あれこれブログ
2016.09.13
恥ずかしいダニ
皆さん、こんにちは^^
台風と秋雨前線の影響で、本日もムシムシしますね。
ということで、先週のダニ続きで、ダニの話題をもう一つお届けします。
突然ですが、「エロダニ」をご存知でしょうか?
このダニは、寝静まったころに寝具に潜り込み、衣服と身体のすき間から軟らかい皮膚を這い回り、人肌を刺して紅色丘疹を残すイエダニのことです。股や腋の下周辺を好んで刺す習性があるため、このような恥ずかしい別名がつけられました。
室内で人を刺すダニは、イエダニのほかにもツメダニが知られていますが、この2種のダニは人を刺す理由が異なります。イエダニは、通常寄生しているドブネズミの巣から人の家へ侵入して、吸血するために人を刺します。しかし、ツメダニは吸血せず、人の肌と触れた時に偶発的に刺すと考えられています。
わが国は世界でもダニの多い地域とされており、世界で約5万種類いるダニの種類のうち、日本には約5千種類が生息しているといわれています。また、ハウスダストにいるダニをまとめた報告でも、少なくとも135種が確認できるそうです。
ツメダニと同じく室内に生息するダニとして、ヒョウヒダニ(ヤケヒョウヒダニやコナヒョウヒダニ)も知られています。これらのダニは人を刺さないものの、ダニの中では最も数が多く、日本人のアレルギー疾患の主要なアレルゲンとして問題になっています。通年性アレルギー性鼻炎患者では、52.4~80.0%もヤケヒョウダニに感作されているのです。
ヒョウヒダニは体長0.3~0.6mm前後であり、通常、体長が0.3~0.7mm前後のツメダニより一回り小さく、ツメダニの餌となります。室内でヒョウヒダニが発生すると、それを捕食するツメダニも増加するので、居住者と出くわす機会も増えると考えられています。室内で恥ずかしいところが刺されていたら、エロダニかツメダニの仕業かもしれません。そして、それがツメダニだった場合、アレルゲンの原因でもある小さなダニ達が大発生していることも考えられます。
ダニに最適な繁殖条件は温度25~30℃、湿度60~80%とされていますが、わが国の梅雨は繁殖にぴったりの時期にあたります。また、夏は人でも水分補給が欠かせませんが、ダニも生物ですので水分補給をしています。ただ、口からではなく、全身の表面から水分を吸収しています。室内の湿度が70%ですと、ダニは水分でぷっくりと太りますが、湿度が55%ですと干からびてしまうようです。このようなダニの生態から考えると、室内の湿度管理(湿度を40~60%程度に保つこと)がダニ増殖を防ぐカギになりそうですね。