あれこれブログ
2016.09.06
寝室に忍び寄る○○
皆さん、こんにちは^^
9月に入っても残暑が厳しいですね。
しかも、毎週のように台風が発生して、ムシムシ感もMAX。
ということで、ムシに関連した話題をお届けします。
○○の死骸や糞はアレルギー疾患のアレルゲンとしてよく知られており、目には見えませんが、寝室やカーペットなどの室内に潜んでいます。その○○が、ダニ(チリダニ)なのです。寝室の布団や枕にダニがはびこってしまう理由として、どのようなことが考えられるのでしょうか。それを解くカギは意外にも「臭い」にあるのかもしれません。
自分の臭いが染み込んだ寝具やその臭いがこもった寝室は、自分自身は気にならなくても、時に自分以外の人を不快にさせることがあります。夫と同居している25~49歳の妻に、体臭が気になる夫の物についてアンケート調査を行ったところ、82.0%もの妻が「枕・枕カバー」と答えています。そのように、妻たちに嫌がられる夫の枕ですが、意外にもその臭いに惹かれてやってくるのがダニなのです。
では、どの臭い成分が問題なのでしょうか。使い古した枕カバーやハウスダストに付いた成分を調べたところ、揮発性物質の一つであるノナナールに多くのダニが誘引されました。ノナナールは、加齢臭の原因物質としてよく知られているノネナールとよく似た構造をしています。
ノナナールは、人の頭や背中等の皮膚表面からだけでなく、人の落せつからも揮発すると考えられています。ダニは、広い寝室で餌である落せつを探すとき、高揮発性のノナナールの臭いを感知しているのです。
夫の枕の臭いを気にする妻がこのことを知ったら、夫は枕に嫌な臭いをつけるだけでなくダニまで呼び込んでいるのかと、夫に対して腹立たしく思うかもしれません。しかし、ノナナールは若い女性の体臭からも検出されており、決して男性だけの問題ではないのです。
また、その他の様々な化合物についても検討されました。それによると、枕カバー・ハウスダストの抽出物の成分中に、フタル酸エステルが多量に検出されました。フタル酸エステルは汚染物質のひとつであり、アレルギー疾患の有病リスクを上げることが示唆されています。つまり、ノナナールなどにより誘引されたダニの糞や死骸がアレルゲンとなって喘息の発症・悪化にかかわり、さらにフタル酸エステルが喘息に悪影響を及ぼすことが、理論上問題になります。
ダニアレルゲンや汚染物質が喘息を引き起こさないようにするためにも、身体を清潔にすることはもちろん、室内のこまめな掃除、寝具・衣類の洗浄、換気などでアレルゲンや汚染物質を除き、“Indoor Pollution”を避けましょう。