あれこれブログ
2016.01.29
授乳中のタミフル
皆さん、こんにちは^^
全国的に冷たい雨が降っていますね。
この1週間で平野区もインフルエンザが注意報レベルに上がってきました。
昨日も1日でA型2名とB型1名が検出されました。
今月はインフル繋がりの話題が続いていますが、今回は授乳中のタミフル内服についてです。
授乳中に薬を使うと、薬が母乳を通じて子どもの体に入ることがあります。そのため授乳中の薬には注意が必要とされますが、インフルエンザの治療に使われるタミフルは安全なのでしょうか。実際の計測値を報告した論文を紹介しましょう。
ある研究班は、インフルエンザをタミフルで治療された女性から相談を受けました。この女性は9か月の子どもに授乳中でしたが、タミフルが母乳を通じて子どもに影響を与えるかどうかを判断する根拠がなかったため、研究班は治療期間の授乳中止を勧めました。
そのかわり、研究班はタミフルの治療が行われた5日間に、この女性から母乳のサンプルを提供してもらい、母乳の中にタミフルまたはその代謝物が含まれているかどうかを調べたのです。
分析の結果、母乳に含まれていたタミフルとその代謝物の量はわずかでした。乳児が1日母乳だけを飲んだ場合、最大で体重1kgあたり0.012mg程度のタミフルを飲むことに相当すると計算されました。これは母親が体重1kgあたり2.5mg程度を飲んでいたことに比べると0.5%の量であり、一般に安全性の目安とされる10%を下回ることから、影響の心配が少ない範囲と判断されました。
微量ながら母乳にもタミフルが移行することから、タミフルの添付文書には「授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせる」という記載がありますが、具体的な危険性が指摘されているわけではないのです。
また、国立成育医療研究センターが公表している「授乳期でも安全に使用できると考えられる薬」の一覧の中にもタミフルは含まれています。
そうでなくても育児に大変な時に、高熱や倦怠感や関節痛や頭痛などの様々なインフルエンザの症状で苦しむのは更につらいことです。
早期に受診をして、早期にタミフルの内服を行いましょう!