あれこれブログ
2017.07.24
レジャーシーズンとアレルギー
皆さん、こんにちは^^
先週は大阪も4日連続の猛暑日でした。
外に出るだけで、蒸し焼きになってしまいそうな暑さでした。
今週はややましですが、それでも真夏日には変わりなく、体力消耗しますよね。
さて、今回の話題はレジャーシーズン到来に相応しい話題です。
海開き、山開きと本格的な夏のレジャーシーズンを迎えました。家族や親しい友人を誘って、キャンプや避暑地へのドライブを計画している人もいることでしょう。待ちに待った週末、自家用車にさっそうと乗り込んで「さあ、出発!」とカーエアコンをつけた瞬間、吹き出し口からすっぱい臭いが一気に噴き出してきたら、、、楽しい気持ちも一瞬にして薄れてしまいそうです。
この臭いのもとは、主に好湿性のカビであるアオカビやクロカビの一種とされています。どちらも浮遊性で、アレルゲンとしてもよく知られているカビです。これらの車内に浮遊するカビの量を春と夏で比べると、何と夏のほうが3倍以上も多いことが報告されています。これは、カーエアコンの使用頻度が高くなることでカーエアコンの中にある熱交換器に結露が発生しやすく、カビにとって絶好の環境になるからです。
また車内を汚染しているのはカビだけではありません。靴の裏や服に付着しているアレルゲン、車内の食べかすに集まる虫やダニも汚染にかかわっている可能性があります。車の中は密閉された空間であり、室内と同じく“Indoor Pollution”が問題になります。
車内の“Indoor Pollution”なんて気にせず、消臭剤の使用や軽い拭き掃除で済ませれば良い、と考える人もいるでしょう。しかし、一年中アレルギーでお困り(通年性アレルギー)の患者さんではどうでしょうか。
例えば、通年性アレルギー性鼻炎の患者さんが時速40キロで運転中に、車内のアレルゲンに誘発されてくしゃみを1回したとします。くしゃみをすると反射的に目をつぶってしまいますが、目を閉じている時間が0.5秒だとすると、車は非コントロール下で約5mも進んでしまうのです。
イギリスの保険会社の調査によると、くしゃみをして一瞬車をコントロールできずに危険な目に遭ったり、事故を起こしたドライバーは、調査対象の7%(200万人)にものぼることが報告されています。また、くしゃみだけでなく、鼻をかんだり目をこすったりと、アレルギー症状に注意が向いて脇見運転となると、重大な過失につながりかねません。
アレルゲンを除くためには、車内の清掃を定期的に行うことが大切です。しかし、カーエアコンの内部洗浄などは個人では難しく、清掃によるアレルゲンの除去には限界があります。
したがって、治療も並行して行わなければならないときがありますが、抗アレルギー薬として用いられる抗ヒスタミン薬の一部には、飲んだ人が気づかないうちに能力が低下してしまう作用があるとされています。最新版の「鼻アレルギー診療ガイドライン」には、自動車運転に関する注意が記されています。
アレルギーの発症を予防し、症状も上手にコントロールすることで楽しい夏をお過ごしください。