あれこれブログ
2014.09.03
吸入ステロイド薬は怖い?
皆さん、こんにちは^^
8月も終わり、今年もあと4か月となりました。
そして、イネ科や、雑草類(ブタクサ、ヨモギ)などの花粉が飛散する秋の花粉症の季節ともなりました。
長引く咳で来院される患者さまが1日3人以上来られることもあります。
当クリニックでは、吸入ステロイド薬(と気管支拡張薬の配合剤)を積極的に処方していますが、そのお薬について簡単に説明したいと思います。
「ステロイド」と聞けば、多くの方が「副作用が怖い」というイメージをお持ちだと思います。
以前に、アトピー性皮膚炎の治療に使うステロイドの塗り薬に関して、マスコミがステロイドの怖さを大々的に謳ったことも一因で、わが国には悲しいかな「ステロイドは危険な薬」という認識が根付いてしまったようです。
しかし、それは大きな間違いなのです。
内服薬や注射薬である「全身投与ステロイド薬」と、吸入薬や点鼻薬、塗り薬である「局所投与ステロイド薬」をはっきり区別しなければなりません。
局所投与ステロイド薬は、正しく使用する限り、全身的副作用の心配はありません!
なぜなら、内服のステロイド薬の1回量はミリグラム単位ですが、吸入ステロイド薬の1回量はマイクログラム(1/1000ミリグラム)単位と非常に少量だからです。
しかも、肺から吸収された薬の大部分が、すぐに肝臓で分解されるため、血液中のステロイド濃度はごくごく微量にすぎないのです。
ですから、世界的にも、気道の炎症を抑える効果が強力で、副作用が少ない吸入ステロイド薬が、喘息治療の第一選択薬として位置づけられているのです。
ですから、咳喘息の患者さまにも、当クリニックでは、吸入ステロイド薬(と気管支拡張薬の配合剤)を積極的に使用しています。
咳込みは非常につらいものです。
安心してご使用ください!