あれこれブログ
2015.10.07.
妊婦さんへのインフルエンザ予防接種
皆さん、こんにちは^^
すっかり秋ですね。大阪も秋晴れです。
朝晩の気温差が大きい時期なので、体調管理をしっかりとしましょう!
といいつつ、私はちょっと風邪気味です。。。
先日、インフルエンザワクチンの接種開始のお知らせをアップしましたが、今年からインフルエンザワクチンが変わったのをご存知ですか?
今までのワクチンは、A型ウイルス2種類とB型ウイルスの1種類に対応する成分が含まれていましたが、今年からはA型2種類とB型も2種類に対応する成分が入った、いわゆる4価のワクチンとなりました。より多くの型のインフルエンザに対応できるように変更されているのです。
実はこの変更に伴い、ワクチンの価格も値上がりしたのですが、何とか頑張って昨年と同じ税込2,000円に据え置きました!早めに接種して下さいね!
さて、話がそれましたが、妊婦さんへのインフルエンザワクチンの接種は大丈夫なの?とご心配の方もいらっしゃると思いますので、説明しておきます。
予防接種に用いられるワクチンには、ごく弱く感染させて免疫をつくる「生ワクチン」と、感染力のない死菌を使った「不活化ワクチン」とがあり、インフルエンザワクチンはこの不活化ワクチンです。そのためワクチンを接種したために感染することはありません。
そして、日本産婦人科学会のガイドラインでも、これまでに妊娠初期の接種で赤ちゃんに悪影響が出たという報告はなく、流産、奇形の危険性が高まるという研究結果もないため、妊娠初期も含め、全妊娠期間においてワクチン接種希望の妊婦さんに接種することが出来るとしています。
また、妊婦さんにワクチンを接種することにより、生まれてきた赤ちゃんにも予防効果が期待できるという報告もあります。
さらに、妊娠初期に接種を受けたために胎児に異常が出る確率が高くなったという報告はないので、接種を受けた後に妊娠が判明しても妊娠中絶などを考える必要は全くありません。
つまり、妊娠を考慮することなく安心してインフルエンザの予防接種を受けてくださいね。
今年は例年になく早い流行が予想されますので、早めに接種しましょう!
2015.10.03.
喘息の妊婦さん
皆さん、こんにちは^^
北海道は暴風雨で大変のようですが、大阪は秋晴れ。
前の公園ではどこかの運動会が行われていました。
さて、今までに「喘息と妊娠」については、ブログにアップしたり、新たなページを作成したりしてきましたが、先日実際にあった悲しい出来事をお知らせします。
先日、喘息の妊婦さんが小さなお子さんを連れて来院されました。
妊娠29週目で、喘息が悪化しやすい時期です。
その方は看護師さん。
もともと喘息があって、メプチン吸入が効かなくなって、発作が収まらない状態でした。
なのに、直線距離で10km以上も離れているこのクリニックにどうして来られたのか理由が分かりませんでした。
看護師さんならお勤めの病院にかかればいいのになぁ。
もしくは、近くのかかりつけ医の方が子連れなので楽なのになぁ。
別の事情があるのかなぁ。
と考えましたが、ご本人は喘息の発作でしゃべるのもしんどいくらい。
早速、ステロイドと気管支拡張剤の点滴を行いました。
点滴終了時にはだいぶ楽になられたようなので、事情をお伺いしすると、
「勤務している病院も近くの診療所も全部あたったんですが、『妊娠しているので薬は出せない』と言われたんです。ネットで必死に探して、こちらに来させてもらいました。これだけ、たらい回しにされるとは思ってもみませんでした。」とのお答えでした。
何と悲しい現状でしょうか。
というか、妊娠しているからこそ、お腹の子供の命を守る必要があるからこそ、投薬や治療が必要なのに、「薬は出せない」なんて、いったい何を考えているのかと少し腹立たしくなりました。
当然、妊婦さんに対しても安全性の高いシムビコートの吸入を処方し、2週間後に再度受診をするようにお伝えして、帰宅して頂きました。
もっともっと、喘息の妊婦さんに正しい情報を提供して、丈夫なお子さんを出産してもらえればと思います。
2015.09.28.
紅茶で体型改善
皆さん、こんにちは^^
9月ももう少しで終わりですね。
昨夜は中秋の名月でしたが、本日はsupper moonで今年一番大きく月が見える日だそうです。
少しだけ、夜空を見上げてみませんか?
さて、本日の話題は紅茶と体型改善についてです。
これまで、紅茶が心血管疾患のリスク因子(例えば、血圧やコレステロール)を改善することが報告されてきました。
今回のノルウェーの研究チームは、日常的に紅茶を飲んでいる男女111名(BMIが20~35)を対象に、1日3杯の紅茶粉末を飲む群と、フラボノイドが0で味とカフェイン量を紅茶とマッチさせたプラセボ飲料を1日3杯飲む群に分けて、体重やウエストなどへの効果を比較しました。
その結果、紅茶を飲んだ群では、プラセボ飲料を飲んだ群と比較して、体重で-0.64kg、ウエスト周径で-1.88cm改善したという結果となりました。
今回の研究では、カフェイン量を両群で合わせているため、その他の成分が関連した可能性があります。フラボノイドも候補に入るかもしれませんが、推測の域を出ません。
体重減少に効果がある未知の成分が紅茶に含まれているかどうか、今後の研究に期待したいところですが、体型が気になる方は早速実践できる簡単な方法ですね。
私も10kmマラソンに向けて、試してみようっと!
2015.09.24.
ファストフードと喘息②
皆さん、こんにちは^^
シルバーウィークも終わりましたが、皆さんはお出かけになりましたか?
私は事情により遠出はしませんでしたが、11月のマラソンに向けてウォーキングを強化してやってました。
さて、以前に妊婦さんとファストフードの関係をアップしましたが、今回は子供とファストフードの関係についてお届けします。
子供によく見られるアレルギーの症状と食習慣の関係はしばしば議論されています。
今回、研究班は、コロンビアの6歳から7歳の子供3,209人を対象として、12種類のグループの食品を摂取する頻度と、喘息などのアレルギー反応によって起こる代表的な症状である喘鳴や、鼻炎、湿疹の症状を調べ、統計的に解析を行いました。
その結果、新鮮な果物、豆類を多く食べる子供で湿疹が少なく、ジャガイモを多く食べる子供で喘鳴が少なく、ファストフードを多く食べる子供では喘鳴が多くなっていました。
この研究の方法では、アレルギーの症状が原因で食べ物が偏った可能性や、ファストフードを多く食べる背景にアレルギーを誘発する別の要因があった可能性なども考えられ、必ずしも果物や豆類がアレルギーを予防するとは断定できません。
また、コロンビアで得られた結果は、食習慣が似た地域には当てはまりやすいかもしれませんが、日本でも同様かどうかはわかりません。コロンビアでの食習慣とアレルギーの関係、またコロンビアの生活環境についてのより多くの情報とあわせて考える必要がありそうです。
とはいえ、ファストフードの摂りすぎは、前回の妊婦さん同様、喘息のお子さんにとっても良くはなさそうですね。
一般的で構わないので、バランスのとれた食事を心がけましょう!
2015.09.15.
オリーブオイルと糖尿病
皆さん、こんにちは^^
朝晩めっきり涼しくなって、特に夜は虫の音が心地よいですね。
日中との温度差が大きいので健康管理には十分注意してくださいね。
さて、今回の話題は「オリーブオイルと糖尿病」についての話題です。
オリーブオイルはいくつもの面で健康に良いと考えられています。
今回、アメリカで女性を対象に行われた大規模調査2件から、合計14万人あまりの対象者について22年にわたって追跡し、新たな2型糖尿病の発症と食習慣に関する統計解析が行われました。
その結果、1日あたりスプーン1杯を超える量のオリーブオイルを消費していた人では、オリーブオイルをまったく消費しなかった人に比べて、新たに2型糖尿病を発症することが少なくなっていたのです。
この研究の方法では、オリーブオイルに2型糖尿病を防ぐ効果があったかどうかは必ずしも断言できません。オリーブオイルを多く使う人に、生活習慣などの背景として、2型糖尿病を防ぐ要因がほかにあった可能性が完全には否定できないからです。
とは言うものの、普通のサラダ油を使うより、オリーブオイルの方が身体には良さそうなイメージは変わりませんよね。
実際にオリーブオイルをふんだんに使う地中海食では、心血管疾患の発症が低いことも知られていますし。
但し、オリーブオイルの消費量世界一のギリシャでは、日本の一人あたりの消費量のなんと100倍も使っていますけどね。。。
2015.09.10.
季節の変わり目に要注意
皆さん、こんにちは^^
台風18号が各地に災害をもたらしましたが、大阪は大きな被害がなくホッとしています。
しかし、各地の冠水の様子を見ていると、川が氾濫しているわけではなのに何故?って思ってしまいます。
排水設備能力の見直しが必要なのかもしれませんね。
さて、今回はこの時期に喘息症状の悪化で気を付けていただきたい点をお届けします。
一般的に、喘息症状の悪化や発作は、1年のうちで秋に多いと言われています。
9~10月は秋雨前線や台風の影響で雨が降りやすく、不安定な気候が多い季節です。
台風などによる気圧の変化と喘息発作には関係があることが知られており、患者さんに対するアンケート調査でも喘息症状の悪化原因で最も多かったのは、気候の変化という報告もあります。
気象予報などを参考に、気候が不安定な時は、外出を控えましょう。
また、花粉の飛散が意外と多いのが10月なのです。
「花粉」は春のイメージがありますが、秋に飛散する花粉も多く存在します。ブタクサやヨモギなどが秋に多い花粉で、花粉はアレルゲンとして喘息症状悪化の原因となります。
10月は紅葉狩りなど外出の機会が多くなるだけに、マスクをするなどの対策が必要です。
さらに10月は、澄み切った空が晴れ渡った日など、日中の暖かさに反して夜間は冷え込むことが多く、体調を崩しがちです。風邪などのウイルス感染は花粉などのアレルゲンと相乗的に作用して、喘息の増悪をひき起こすことも考えられています。
喘息症状の出ない良好なコントロールを目指して、毎日の気道炎症に対する治療を継続するとともに、症状が出たら早めに受診して下さいね。
2015.09.04.
クランベリーエキスでメタボ改善
皆さん、こんにちは^^
9月になっても、昼間はまだまだ残暑が厳しいですね。
それでも、少しずつ秋の気配を朝晩には感じることが出来ます。
秋と言えば食欲の秋。
マウスの実験ですが、ちょっとうれしい話題をお届けします。
最近、腸内にいる様々な細菌が2型糖尿病を調節する事が分かってきました。腸内細菌であるアッケルマンシア属は、2型糖尿病を防ぐ方向に働くのではないかと注目されているもののひとつです。
今回は海外の研究で、①通常食と水を与えたマウス、②脂肪・糖分が多い高脂肪食と水を与えたマウス、③高脂肪食とクランベリーエキスを与えたマウスの3群を比較しました。そして③群で増加する腸内細菌を調べています。
その結果、③群のマウスは高脂肪食依存的な体重増加効果や内臓脂肪型肥満の低下が見られました。また腸内中性脂肪を低下させ、腸内炎症と酸化ストレスも和らげました。さらに、興味深いことに、クランベリーエキスはムチン分解細菌であるアッケルマンシア属の割合を増加させました。
この結果から研究者らは、「クランベリーエキスは高脂肪食によって引き起こされるメタボリックシンドロームの徴候の改善によって代謝に有益な効果をもたらし、それは腸内細菌であるアッケルマンシア属菌種の増加と関連している」と述べています。
ポリフェノールはメタボ改善に効くと言われていますが、脂肪への直接効果に加え、このような腸内細菌への影響を与えているという興味深い結果ですね。
2015.08.29.
この季節、ダニにご用心
皆さん、こんにちは^^
8月もあと3日で終わります。今年の2/3が終了です。早いですね。
学生さんの夏休みも終わると思っていたら、周辺の小中学校は今週の月曜から2学期が始まっているそうです。
何だかかわいそうな気もします。
さて、今回の話題は、ダニの話題だに^^
比較的、喘息の症状が落ち着くことが多いといわれる夏ですが、悪化要因があるので注意が必要です。
実は、それがダニなのです。
喘息患者さんの寝室の床における塵を集めて、その中のダニ抗原量を測定してみると、実は1年中で8月が1番多く、8月を中心に夏の時期に多くなっていました。(下図)
ダニなどのアレルゲンを吸入し、免疫細胞がそれを認識すると、そのアレルゲンに特異的なIgE抗体が産生されます。その後、再度アレルゲンに曝露されると、特異的なIgE抗体を表面にたくさん持ったマスト細胞が活性化され、炎症メディエーターが放出されます。これにより、即時型喘息反応が起こり、喘息発作が誘発されるようになります。
日本の生活様式、気候などはダニの繁殖に適していることから、こまめな清掃などによりその除去を心がける必要があります。
しかし、ダニやホコリをすべて取り除くことは不可能です。
また、吸入ステロイド薬などの長期管理薬を定期的に使用している喘息患者さんを対象としたアンケート調査では、52.5%の患者さんがホコリによる喘息症状発現・悪化を経験していることが報告されています。
日々の定期吸入により症状が安定していても、何らかのきっかけで症状が発現・悪化した場合には、症状を緩和する治療とともに速やかに炎症を抑制することが重要です。
そんな時に活躍するのが、定期吸入だけでなく症状悪化時に追加吸入できるシムビコートです。
しっかりと吸入して、発作のない生活を送りましょう!
2015.08.22.
やはり、マイコでした
皆さん、こんにちは^^
一旦過ごし易くなりましたが、また暑さが再来って感じです。
天候の変化に身体が付いていけず、倦怠感を訴える患者さまもいらっしゃいます。
今回は、咳に関する私の体験談をお届けします。
受診されたのは22歳の女性の患者さま。
2~3日前から咳と38℃台の発熱で来院されました。
喉の痛みもありますが、痰はなく、咳の日中差もありません。アレルギー歴は何もありません。
喉を覗いてみると扁桃腺がパンパンに腫れています。これで、発熱があってもおかしくはありませんが、咳の原因とは考えにくい状況です。
しかし、呼吸音を聞いても正常です。そこで、胸部レントゲンを撮ってみると、、、左下葉の(間質性)肺炎像を認めます。
ある疾患がピーンと頭に浮かびました。
そう、マイコプラズマ肺炎です。
早速、迅速キットで調べてみると、、、やはり陽性でした。
最近のマイコプラズマはマクロライド系抗生剤に耐性の菌が多いため、ニューキノロン系の抗生剤を中心に処方し、1週間後には咳も熱も改善されていました。
「長引く咳の原因②」でも書きましたが、マイコプラズマ肺炎は外見だけでは非常に分かりにくい疾患なのです。
もし、胸部レントゲンを撮っていなかったら、扁桃腺炎と診断されてもおかしくないと思います。
「咳」の確定診断には、総合的な診察がいかに重要かを改めて感じさせられた体験でした。
2015.08.18.
ホップで肥満を防ぐ
皆さん、こんにちは^^
お盆も終わり、少し過ごし易くなりましたね。
お盆の期間、帰省されて美味しいものをタラフク食べられた方も多いのではないでしょうか?
そんな方には、ひょっとして朗報かもしれません。
ビールの原料であるホップに、フラボノイドの一種であるキサントフモールという物質が含まれています。キサントフモールは健康に良いという説があり、東京大学の研究班がマウスにキサントフモールを与える実験を行ったところ、キサントフモールは生体内で脂質代謝に関わる物質の作用を抑えることで、高脂肪食を与えたマウスの肥満と脂肪肝を防ぐという結果が得られました。
研究班は、マウスに高脂肪食を与えるグループと、同じ高脂肪食にキサントフモールを加えて与えるグループに分けて、
高脂肪食を与えたマウスでは日とともに体重が増加しましたが、高脂肪食にキサントフモールを加えて与えたマウスでは体重増加が少なくなっていました。また、キサントフモールを加えなかったマウスに比べて、肝臓などの脂肪の量が少なくなっていました。キサントフモールを与えたマウスの体内では、脂質代謝に関わる遺伝子の働きを調節している物質の「成熟型SREBP-1」が少なくなっていました。
研究班は、これらの結果から、キサントフモールが「メタボリックシンドロームを改善するための栄養補助食品または治療薬となりうる」ことが示唆されたと述べています。
ただし、マウスの実験で得られた結果が人間に当てはまるかどうかは、まだ確かではありません。
ですから、キサントフモールが含まれているビールを飲んで肥満を防ごう!と意気込むのはまだまだ早そうです。
とはいえ、マウスの体重増加と脂肪量増加が抑えられたという結果は目を引きますね^^