あれこれブログ
2019.04.02
水分摂取の落とし穴
皆さん、こんにちは^^
昨日から真冬に戻ったような寒さですが、この寒さが過ぎれば春も近い事でしょう。
フェスタも20日を切って、準備も着々と進んでおります。
さて、今回は、これから暖かくなってきたときの水分摂取についてです。
これからの時期、水分摂取を意識することが増えて、ペットボトルを購入する機会も多くなりますが、ここに水分摂取の落とし穴があります。
1日の水分摂取量の目安として、水分制限がない場合は約1.5~2.0Lといわれています。これは、コップ1杯を200mLと換算して、8~10杯ほどです。水分には、「酸素や栄養素を運ぶ働き」「老廃物を排泄する働き」「血液を循環させる働き」「汗として体温を調整する働き」「体液の性状を一定に保つ働き」など多くの働きがあります。朝、起きがけの1杯から始め、こまめな水分摂取が必要です。
これからの時期、「電解質の多いスポーツドリンクを飲んだほうが良い」と考えている患者さんなどが、無意識下で清涼飲料水による糖分の過剰摂取で高血糖や清涼飲料水ケトーシスを引き起こすケースもあります。
大手2社のスポーツドリンク(ペットボトル500mL)で清涼飲料水の糖質を比較した場合、A社は23.5g、B社は31gでした。これを1本3gのスティックシュガーで換算すると、なんとA社は約8本分、B社は約10本分に相当するのです。また、最近では、水と間違えてしまうような清涼飲料水もあります。これでは、水分を摂取しているつもりで、糖質を大量に摂取してしまうことになります。
飲料に入っている糖分の問題点は、もう1つあります。裏の表示を見ると「果糖ぶどう糖液糖」「果糖 砂糖」などの表記があります。果糖やブドウ糖は単糖類に分類され、それ以上加水分解されない糖のため、体内に入るとすぐに腸管から吸収されます。吸収された糖は、血糖値の急上昇へつながるため、血糖コントロールへの影響、糖化など、生活習慣病のリスクが高くなります。
また、果糖は、内臓肥満やメタボへの影響が強く、米国・カリフォルニア大学のStanhope氏らは「ヒトにエネルギー比25%の果糖を10週間摂取させると、内臓脂肪の増加、脂質代謝異常、インスリン抵抗性の発症が引き起こされる」と報告しています。
空調のきいた室内にいることが多い、運動などをあまりしないなど、大量に汗をかくような環境ではない方や、食事がきちんと食べられている方は、食事から塩やミネラルが摂れるので、水、お茶、麦茶(ミネラル含有)などを中心に水分を摂取しましょう。
そして、まずは清涼飲料水の糖質量の多さを認識すること、清涼飲料水に多く含まれる果糖摂取のリスクも認識することが大切です。飲み物を買う際には、原材料名が記載されたラベルの確認を習慣にすることもお勧めします。