あれこれブログ

2019.04.12

花粉症がなくなる日

皆さん、こんにちは^^
ポカポカ陽気で気持ちがいいです。
この週末はお天気が崩れるようですが、その後の晴れを祈っている今日この頃。
さて、今日は花粉症の話題です。

国民の3割が悩んでいるとも言われるスギ花粉症。今年も多くの花粉が飛び交いました。そして、多くの患者さんが来院されました。
ところで、自然界には数千本に1本の割合で、雄花が花粉を作らない突然変異のスギ「無花粉スギ」があるのをご存じですか?日本では1992年に富山県で初めて見つかり、これまでに約20本が確認されています。
林野庁によると、国内の森林の4割を占める人工林のうち、スギ林は4割を超えます。多くは、戦後の高度成長期に木材需要の急増に応じて植林され、半世紀が過ぎて木が成熟し、いま大量の花粉を放つようになっているのです。

無花粉スギを増やして、植え替えを進めれば、花粉が飛ばないスギ林に変えられるかもしれない。。。
こんな期待から、森林総合研究所(茨城県)や一部の県などが無花粉スギを探しています。ただ、無花粉スギはもともと成長が遅く木材としての質がよくありません。無花粉スギの雌花に別の木の花粉を受粉させて苗木を育てるのですが、ふつうに交配させただけでは、半分以上が花粉を作るスギになってしまいます。しかも、それが分かるのは、2~3年ほど育てて、花粉の有無が判別できるようになってから。木材としての品質を見極めるには、10年以上かかってしまいます。

そこで、森林総研は、スギのDNAを調べて無花粉かどうか見分け、大量に増やす技術を開発中なのです。スギの種の皮をとり、中にある細胞を特殊な方法で培養し、無花粉スギの細胞を選んでさらに育てると、種のように発芽し、根や葉を伸ばして苗木に育つのです。
また、遺伝子操作で効率よく無花粉スギを作り出す研究も進んでいます。狙った遺伝子だけを効率よく操作できるゲノム編集を使えば、時間やコストをかけずに、無花粉で木材としての質も良いスギを人工的に作り出せる可能性があるのです。ただし、ゲノム編集で誕生したスギは、生態系への影響などを慎重に見極める必要があります。

現在、植え替えの主力となっているのは、雄花の数が通常の約1%以下の「少花粉スギ」です。林野庁が無花粉スギより早く開発を始め、現在142品種あります。少花粉スギを中心とする「花粉症対策スギ」の苗木の生産量は2017年度、スギ苗木全体の4割まで増えました。林野庁は、苗木の生産量に占める「花粉症対策スギ」の割合を32年度までに7割に増やす考えです。今後、植え替えは徐々に進むと期待されますが、花粉が減る効果を実感できるようになるには、まだまだ時間がかかりそうです。

今あるスギに花粉を作らせない、飛ばさない方法の開発も進んでいます。うまく行けば、植え替えをしなくても、花粉の飛散量を減らせる効果が期待されています。森林総研は06年、スギの雄花にのみ感染し、内部に入り込んで枯らしてしまう菌類を発見しました。この菌を含む液体をスギに吹きかけると、花粉ができなくなるのです。また、東京農業大学も花粉飛散防止剤を民間企業と共同開発しています。天然油脂由来の界面活性剤の成分を含む薬剤をスギに吹きかけると、雄花が枯れて花粉の飛散量を9割減らせるのだそうです。すでに農薬としても登録済みです。ただ、広範囲に散布するには予算の問題や地域住民の理解が欠かせません。

はたして、スギ花粉症がなくなる日は来るのでしょうか?なくなるとしても、まだまだ先のようですね。

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