あれこれブログ
2015.10.03
喘息の妊婦さん
皆さん、こんにちは^^
北海道は暴風雨で大変のようですが、大阪は秋晴れ。
前の公園ではどこかの運動会が行われていました。
さて、今までに「喘息と妊娠」については、ブログにアップしたり、新たなページを作成したりしてきましたが、先日実際にあった悲しい出来事をお知らせします。
先日、喘息の妊婦さんが小さなお子さんを連れて来院されました。
妊娠29週目で、喘息が悪化しやすい時期です。
その方は看護師さん。
もともと喘息があって、メプチン吸入が効かなくなって、発作が収まらない状態でした。
なのに、直線距離で10km以上も離れているこのクリニックにどうして来られたのか理由が分かりませんでした。
看護師さんならお勤めの病院にかかればいいのになぁ。
もしくは、近くのかかりつけ医の方が子連れなので楽なのになぁ。
別の事情があるのかなぁ。
と考えましたが、ご本人は喘息の発作でしゃべるのもしんどいくらい。
早速、ステロイドと気管支拡張剤の点滴を行いました。
点滴終了時にはだいぶ楽になられたようなので、事情をお伺いしすると、
「勤務している病院も近くの診療所も全部あたったんですが、『妊娠しているので薬は出せない』と言われたんです。ネットで必死に探して、こちらに来させてもらいました。これだけ、たらい回しにされるとは思ってもみませんでした。」とのお答えでした。
何と悲しい現状でしょうか。
というか、妊娠しているからこそ、お腹の子供の命を守る必要があるからこそ、投薬や治療が必要なのに、「薬は出せない」なんて、いったい何を考えているのかと少し腹立たしくなりました。
当然、妊婦さんに対しても安全性の高いシムビコートの吸入を処方し、2週間後に再度受診をするようにお伝えして、帰宅して頂きました。
もっともっと、喘息の妊婦さんに正しい情報を提供して、丈夫なお子さんを出産してもらえればと思います。