あれこれブログ

2015.10.27

貼り薬の咳止めを希望?

皆さん、こんにちは^^
昼間は快適な陽気ですが、朝晩めっきり冷え込んできましたね。
昨夜も外出時にはボア付きのパーカーを羽織ったくらいでした。
しっかり、体調管理しましょうね!
さて、本日は、当クリニックで処方している「ツロブテロールテープ」についてのお話です。

最近、当クリニックを咳で受診される患者さまやお子さまの保護者の方で、
「以前処方してもらった貼り薬の咳止めが欲しいんですが、、、」とか、
貼り薬の説明をしていると「これは咳止めではないのですか?」という場面に遭遇します。

当クリニックでは「ツロブテロールテープ」を処方していますが、「ホクナリンテープ」も「セキナリンテープ」も同じものです。これらのテープの裏には「ツロブテロール」という薬が塗ってあり、貼るとじわじわと皮膚から薬が吸収され、6〜8時間後に血中濃度が上がり、24時間以上持続して気管支を広げる効果があります。夕方に貼っても朝まで効果が持続するので、早朝に起こりやすい喘息発作や咳喘息を予防することもできます。

注意していただきたいのは、「ツロブテロール貼付薬は咳止めのお薬ではない」ということです。あくまでも「気管支拡張薬」なのです。また、ツロブテロール貼付薬は、既に起こっている喘息発作をすぐに止めることはできません。効果が出るまで、多少時間がかかるからです。

少し専門的な話になりますが、ツロブテロール貼付薬の効能は「下記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解:気管支喘息、急性気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫」と、製薬会社発行の添付文書に記載されています。
この「気道閉塞性障害に基づく」という部分に注目してください。気道閉塞性障害とは、喘息、気管支炎などで気管支を取り巻く筋肉が炎症によって分厚くなり、呼吸困難となる症状のことを指しています。簡単に説明すると、ヒューヒュー、ゼーゼーし、息が吐きにくくなる症状のことです。この症状を緩和するものがツロブテロール貼付薬で、咳を止める効果は添付文書にも明記されていません。

貼るお薬は手軽ではありますが、咳が出るからツロブテロール貼付薬という考え方は正しくありません。
各々の薬の働きを正しく理解して、適切に使用しましょう!

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