あれこれブログ
2017.05.09
この時期にインフル?
皆さん、こんにちは^^
楽しいGWも終わって、まだ仕事や勉強に身の入らない方もいらっしゃるのでは?
今年は5連休をいただき、のんびりさせて頂きました。
診察が始まった昨日、インフルエンザB型の患者さまが来院されました。
この時期に?と思われるでしょうが、4月も10人程度のインフルエンザの患者さんがおられました。
今回の話題は、この時期のインフルエンザについてです。
インフルエンザは、毎年、冬に大きな流行を繰り返しています。そのイメージが強いことから、「暖かくなってくれば、インフルエンザにかかる心配はない」と考えている方も多いと思います。ところが、埼玉県の高校で全校生徒966人のうち101人がインフルエンザの症状で欠席し、4月18日に学校閉鎖となったというニュースがありました。そして、全国各地で散発的な流行が続いていることから、「春インフル」という言葉もみられるようになっています。
日本におけるインフルエンザの流行は、通常は毎年12月頃に始まって、翌年の1~3月にピークを迎えます。また、前半は、A型のインフルエンザが中心となって流行し、後半にはB型が増える傾向があります。そして、インフル流行のピークを越えても、5月上旬頃までは地域ごとに散発的な流行を起こすというのが典型的なパターンとなっています。
したがって、「春インフル」というのは、決して珍しいことではないのです。インフルエンザが冬に流行しやすいのは、気温や湿度の低下が関与していると考えられています。しかし、B型が遅く流行する理由なども含めて、季節的な流行の原因が詳しくわかっているわけではありません。
インフルエンザは、春だけでなく、夏にも発生することがあります。たとえば、2009年に世界的な大流行を起こした「新型インフルエンザ」は、夏頃には日本各地でも広がりはじめ、夏休み明けには全国的な流行となりました。しかし、このインフルエンザは、夏に流行する特別なウイルスだったわけではありません。その証拠に、この時に流行したウイルスは、翌年からは冬の流行を繰り返す普通のインフルエンザとなっています。
また、台湾や東南アジアなどの亜熱帯地域では、年間を通してインフルエンザの発生がみられています。つまり、インフルエンザは夏には発生しないというわけではないのです。
流行のピークは越えたとはいえ、まだインフルエンザは各地で散発的な集団発生を起こしています。感染症は、1人の発症をきっかけに広がっていきます。みなさんも、インフルエンザの「残り火」をもらわないように、人混みに出かけた後の手洗いなどの日常的な対策を継続しておきましょう。