平野区で各種予防接種のことなら村田クリニックにご相談ください
<予防接種(各種ワクチン)> Immunization
○予防接種について
予防接種は、細菌やウイルス等の病原体から作成したワクチンを接種することで、病気にかかりにくくしたり、病気にかかっても軽症で済むようにすることが目的です。
当クリニックでは、健診と同じように予防医学推進の考え方からも、積極的に予防接種に取り組んでいます。そのため、当クリニックでは、お子さまへの予防接種も行っており、推奨される接種時期の一覧表を、個人個人の誕生日に基づいて作成しお渡ししています。
法制上は、次の2種類の予防接種に分類されます。
◆ 定期予防接種 定められた時期に大阪市在住の方が接種を受ければ、原則無料です。
◇ 任意予防接種 自費での接種となります。
診察時間内はいつでも接種可能ですが、入手しにくいワクチンもありますので、必ず事前にご予約をお願いします。
接種可能なワクチンは、以下のようになっています。
予防接種ワクチン | 公費 | 自費 (税込) |
---|---|---|
◆ 四種混合ワクチン (ジフテリア・破傷風・百日咳・ポリオ) | 公費あり | 9,000円 |
◆ 三種混合ワクチン (ジフテリア・破傷風・百日咳) | 公費あり | 4,000円 |
◆ 二種混合ワクチン (ジフテリア・破傷風) | 公費あり | 2,500円 |
◆ MRワクチン (風しん+麻しん) | 公費あり | 8,500円 |
◆ 日本脳炎ワクチン | 公費あり | 5,000円 |
◆ ヒブ(Hib)ワクチン | 公費あり | 6,000円 |
◆ 肺炎球菌ワクチン (小児用) | 公費あり | 10,000円 |
◆ 子宮頸がん(HPV)予防ワクチン(4価:ガーダシル) | 公費あり | 14,300円 |
◆ 子宮頸がん(HPV)予防ワクチン(9価:シルガード9) | 公費あり | 26,000円 |
◆ 水痘(みずぼうそう)ワクチン | 公費あり | 6,500円 |
◆ B型肝炎(HBV)ワクチン | 1歳まで、公費あり | 4,000円 |
◇ B型肝炎(HBV)ワクチン | 10歳以上 | 5,100円 |
◇ 麻しん(はしか)ワクチン | 4,500円 | |
◇ 風しんワクチン | 一部公費あり | 4,500円 |
◇ おたふくかぜワクチン | 4,500円 | |
◇ ロタウイルスワクチン(1価:ロタリックス) 計2回接種 | 12,200円 | |
◇ ロタウイルスワクチン(5価:ロタテック) 計3回接種 | 7,500円 | |
◇ 肺炎球菌ワクチン (大人用) | 65歳以上で一部公費あり | 7,500円 |
◇ インフルエンザワクチン (4価ワクチン) | 65歳以上で、1,500円 | 2,500円 |
◇ 水痘ワクチン (50歳以上、帯状疱疹予防) | 6,500円 | |
◇ 帯状疱疹ワクチン シングリックス (50歳以上) | 2か月間隔で2回接種 | 22,000円 |
○帯状疱疹予防のワクチンについて
●帯状疱疹はどのように起こるか?
水痘(水疱瘡)と帯状疱疹は同じウイルスによる病気です。水痘が治ってもウイルスは体内に残ります(中年以降の方の90%以上がこの状態)。それが何かの原因で活動を再開すると帯状疱疹を発症します。潜んでいるウイルスを抑え込むのは免疫力です。それが弱まると帯状疱疹が起こりやすくなるのです。これが、帯状疱疹が高齢者に多い理由です。したがって、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫力を高めれば、帯状疱疹の発症と重症化を予防できるのです。帯状疱疹のあとに頑固な神経痛が残ることがあり、これを「帯状疱疹後神経痛」といい、一番つらい症状です。
●帯状疱疹予防ワクチンの種類
1)水痘ワクチンを流用する: 弱毒化ウイルスの生ワクチン 1回接種
2)シングリックス:遺伝子組み換え法の不活化ワクチン 2回接種
いずれも、50歳以上の方に使用できます。
●違いはワクチンの効果です
「水痘ワクチン」はやや弱めです。60歳以上の方に使うと、帯状疱疹の発症がおおむね半減し、帯状疱疹後神経痛は約1/3にまで減ります。それに比べ、「シングリックス」は非常に強力で、帯状疱疹の発症頻度は、50歳以上の試験で3~5%にまでに激減し、70歳以上でも10%程度まで大幅に下がりました。帯状疱疹後神経痛もそれに見合って減少します。
●どちらがよいの?
効果の差は明らかです。ただし、費用対効果比(コスパ)も考えましょう。帯状疱疹を発症する可能性は、60歳以上だと1年間で100人に1人程度です。かかった場合に、本当につらいのは帯状疱疹後神経痛ですが、その頻度はさらに1/10に減ります。ワクチンの効果がどれくらい長続きするか、まだ十分なデータがないので、追加接種の必要性が判断しづらいところですが、コスパは微妙なところだと思います。
○ワクチンの同時接種について
近年、お子さまが受けるワクチンは増えています。予防接種の接種推奨期間は、その年齢に予防すべき疾患に合わせて設定されています。推奨期間内に適切に接種することで、重篤な疾患を防ぐことができます。
そこで、ワクチンの同時接種について、よくある質問3点を簡単に説明します。
- 同時接種しても効果は大丈夫?
-
全く問題ありません。海外ではむしろ同時接種が一般的で、ワクチンの有効性や副反応について、同時接種と単独接種では差がないことが、科学的に証明されています。
- 同時接種は危険なの?
-
ワクチンの同時接種の安全性について、日本小児科学会は、効果が減少することはなく、有害事象や副反応の頻度が上がることはないとまとめています。
- 何種類まで同時接種できるの?
-
接種できるワクチン(生ワクチンを含む)の本数について、日本小児科学会は、同時にいくつもの接種をしても問題ないと表明しています。
つまり、「複数のワクチンを同時に接種すると、どんな問題がありますか?」という質問に対しての答えは、「全く問題ありません」となります。
乳幼児期に受けるべき重要なワクチンは、上記の様に数多くあり、接種回数も複数回にに及ぶため、赤ちゃんの体調の良い時を狙って、1回1種類ずつ個別に接種していくのは、かなりの時間的な制約と負担になります。
さらに、近年、ワクチンの種類が増えたこと、夫婦共働きや子供の習い事や塾通いの増加などのライフスタイルの変化によって、複数のワクチンを単独で接種するための時間が作れず、逆に接種率が低下するという問題が生じています。
こうした親の負担を軽減するためにも、同時接種を推進する動きが高まっています。
ワクチンによって命に関わる重篤な疾患が予防できます。そして、ワクチンによって多くの命が救えます。適切な時期に適切な予防接種を受けることが重要です。ワクチンの重要さをよく理解し、お子さんが重篤な疾患にかかるのを予防しましょう!
○卵アレルギーについて
卵アレルギーが予防接種で関係することがあるのは、麻疹とおたふくかぜ、インフルエンザだけです。
したがって、麻疹ワクチン、麻疹・風疹混合ワクチン(MR)、おたふくかぜワクチン、インフルエンザ以外の予防接種は卵アレルギーがあっても心配ありませんので受けて下さい。
現在、日本で使用されている麻疹、おたふくかぜ、インフルエンザワクチンには鶏卵成分が含まれています。しかし、近年は高度に精製され、その量は極めて微量であり、通常は卵アレルギーがあってもほとんど問題となりません。
軽い卵アレルギーで生卵だけ食べないような部分的な除去の人とか、血液検査(IgE RASTなど)のみ陽性の人たちは通常接種可能です。
しかしながら、卵を食べてアナフィラキシーショックを起こすような重篤な卵アレルギーがある人は、接種を見合わせます。かかりつけの医師と相談してください。
当クリニックでは、程度の軽い卵アレルギー(部分除去の人や血液検査のみ陽性の人)には、接種後に30分待機してもらい経過を観察しています。(アレルギー反応が起これば直ちに処置を行うためです)
○妊婦や授乳中のインフルエンザワクチン接種について
日本で使用されるインフルエンザワクチンは、生ワクチンではない(不活化ワクチン)ので妊婦に対して特別に重篤な副作用は起こらないと考えられ、一般的に妊娠中の全ての時期において接種可能であるとされています。むしろ、接種をせずに、インフルエンザにかかって、症状が重篤化する方が問題です。
また、妊娠初期に従来のインフルエンザワクチンを接種しても奇形のリスクがないという研究結果もあります。
さらに、授乳期間中でも、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。上記のように不活化ワクチンというタイプで、病原性をなくしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることがなく、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。