あれこれブログ
2016.07.06
火薬が心臓病を治す?
皆さん、こんにちは^^
昨日の大阪は猛暑日。
もう梅雨は明けたのでしょうか??
台風は近づいていますが、暑い日が続きそうなので、体調には十分注意しましょう!
さて、今回はちょこっと趣向を変えて、トレビア的なお話です。
狭心症発作の時にニトログリセリンを使うことは、皆さんもご存じだと思います。このニトログリセリンは、ダイナマイトの原料でもありますが、火薬がどうして狭心症に使用されるようになったのでしょうか?
昔ヨーロッパの火薬工場で働いていた作業員が、休暇明けに出勤して仕事を始めると、ひどい頭痛やめまいに悩まされるという苦情が相次ぎました。一方で、狭心症を患う従業員が自宅では発作が起こるのに工場では起こらないというエヒソードかあり、これに注目した医師が「火薬には血管を拡張させる作用があるんじゃないか?」と考えて研究したことで発見されたといわれています。
このメカニズムは長年未解明だったのですが、1990年代になってニトログリセリンが加水分解されて硝酸ができ、さらに還元されて一酸化窒素(NO)が産生され、それが血管拡張のシグナル伝達物質であるということが発見され、1998年のノーベル生理学・医学賞の対象となりました。NOのような気体が血管拡張や神経伝達、免疫反応のメディエーターとして働いているという発見は、生理学や薬理学の発展に大いに貢献し、世界を大きく変えたといっても過言ではありません。
ちなみに、現在医薬品として使われている硝酸化合物は、硝酸イソソルビドなどのニトロ基をもつ硝酸系の薬品が主で、医薬品のニトロをいくら集めても爆薬にはならないし、医薬品が爆発事故を起こすこともありませんのでご安心を。