あれこれブログ
2019.03.29
「3年A組」に思う
皆さん、こんにちは^^
少し前になりますが、菅田将暉さんが主演のドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』の最終回が3月10日に放送されました。
菅田さんが演じる柊一颯(ひいらぎいぶき)先生が生徒たちに繰り返し伝えてきたのは、「考える」ということ。
「Let's Think!」
「考える」ことは、言葉や行動とは違い、目に見えるものではないから、気づかれにくい。考えよりも言葉や行動で人は評価するし、評価されます。インターネット、SNSが普及して物事はあっという間に拡散され、スピードが求められている現実も、確かにあります。
しかしだからこそ、言葉や行動にする前に、「考える」ことをしなくてはならないし、自分の言葉や行動には責任を持たなければなりません。
少し長くなりますが、私が号泣した柊先生のラスト10分の言葉を送りたいと思います。
<お前たちは、この10日間でどれだけ自分の意見を変えた? 信憑性のない情報を頼りにどれだけ心ない言葉をネットで浴びせた? 俺はそんなお前らの、愚かな行動をあぶり出すために、この事件を引き起こしたんだよ>
<関係ねえじゃねえんだよ! これを娯楽としか思っていない、あんたに言ってるんだよ! おい、そこの、周りに流されて意見を合わせることしかできない、お前に言ってんだよ! お前ら景山の何を知ってたんだよ? 何にも知らねえだろ? 会ったことねえだろ、話したこともねえだろ! 大して知りもしないのになんであんなに叩けるんだよ。うざい、キモイ、死ね。よくもまあそんなゲスなワードがポンポン出てくるもんだわ恥ずかしい。それだよそれ! そのお前の自覚のない悪意が、影山澪奈を殺したんだよ!>
<お前らネットの、何千何万という悪にまみれたナイフで何度も何度も刺されて、景山澪奈の心は殺されたんだよ!>
<あのフェイク動画を鵜呑みにしたお前たちが、誹謗中傷を浴びせた“二次災害”こそが、景山を死に追いやった原因なんだよ!>
<景山は泣きながら俺に訴えていたよ、『助けてくれ』って。彼女の気持ちがわかるか? お前らが浴びせた言葉の暴力が、彼女の心を壊したんだぞ!>
<お前たちが、景山の命を奪ったんだ。お前も、お前も、お前も! 今まで散々正義感を振りかざしてきたくせに分が悪くなった途端に子どものように責任転嫁を始める。自分を正当化するのに必死だな。つまんねえ生き方してんじゃねえんだよ! 見苦しいんだよ! ふざけてんのはお前らだろうが! お前ら一度だって真剣だったことあんのか! あ? 逃げてんじゃねえぞ! 自分の親や、友達に面と向かって言えない言葉を見ず知らずの他人にぶつけんなよ。お前のストレス発散で他人の心をえぐるなよ、わかるだろ、俺の言いたいこと、お前らそこまでバカじゃなえだろ! 気づいてくれ……>
<いいか、マインドボイス(SNS)は誰もが手軽に繋がれる便利なツールだ。気の合う友達を見つけて、いつでもどこでもコミュニケーションが取れる。人によっては心の拠り所になるだろう。それも大切だ、否定はしない。けど、その一方で、恐ろしい暴力装置にもなりえる>
<言葉は時として凶器になる。ナイフなんて非にならないくらい、重く鋭く心をえぐってくる>
<だから刻んでほしいんだよ! 右に倣って吐いた何気ない一言が相手を深く傷つけるかもしれない。独りよがりに偏った正義感が、束になることでいとも簡単に人の命を奪えるかもしれないってことを! そこにいる君に! これを見ているあなたに! ひとりひとりの胸に刻んでほしいんだよ……。他人に同調するより、他人を貶すより、まずは自分を律して、磨いて、作っていくことが大切なんじゃないのか? ってか、そっちのほうが楽しいだろ! その目も、口も手も、誰かを傷つけるためにあるわけじゃない! 誰かと喜びをわかち会うために、誰かと幸せをかみしめるためにあるんじゃないのか? そうだろう! もっと人に優しくになろうぜ! もっと自分を大事にしようぜ!>
10分にわたってカメラ目線で、ネット住民に訴えかけた菅田さんの演技は間違いなくドラマ史に深く刻まれたことでしょう。
しかし残念ながら、SNSによる誹謗中傷はすぐにはなくならないでしょう。いまだに、SNSによるいじめによる自殺は絶えないし、バイトテロによる 不適切動画も後を絶たない状況です。
柊先生が何度も伝えてきた決め台詞「Let's Think」。
次に彼に試されているのは、我々視聴者なのかもしれませんね。