あれこれブログ
2019.12.12
風邪と喘息
皆さん、こんにちは^^
今年ももうすでに20日を切りました。
本当に早いですね。歳のせいですかね。
最近、風邪症状で受診する方が増えています。
今回は、その風邪と喘息についてお届けします。
本格的な冬を迎えるこれからの時期は、気温の低下とともに空気が乾燥し、上気道感染症(一般の風邪)が増えることが予想されます。ウイルスによる上気道感染症は気管支喘息の増悪因子のひとつであることが知られており、患者さんの症状の悪化に注意が必要です。今回は、上気道感染症による喘息増悪が懸念されるこれからの時期の喘息コントロールへの対処について考えてみましょう。
喘息患者さん537例を対象に行われたインターネット調査では、喘息症状が発現する要因として、「風邪」が最も多く選択されました。ウイルスは上気道感染症の原因の9割を占めるといわれており、実際に増悪をきたした成人喘息患者さんの約4~8割で気道ウイルスが検出されています。気道上皮細胞にウイルスが感染すると、炎症性メディエータやサイトカインなどの産生・放出、炎症の増強、平滑筋収縮などが生じ、喘息の増悪が引き起こされます。
こうした喘息症状悪化の可能性を考慮し、この季節は特に、上気道感染症を予防するとともに、増悪を起こさないような喘息治療を行うことが重要と考えられます。そのためには、症状に対応して、その都度吸入薬を使用するのではなく、あらかじめ症状が出ない状態を目指した高いコントロールを維持するための持続的治療が重要なのです。
以前にも書きましたが、当クリニックでは症状が出ないように1日2回吸入を行うシムビコートを第一選択としています。このシムビコートは、自分である程度吸入の回数をコントロールすることができます。(1日2回、1回1吸入~1回2吸入)
また、風邪の引き初めで咳が出始めの時には、屯服として吸入することもできます。(SMART療法)
喘息の方は症状が治まっているから治療を止めるのではなく、治療を継続することによって、前述のように風邪をひいても咳や発作の症状が出ないようにコントロールすることがご本人にとっても一番大切なことなのです。