不安定な時は、外出を控えましょう。
また、花粉の飛散が意外と多いのが10月なのです。
「花粉」は春のイメージがありますが、秋に飛散する花粉も多く存在します。ブタクサやヨモギなどが秋に多い花粉で、花粉はアレルゲンとして喘息症状悪化の原因となります。
10月は紅葉狩りなど外出の機会が多くなるだけに、マスクをするなどの対策が必要です。
さらに10月は、澄み切った空が晴れ渡った日など、日中の暖かさに反して夜間は冷え込むことが多く、体調を崩しがちです。風邪などのウイルス感染は花粉などのアレルゲンと相乗的に作用して、喘息の増悪をひき起こすことも考えられています。
喘息症状の出ない良好なコントロールを目指して、毎日の気道炎症に対する治療を継続するとともに、症状が出たら早めに受診して下さいね。
2015.09.04.
クランベリーエキスでメタボ改善
皆さん、こんにちは^^
9月になっても、昼間はまだまだ残暑が厳しいですね。
それでも、少しずつ秋の気配を朝晩には感じることが出来ます。
秋と言えば食欲の秋。
マウスの実験ですが、ちょっとうれしい話題をお届けします。
最近、腸内にいる様々な細菌が2型糖尿病を調節する事が分かってきました。腸内細菌であるアッケルマンシア属は、2型糖尿病を防ぐ方向に働くのではないかと注目されているもののひとつです。
今回は海外の研究で、①通常食と水を与えたマウス、②脂肪・糖分が多い高脂肪食と水を与えたマウス、③高脂肪食とクランベリーエキスを与えたマウスの3群を比較しました。そして③群で増加する腸内細菌を調べています。
その結果、③群のマウスは高脂肪食依存的な体重増加効果や内臓脂肪型肥満の低下が見られました。また腸内中性脂肪を低下させ、腸内炎症と酸化ストレスも和らげました。さらに、興味深いことに、クランベリーエキスはムチン分解細菌であるアッケルマンシア属の割合を増加させました。
この結果から研究者らは、「クランベリーエキスは高脂肪食によって引き起こされるメタボリックシンドロームの徴候の改善によって代謝に有益な効果をもたらし、それは腸内細菌であるアッケルマンシア属菌種の増加と関連している」と述べています。
ポリフェノールはメタボ改善に効くと言われていますが、脂肪への直接効果に加え、このような腸内細菌への影響を与えているという興味深い結果ですね。
2015.08.29.
この季節、ダニにご用心
皆さん、こんにちは^^
8月もあと3日で終わります。今年の2/3が終了です。早いですね。
学生さんの夏休みも終わると思っていたら、周辺の小中学校は今週の月曜から2学期が始まっているそうです。
何だかかわいそうな気もします。
さて、今回の話題は、ダニの話題だに^^
比較的、喘息の症状が落ち着くことが多いといわれる夏ですが、悪化要因があるので注意が必要です。
実は、それがダニなのです。
喘息患者さんの寝室の床における塵を集めて、その中のダニ抗原量を測定してみると、実は1年中で8月が1番多く、8月を中心に夏の時期に多くなっていました。(下図)
ダニなどのアレルゲンを吸入し、免疫細胞がそれを認識すると、そのアレルゲンに特異的なIgE抗体が産生されます。その後、再度アレルゲンに曝露されると、特異的なIgE抗体を表面にたくさん持ったマスト細胞が活性化され、炎症メディエーターが放出されます。これにより、即時型喘息反応が起こり、喘息発作が誘発されるようになります。
日本の生活様式、気候などはダニの繁殖に適していることから、こまめな清掃などによりその除去を心がける必要があります。
しかし、ダニやホコリをすべて取り除くことは不可能です。
また、吸入ステロイド薬などの長期管理薬を定期的に使用している喘息患者さんを対象としたアンケート調査では、52.5%の患者さんがホコリによる喘息症状発現・悪化を経験していることが報告されています。
日々の定期吸入により症状が安定していても、何らかのきっかけで症状が発現・悪化した場合には、症状を緩和する治療とともに速やかに炎症を抑制することが重要です。
そんな時に活躍するのが、定期吸入だけでなく症状悪化時に追加吸入できるシムビコートです。
しっかりと吸入して、発作のない生活を送りましょう!
2015.08.22.
やはり、マイコでした
皆さん、こんにちは^^
一旦過ごし易くなりましたが、また暑さが再来って感じです。
天候の変化に身体が付いていけず、倦怠感を訴える患者さまもいらっしゃいます。
今回は、咳に関する私の体験談をお届けします。
受診されたのは22歳の女性の患者さま。
2~3日前から咳と38℃台の発熱で来院されました。
喉の痛みもありますが、痰はなく、咳の日中差もありません。アレルギー歴は何もありません。
喉を覗いてみると扁桃腺がパンパンに腫れています。これで、発熱があってもおかしくはありませんが、咳の原因とは考えにくい状況です。
しかし、呼吸音を聞いても正常です。そこで、胸部レントゲンを撮ってみると、、、左下葉の(間質性)肺炎像を認めます。
ある疾患がピーンと頭に浮かびました。
そう、マイコプラズマ肺炎です。
早速、迅速キットで調べてみると、、、やはり陽性でした。
最近のマイコプラズマはマクロライド系抗生剤に耐性の菌が多いため、ニューキノロン系の抗生剤を中心に処方し、1週間後には咳も熱も改善されていました。
「長引く咳の原因②」でも書きましたが、マイコプラズマ肺炎は外見だけでは非常に分かりにくい疾患なのです。
もし、胸部レントゲンを撮っていなかったら、扁桃腺炎と診断されてもおかしくないと思います。
「咳」の確定診断には、総合的な診察がいかに重要かを改めて感じさせられた体験でした。
2015.08.18.
ホップで肥満を防ぐ
皆さん、こんにちは^^
お盆も終わり、少し過ごし易くなりましたね。
お盆の期間、帰省されて美味しいものをタラフク食べられた方も多いのではないでしょうか?
そんな方には、ひょっとして朗報かもしれません。
ビールの原料であるホップに、フラボノイドの一種であるキサントフモールという物質が含まれています。キサントフモールは健康に良いという説があり、東京大学の研究班がマウスにキサントフモールを与える実験を行ったところ、キサントフモールは生体内で脂質代謝に関わる物質の作用を抑えることで、高脂肪食を与えたマウスの肥満と脂肪肝を防ぐという結果が得られました。
研究班は、マウスに高脂肪食を与えるグループと、同じ高脂肪食にキサントフモールを加えて与えるグループに分けて、
高脂肪食を与えたマウスでは日とともに体重が増加しましたが、高脂肪食にキサントフモールを加えて与えたマウスでは体重増加が少なくなっていました。また、キサントフモールを加えなかったマウスに比べて、肝臓などの脂肪の量が少なくなっていました。キサントフモールを与えたマウスの体内では、脂質代謝に関わる遺伝子の働きを調節している物質の「成熟型SREBP-1」が少なくなっていました。
研究班は、これらの結果から、キサントフモールが「メタボリックシンドロームを改善するための栄養補助食品または治療薬となりうる」ことが示唆されたと述べています。
ただし、マウスの実験で得られた結果が人間に当てはまるかどうかは、まだ確かではありません。
ですから、キサントフモールが含まれているビールを飲んで肥満を防ごう!と意気込むのはまだまだ早そうです。
とはいえ、マウスの体重増加と脂肪量増加が抑えられたという結果は目を引きますね^^
2015.08.08.
逆流性食道炎と生活習慣
皆さん、こんにちは^^
大阪はなんと8日連続の猛暑日。
今日も暑くなりそうで記録更新しそうです。。。
さて、今日の話題は長引く咳の原因としてもHPで紹介していますが、逆流性食道炎について。
胸やけ、ゲップ、胸の痛み、喉の違和感、声枯れなどの症状はありませんか?
上記の症状があれば、それは「逆流性食道炎」かもしれません。逆流性食道炎は、食べたものを消化する強い酸性の胃酸が、食道に逆流して、食道が炎症を起こし、粘膜がただれたり、潰瘍を生じたりする病気です。1回の食事で分泌される胃酸の量は、なんと約500mLにもなるのです。
食道は胃酸に対する抵抗力が弱いため、健康な状態では、胃酸が食道に逆流しない仕組みが働いています。その主役が下部食道括約筋です。下部食道括約筋は、食道と胃のつなぎ目にある筋肉で、食べた物を飲み込む時には、ゆるんで食道から胃に食べ物が落ちるようにし、それ以外の時は、食道をしめて、胃酸が逆流しないようにしています。
逆流性食道炎に対する治療の基本は、逆流する胃酸の量を減らすことで、非常に効き目の良い薬はありますが、様々な症状の予防には生活習慣の改善も大切です。
まず、食べ過ぎや油っこいものは、下部食道括約筋を緩めてしまうので、胃酸が逆流しやすくなります。ですから、腹八分目、七分目を目処にしましょう。ゆっくり食べると、食べ過ぎも防ぐことにもつながります。
その他、炭酸飲料やアルコールも下部食道括約筋を緩めてしまうので注意が必要です。
また、過食によって肥満になると、腹圧の上昇によって逆流しやすくなるとも考えられます。
食物摂取後の胃排出時間は約2~4時間なので、食後すぐに横になると胃酸の逆流が起こりやすくなります。
さらに、食べ物によっても胃に留まる時間は異なります。胃排出時間が早い順番は以下の通りです。
1. ごはんやパンなどの炭水化物(糖質)
2. 肉や魚などのたんぱく質
3. 揚げ物などの脂肪(脂質)
どうしても遅い時間での食事が避けられない場合には、胃排出時間の早い食べ物をできるだけ控えて摂るようにしましょうね。
2015.08.03.
ファストフードと喘息①
皆さん、こんにちは^^
暑い日が続いていますね。
7月20日からの1週間で熱中症で救急搬送された方は7,000人以上!
私は大丈夫と過信せずに、温度・湿度管理と水分補給はこまめに行いましょう。
さて、今回の話題は、「ファストフードと喘息」です。
ファストフードが喘息やアレルギーに悪い影響を与えているという説があります。特に妊娠中の母親の食事が子供に影響するのではないかという観点から、アメリカの母子を対象にした研究が行われました。
研究班は、ロサンゼルスの1,201組の母子を対象として、妊娠時のファストフード摂取量を出生後に聞き取り、子供が生後3.5年時点での喘息および鼻炎と関連があるかどうかを統計解析しました。
その結果、母親が出生前に毎日ファストフードを食べていたと答えた場合、子供に重症の喘息症状があることが多くなっていました。また、ファストフードを食べていた頻度が高いほど、子供の重症喘息のリスクが大きい傾向もあることも報告されました。
研究班は「これらの結果は、母親の食事によるファストフードへの子宮内での頻繁な曝露が、幼い子供において喘息症状発症のリスク因子である可能性を示唆する」と結論しています。
この研究の方法では、母親がファストフードを食べた背景に未知の要因があり、その要因が子供の喘息に影響した可能性も否定できません。ですから、ファストフードと喘息の関係はこの結果だけから確かとは言えませんが、別の面から見ると、妊娠中の母親の肥満や栄養状態が子供に影響するという説もあり、また妊娠中は妊娠糖尿病のリスクもあります。
しかし、妊娠中の食事を考える上で、ひとつの要素として参考になるかもしれません。
それにしても、妊娠中に毎日ファストフードを食べるなんて、いかにもアメリカ人らしいですね。
2015.07.27.
ペットボトル症候群
皆さん、こんにちは^^
本日も暑い1日でした。
こんな日は、ついつい清涼飲料水をガブガブと飲んでしまいがちです。
しかし、その清涼飲料水のペットボトルに非常に危険な罠があるとしたら、、、
「ペットボトル症候群」、一度聞いたら頭に残る印象的な名前です。この病気の恐ろしいところは、それまで健康だと思っていた若い人、小学生までもが、ソフトドリンクの飲み過ぎで突然発症してしまうところです。
ペットボトル症候群、正式には「清涼飲料水ケトーシス」と呼ばれるこの病気は、糖分を過剰摂取してしまうことが原因となり、吐き気、腹痛、意識がもうろうとするなどの症状が出るものです。糖尿病と関連がある病気で、それまで糖尿病と診断されていなくても、その傾向がある人に発症することが多いとされています。
一般的なソフトドリンク1本(500ml)には、50~70g程度の糖分が含まれており、これは角砂糖15個分に相当します。一杯の紅茶に角砂糖5個を入れた甘さですが、特に炭酸飲料の場合にはその甘さを感じづらいために沢山飲んでしまうのです。
これが2リットルだと角砂糖60個相当ですから、およそ1000キロカロリー。1日の必要カロリーの半分にも及びます。食事量が1000キロカロリー増えたら「食べ過ぎかな…」と気付きますが、飲料の場合には気付きにくいという点が問題になります。
体は糖質を処理するための「インスリン」を分泌するのですが、これほどのカロリーを純粋に糖分だけから摂取すると、その糖分を「インスリン」が処理しきれなくなり、「ケトアシドーシス(ケトン体が増えて血液が酸性となる)」と呼ばれる状態に陥ってしまうのです。
さらに、この病気の怖い点は、
ソフトドリンクを飲む → 血糖値が上がる → のどが渇く → 余計にドリンクを飲む→
血糖値が上がる → インスリンホルモンが働かなくなる → 余計に血糖値が上がる
という、悪循環が隠れているところにあります。
ソフトドリンクを水やお茶に替えたり、カロリーゼロ飲料を選んだり、血糖値の上昇を防いでペットボトル症候群を予防することができます。
大きなサイズのペットボトルを机に置いての作業が習慣化してしまっている方、周囲にいませんか?
2015.07.08.
食事とCOPD予防
皆さん、こんにちは^^
なでしこジャパンは準優勝に終わり、昨日の七夕も雨で天の川は見れず。
ちょっと残念な出来事が続いていますが、沈んでばかりはいられません。
今週末は地車なので、完璧な準備を目指します!
お近くの方も是非遊びに来てくださいね。
さて、今回は「食事内容でCOPD(慢性閉塞性肺疾患)が予防できる」という話題です。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは気管支や肺胞がダメージをうけて、正常な呼吸ができなくなっている状態です。詳細はこちら。
原因のほとんどが長期間の喫煙であるため、禁煙することがもっとも重要な予防法でした。 今回、米国の研究チームが「質の高い」食事をすることでCOPDの発症リスクを減らす可能性があることを報告しました。
この調査は、米国の約12万人の中で、この調査期間中にCOPDと診断された患者(女性723例、男性167例)を対象にCOPDの発症とそのリスク要因を分析しています。
分析の結果、健康的であるとされる食品の摂取は不健康を及ぼすとされる食品に比べるとCOPDの発症リスクを低下させることが判明しました。
「質の高い」食事とは、全粒粉(小麦粉の一種。小麦の表皮、胚芽、胚乳をすべて粉にしたもの)、多価不飽和脂肪酸の多い食品、ナッツ、長鎖オメガ3脂肪酸の多い食品などの健康的な食品を含んだもので、「質の低い」食事とは、赤身や加工肉、精製された穀物、糖分の多い飲料水などの不健康な食品を含んだものです。
この傾向はCOPD発症の主たる原因である喫煙歴に関わらず見受けられました。
研究チームは「COPDの発症を抑えるために食事の内容(不健康な食品を避け、健康的な食品を摂取する)を変えるといった多方面の介入が重要である」と主張しています。
COPDの大きな原因である喫煙を控えるだけでなく、食生活の見直しも大切な予防法かもしれませんね。
2015.06.27.
夕食時の赤ワイン一杯
皆さん、こんにちは^^
梅雨の間の晴れ間。そして土曜日。
今日はどこの散策に出かけようかと考えております。
さて、今日の話題は赤ワインの効用についてです。
「健康的な食事に加えて少量のワイン、特に赤ワインを摂取することは安全で心血管・代謝リスクを軽減できる」と何とも嬉しい研究結果が、欧州肥満学会で発表されました。
適切なアルコール摂取の在り方をめぐっては意見が一致しておらず、特に2型糖尿病患者さんのアルコール摂取に関しては議論のあるところです。また、2型糖尿病患者さんを対象にアルコール摂取の安全性や有効性を検討した長期間の比較試験は今までにあまりありませんでした。
今回の研究では、良好にコントロールされている糖尿病患者さん224例を、①赤ワイン②白ワイン③ミネラルウォーターのいずれかを2年間、毎夕食時に150mL摂取する3群に分けて行われました。
その結果、ミネラルウォーター群に比べ赤ワイン群では脂質代謝が改善していることがわかりました。また、赤・白ワイン群ではミネラルウォーター群に比べわずかに糖代謝も改善して、特に赤ワインによる改善効果が大きかったようです。
お酒好きには朗報ですが、あくまでもワイン150mLの量を厳守しての話です。
普段の生活で、この150mLでワイン摂取を止められるかどうかの方が大きな問題だと思うのは私だけでしょうか?
ちなみに、私は150mLで止められる自信は全くありません。。。
2015.06.20.
良好だった咳喘息の経過が、、、
皆さん、こんにちは^^
各地でゲリラ豪雨のニュースが聞かれます。
エルニーニョ現象が影響しているみたいですね。
日本から遠い南アフリカの海の影響を受けるとは、不思議な感じです。
さて、今回の話題も咳喘息に関してです。
5月初旬に他院で肺炎の治療を受けて、5月下旬に咳と右胸部痛で来院された患者さまがおられました。
痰が続いていましたが、呼吸音は正常で、胸部レントゲンも異常を認めませんでした。
ただ、肋骨のレントゲン写真で、第9肋骨骨折を認めました。咳による疲労骨折です。咳1回の消費エネルギーは、わずか2kcalですが、それが何十回何百回と重なると、肋骨骨折を起こすこともあるのです。
バストバンド固定をして、通常の咳喘息の治療を開始しました。ただし、シムビコートは以前に他院で処方してもらったものが残っているというので、処方しませんでした。
1週間後、再来され症状を聞くと、咳も30%位に減少して、バストバンド固定の効果もあり、胸痛も改善していました。
経過良好と判断し、更に2週間の処方を行いましたが、シムビコートはまだ残っているということなので処方しませんでした。
それから5日後、その患者さまが再来されました。「ずっといい感じだったのに、咳がぶり返してきた」という理由でした。
「シムビコートの吸入はきちんとできていますか?」と確認すると、「出来ています」とおっしゃいます。
「小窓は赤くなっていませんか?」と尋ねると、「そこは見ていませんが、クルッ、カチッとしてから吸っているので大丈夫だと思います」とのお答え。
やはり、、、
シムビコートは60吸入できます。朝2吸入・夜2吸入の指示をしていたので、最初の1週間で約半分(28吸入+α)はなくなっているはず。以前に他院で処方された時もある程度吸入されていたと考えると、途中から空のシムビコートを吸入しているという計算に。
クルッ、カチッは薬がなくなっても何度でも出来ることを説明すると、「薬がなくなれば、クルッ、カチッが出来なくなると思っていました」と、、、
改めて、シムビコートの吸入指導は大切だと実感させられました。
2015.05.26.
やはり、○○咳でした
皆さん、こんにちは^^
快晴の日が続いていますが、逆に真夏日になったりして、熱中症対策が必要になってきました。
しっかり水分補給をして、特に外出時には水分の持参をお勧めします。
さて、今回はブログでもよく取り上げている「咳」の話題です。
その患者さまは、46歳の男性の方でした。
10日程前からのどの痛みと発熱があり、5日前から咳が出始めたということで来院されました。
待合でも、かなり咳込んでおられました。
しかも、咳込んでえづく位の激しい咳でした。
黄色の痰も伴っています。
咳の頻度に日中差はなく、明らかなアレルギー歴もありません。
のどは赤くなっていましたが、呼吸音は正常でした。
胸のレントゲン写真も問題ありません。
咳喘息でしょうか?
私は採血の指示を出しました。
その検査項目には、通常の咳症状では調べない特殊な検査項目を入れておきました。
そして、患者さまに病状を説明し、お薬を出して帰ってもらいました。
3日後、特殊な検査項目の結果が帰ってきました。
やはり陽性でした。
その検査項目とは「百日咳抗体(PT-IgG)」。
しかもその数値は100EU/mL越えの103で、1回の検査で「百日咳」と確定診断がつく数値です。
思わずニンマリしてしまいました^^
感冒様症状で始まり、えづきや嘔気を伴うような激しい咳。
呼吸音は典型的ではありませんでしたが、やはりといった感じです。
マクロライド系抗生剤を更に2週間分追加しました。
患者さまも原因がはっきり分かって、安心されたようです。
たかが咳、されど咳。
やはり、咳の診断は奥が深いですね。
2015.05.21.
コーヒー摂取で死亡リスクを低下
皆さん、こんにちは^^
からっと晴れたすがすがしい天気ですね。
沖縄も梅雨入りし、本格的な梅雨シーズンが近づいてきました。
梅雨の時期になると、喘息や咳喘息が悪化する方もおられるので、注意しましょう!
さて、今回は「コーヒー」に関する話題です。
日本人約9万人を対象とした約20年間の研究で、コーヒーを1日3~4杯摂取する人は、ほとんど飲まない人に比べて全死亡リスクが24%低下することを東京大学国際保健政策学が報告しました。
コーヒーを飲む習慣は世界的に広がっており、わが国でも毎日コーヒーを飲む成人は47%に上るとも言われています。こうした中、コーヒーによる健康効果については数多くの研究がなされていますが、アジアでコーヒー摂取と5大死因との関連性を検討した研究はなされたことがなく、今回が初めての研究成果発表のようです。
5大死因とは、①がん、②心疾患、⑤不慮の事故を言いますが、残念ながら今回の研究では①がんとの関連性は認められませんでした。
しかし、コーヒーを1日3~4杯摂取する人では、ほとんど飲まない人に比べて②心疾患による死亡リスクが36%、③脳血管疾患による死亡リスクが43%、④呼吸器疾患による死亡リスクが40%低いことが分かりました。
研究者たちは、「コーヒーには、グルコースの吸収を抑えたり血圧を低下させるクロロゲン酸や、血管内皮機能を改善するカフェイン、抗血栓作用があるピリジニウムが含まれていて、これらが死亡リスク低下に寄与した可能性がある」としています。
私もコーヒーは大好きですが、コーヒー好きには何よりも朗報ですね!
2015.05.13.
サウナで心血管死亡が減少!
皆さん、こんにちは^^
台風一過で、とってもいい天気です。
まだ5月ですが、まるで初夏の陽気ですね。
さて、今回は私の大好きなサウナについての記事を発見したので、紹介します。
サウナ入浴は血行を高めることが知られていますが、心血管死亡や総死亡にもプラスの作用があるのだろうか?こんな疑問への答えとなる研究結果が、サウナ入浴が盛んなフィンランドからもたらされました。
その研究は、フィンランド在住の42~60歳の男性で、定期的にサウナを利用していた2315人(平均年齢は53歳、BMIの平均は26.9、サウナ利用回数の平均は2.1回/週、1回あたりの利用時間の平均は14.2分)を抽出し、サウナ入浴の頻度や入浴時間と、心血管死亡や総死亡との関連を検討したものです。
フィンランドのサウナは乾式で、湿度は10~20%、浴室の温度は80~100度に設定されており、湿度は焼けた石の上に水をかけた時に一時的に上昇するようです。
その結果、頻繁(週4~7回)で入浴時間の長い(19分以上)サウナ入浴は、心臓突然死、致死的冠疾患、心血管死亡、総死亡のリスク低下と関係していたそうです。
ただし、この結果はフィンランド人でのデータですので、日本人に当てはまるかどうかは定かではありません。
しかし、サウナ大好きな私にとっては非常にうれしいニュースです。
2015.05.07.
ストレスと喘息
皆さん、こんにちは^^
GWも終わり、日常の仕事をスタートされる方も多いと思います。
今年からの新入社員や新入生の方で、GWで帰省したり、旅行したりでストレス発散された方も、これから色々なストレスが溜まってくる季節です。
そこで、今回のテーマは、「ストレスと喘息」についてです。
喘息は変動性の病気であり、吸入ステロイド薬などの長期管理薬を使用していても、日常生活における避けがたい要因により発作症状が出てしまうことがあります。
喘息症状を悪化させる要因は多数ありますが、風邪、天候や花粉などのほか、多くの人が新生活を始めるこの季節は、進学や就職、異動など環境の変化によるストレスや疲労、引っ越しによる埃(ハウスダスト)など、様々な要因に注意が必要です。
「ストレス」は、「喘息予防・管理ガイドライン2012」でも喘息症状の発現や悪化などに関与する因子として記載されています。患者さんの心理社会的背景や家族のあり方などが喘息の発症、増悪、治療管理に影響を与えると示されていて、喘息の発症や再燃に先行して、生活上の変化や日常生活のストレスが見られることがあるともいわれています。
そのメカニズムは、ストレスが好酸球などの炎症細胞などを増加させ、その結果、気道過敏性や炎症が亢進していくことが考えられています。また、過労から免疫能が低下し、気道感染が喘息症状を引き起こす可能性や、ストレスが自律神経などに影響を及ぼす化膿性などが示唆されています。
多くの人が新生活を始めるこの季節、喘息患者さんにとって日常避けられないストレスなどの要因は多く存在します。喘息症状を悪化させないためにも、治療においては、日々の定期吸入に加えて、起こった症状に対して速やかに対処することが非常に重要です。
当クリニックで主に処方している「シムビコート」は、速やかな気管支拡張効果を有する薬剤と、速やかでかつ強力な抗炎症効果を有する薬剤が含まれています。それにより、定期吸入を治療の基本として、発作時の一時的な追加吸入により抗炎症治療を強化することが可能となるのです。
ストレスに負けずに、通常の日常生活が送れるように、しっかりと自己管理していきましょう!
2015.04.25.
骨粗鬆症を紅茶で予防
皆さん、こんにちは^^
久々に晴天続きで、春を通り越してすでに初夏のようですね。
前の平野公園でも本日はイベントがあるみたいです。
さて、今回は当クリニックも応援している「女性のミカタ」プロジェクトでも取り上げている「骨粗鬆症」についての話題です。
マウスを使った実験ですが、紅茶の苦味成分のポリフェノールに骨の破壊を抑える効果があると、大阪大のグループが発表しました。将来的に骨粗鬆症を予防する薬になる可能性もありそうです。
骨の内部では骨を作る「骨芽細胞」と、骨を壊す「破骨細胞」が働いています。ホルモンのバランスなどが崩れて、破骨細胞の働きが異常に活発になり、骨芽細胞と破骨細胞のバランスが崩れると、骨がもろくなる骨粗鬆症を発症します。
大阪大のグループは、骨髄で破骨細胞が作られる際にSAMという物質が働き、DNAにメチル化と呼ばれる化学変化を起こしていることを突き止めました。さらに、紅茶の苦味成分であるポリフェノール「テアフラビン」が、SAMと一緒に働く酵素の働きを邪魔することも発見しました。
人工的に骨量が3分の1の骨粗鬆症にしたマウスに3週間で「テアフラビン」を計7回注射すると、破骨細胞が減り、骨の量が2倍に回復したそうです。
ただ、人間が普通に飲む紅茶で考えると、1日当たりなんと20杯分に相当するようです。1杯100ccとしても2リットルですから、ちょっと厳しい量ですよね。大阪大のグループは「テアフラビンをサプリメントなどにして摂取すれば、骨粗鬆症を予防できる可能性がある」と話しています。
そんな夢のサプリメントが出来ればいいですね!
2015.04.18.
糖尿病とがん
皆さん、こんにちは^^
ぐずついた天気が続きましたが、本日は晴天!
久々にウォーキングにでも出かけてみようかな。
さて、今回の話題は「糖尿病とがん」についてです。
糖尿病と聞くと、多くの人は目や腎臓、心臓などに起きる合併症を心配すると思います。
しかし、実はがんとも深い関係にあることは、あまり知られていません。
糖尿病になると、様々ながんのリスクが増えることがわかってきました。例えば、膵臓がんや肝臓がんでは約2倍になります。糖尿病患者にがん検診を勧めるのは、これが理由なのです。
がんの治療にも影響します。血糖値が高いと抗がん剤が効きにくいとされ、手術や放射線治療では傷が治りにくい、感染症にかかりやすいといった問題があります。抗がん剤と同時に使われるステロイドは、食欲増進や吐き気予防に有効ですが、血糖値も上げてしまう「ステロイド糖尿病」が起きる可能性があり、糖尿病やその予備群の人は注意が必要になります。
糖尿病は自覚症状がないことが多く、がんになって初めてわかる人も少なくありません。糖尿病や予備群の人のがん治療では血糖値コントロールが不可欠です。ただ、治療法や薬の種類も多く、食事など日常生活にも大きくかかわるため、簡単ではありません。
ですから、糖尿病の治療を受けられている患者さまは、必ず医師の指示に従って薬の服薬やインスリンの投与を行ってください。決して自分の判断で減量や中断をしないでください。
また、現在糖尿病でない方も、必ず健診を受けてチェックしておきましょう!
2015.04.14.
シムビコートの小窓事件
皆さん、こんにちは^^
グズグズした天気が続いて、すっかり桜も散ってしまいました。
寒の戻りもあり、体調管理には十分気を付けてくださいね。
さて、今回はブログでも良く取り上げている吸入ステロイド薬配合剤「シムビコート」のちょっとした事件をお届けします。
「最近、シムビコートを吸っても良くならない」と言われて、他院から当クリニックに替わられた喘息の患者さまがおられました。
他院では以前からシムビコートが処方されていて、お話を伺うとそれなりの効果はあったようです。
吸入の回数も、朝2吸入と夜2吸入を基本として、呼吸がしんどくなると屯用されていました。
吸い方の確認をしましたが、全く問題ありません。
薬の整理も兼ねて、現在服用している薬を吸入中のシムビコートも含めて全て持参するようにお願いしました。
次の日、大量のお薬とともに問題のシムビコートがやってきました。
機器の不具合でもあるのか確認していると、なんと、残りの吸入回数を示す小窓が真っ赤の状態に。
つまり、残量「0」です。
小窓の赤い色も剥げかけており、残量「0」の状態でかなり使い込んでおられたようです。
最近、シムビコートが効かないわけです。
これで納得。一件落着^^
と、笑ってはいけませんが、ご本人に説明し、ご本人、私、看護師の3人で笑ってしまいました。
確かに、シムビコートの薬剤の粒子が非常に細かいため、薬を吸っている感覚が乏しく、空気を吸っているのと変わらないと言われる方もおられます。
ですから今回のような事件が起こったのでしょう。
シムビコートを吸入中の皆さん。
是非、吸入の前に小窓をご確認ください!
2015.04.06.
肌のトラブル、花粉症皮膚炎かも
皆さん、こんにちは^^
本日はシトシト雨で花粉飛散量も少ないですが、花粉症の患者さまにはつらい時期が続きますね。
花粉症の症状といえば、くしゃみや目のかゆみと思われがちですが、花粉は肌にも刺激を与えているのです。
そのため、肌がかゆくなる、肌荒れするなどの症状がある人は、花粉症皮膚炎かもしれません。
冬に肌のかさつきや痒みの症状があれば、まずは乾燥を疑いますが、今の季節は徐々に湿度が上がってきているので、花粉が肌につくなどして、刺激を与えている可能性が十分にあります。
乾燥の場合は、「すね」「腰まわり」など、肌を乾燥から守る皮脂の分泌が少ない場所に症状が出やすいですが、花粉が原因の場合は、「顔」「首」など露出している場所に症状が出る人が多いのが特徴です。
花粉症皮膚炎を防ぐためには、花粉を肌に付けたままにしないことが必要です。外から帰ったら顔を洗い、シャワーを浴びましょう。洗えない場合は、水で濡らしたハンドタオルで、こするのではなく、そっと押さえるように拭きましょう。
また、症状がある時は、化粧品も刺激になることがあるので、塗るとピリピリとした刺激を感じるものは使わない方がいいでしょう。
花粉症の患者さまで、肌の調子がおかしいなと思ったら早めにご相談ください。
2015.04.01.
コメントを頂いた方へ
妊娠の件でコメントを頂いた方、こんにちは。
コメントで返しましたが、見ていただけたかどうか不安になってブログにも掲載することにしました。
早く治療されることを切に望みます。
喘息は妊娠後期に悪化する傾向があり、また風邪によっても悪化します。
ブログでも書きましたが吸入ステロイド薬の安全性は確立されています。是非使用されるべきだと思います。
フルティフォームがご心配であれば、パルミコートか同一成分を含むシムビコートに変更されてはどうでしょうか?
詳しくは2014年10月21日の「再度、吸入ステロイド薬②」を参考にしてください。
また、「妊娠と薬情報センター」http://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/druglist.html
もご覧になられるとご安心頂けるかと思います。
2015.03.28.
PM2.5と喘息
皆さん、こんにちは^^
全国的にポカポカ陽気ですが、関西はお花見にはちょっと早いようです。
クリニック前の公園の桜も咲き始めです。
来週あたりが見頃でしょうか。
さて、今回は前回に引き続きPM2.5の話題です。
兵庫医科大の公衆衛生学教室は、大気中の微小粒子状物質「PM2.5」に含まれる特定の物質が、喘息発作に関連していることを突き止めました。その物質は、石炭や石油の燃焼などで排出される「硫酸イオン」という物質で、国内で喘息との関連を特定したのは初めてです。
2008年8月~13年3月の間、姫路市医師会などの協力を得て、同市内で調査を実施し、PM2.5の濃度や含まれる成分と喘息発作の関連を調べました。すると、大気1立方メートル当たりのPM2.5濃度が環境基準の1日平均35マイクログラムを週1日超えただけで、喘息発作の率が全年齢で7%、0~14歳では13%増えました。さらに成分ごとに分析したところ、硫酸イオンが含まれていた場合は発作の率が10%高くなるという結果となりました。
子供は、体が小さい上、屋外にいる時間が比較的長いことなどから、大気汚染物質の影響を受けやすいと考えられます。また、硫酸イオンは国内での排出に加え、石炭や石油の利用が多い中国からの飛来が問題となっています。
硫酸イオンと喘息の関係は判明しましたが、個人の努力で影響を避けるのは困難な状況です。
改めて、社会が責任を持って、国を超えて大気汚染防止対策に乗り出す必要がありそうですね。
2015.03.23.
PM2.5がロシアからも
皆さん、こんにちは^^
昨日までは晴天で暖かい日でしたが、花粉症の方にはつらかったのではないでしょうか?
今年は、気温が低かったせいもあり、花粉症の時期も遅れ気味です。
また、関西は関東よりも花粉量もましなようですが、例年以上になりそうです。
花粉症の時期ですが、その他にも黄砂やPM2.5など色々とややこしいものが飛び交っています。
今回は、PM2.5についての話題です。
蔵王連峰の自然環境を調査している山形大の「蔵王樹氷火山総合研究所」は、日本に飛来しているPM2.5などの大気汚染物質が極東ロシアからも飛来していることを解明しました。
これまでの研究で、中国の華北平原に蓄積した大気汚染物質が高気圧の移動に伴い、国内に飛来している事実は明らかになっていました。
同研究所によると、今冬はシベリアからの風が例年より強いため、堆積した大気汚染物質が東日本に飛来せず、太平洋に流される傾向が強かったとみられています。
しかし、そうした中でも、黒色のPM2.5が蔵王で観測され、酸性状態の樹氷が観察されたそうです。さらに、人工衛星の画像などを用いて調査したところ、極東ロシアから中国北東部地域にかけての東北アジア地域から飛来した大気汚染物質であることを特定するに至りました。
中国からだけでなく、ロシアからもPM2.5が飛来するとは恐ろしいことです。そして、その氷が融けて水となり土壌に浸み込み、地元の農家へと流れていくことを考えると、ますます恐ろしいです。
先週末に九州の一部地域でも、PM2.5の注意報が出されました。咳喘息や気管支喘息の方は、花粉だけでも大変な時期ですが、さらに注意してマスク等でしっかり予防してくださいね。
2015.03.14.
片足立ち、何秒出来る?
皆さん、こんにちは^^
本日はホワイトデイですが、ちゃんとお返しはされましたか?
毎年、思うのですが、お菓子メーカーの策略に国民全体がのっかってるなぁって。
どちらでもいいことですが、、、
さて、今回は「片足立ち」の話題です。
米国心臓協会は、片足で20秒以上立てないケースでは脳血管疾患や認知機能低下のリスクが高いことを示した京都大学の研究を紹介しました。
この研究は、平均67歳の男性546人および女性841人を対象に、開眼のまま片足で立っていられる時間を2回繰り返して計測し、成績が良い方の計測値をデータとして採用し、脳微小血管障害の状態は脳MRIで評価しています。
解析の結果、片足立ちが20秒以上できない対象者は、ラクナ梗塞(微小梗塞)や微小出血など臨床症状のない微小血管障害と関連することが分かりました。バランス困難者が占める割合は、ラクナ梗塞が2個所以上で34.5%、1個所で16%、微小出血病変が2個所以上で30%、1個所で15.3%でした。年齢、血圧、頸動脈壁厚で調整すると、微小出血やラクナ梗塞が多い被験者ほど片足立ち時間が短く、片足立ち時間が短いことは認知スコア低下とも独立に関連していました。
研究者は「片足立ち時間は姿勢不安定を簡単に評価する方法であり、脳の異常と関係する可能性があり、バランス困難を示す患者には、脳血管疾患や認知低下のリスクを念頭に置く必要がある」と述べています。
さあ、皆さんも試してみてくださいね。
ちなみに私は、ちゃんとできて、ほっとしています。
2015.03.07.
味噌汁が糖尿病を救う?
皆さん、こんにちは^^
3月になって、ひな祭りも終わり、もう1週間。
暖かい日が少しずつ増えている気がします。
さて、今回の話題は「味噌汁と糖尿病」です。
大豆食品を摂取すると血中のアディポネクチン値が上昇すると言われていて、大豆食品の糖尿病予防効果が注目されています。
アディポネクチンとは、脂肪細胞のみから分泌されるホルモンで、「長寿ホルモン」とも言えるタンパク質なのです。また、内臓脂肪が増えると下がり、逆に、内臓脂肪が減ると上がることから、メタボリックの診断でも注目されています。
山形県のとある町の住民検診受診者約1500人を対象として、食事習慣と糖尿病関連の検査値との関連を調べた結果、味噌汁を1日に3杯以上摂取している人たちは、2杯以下の人たちに比べて、有意に空腹時血糖が低く、血中アディポネクチン値が高いことなどが分かったそうです。
また、味噌汁の摂取回数が多いと塩分の摂取が多くなるため、血圧が上がる心配がありそうですが、味噌汁が2杯/日以下の人たちと3杯/日以上の人たちで、血圧に差は認めませんでした。
これらの結果から報告者たちは、「味噌汁を毎食摂取すると、糖尿病予防に有効な可能性がある」としています。
日本人の大好きな味噌汁で、糖尿病が予防できるなんて、嬉しいですね!
2015.02.26.
本格的な花粉症シーズン到来
皆さん、こんにちは^^
本日は雨でしたが、明日からまた空気が乾燥しそうです。
いよいよ花粉症が本格的に流行しはじめる季節が到来し、花粉症の方には辛い季節がやって来ましたね。
あるニュースでは、今年は前年に比べると東京や大阪は1.5倍以上の飛散数になるそうです。今では花粉の飛散数予測のスマホアプリが色々出ており、エリア別、時間帯別などであらわしてくれるので、是非活用して情報収集に努め、状況にあった予防をしていきましょう。
また、黄砂やPM2.5の飛散も始まっていますので、花粉症だけでなく喘息をお持ちの患者さまも十分な注意が必要です。
この季節になると「花粉症かも」と思い、受診される方が増えています。症状が風邪と似ていることや、季節的にも風邪をひきやすい時期なので、なかなか区別がつきにくいことが原因のようです。
花粉症と風邪の簡単な見分け方は、何もしなくても鼻水が垂れてきたり、目のかゆみがあったりすると花粉症の可能性が高く、粘り気のある鼻水であったり、喉に痛みがあったり、頭痛や発熱があると風邪の可能性が高くなります。
花粉症と風邪では薬の内容も全く違いますので、違和感のある方は当クリニックまで早めにご来院ください。特に花粉症の鼻水には、1日1回の点鼻で効果を発揮する薬もご用意していますので、お気軽にご相談ください。
2015.02.12.
乳酸菌で花粉症対策
皆さん、こんにちは^^
昨日から少し寒さが和らぎましたが、まだまだ寒い日は続きそうです。
気温の上昇とともに気になるのが花粉症。
関西でもそろそろスギ花粉の飛散が始まっています。
今回は、花粉症の方にちょっとした朗報をお届けします。
ヤクルト本社は、乳酸菌LPO132使用の発酵果汁飲料の継続飲用が、スギ花粉症患者のアレルギー症状を緩和する効果のあることを発表しました。
この試験は、スギ花粉が飛散する2~4月にかけ、花粉症の自覚症状のある成人42人を対象に飲用試験を実施。LPO132で発酵させたカンキツ類果汁飲料摂取グループと、疑似飲料摂取グループに分け、1日1本、8週間飲用してもらい、血液検査、花粉症の自覚症状や生活の質(QOL)などの調査を行いました。
その結果、LPO132発酵果汁摂取グループは疑似飲料摂取グループに比べて、炎症の指標ともなる血中の好酸球数の変化を抑え、花粉症に特有な症状である目のかゆみ、QOLにかかわる記憶力低下、疲労などのスコアが有意に低値を示し、症状が軽減されたことが明らかとなりました。
今後、特保(特定保健用食品)の商品が開発されるかもしれませんね。
ただし、どの乳酸菌でも上記のような効果が出るわけではありませんので、ご注意を!
2015.02.03.
豆まきにご用心!
皆さん、こんにちは^^
あっという間に1月が終わり、早くも2月の始まりですね。
そして、今日は節分。
豆まきは楽しい行事ですが、子供が豆を気管や気管支に詰まらせる事故も起きています。
国立成育医療研究センターでは、2005~14年の10年間に、子供が豆類を気管などに詰まらせて受診した事例が42件もあったそうです。豆の種類はピーナツが19件と最多で、煎った大豆(10件)、枝豆(9件)で、大豆での事故の8割は、節分のある2月に発生しています。
万一の際、応急対応をどうするかは、年齢や症状によって異なります。
咳込んでいても、息ができているなら、自然に任せ、できるだけ泣かせないようにしながら、急いで医療機関に連れて行きましょう。むせた際、子供を逆さにして豆を口の方に戻そうとする人がいますが、症状が悪化する場合があるので絶対にしないでください。
一方、豆が詰まって声が出せず、窒息しているような状況では、すぐ救急車を呼んでください。気管を完全にふさいだ状態が数分間続くと、死に至るか、助かっても脳の機能に障害が残る場合がります。
その上で、乳児なら片手で体を支え、もう一方の手のひらで背中をたたく、幼児なら背後から両腕を回し、腹部を上方へ圧迫するなど、年齢に応じた処置を行いましょう。
くれぐれも子供さんから目を離さないように、
3歳以下には豆を食べさせないように、
豆まきをしたらすぐに豆を拾い集めるように気を付けて、楽しい節分をお過ごしください。
2015.01.29.
早めの花粉症対策を
皆さん、こんにちは^^
昨夜からまたまた冷え込みが始まりました。
家でも暖房がフル活用されていると思いますが、加湿も忘れずに。
さて最近、花粉症の患者さまが来院され始めました。
今や4人に1人は花粉症の時代です。
スギやヒノキなどの花粉によってくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー症状が出ます。
花粉症の原因植物には樹木と草本があり、日本では約60種類もあるとされています。
主なものとしては、スギ、ヒノキ、カモガヤ、ブタクサ、シラカンバ、ハンノキなどがあります。
本州、四国、九州では、一番の原因植物はスギとヒノキです。スギやヒノキの花粉は、大量に風にのって数十キロも飛んでくるので、どこにいても花粉症対策をしっかり行うことが大切です。
一般的に、スギ花粉は、九州や関東では1月下旬から、関西では2月上旬から飛び始めます。
花粉が飛び始める2 週間くらい前から治療を開始(「初期療法」と言います)することが最も効果的とされています。
初期療法を始めていると、症状の発症を遅らせ、飛散シーズン中の症状を和らげることができます。
また、早期に症状を改善させることもでき、結果として、処方される全体のお薬の量を減らすこともできるのです。
そのため、早めに当クリニックを受診して頂き、患者さまの生活スタイルに合った花粉症対策を始めることをお勧めします。
2015.01.20.
野菜と果物で循環器疾患予防
皆さん、こんにちは^^
昨日からまたまた寒い週が始まりましたね。
風邪とインフルエンザには十分注意しましょう!
さて、今回は野菜と果物に関する話題です。
「野菜や果物を多く摂る人は、脳卒中や心臓病の循環器疾患で死亡するリスクが低下する。」
人間総合科学大の研究グループが、約9000人を24年間追跡調査して明らかにし、論文を発表しました。対象は、1980年に実施された国民栄養調査に参加した当時30~79歳の全国の男女約9000人。野菜と果物の摂取量に応じて4つのグループに分け、2004年までの生存や死亡の情報を集めて、統計手法を用いて分析したそうです。
その結果、野菜と果物を1日に計280グラム程度摂取したグループと、計490グラム程度摂取したグループを比較すると、多く摂ったグループは少ないグループより死亡リスクが28%低下していました。
さらに、計650グラム程度の摂取では同様に26%低下しました。野菜のみ、果物のみでも摂取量が多ければリスクは低かったと報告しています。
野菜や果物を食べることで、循環器疾患を予防できる可能性が示されていて、非常に興味深い結果です。野菜や果物には、食物繊維が多く含まれているものが多いので、糖や脂肪の吸収を抑えているのかもしれませんね。ちなみに私は、食事の最初にしっかりサラダを食べることにしています。
2015.01.16.
HbA1cについて
皆さん、こんにちは^^
少しだけ寒気が緩んだようですが、今週末からまた寒波らしいです。
私の風邪も全快まではいきませんが、徐々に良くなっています。
うがい、手洗い、加湿しっかりしましょうね。
さて、本日は糖尿病に関する話題を。
糖尿病の指標の1つである血糖値は、読んで字のごとく血中の糖の値です。血糖値は、お腹が減ると低くなり、満腹になると高くなり、1日の中でも変動します。
しかし、HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、血糖値の3か月くらいの平均値なので、直近のお腹具合には関係しません。前日に大食いしたからHbA1cが高くなったという言い訳は通用しないのです。
さて、このHbA1cに関して興味のある報告がありましたので、ご紹介します。
日本を含む12カ国314施設で、3000人を超える患者さんを対象に行われた、4年間にもおよぶ大規模な研究で、HbA1cを減少させることは脳卒中や心筋梗塞などの心血管イベントの減少と強く関係していることが分かりました。
また、逆にHbA1c値1.0%の上昇で、心血管イベントのリスクは25%増え、各々のイベントでは心血管死亡が31%、脳卒中が36%増えるということも分かったそうです。
糖尿病自体が万病の元と言われている病気ですから、しっかりと治療したいですね!
2015.01.10.
インフルエンザに点滴治療
皆さん、こんにちは^^
そろそろ正月気分も抜けて、仕事や勉強モードに慣れてきましたか?
特に受験生にとっては来週末がセンター試験で第1の山場を迎えますね。
そんな中、全国的にインフルエンザが流行しています。
当クリニックでも毎日のようにインフルエンザの患者さまがいらっしゃいます。
昨年は「タミフル」の内服薬しか準備していませんでしたが、
今年からは「ラピアクタ」という点滴も用意しています。
タミフルは、1日2回内服を5日間。
ラピアクタは、約15分の点滴1回のみ。
患者さまのラピアクタに対する感想も上々です。
注射が苦手という方は、タミフルを。
てっとり早く済ませたいという方は、ラピアクタを。
患者さまのご希望に合わせて治療いたしますので、お気軽にお選びください。
2014.12.20.
インフルエンザA型検出!
皆さん、こんにちは^^
今年もあと10日余りとなりました。
来週はクリスマスもありますし、年末は忙しいですね。
さて、今週に入って当クリニックでも、インフルエンザA型が2名に検出されました。
38度以上の高熱は特徴的ですが、頭痛や関節痛や胃腸症状などはあまり認めませんでした。
高熱が出たら、他の症状がなくても早めに受診して下さいね。
昨年までは、「タミフル」の内服しか用意していませんでしたが、今年は点滴1回15分で効果があると言われているも「ラピアクタ」も用意いたしました。
5日間の内服か、1回の点滴か、お選びいただけます。
今週末も寒波らしいので、暖かくして、お過ごしください。
2014.12.12.
インフルエンザワクチンの誤解
皆さん、こんにちは^^
今年もあと20日。早いですね、師走だけに。
当クリニックもクリスマスの飾りつけがやっと終わりました。
さて、インフルエンザワクチンについて。
「インフルエンザワクチンをシーズンの最初に接種すると、シーズン終盤には抗体価が低下してワクチンの効果が期待できない」。来院された患者さまや現場の医療従事者からこのような誤解を耳にすることがあります。
日本臨床内科医会インフルエンザ研究班の研究によると、インフルエンザワクチン接種前、接種2週間後、4週間後、流行期後の約6カ月後にワクチンの抗体価を測定すると、多くの人で半年後も抗体価が感染防御水準以上に保たれていて、防御効果は十分継続していると考えられるのです。
また、ワクチンを接種した人にありがちな誤解が「ワクチンを接種したのにインフルエンザにかかったのはおかしい」というもの。現行のインフルエンザワクチンが、発症を抑制できることは様々な研究からも明らかで、重症化予防も期待できるのです。
ただ、感染そのものを予防する効果には限界もあり、感染を100%防ぐことができるものではないことをご理解いただければ幸いです。
ですから、インフルエンザワクチンは必ず早めに接種するようにしましょうね!
2014.12.10.
喘息と薬に対する無知
皆さん、こんにちは^^
少しだけ寒さが和らぎましたが、今週末からまたまた寒波襲来のようですね。
四国でも先週末の大雪で、未だに孤立している地域があるようなので、またまた心配です。
さて、以前のブログでも書きましたが気管支喘息は、1990年代から喘息発作の予防に吸入ステロイド薬が使われるようになって、発作による死亡や入院が激減しました。喘息管理のガイドラインでも吸入ステロイド薬は第一選択薬です。
しかし、患者会などを通して「いまだ数多くの患者に吸入ステロイド薬が使われていない」といった声や苦情が厚生労働省に寄せられているようです。
今回、厚生省の研究班による患者8240人に対する調査で、喘息発作が月1回以上あっても「発作予防薬を服用しない」患者が2割弱、「発作治療薬を服用しない」患者が3割弱いることなどの実態が明らかになりました。
非常に嘆かわしい現実です。
医療従事者専用のサイトでも、未だに「ステロイド内服による副作用のために多くの気管支喘息の患者が亡くなっている」とか、「ステロイドに百害あって一利なし」とか発言する医師がいますから、仕方ないといえば仕方ないのかもしれません。
医師が、常に新しい正しい情報を把握するのは当たり前のことですが、、、
但し、患者さまも薬に対して、正確な情報を知っておいてくださいね。
例えば、上記にある「発作予防薬」と「発作治療薬」は全く別のものです。(1部の薬を除いて)
発作の時に「発作予防薬」を使っても全く意味がありませんし、逆に予防に「発作治療薬」を使っても意味がありません。
当クリニックでも薬品情報をお渡しし、口頭でも説明させていただいていますが、不明な点や疑問な点があれば、遠慮なくお尋ねください。
2014.12.04.
水ぼうそうワクチンが定期接種に
皆さん、こんにちは^^
寒いですね!先週のブログで書いた通りの寒さです。
この冷え込みで、風邪や咳喘息の患者さまも増えたような気がします。
いずれにしても早めの受診をお勧めします。
さて、感染力の強い水ぼうそう(水痘)を防ぐ水痘ワクチンが、10月から国の予防接種法に基づく定期接種となりました。対象は1~2歳児で、今年度に限って3~4歳児も受けられます。
水ぼうそうは、水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症で、感染力が強く5歳までに約80%の子供が感染するといわれています。発疹や発熱が主な症状で、健康な子供の場合は一般に軽く済みますが、中には重症化し入院が必要となったり肺炎や脳炎などの合併症を起こしたりことがあります。
国内では毎年、春になると流行し、9歳以下を中心に年間約100万人がかかっています。治療薬はありますが、重症化することもあって、年間約4000人が入院、約20人が死亡していると推計されています。
水痘ワクチンは、ウイルスの毒性を弱めた生ワクチンで、1987年から1歳以上に任意接種が行われてきました。今回、定期接種になり、大阪市でも無料で受けられます。接種は、1歳の誕生日前日から3歳の誕生日前日までに2回。1回では免疫が十分つかない子供もおり、2割は軽症ですが発症します。
1歳の誕生日を迎えたら接種し、2歳までに2回目を受けるのが望ましいとされています。麻疹や風疹の混合ワクチン(MRワクチン)との同時接種も可能ですので、確実に接種してくださいね!
2014.11.29.
来週からご用心を
皆さん、こんにちは^^
クリニックの改装も一部を除いて完成しました。
休診中は、皆さまに色々とご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。
老健施設の改装は12月いっぱいかかりそうなので、騒音等でまたご迷惑をお掛けしますが、
更なるご理解とご協力をよろしくお願いします。
さて、来週の日本列島は西高東低が強まり、等圧線が何本も日本を横切ることになります。
そうなると、太平洋側で特に気を付けなければならないのが「乾燥」。
さらに、北からは今季最大級の大寒波が南下。
一気に冷え込みがきつくなるようです。
インフルエンザの件はブログでも書きましたが、早くも流行の兆し。
「乾燥」と「冷え込み」で一番喜ぶのが、ウイルスたちです。
インフルエンザも更に広まる可能性が十分にあります。
ご自宅でも職場でも、しっかりと加湿して、暖かくしてウイルスの増殖を抑えましょう。
当然、手洗い・うがいもしっかりやりましょう!
2014.11.10.
インフルエンザに注意喚起
皆さん、こんにちは^^
先週末は、季節外れの花火大会に行ってきました。
また、ブログに載せますが、とっても綺麗でした。
さて、今回はインフルエンザの話題です。
もう?って思われる方もいると思いますが、今年は少し早いようです。
厚生労働省がまとめたインフルエンザの発生状況によると、流行の兆しが見られることが分かりました。2014年43週(10月20~26日)の報告総数359人、定点あたり報告数は全国で0.07人に過ぎませんが、前週より増加に転じています。都道府県別では、多い順に千葉62人、神奈川52人、沖縄35人、大阪33人、東京32人となっています。東京や岡山、広島では学年、学級閉鎖に追い込まれる教育機関も出ていて、同省では手洗いや罹患時のマスク着用などを呼び掛け、警戒を強めています。
ところで、「定点あたり報告数」とはどういう意味でしょうか?
まず、国が感染症の報告協力を要請している医療機関のことを定点医療機関といいます。各県の人口等を考慮して、その数が決められています。例えば、ある県の定点医療機関が40か所で、インフルエンザの報告数が10件だったとすると、定点あたり報告数は、10÷40=0.25となります。
先日も38.5度の発熱、頭痛、関節痛で来院された患者さまがおられましたが、その方は幸いインフルエンザではありませんでした。大阪でも30人以上のインフルエンザが発生していますので、高熱等の症状がある場合は、早めに受診してくださいね。
インフルエンザの予防接種がまだの方も、早めに接種してくださいね。
2014.11.05.
ウォーキングが高血圧を救う?
皆さん、こんにちは^^
11月ですね。今年もあと2か月。
朝晩の冷え込みも厳しくなってきたので、しっかり体調管理をしてくださいね。
と言いつつ、私が風邪気味だったりして、、、
さて、今回は私の趣味の一つであるウォーキングに関するおもしろい情報をキャッチしたのでご紹介します。
和歌山県立医科大学保健看護学部の看護師さんが、高血圧に関する面白い研究結果を発表されました。
和歌山県が収縮期血圧140mmHg以上の高血圧者率で全国ワースト1位となったことの理由を探るため、今回の検討を行ったようです。
検討したのは、県別の高血圧者率と、県別の1日当たり食塩摂取量、野菜摂取量、飲酒、喫煙、歩数との相関関係。
調査の結果、県別の高血圧者率と食塩摂取量、野菜摂取量、飲酒、喫煙との間に相関はなく、1日当たりの歩数のみ有意な負の相関が認められました。すなわち、住民の歩数が少ない県ほど高血圧者率が高かったという結果でした。
次に、歩数に関連する要因として、住民の主な移動手段が電車であるか、車であるかに着目し、鉄道駅数が多い県ほど県民の歩数が多いことが分かりました。和歌山県は、軽自動車普及率が全国1位で、県別の軽自動車普及率と歩数の間には有意な負の相関が認められました。
こうした検討を踏まえて、「10分以上の継続歩行は心肺機能を高める有酸素運動であり、血圧の上昇が抑制される可能性がある。和歌山県の住民は、車が主たる移動手段であまり歩かないために、その逆のパターンになっているのではないか」とまとめています。
私の大好きなウォーキングが、高血圧にいいなんて嬉しいではありませんか!
皆さんも、気候の良いこの時期に、紅葉でも楽しみながらウォーキングしてみてはいかがでしょうか?
2014.10.25.
再度、吸入ステロイド薬について③
皆さん、こんにちは^^
先週末は天気がすぐれませんでしたが、今週末は全国的に秋晴れのようです。
私の趣味の一つであるウォーキングにももってこいの気候です。
さて、吸入ステロイド薬の話が続いていますが、今回が最終話です。
今回は、子どもと吸入ステロイド薬について。
「子どもにステロイドなんて・・・・」と躊躇するお母さまがいると思いますが、乳幼児の気管支喘息に対しても吸入ステロイド薬は重要な長期管理薬です。乳幼児を含めて多くの喘息患児にリスクを上回る利益をもたらすとされており、少なくともコントロール不良状態を放置しておくリスクの方が圧倒的に高いことは言うまでもありません。
「吸入ステロイド薬の使用で身長が伸びなくなる」という話を聞いたことがあるかもしれません。実際にいくつかの報告では、半年以上吸入ステロイド薬を使用すると、将来的に1cm程度身長の伸びが少なくなる可能性があるとされています。
しかし、子どもの身長への影響を恐れて吸入ステロイド薬を使用しなければ、気管支喘息の発作のリスクが非常に高まることは間違いありません。仮に身長が1cm程伸びなかったとしても、亡くなることはありませんが、喘息の重積発作は尊い命を奪ってしまうこともあるのです。
以前は、0~4歳の喘息死は年間100人前後でしたが、吸入ステロイド薬の普及により、現在は一桁まで減少しています。
つい先日も6歳(体重22kg)で咳喘息疑いの患者さまが来院されました。
しっかりと吸入ステロイド配合剤を処方しました。
個人的には、乳幼児に対してもしっかり長期管理薬として使用すべきだと考えています。
2014.10.21.
再度、吸入ステロイド薬について②
皆さん、こんにちは^^
すっかり秋の気配ですね。
今週末にはまた行楽日和が戻ってきそうなので、ゆっくり楽しみたいですね。
さて、今回も吸入ステロイド薬のお話を。
以前に「吸入ステロイド薬と妊娠」について書きましたが、もう少し詳しく書いてみたいと思います。
気管支喘息(咳喘息)のある患者さまが妊娠をすると、それだけで病状が悪化しやすくなると言われています。そのため、妊娠してから発作を繰り返すようになる方は少なくありません。最も気管支喘息が悪くなりやすいのは妊娠24~36週以降の出産前と言われています。妊婦さんが「胎児に良くない」と自己判断で吸入ステロイド薬を中断しても、しばらくは発作が起きませんが、忘れた頃になって妊娠後期に喘息発作が出始めるという事態になりかねません。
これは多くの薬剤に当てはまることですが、妊娠中に薬剤を使用すると催奇性のリスクが高くなります。それぞれにリスクの高低がありますが、気管支喘息治療の第一選択薬である吸入ステロイド薬は、ほぼ安全であることが分かっています。特にブデソニド(当院で処方しているシムビコートに使われているステロイド薬)は最も安全な吸入ステロイド薬とされており、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration ; FDA)の胎児危険度分類でもこの薬剤だけが「グレードB」(最も安全なのがグレードA)を獲得しています。
また、喘息の治療薬が母乳に入る可能性はありますが、その量は極めてわずかとされています。そのため、新生児や乳児に影響が出る可能性はほとんどありません。
女性の生涯で、吸入ステロイド薬を中止しなければならない期間はないのです!
2014.10.16.
再度、吸入ステロイド薬について①
皆さん、こんにちは^^
今朝は各地で一番の冷え込み。
ほんとに急に寒くなってきました。
温度管理をしっかりして、風邪を引かないように気を付けましょう。
さて、先月、吸入ステロイド薬のお話をしましたが、今回はもう少し詳しく話したいと思います。
吸入ステロイド薬(配合剤)には色々なタイプの製剤があることはお話しましたが、大事なことは、毎日吸入することで気管支喘息(咳喘息)をコントロールすることです。良くなったからといって勝手にやめるのが一番よくありません。気管支喘息の患者さまの気管支はただでさえ正常よりも細くなっています。この狭くなった気管支は一朝一夕では元に戻りません。
気管支喘息治療のガイドラインでは、最も軽症のステップ1であっても吸入ステロイド薬が第一選択になっています。これは、今まで蓄積された吸入ステロイド薬のエビデンスに基づいています。そのため、吸入ステロイド薬を長期管理薬として使わない気管支喘息治療はあり得ないと思ってください。
若い患者さまの多くは「もう発作も起こらなくなったから吸入しなくていいや」とすぐに吸入ステロイド薬をやめてしまいがちですが、少なくとも半年は発作がないことを確認してから少しずつ吸入量を減らしていくべきなのです。気管支喘息に対する吸入ステロイド薬は地味な薬剤に見えますが、喘息のコントロールにとって最も重要なお薬なのです。
次回は、妊娠との関係について再確認しましょう!
2014.10.09.
ロタウイルスワクチン
皆さん、こんにちは^^
先週末は台風の為、各地の運動会が延期になったようですが、今週末も台風接近の予想。
前回も最大級の台風と言っていましたが、今回は最強らしいですね。
しっかりと防災対策を行いましょう!
さて、今回はロタウイルスワクチンのお話。
ロタウイルスワクチンの接種により、重症のロタウイルス下痢症による小児の入院件数が激減したという研究内容が、アメリカの小児科学会で発表されました。
この研究では、初めてアメリカでロタウイルスワクチン接種が推奨された2006年前後の下痢に関連する入院データと比較して、5歳未満の小児(特に1歳児)のロタウイルス関連の入院件数および全ての下痢による入院件数は大幅に減少(2007~2011年)し、救急および外来の件数も大幅に減少(2009~2011年)していたことが発表されました。
また、この研究者は、ロタウイルスワクチン接種により下痢による医療機関の受診件数が150万件減少し、アメリカにおける医療費が約970億円(9億2400万ドル)節約されたとしています。
そして、「ロタウイルスワクチン接種は、下痢関連のヘルスケアとその費用の削減に大幅かつ持続的な効果があった」と結んでいます。
ロタウイルスワクチンは、現在任意接種となっていますが、早期に定期接種になるように希望したいものです!
また、インフルエンザワクチンも早めに接種してくださいね!
2014.10.04.
C型肝炎治療に朗報!
みなさん、こんにちは^^
朝晩涼しくなって、めっきり秋の気配ですね。
と同時に、今年もあと3か月になってしましました。早いですね。
今回は、呼吸器系の話題ではないですが、C型肝炎についての情報をお届けします。
C型肝炎の治療では、長らくインターフェロンが中心に位置付けられてきました。
しかし、インターフェロンの投与には週1回の通院が必要であり、ほぼ全ての患者さまに何らかの副作用を生じます。当クリニックでも、他の専門病院でインターフェロン治療を受け、食思不振や全身倦怠感で点滴に通われている患者さまがいらっしゃいます。
また、副作用が重篤な場合には、投与量を減らしたり、治療を中断したりするケースもあります。
先月発売された経口抗ウイルス薬の2剤の併用療法は、治療24週後のウイルス陰性化率は約85%であり、インターフェロンを含む現在の標準治療に近い成績が得られ、副作用も少ないのが特徴なのです。
辛い副作用から解放される「インターフェロン・フリー」の治療が、C型肝炎の治療を劇的に変えてくれることでしょう!
2014.09.16.
吸入ステロイド薬の正しい使い方
皆さん、こんにちは^^
秋晴れが続く関西ですが、1日の温度差がかなりあるので、しっかり対応しましょう。
さて、吸入ステロイド薬(配合剤)の話が続きましたが、概要は分かっていただけたでしょうか?
前回までに書きましたが、吸入ステロイド薬(配合剤)は全身的副作用が非常に少なく、優れた治療効果のある薬です。
しかし、正しい吸入が出来ていないとその効果も不十分となってしまいます。
処方時に患者さまには説明させていただいておりますが、主な注意点を挙げておきます。
①当クリニックで主に処方しているシムビコートは、使用する前に準備が必要です。下部の回転グリップを回して、3回「カチッ」と鳴らしてください。
②1回2吸入の時は、「カチッ」「カチッ」吸入ではなくて、「カチッ」吸入「カチッ」吸入で行ってください。2吸入分をまとめて吸入はできません。
③シムビコートの中に入っている薬剤の粒子が非常に小さく、量もごくわずかなので、薬剤を吸った感じがしないかもしれません。しかし、一般的に、うどんやそばがすすれる方であれば、ジュースをストローで飲める方であれば、充分に吸入はできています。
正しく吸入できているか不安な場合は、「吸入チェックシート」や「練習用吸入器」をご用意しておりますので、お気軽にご相談ください。
吸入ステロイド薬(配合剤)を正しく使って、苦しい咳から解放されましょう!
2014.09.11.
吸入ステロイド薬配合剤について
皆さん、こんにちは^^
関西では秋晴れが続いていますが、関東ではゲリラ豪雨で、私の友人が住んでいる台東区では、道路が川になってました。
友人宅は無事でしたが、本当に異常気象には困ったものです。
さて、前回まで吸入ステロイド薬について書いてきましたが、今回は当クリニックで処方している吸入ステロイド薬配合剤も含めて紹介したいと思います。
近年、世界的にアドエア、シムビコートなどの、吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬(気管支拡張薬)の配合剤が気管支喘息(咳喘息)によく使われるようになっています。
現在、日本でも4種類の配合剤が発売されています。
①アドエア:日本で最初(2007年6月)に発売された配合剤で、現在は自吸式とエアゾール式があります。
②シムビコート:2010年1月に発売された自吸式の配合剤で、日本でアドエアとシェアを二分しています。
③フルティフォーム:2013年11月に発売されたエアゾール式の配合剤で、ステロイドはアドエアと同成分です。
④レルベア:アドエアの成分を進化させて2013年12月に発売された自吸式の配合剤で、1日1回吸入が特徴です。
※①~③は1日2回吸入が一般的
当クリニックでは、基本的にシムビコートを使っています。理由としては、
◆他の3剤に比べて、薬剤の粒子が小さく、中枢気道のみならずより末梢気道への作用が期待できる。
◆アドエアは、吸入ステロイド薬の用量によって3剤型使い分ける必要がありますが、シムビコートは1剤型で、患者さまの状態に応じて吸入の回数を増減することで用量の調節が可能。
◆レルベアは14日投与しかできない。
などがありますが、最大の理由は、シムビコートに含まれる気管支拡張薬の効果発現が迅速で、効果持続が長いため、咳込んで苦しい時などに屯服使用が出来ることです。これは、他の3剤では認められていません。これをSMART(Symbicort Maintenance and Reliever Therapy)療法といいます。
但し、シムビコートを処方する患者さまには必ず説明してありますが、朝夕の定期吸入を含めて、1日最大8吸入までにしてください。
吸入ステロイド薬配合剤を使って、苦しい咳から早く解放されましょう!
2014.09.08.
吸入ステロイド薬と妊娠
皆さん、こんにちは^^
朝夕はすっかり秋の気配で、今週は秋晴れが続きそうです。
先週、吸入ステロイド薬の安全性についてアップしましたが、先日、妊娠の可能性のある咳喘息の方が来られましたので、もう少しお話をしておこうと思います。
「妊娠中に吸入ステロイド薬を使用しても大丈夫?」と心配される方は多いと思います。
前回のブログ(こちら)で書きましたが、吸入ステロイド薬が体内に吸収されて全身に流れる量は、ごくごく微量なので、全く問題ありません。
逆に、妊娠中に著しい喘息発作が起こると、母体の低酸素血症が胎児に悪影響を及ぼすので、積極的に吸入ステロイド薬を使用して喘息をコントロールすることの方が大切です。
ちなみに、吸入ステロイド薬(パルミコート:当クリニックで主に処方しているシムビコートに入っているステロイド薬と同成分)を使用した2000例以上の患者さんの催奇形性を調査した研究では、一般の妊婦の催奇形性の発生率と同程度であったという報告もあります。
なお、抗アレルギー薬やロイコトリエン受容体拮抗薬は、妊娠中は原則的に禁忌となっていますので、注意が必要です。
余談ですが、男性が吸入ステロイド薬を使用していても、産まれてくる子供さんに全く影響はありませんので、ご安心ください^^
2014.09.03.
吸入ステロイド薬は怖い?
皆さん、こんにちは^^
8月も終わり、今年もあと4か月となりました。
そして、イネ科や、雑草類(ブタクサ、ヨモギ)などの花粉が飛散する秋の花粉症の季節ともなりました。
長引く咳で来院される患者さまが1日3人以上来られることもあります。
当クリニックでは、吸入ステロイド薬(と気管支拡張薬の配合剤)を積極的に処方していますが、そのお薬について簡単に説明したいと思います。
「ステロイド」と聞けば、多くの方が「副作用が怖い」というイメージをお持ちだと思います。
以前に、アトピー性皮膚炎の治療に使うステロイドの塗り薬に関して、マスコミがステロイドの怖さを大々的に謳ったことも一因で、わが国には悲しいかな「ステロイドは危険な薬」という認識が根付いてしまったようです。
しかし、それは大きな間違いなのです。
内服薬や注射薬である「全身投与ステロイド薬」と、吸入薬や点鼻薬、塗り薬である「局所投与ステロイド薬」をはっきり区別しなければなりません。
局所投与ステロイド薬は、正しく使用する限り、全身的副作用の心配はありません!
なぜなら、内服のステロイド薬の1回量はミリグラム単位ですが、吸入ステロイド薬の1回量はマイクログラム(1/1000ミリグラム)単位と非常に少量だからです。
しかも、肺から吸収された薬の大部分が、すぐに肝臓で分解されるため、血液中のステロイド濃度はごくごく微量にすぎないのです。
ですから、世界的にも、気道の炎症を抑える効果が強力で、副作用が少ない吸入ステロイド薬が、喘息治療の第一選択薬として位置づけられているのです。
ですから、咳喘息の患者さまにも、当クリニックでは、吸入ステロイド薬(と気管支拡張薬の配合剤)を積極的に使用しています。
咳込みは非常につらいものです。
安心してご使用ください!
2014.08.18.
お腹の夏風邪にご注意を!
皆さん、こんにちは!
熱中症の患者さまも以前に比べ減ってきたようですが、逆に西日本では日照不足の影響が懸念されています。
しかし、まだまだ湿度の高い状態は続いているので、しっかり健康管理をしていきましょう。
さて、今月に入って「感染性胃腸炎」の患者さまが増えている気がします。
患者さまには分かり易いように、「夏風邪がお腹に来ましたね」とお伝えしていますが、本日は少しだけ詳しく説明しておきます。
感染性胃腸炎とは大きく分けて、ウイルスが原因になるものと、細菌またはその毒素が原因になるものとで分かれ、吐き気や嘔吐、下痢や腹痛、微熱などの胃腸炎を引き起こす病気です。
ウイルスによる場合は、「ノロウイルス」や「ロタウイルス」が知られており、冬場に多く見られます。
これに対して細菌が原因となる場合は、サルモネラ(半生の鶏肉,豚肉などやペットを介して)、腸炎ビブリオ(生の海産魚介類を介して)、カンピロバクター(半生の肉類を介して)、病原性大腸菌(O-157など)などがあり、毒素が原因となる場合は、黄色ブドウ球菌やセレウス菌、ウェルシュ菌(夏場に放置された食品や加熱不十分な食品を介して)などがあり、主に夏場に見られます。
夏に見られる細菌や毒素による胃腸炎の場合には、特に脱水症状に注意が必要です。全身倦怠感に見舞われることが多く、ぐったりした症状が表れることが多いので、早めに水分を補給して当クリニックを受診してください。
また、ウイルス性の場合は、感染力が高いため、集団感染を引き起こしやすいとされていますが、細菌(毒素)性は食品に付着した細菌(毒素)を体に取り込んでしまったことにより発症する為、人から人への感染は起きにくいとされています。どちらが原因であったとしても、日頃から手洗いやうがいの励行(特にトイレの後、便や吐物を処理した後、調理の前、食事の前など)が求められます。また、食品の十分な加熱や、調理器具の消毒も心がけましょう。
感染性胃腸炎にならないようにして、暑い夏を乗り切りましょう!
2014.08.08.
お帰りなさい。ホルター心電図
皆さん、こんにちは^^
大型台風の2連発で、各地で被害が相次いでいます。
関西は大きな被害はないようですが、今後も十分に注意しましょう!
さて、院内設備のページ内に「ホルター心電図」の項目を追加しました。
基盤等の整備に出していたのですが、やっとこさ戻ってまいりました。
健診を沢山やらせていただいているためか、不整脈の患者さまも増えてきています。
ホルター心電図は、24時間の心臓の波形が判るため、診断や治療方針の決定、治療効果の判定など大活躍が期待される検査なのです。
胸部の違和感や、動悸、胸痛等の症状がある方は、早めに受診してくださいね。
2014.07.30.
なんと、8,580人!
皆さん、こんにちは!
暑い日が続いていますが、皆さんの体調は大丈夫でしょうか?
先週、熱中症の警戒警報を私的に勝手に発令しましたが、、、
なんと、7月21日からの1週間で熱中症による救急搬送患者数は、8,580人に!
先週の3倍弱に増加しています。
そして悲しいことに亡くなられた方が15人。。。
65歳以上の高齢者の比率はやはり高く44.4%!
通常の診察に来られている患者さまにも
「水分と塩分をしっかり取ってくださいね。」
「おかしいと思ったらすぐ連絡してくださいね。」
とお伝えしていますが、もっと声を大にして言わなければいけませんね。
熱中症対策を万全にしましょう!
熱中症警戒警報、勝手に発令中!
(字が大きいだけという話もある。。。)
2014.07.25.
熱中症 警報発令しちゃいます!
皆さん、こんにちは。
梅雨も明けて、本格的な夏の到来です。
関西地方も今週末まで真夏日の予報。
こんな時に、気をつけなければならないのが、皆さんご存知の「熱中症」。
7月14日からの1週間で、熱中症で救急搬送された患者さまは全国でなんとなんと3,179人!
1日当たり約450人ですよ。
救急搬送されずに、自力で病院に行かれた方を含めると、、、想像もつきません。
そして救急搬送された患者さまの46.5%が65歳以上の高齢者の方なのです。
梅雨が明けて、急激な気温上昇に身体もまだまだ慣れていない状態です。
また、外出を控えているからと安心していてはいけません。
熱中症は、室温が高ければ室内でも起こります。閉め切った部屋は熱気がこもって非常に危険です。
節電も大切ですが、扇風機やエアコンを上手に使って熱中症対策を万全にしてください。
我慢強いのも大切ですが、のどの渇きを覚える前に、水分と塩分をしっかり補給してください。
今週は更に熱中症で搬送される方が増える見込みです。
高齢者の方は、特に気を付けてくださいね。
そして、周りの方々も高齢者の方を見守ってあげましょう。
村田クリニックから、勝手に熱中症警戒警報を発令しちゃいます!
2014.07.18.
長引く咳、咳喘息以外にも?
皆さん、こんにちは^^
九州南部は梅雨明けし、関西も来週にも梅雨明けのようです。
本格的な夏の到来ですね。
汗かきにはつらい季節ですが、暑いのは大好きなので、楽しみです!
さて、以前のブログで「その咳、ひょっとして咳喘息では?」 のタイトルでアップしてから、多くの方々にアクセスして頂きました。
以前のブログ記事は、こちら。
また、その後に咳喘息の詳細ページを公開しましたが、こちらを見られて来院された患者さまも多数いらっしゃいました。
咳喘息の詳細ページは、こちら。
ところが今回は、咳喘息ではない長引く咳の患者さまが来院されました。
長引く咳の原因は、咳喘息だけではありません。
私の経験値ですが、原因の約80%が咳喘息で、約10%が「アトピー咳嗽」、約5%が「副鼻腔気管支症候群」、残り5%が「慢性気管支炎」、「肺癌」、「逆流性食道炎」などです。
今回来院された患者さまは、「アトピー咳嗽」でした。
詳細ページの「診断について」や「治療について」に記載してある気管支拡張薬が全く効かないのです。
言い訳ではありませんが、上記の95%を占める3大原因について、初診で鑑別することは不可能だと思います。
ですから、初診時の投薬は7日にさせていただき、薬の効果を確認する必要があるのです。
改めて、「咳」の病態の奥深さを感じました。
今後、咳喘息以外の詳細ページも追加していきますので、是非ご参照ください。
2014.06.23.
COPDの患者さま
皆さん、こんにちは^^
梅雨の中休みで、晴天です。
さて、先日、COPD(慢性閉塞性肺疾患)とHOT(在宅酸素療法)のページを公開しましたとお知らせしましたが、それを見たケアマネージャーさんと患者さまが来院されました。
当クリニックに来られるまで、介護認定に必要な主治医意見書を求めて、何軒も他院を回られたそうです。
胸部レントゲン写真と、酸素飽和度と、呼吸機能検査で、明らかなCOPDでした。
また、HOTが適応されるべき患者さまでした。
平野区では、「呼吸器科」を標榜しているクリニックや診療所が少ないのが実態です。
もっともっと頑張らなくてはと、新たに決意する日になったのでした。
2014.06.16.
CPAP療法の朗報
皆さん、こんにちは!
今日も良い天気です!太陽さんに感謝です。
先週アップしたお恥ずかしいお話。
なんと、その睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対するCPAP(持続的陽圧換気法)療法に関して、うれしいニュースを発見しました。
先月行われた日本糖尿病学会で、福岡赤十字病院の先生方が、次のような発表をされていました。
「CPAP療法は、糖や脂質代謝異常の改善や降圧効果、さらには動脈硬化の進展抑制にもつながる可能性が示唆された」
現在CPAP療法を行っている私にとっては、ちょっと得した気分なのでした。
2014.06.14.
お恥ずかしい話、、、
皆さん、こんにちは。
あまり梅雨を感じられない今日この頃ですが、、、
実は、私事でのお恥ずかしい話。
以前からイビキと無呼吸、日中の眠気が気になっていたので、5月19日にアップした睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査を行ってみたのです。
簡易睡眠ポリグラフィ検査です。
操作はとても簡単で、連続2晩自宅で行ったのですが、、、その結果に愕然。
約6時間睡眠の間に、なんと10秒以上の無呼吸数が290回、無呼吸低呼吸指数(AHI:1時間当たりの無呼吸数)が46.8回/時間、無呼吸の最長時間272秒(4分以上!)、酸素飽和度(SpO2)も74%まで低下。。。
重症のSASでした。
早速、CPAP(持続的陽圧換気法)治療をを開始しましたとさ。
なんともお恥ずかしいお話でした。
2014.05.31.
認知症リハビリテーション
皆さん、こんにちは!
5月も本日で終わりですね。天気も五月晴れ。気持ちのいい季節です。
私も、村田クリニックの院長になって5か月になりました。
スタッフも徐々に充実してきています。
設備や診療内容も充実してきています。
先週土曜日にお休みを頂きましたが、実は東京に行っておりました。
「認知症リハビリテーション」の研修会です。
今後必ず増えていくであろう認知症に対して、投薬と同等の効果があると言われているリハビリです。
クリニックや老健施設やデイサービスでも実施できるように準備を進めています。
乞うご期待!
2014.05.15.
季節外れのインフルエンザ
皆さん、お元気ですか?
暑い日があったりちょっと涼しい日があったりするので、体調管理には十分注意して下さいね。
さて、今年のインフルエンザはちょっと異常です。
例年、4月中旬には殆ど沈静化するインフルエンザですが、当クリニックでも今週になっても3例のB型インフルエンザが判明しました。
症状は、通常のインフルエンザの症状(発熱、頭痛、関節痛、咽頭痛等)より軽い場合が多いようです。
私も昨年6月に1例インフルエンザが判明してビックリしたことがありますが、その時は4月中旬以降インフルエンザ反応は陰性でした。
今年は少人数ですが沈静化することなくインフルエンザ陽性反応が続いています。
季節外れのインフルエンザですが、症状がある方、周りでインフルエンザの患者さまが発生した場合等は、是非インフルエンザの検査を受けることをお勧めします。
2014.03.18.
750℃
皆さん、こんにちは。
タイトルの750℃。
何のことだかわかりますか?
実は、花粉温度計のことなのです。
スギ花粉は、日照時間や気温の上昇によって飛散すると言われています。
そこで、1月1日からの最高気温の累積をもとに花粉の飛散状況を推測するのが、花粉温度計なのです。
そして、花粉温度計が750℃を超えるとピークを迎えると想定されています。
先週末で745℃(東京観測で)でしたので、すでに750℃は明らかに超えている状況です。
また、PM2.5も先週から、36μg/m3以上の濃度で観測されています。
外出時のマスク、帰宅時のうがい等十分気をつけましょう。
何度もブログでも書きましたが、咳喘息の患者さんが増加しつつあります。
1週間以上咳が続く場合は、注意が必要です。
今までアレルギー症状が無いからといって決して安心はできません。
早めの受診をお勧めします。
それでは、皆さんの健康をお祈りして。。。
2014.03.03.
先日のブログを見て、、、
皆さん、こんにちは。本日はひな祭りですね。
先週の2月27日に書いた「咳喘息」のブログを見て、来院された患者さんがいらっしゃいました。
まだまだ、検索でも上位に出てこない村田クリニックのブログをよく発見していただいたものです。
こんなブログでも、少しは役に立っているのかと驚きました。
別の患者さんですが、1週間で咳の頻度が半分以下に減少したと喜んでいただいた患者さんもおられました。
「咳喘息」はアレルギーの関係している病気のため、根気よく治療することが必要です。
症状によって薬の量や種類をダウングレードして最低限の治療にもっていくことが大切です。
長いお付き合いになると思いますが、これからも一緒に頑張っていきましょう!
2014.02.27.
その咳、ひょとして咳喘息では?
皆さん、こんにちは。
今週になって、長引く咳で来院されている方が増えています。
風邪の後に咳だけが続く、風邪症状は全く無いのに咳だけが続く、
夜間に咳き込んで眠れない等の訴えで来院される方が多いのです。
そして、市販の風邪薬や咳止め等で対応したが効かないと言われます。
そんな症状は「咳喘息」かも知れません。
この「咳喘息」は、最近の考え方で、簡単に言うと気管支喘息の咳だけ症状です。
基本的にはアレルギーが関与しているので、風邪薬では絶対に治りません。
上記に該当する症状がある方は、出来るだけ早く受診してください。
咳喘息を放置しておくと、気管支喘息に移行するとも言われています。
単なる「咳」とバカにしてはいけませんよ!
2014.02.21.
花粉症の季節が近づきました
皆さん、こんにちは。
ソチオリンピックで、寝不足ではないですか?
さて、そろそろ花粉症の季節がやってきます。
昨年あたりから、PM2.5の影響もあるのか、通常の花粉症の症状より激しかったり、
長引いたりするケースが多く見られます。
また、今まで全く花粉症では無かったのに、新たに症状の出る患者さんもいらっしゃいます。
さらに、風邪を引いた後の長引く咳の場合も、アレルギーの可能性が充分に考えられます。
花粉症対策は、早めに始めるのがベストです。
マスク等はもちろんですが、症状の出る前から薬で予防すると症状も軽くてすみます。
気になることがありましたら、いつでもご相談ください。