あれこれブログ

2014.10.25.

再度、吸入ステロイド薬について③

皆さん、こんにちは^^
先週末は天気がすぐれませんでしたが、今週末は全国的に秋晴れのようです。
私の趣味の一つであるウォーキングにももってこいの気候です。

さて、吸入ステロイド薬の話が続いていますが、今回が最終話です。
今回は、子どもと吸入ステロイド薬について。

「子どもにステロイドなんて・・・・」と躊躇するお母さまがいると思いますが、乳幼児の気管支喘息に対しても吸入ステロイド薬は重要な長期管理薬です。乳幼児を含めて多くの喘息患児にリスクを上回る利益をもたらすとされており、少なくともコントロール不良状態を放置しておくリスクの方が圧倒的に高いことは言うまでもありません。
「吸入ステロイド薬の使用で身長が伸びなくなる」という話を聞いたことがあるかもしれません。実際にいくつかの報告では、半年以上吸入ステロイド薬を使用すると、将来的に1cm程度身長の伸びが少なくなる可能性があるとされています。
しかし、子どもの身長への影響を恐れて吸入ステロイド薬を使用しなければ、気管支喘息の発作のリスクが非常に高まることは間違いありません。仮に身長が1cm程伸びなかったとしても、亡くなることはありませんが、喘息の重積発作は尊い命を奪ってしまうこともあるのです。
以前は、0~4歳の喘息死は年間100人前後でしたが、吸入ステロイド薬の普及により、現在は一桁まで減少しています。

つい先日も6歳(体重22kg)で咳喘息疑いの患者さまが来院されました。
しっかりと吸入ステロイド配合剤を処方しました。
個人的には、乳幼児に対してもしっかり長期管理薬として使用すべきだと考えています。 

2014.10.21.

再度、吸入ステロイド薬について②

皆さん、こんにちは^^
すっかり秋の気配ですね。
今週末にはまた行楽日和が戻ってきそうなので、ゆっくり楽しみたいですね。

さて、今回も吸入ステロイド薬のお話を。
以前に「吸入ステロイド薬と妊娠」について書きましたが、もう少し詳しく書いてみたいと思います。

気管支喘息(咳喘息)のある患者さまが妊娠をすると、それだけで病状が悪化しやすくなると言われています。そのため、妊娠してから発作を繰り返すようになる方は少なくありません。最も気管支喘息が悪くなりやすいのは妊娠24~36週以降の出産前と言われています。妊婦さんが「胎児に良くない」と自己判断で吸入ステロイド薬を中断しても、しばらくは発作が起きませんが、忘れた頃になって妊娠後期に喘息発作が出始めるという事態になりかねません。

これは多くの薬剤に当てはまることですが、妊娠中に薬剤を使用すると催奇性のリスクが高くなります。それぞれにリスクの高低がありますが、気管支喘息治療の第一選択薬である吸入ステロイド薬は、ほぼ安全であることが分かっています。特にブデソニド(当院で処方しているシムビコートに使われているステロイド薬)は最も安全な吸入ステロイド薬とされており、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration ; FDA)の胎児危険度分類でもこの薬剤だけが「グレードB」(最も安全なのがグレードA)を獲得しています。

また、喘息の治療薬が母乳に入る可能性はありますが、その量は極めてわずかとされています。そのため、新生児や乳児に影響が出る可能性はほとんどありません。

女性の生涯で、吸入ステロイド薬を中止しなければならない期間はないのです!

2014.10.16.

再度、吸入ステロイド薬について①

皆さん、こんにちは^^
今朝は各地で一番の冷え込み。
ほんとに急に寒くなってきました。
温度管理をしっかりして、風邪を引かないように気を付けましょう。

さて、先月、吸入ステロイド薬のお話をしましたが、今回はもう少し詳しく話したいと思います。

吸入ステロイド薬(配合剤)には色々なタイプの製剤があることはお話しましたが、大事なことは、毎日吸入することで気管支喘息(咳喘息)をコントロールすることです。良くなったからといって勝手にやめるのが一番よくありません。気管支喘息の患者さまの気管支はただでさえ正常よりも細くなっています。この狭くなった気管支は一朝一夕では元に戻りません。

気管支喘息治療のガイドラインでは、最も軽症のステップ1であっても吸入ステロイド薬が第一選択になっています。これは、今まで蓄積された吸入ステロイド薬のエビデンスに基づいています。そのため、吸入ステロイド薬を長期管理薬として使わない気管支喘息治療はあり得ないと思ってください。

若い患者さまの多くは「もう発作も起こらなくなったから吸入しなくていいや」とすぐに吸入ステロイド薬をやめてしまいがちですが、少なくとも半年は発作がないことを確認してから少しずつ吸入量を減らしていくべきなのです。気管支喘息に対する吸入ステロイド薬は地味な薬剤に見えますが、喘息のコントロールにとって最も重要なお薬なのです。

次回は、妊娠との関係について再確認しましょう!

2014.10.09.

ロタウイルスワクチン

皆さん、こんにちは^^
先週末は台風の為、各地の運動会が延期になったようですが、今週末も台風接近の予想。
前回も最大級の台風と言っていましたが、今回は最強らしいですね。
しっかりと防災対策を行いましょう!

さて、今回はロタウイルスワクチンのお話。
ロタウイルスワクチンの接種により、重症のロタウイルス下痢症による小児の入院件数が激減したという研究内容が、アメリカの小児科学会で発表されました。
この研究では、初めてアメリカでロタウイルスワクチン接種が推奨された2006年前後の下痢に関連する入院データと比較して、5歳未満の小児(特に1歳児)のロタウイルス関連の入院件数および全ての下痢による入院件数は大幅に減少(2007~2011年)し、救急および外来の件数も大幅に減少(2009~2011年)していたことが発表されました。
また、この研究者は、ロタウイルスワクチン接種により下痢による医療機関の受診件数が150万件減少し、アメリカにおける医療費が約970億円(9億2400万ドル)節約されたとしています。
そして、「ロタウイルスワクチン接種は、下痢関連のヘルスケアとその費用の削減に大幅かつ持続的な効果があった」と結んでいます。

ロタウイルスワクチンは、現在任意接種となっていますが、早期に定期接種になるように希望したいものです! 
また、インフルエンザワクチンも早めに接種してくださいね!

2014.10.04.

C型肝炎治療に朗報!

みなさん、こんにちは^^
朝晩涼しくなって、めっきり秋の気配ですね。
と同時に、今年もあと3か月になってしましました。早いですね。
今回は、呼吸器系の話題ではないですが、C型肝炎についての情報をお届けします。

C型肝炎の治療では、長らくインターフェロンが中心に位置付けられてきました。
しかし、インターフェロンの投与には週1回の通院が必要であり、ほぼ全ての患者さまに何らかの副作用を生じます。当クリニックでも、他の専門病院でインターフェロン治療を受け、食思不振や全身倦怠感で点滴に通われている患者さまがいらっしゃいます。
また、副作用が重篤な場合には、投与量を減らしたり、治療を中断したりするケースもあります。
先月発売された経口抗ウイルス薬の2剤の併用療法は、治療24週後のウイルス陰性化率は約85%であり、インターフェロンを含む現在の標準治療に近い成績が得られ、副作用も少ないのが特徴なのです。

辛い副作用から解放される「インターフェロン・フリー」の治療が、C型肝炎の治療を劇的に変えてくれることでしょう!

 

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