あれこれブログ

2018.10.16

昼食後の眠気

皆さん、こんにちは^^
季節はすっかり秋めいてきて、朝晩の冷え込みも徐々に進んできました。
当クリニックでは、まだインフルエンザの発生はありませんが、大阪でもチラホラ発生しているようです。
気を付けてくださいね。
さて、今回は昼食後に来る眠気についてです。

午後から大事な会議があるというのに、昼食後に襲ってくる眠気。コーヒーを飲もうが、体を動かそうが、なかなか眠気を振り払うことができないビジネスマンも多いことでしょう。ところで、どうして食後に眠気が襲ってくるのでしょうか?

昼食後に襲ってくる眠気は、「消化するために胃や腸に血流が集まり、脳に行く血流が減るので眠くなる」と言われています。でも、それに異を唱えているのが西野精治スタンフォード大学医学部精神科教授です。
西野教授は、「どんな状況であっても“脳への血流”は第一に確保されることがわかっています。14時ごろに眠くなるのは“アフタヌーンディップ”と呼ばれるヒト固有の生理機能です。ランチは食べても、抜いても、その後眠くなるのです」と、「ランチを食べたから眠くなるは誤解」であると解説しています。さらに、「ランチ後にやってくる眠気は、厳密にいうと“眠気”ではなく、満腹感からくる“気だるさ”」ということのようです。

睡眠については、1998~1999年に脳の覚醒と睡眠に関係する脳内神経伝達物質「オレキシン」が発見、それをきっかけに研究が進み、睡眠の謎が次々と解明されています。ところで、このオレキシンが発見されたのは、食欲を刺激する脳の中の「食欲中枢」という場所です。オレキシンが活発に働いているときには、脊髄動物の多くは覚醒し、オレキシンの働きが鈍ると睡眠状態に入ると考えられています。

たとえば野生動物は、お腹が空くとエサを確保しなければなりませんが、そのためには敵と戦う危険性もあります。身を守り、エサを確保するためには意識を最高潮に覚醒する必要が生じてきます。しかし、満腹になると意識を覚醒する必要がなくなりますから、オレキシンの活動が鈍って眠くなるというわけです。つまり、食後に眠くなるのは、野生動物時代の名残なのかもしれません。
また、空腹時には血液中の血糖値が低下してオレキシンが活性化しますが、満腹時には、血糖値が上昇し、オレキシンの活動が低下することも解明されています。つまり、満腹時と空腹時のオレキシンの活動状況を比べると、眠気は満腹時に襲ってくるようです。

睡眠、眠気のメカニズムについては、まだまだ謎が多いですが、“アフタヌーンディップ”と呼ばれる生理機能か、それとも野生動物の名残かは研究の成果を待つとして、午後に適度な仮眠タイムを採り入れることなども検討する必要がありそうですね。

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