あれこれブログ
2019.03.25
イチローの言葉に思う
皆さん、こんにちは^^
4日前の3月21日、日米通算4367安打を放ち、数々の金字塔を打ち立てた米大リーグ、マリナーズのイチロー選手が東京ドームでのアスレチックス戦終了後、現役引退を表明しましたね。
その後に行われた引退会見の中で、非常に共感できるセリフがあったので、ご紹介しようと思います。
記者「昨年、マリナーズに戻りましたけれども、その前のマリナーズ時代、「孤独を感じながらプレーをしている」と話していました。その孤独感はずっと感じながらプレーしていたんでしょうか。それとも、前の孤独感とは違ったものがあったのでしょうか。」
イチロー「現在はそれはまったくないです。今日の段階でまったくないです。それとは少し違うかもしれないですけど、アメリカに来て、メジャーリーグに来て、外国人になったこと、アメリカでは僕は外国人ですから。このことは、外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分が現れたんですよね。この体験というのは、本を読んだり、情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれないので。
孤独を感じて苦しんだこと、多々ありました。ありましたけど、その体験は未来の自分にとって大きな支えになるんだろうと今は思います。だから、つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気のある時にそれに立ち向かっていく。そのことはすごく人として重要なことではないかと感じています。」
何に共感できたのか?それは、私が平野に来た時と同じ状況だったからです。
この平野に来て、私は違う意味で外国人でした。
というのは、この地域で医者をやっている方々の殆どが大阪市大や阪大、京大、その他関西の医学部の卒業生だったからです。重傷者をどこに紹介していいのかもわからない。取り敢えず医師会には入ったものの、横の繋がりがすぐに出来るわけでもありません。
地元の岡山であれば、岡山でなくても中四国であれば、岡大出身の医者は沢山いたでしょう。気軽に医療やそうでないことも相談できて、気軽に飲みに行けて。でも、そんなことでへこたれるわけにもいきません。
ネットで他のクリニックや診療所の情報は取れたとしても、自分から行動しないと何も変わらないんだということが身に染みてわかりました。そこから、出来るだけ紹介し、紹介し、大きな病院との連携登録医となり、講演会にも足を運びました。
その積み重ねで、現在は外国人ではありません。
そして、もう1点、「医療は孤独」だということです。確かに、看護師や事務員は助けてはくれますが、こと「診断」に関しては、一人で決めるしかありません。特に咳の場合は、鑑別診断が多く存在し、当然診断によって治療方針は異なります。
勤務医で大勢の中の一人の医者であれば、すぐに相談することも出来るでしょう。しかし、一人開業の中では、相談する相手はいないのです。ある機械を購入したことで、だいぶ孤独感はなくなりましたが、それでも最後の最後まで悩むこともあるのです。
イチロー選手とは目指すところが全く違いますが、地道にコツコツと孤独と闘いながら、頑張っていこうと思います。