あれこれブログ
2018.07.26.
蚊も夏バテ?
皆さん、こんにちは^^
大阪は13日連続の猛暑日です。明日には少し落ち着きそうですが。
この猛暑の中、あることにふと気づきました。今年は蚊に刺されていないな、と。もっと言えば、ここのところ蚊を見かけないな、とも。
皆さんはいかがでしょうか?
ということで、本日は大嫌いな蚊についての話題です。
私は刺されやすい体質で、刺されると膨隆疹のようになり痒みが強いのでとても助かりますが、蚊は暑ければ暑いほど活発に動き回るイメージがあるだけに、実際のところが気になります。
人間をはじめ動物たちがぐったりしているなか、蚊も夏バテ状態なのでしょうか?
猛暑日が続くと、蚊が繁殖する環境が壊れていくようです。猛暑で雨が降らない日が続くと、水たまりが干上がり、蚊が卵を産む場所が少なくなります。蚊が産卵する場所は水が溜まる所で、水が滞留していることが条件になります。卵がかえると、ボウフラという幼虫になりますが、水が流れている所では卵が一緒に流れてしまいます。その水たまりが少なくなれば、当然、数そのものが増えなくなります。
蚊の寿命は1ヶ月ほどで、卵からかえって成虫になるまでは10日ほど。夏の間は、産卵・孵化(ふか)・成長が繰り返されるわけですが、水たまりの減少がその環境を奪ってしまい、個体数の減少につながることになります。
また、日本の代表的な蚊はヒトスジシマカとアカイエカ。ヒトスジシマカは一般に「ヤブ蚊」と呼ばれ、アカイエカは「イエカ」と呼ばれたりします。害虫防除技術研究所(千葉県八千代市)の所長は、「ヒトスジシマカとアカイエカともに最適な環境は25度前後」だと述べています。そして、「アカイエカは30度以上、ヒトスジシマカは35度以上になると動かなくなる、活動しなくなる」としています。ただ、「死ぬ可能性もあるが、高温になれば日陰にいく。でも、高温が続けば長生きはできない」とのことです。
最近の35度を超える猛暑で、蚊は獲物を求めて飛び回ることを止め、涼しい場所にじっと潜んでいるということでしょう。
今年は春先から気温の上昇していた関係で、いつもの年よりも蚊の発生が早まり、ゴールデンウィーク中から刺される人が出始めました。しかし、この夏は刺されていないのも、蚊そのものを見かけなくなったのも決して気のせいではなく、この異常ともいえる猛暑が原因だといってかまわないようです。猛暑によって蚊の数そのものが減り、35度を超える猛暑によって動かなくなっているのですから。
このまま地球温暖化が加速度的に進んでいくと、蚊の個体数は減っていくかもしれません。そうすれば、蚊が原因で亡くなる人も減って喜ばしいことかもしれません。ただ、蚊を捕食する他の生物もいるわけで、生態系全体に影響を及ぼすことも考えられます。
こういうこを考えていると、余計に暑く感じてきます。とにかく、蚊も動かなくなる猛暑です。熱中症対策を万全にして、この暑さを乗り切りたいものですね。
2018.07.23.
救急医学会も緊急提言
皆さん、こんにちは^^
いやぁ~暑いです。
大阪でも10日連続の猛暑日。
埼玉県熊谷市では41.1℃の日本最高記録更新。
東京では22日の救急出動件数は3125件で、1日あたりの件数としては救急業務を始めた1936年以降で最多。
さらに、熱中症の疑いで今年搬送された人も22日までに計3544人となり、今の時点で昨年1年間の計3454人を超えたのです。
そんな中、救急医学会も緊急提言を発表しました。
特に子どもや高齢者は熱中症になりやすいとし、水分をこまめに取ることや涼しい場所への誘導、周囲が互いに注意し合うことなどを提言しています。横田裕行代表理事は「熱中症は怖いが、注意すれば防げる」と対策の徹底を求めています。
同学会の熱中症に関する委員会の清水敬樹委員長によると、勤務する東京都立多摩総合医療センターの救命救急センターでは今年は熱中症による救急搬送患者が多く、特に重症者が多いといいます。清水さんは「今年の熱波は未体験ゾーン。危機的状況にある」と語っています。
提言は、子どもは汗腺の発達や自律神経が未熟で体温調節機能が弱いと指摘。親や学校の教諭、部活動の監督などが見守り「いつもと様子が違う」と感じたら迅速に対応するよう求めています。集団生活の際は、最も弱った子どもを基準にすることが大事としています。
当クリニックでも熱中症と思われる方が、お越しになられます。
水分と塩分をしっかりと摂って、涼しいところで休んでください。
塩分はポカリやアクエリアスではなく、梅干し、塩昆布、味噌汁で。
なお、提言は同学会のホームページ(http://www.jaam.jp/index.htm)で公開しているので参考にしてくださいね。
2018.07.17.
杭全祭り無事終了
皆さん、こんにちは^^
7月11日から14日に行われた杭全祭りが無事に終了しました。
野堂東組さんの救護班として参加させていただきましたが、今年は熱中症の方も怪我の方もなく本当に良かったと思います。
(熱中症になりかけの方はいましたが、クリニックで治療するほどではなかったです)
また、13日には接待もさせていただきました。
地車囃子を披露していただき、老健入所者の皆さんだけでなく、デイサービスへの通所者さんも楽しんでおられました。
本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
2018.07.02.
熱中症は予防できる(再掲)
皆さん、こんにちは^^
関東では6月に梅雨明け、大阪でも枚方や八尾では猛暑日を記録。
先週末、地車も試験引きも何とか熱中症で倒れる人は出ませんでしたが、なりかけの方は何人かおられました。
東組総会でも話をさせていただきましたが、再度認識してほしいので、再掲します。
熱中症では、頭痛やだるさ、吐き気といった症状がでます。そして、体に熱がこもって体温が上がります。すると熱や脱水が原因で、血液中に炎症物質が増えてしまいます。この炎症物質が頭痛の原因です。熱と脱水が頭痛の原因なので、ロキソニンやバファリンのような頭痛薬を飲むだけでは、効果は十分に得られません。体を冷やして水分補給をすることが一番の治療になります。
また、「日曜日に炎天下でスポーツをした。その後からぐったりとしてしまい病院へ。熱中症と言われて点滴をしたけれど、水曜日になってもまだ頭痛が続いていて…。頭以外は大丈夫なんですが…」
これは熱中症としては、典型的なパターンです。熱中症は、よく食べよく寝て、一晩たてばすっきり治るという病気ではありません。水分補給を正しくしても、体内のバランスが整い切るまでには数日間のズレがあります。それが原因で、治療をしてから何日も頭痛やだるさが続いてしまうのです。この症状が続いている最中は、体が特に熱中症に弱い状態です。辛い間に無理をして、2回目の熱中症にならないようぜひ注意してください。
さて、熱中症では、具合の悪さを3段階に分けて表現することになっています。
1度:めまい、立ちくらみ、吐き気、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)
2度:頭痛、嘔吐、だるさ、脱力感、集中力や判断力の低下
3度:意識や反応が低下する、全身がけいれんする
1度が軽症、3度が重症です。このうち、1度はその場で対処可能ですが、2度以上は医療機関の受診が必要となります。頭痛は2度の熱中症の目安になるので、頭痛が目立つときは無理をせず病院に行ってください。
次に、軽い熱中症(1度の熱中症)に対する応急処置としては、以下点にまず気をつけます。
○直射日光を避ける
○風通しの良い場所、または、冷房の効いた室内へ移動する
○太い血管がある場所(首、脇の下、足の付け根)を冷やす
○休んだ後に、水分と塩分を十分にとる
体を冷やすときは血管の近くを冷やすと、体の表面だけでなく体全体を効率良く冷やすことができます。また、クーラーだけでなく扇風機も有効です。冷たい風を送るだけでなく、体の表面の汗が蒸発する際に体の熱も一緒に逃がしてくれるためです。
前述しましたが、熱中症の原因は、大きく3つあります。
1.体温の上昇
2.脱水
3.ミネラル(特に塩分)の不足
しかし「水と塩をこまめに!」と言われても、量が分かりにくいですよね。量の目安を説明します。
まず水分です。暑い日に運動していたら、ペットボトル1本や2本では全く足りません。中高生が炎天下で1日部活動をするようなときには、4~5リットルと必要な場合もあります。頭痛がするほどなら水不足の可能性が大きいです。
水分が不足しているサインは2つあります。
1.尿が出ない
2.脈が早い
たとえば半日のスポーツや作業あたり、一度も尿が出ないというのは、水分が不足している証拠です。十分に水分摂取ができている場合には、2~4時間に1回は尿が出ます。尿の回数が少なければ、増えるまで水分を補給してください。
脈拍も大事です。普段なかなか脈拍を測る習慣はないとおもいますが、「熱中症かな?」と思ったら、運動をやめて休んだあとの脈拍を測ってみてください。1分間測って、おおまかな目安は次のようになります。
○50-90回:正常範囲内です。それでもだるさや吐き気がある場合は熱中症の可能性があります
○90回:脱水気味で、熱中症が疑われます
○100回以上:本格的な脱水です。
水分についてまとめると、
○運動量によって飲むべき量は変わる
○炎天下で運動していたら、500ml のペットボトル1本や2本では足りない
○どれだけ飲むべきかは、「尿が2~4時間に1回出る程度」または、「脈拍が1分間に90回未満になる程度」が目安と言えます。
また、熱中症で忘れられがちなのが塩分です。水分摂取に気をつける方は多いのですが、汗の中には水だけでなく塩分も含まれています。熱中症で足がつったり、頭がぼーっとしたりする場合には、塩分が足りないという可能性に注意が必要です。
「塩分が大事だから、お茶じゃなくてスポーツドリンクを飲もう」
そう思う方もいるかもしれません。しかし、スポーツドリンクに含まれている塩分は微々たるもので、スポーツドリンクだけで熱中症を防ぐことはできません。スポーツドリンク(500ml)を1本飲むよりも、コンビニのおにぎりを一つ食べる方が効果的です。味噌汁やおかずであれば、もっと多くの塩分が含まれています。塩分を摂るならば、水分よりも食事が大切です。含まれている塩分量が大きく違うためです。
さて、最後に、塩分の目安を確認してみましょう。
1リットルの汗をかくごとに、塩分はおよそ1グラム失われます。
炎天下で、3リットルの汗をかいた場合
○ポカリスエットなら2リットル
○アクエリアスなら3リットル
○塩飴なら15個
○味噌汁なら2杯
○梅干しなら1個半
この量で、ちょうど失った塩分(3グラム分)が補給できる計算になります。朝に味噌汁を1~2杯飲むだけで、効率良い塩分補給になることが分かります。
熱中症は予防できる病気です。
「水と塩をとる」ことは知っていても、どのくらいとったらいいかはよく知られていません。また、どんなに完璧なスケジュールで食事・水分を摂っても、休憩なしで炎天下で運動していたら、やはり熱中症になってしまいます。
最後にまとめです。
○熱中症の頭痛は要注意。頭痛薬ではなく水分・塩分補給が一番の治療
○水分摂取は「尿が2~4時間に1回出る程度」または、「脈拍が1分間に90回未満になる程度」が目安
○塩分摂取はドリンクよりも食事。運動前後ではしっかり食事を摂る
○運動中は2時間に1回(以上)を目安に休憩をする
これらを心がけるだけで、熱中症の発症率は下がります。頭痛がして「熱中症かな?」と感じた方は、まず部屋を涼しくして、水分と塩分を補給してみてください。暑さのピークの季節が過ぎるまでは、「スポーツドリンクを飲んでおけばなんとかなる」というのではなく、ぜひ上記の目安を意識してみてください。