あれこれブログ
2014.10.21
再度、吸入ステロイド薬について②
皆さん、こんにちは^^
すっかり秋の気配ですね。
今週末にはまた行楽日和が戻ってきそうなので、ゆっくり楽しみたいですね。
さて、今回も吸入ステロイド薬のお話を。
以前に「吸入ステロイド薬と妊娠」について書きましたが、もう少し詳しく書いてみたいと思います。
気管支喘息(咳喘息)のある患者さまが妊娠をすると、それだけで病状が悪化しやすくなると言われています。そのため、妊娠してから発作を繰り返すようになる方は少なくありません。最も気管支喘息が悪くなりやすいのは妊娠24~36週以降の出産前と言われています。妊婦さんが「胎児に良くない」と自己判断で吸入ステロイド薬を中断しても、しばらくは発作が起きませんが、忘れた頃になって妊娠後期に喘息発作が出始めるという事態になりかねません。
これは多くの薬剤に当てはまることですが、妊娠中に薬剤を使用すると催奇性のリスクが高くなります。それぞれにリスクの高低がありますが、気管支喘息治療の第一選択薬である吸入ステロイド薬は、ほぼ安全であることが分かっています。特にブデソニド(当院で処方しているシムビコートに使われているステロイド薬)は最も安全な吸入ステロイド薬とされており、アメリカ食品医薬品局(Food and Drug Administration ; FDA)の胎児危険度分類でもこの薬剤だけが「グレードB」(最も安全なのがグレードA)を獲得しています。
また、喘息の治療薬が母乳に入る可能性はありますが、その量は極めてわずかとされています。そのため、新生児や乳児に影響が出る可能性はほとんどありません。
女性の生涯で、吸入ステロイド薬を中止しなければならない期間はないのです!