あれこれブログ
2016.07.11
熱中症は予防できる!
皆さん、こんにちは^^
いよいよ、本日から平野郷夏祭りが始まりました。
明日からは地車が町中をうねり歩きます。
そこで、少し長くなるのですが、熱中症の予防法や対処法をお届けいます。
熱中症では、頭痛やだるさ、吐き気といった症状がでます。そして、体に熱がこもって体温が上がります。すると熱や脱水が原因で、血液中に炎症物質が増えてしまいます。この炎症物質が頭痛の原因です。熱と脱水が頭痛の原因なので、ロキソニンやバファリンのような頭痛薬を飲むだけでは、効果は十分に得られません。体を冷やして水分補給をすることが一番の治療になります。
また、「日曜日に炎天下でスポーツをした。その後からぐったりとしてしまい病院へ。熱中症と言われて点滴をしたけれど、水曜日になってもまだ頭痛が続いていて…。頭以外は大丈夫なんですが…」
これは熱中症としては、典型的なパターンです。熱中症は、よく食べよく寝て、一晩たてばすっきり治るという病気ではありません。水分補給を正しくしても、体内のバランスが整い切るまでには数日間のズレがあります。それが原因で、治療をしてから何日も頭痛やだるさが続いてしまうのです。この症状が続いている最中は、体が特に熱中症に弱い状態です。辛い間に無理をして、2回目の熱中症にならないようぜひ注意してください。
さて、熱中症では、具合の悪さを3段階に分けて表現することになっています。
1度:めまい、立ちくらみ、吐き気、生あくび、大量の発汗、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)
2度:頭痛、嘔吐、だるさ、脱力感、集中力や判断力の低下
3度:意識や反応が低下する、全身がけいれんする
1度が軽症、3度が重症です。このうち、1度はその場で対処可能ですが、2度以上は医療機関の受診が必要となります。頭痛は2度の熱中症の目安になるので、頭痛が目立つときは無理をせず病院に行ってください。
次に、軽い熱中症(1度の熱中症)に対する応急処置としては、以下点にまず気をつけます。
○直射日光を避ける
○風通しの良い場所、または、冷房の効いた室内へ移動する
○太い血管がある場所(首、脇の下、足の付け根)を冷やす
○休んだ後に、水分と塩分を十分にとる
体を冷やすときは血管の近くを冷やすと、体の表面だけでなく体全体を効率良く冷やすことができます。また、クーラーだけでなく扇風機も有効です。冷たい風を送るだけでなく、体の表面の汗が蒸発する際に体の熱も一緒に逃がしてくれるためです。
前述しましたが、熱中症の原因は、大きく3つあります。
1.体温の上昇
2.脱水
3.ミネラル(特に塩分)の不足
しかし「水と塩をこまめに!」と言われても、量が分かりにくいですよね。量の目安を説明します。
まず水分です。暑い日に運動していたら、ペットボトル1本や2本では全く足りません。中高生が炎天下で1日部活動をするようなときには、4~5リットルと必要な場合もあります。頭痛がするほどなら水不足の可能性が大きいです。
水分が不足しているサインは2つあります。
1.尿が出ない
2.脈が早い
たとえば半日のスポーツや作業あたり、一度も尿が出ないというのは、水分が不足している証拠です。十分に水分摂取ができている場合には、2~4時間に1回は尿が出ます。尿の回数が少なければ、増えるまで水分を補給してください。
脈拍も大事です。普段なかなか脈拍を測る習慣はないとおもいますが、「熱中症かな?」と思ったら、運動をやめて休んだあとの脈拍を測ってみてください。1分間測って、おおまかな目安は次のようになります。
○50-90回:正常範囲内です。それでもだるさや吐き気がある場合は熱中症の可能性があります
○90回:脱水気味で、熱中症が疑われます
○100回以上:本格的な脱水です。
水分についてまとめると、
○運動量によって飲むべき量は変わる
○炎天下で運動していたら、500ml のペットボトル1本や2本では足りない
○どれだけ飲むべきかは、「尿が2~4時間に1回出る程度」または、「脈拍が1分間に90回未満になる程度」が目安と言えます。
また、熱中症で忘れられがちなのが塩分です。水分摂取に気をつける方は多いのですが、汗の中には水だけでなく塩分も含まれています。熱中症で足がつったり、頭がぼーっとしたりする場合には、塩分が足りないという可能性に注意が必要です。
「塩分が大事だから、お茶じゃなくてスポーツドリンクを飲もう」
そう思う方もいるかもしれません。しかし、スポーツドリンクに含まれている塩分は微々たるもので、スポーツドリンクだけで熱中症を防ぐことはできません。スポーツドリンク(500ml)を1本飲むよりも、コンビニのおにぎりを一つ食べる方が効果的です。味噌汁やおかずであれば、もっと多くの塩分が含まれています。塩分を摂るならば、水分よりも食事が大切です。含まれている塩分量が大きく違うためです。
さて、最後に、塩分の目安を確認してみましょう。
1リットルの汗をかくごとに、塩分はおよそ1グラム失われます。
炎天下で、3リットルの汗をかいた場合
○ポカリスエットなら2リットル
○アクエリアスなら3リットル
○塩飴なら15個
○味噌汁なら2杯
○梅干しなら1個半
この量で、ちょうど失った塩分(3グラム分)が補給できる計算になります。朝に味噌汁を1~2杯飲むだけで、効率良い塩分補給になることが分かります。
熱中症は予防できる病気です。
「水と塩をとる」ことは知っていても、どのくらいとったらいいかはよく知られていません。また、どんなに完璧なスケジュールで食事・水分を摂っても、休憩なしで炎天下で運動していたら、やはり熱中症になってしまいます。
最後にまとめです。
○熱中症の頭痛は要注意。頭痛薬ではなく水分・塩分補給が一番の治療
○水分摂取は「尿が2~4時間に1回出る程度」または、「脈拍が1分間に90回未満になる程度」が目安
○塩分摂取はドリンクよりも食事。運動前後ではしっかり食事を摂る
○運動中は2時間に1回(以上)を目安に休憩をする
これらを心がけるだけで、熱中症の発症率は下がります。頭痛がして「熱中症かな?」と感じた方は、まず部屋を涼しくして、水分と塩分を補給してみてください。暑さのピークの季節が過ぎるまでは、「スポーツドリンクを飲んでおけばなんとかなる」というのではなく、ぜひ上記の目安を意識してみてください。