あれこれブログ
2014.09.08
吸入ステロイド薬と妊娠
皆さん、こんにちは^^
朝夕はすっかり秋の気配で、今週は秋晴れが続きそうです。
先週、吸入ステロイド薬の安全性についてアップしましたが、先日、妊娠の可能性のある咳喘息の方が来られましたので、もう少しお話をしておこうと思います。
「妊娠中に吸入ステロイド薬を使用しても大丈夫?」と心配される方は多いと思います。
前回のブログ(こちら)で書きましたが、吸入ステロイド薬が体内に吸収されて全身に流れる量は、ごくごく微量なので、全く問題ありません。
逆に、妊娠中に著しい喘息発作が起こると、母体の低酸素血症が胎児に悪影響を及ぼすので、積極的に吸入ステロイド薬を使用して喘息をコントロールすることの方が大切です。
ちなみに、吸入ステロイド薬(パルミコート:当クリニックで主に処方しているシムビコートに入っているステロイド薬と同成分)を使用した2000例以上の患者さんの催奇形性を調査した研究では、一般の妊婦の催奇形性の発生率と同程度であったという報告もあります。
なお、抗アレルギー薬やロイコトリエン受容体拮抗薬は、妊娠中は原則的に禁忌となっていますので、注意が必要です。
余談ですが、男性が吸入ステロイド薬を使用していても、産まれてくる子供さんに全く影響はありませんので、ご安心ください^^
コメント
はじめまして
妊娠している妹が喘息で苦しそうなんですが、今まで使っていたフルテイフォームは使わないように通っている内科の先生に言われたため使えないでいます
使っても大丈夫なんでしょうか?
ちなみに喘息は基本落ち着いてるんですが 先日風邪をひいたため症状が出てます
- 2015.03.30 19:35
- 鎌田
鎌田さま、コメントありがとうございます。
喘息は妊娠後期に悪化する傾向があり、また風邪によっても悪化します。ブログでも書きましたが吸入ステロイド薬の安全性は確立されています。是非使用されるべきだと思います。
フルティフォームがご心配であれば、パルミコートに変更されてはどうでしょうか?
詳しくは2014年10月21日の「再度、吸入ステロイド薬②」を参考にしてください。
また、「妊娠と薬情報センター」http://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/druglist.html
もご覧になられるとご安心頂けるかと思います。