あれこれブログ

2017.02.14

喘息吸入薬が花粉症に効く

皆さん、こんにちは^^
まだまだ寒い日が続いていますが、体調はいかがでしょうか?
という本人も先日の連休で風邪をひいて、2日間寝て治しました。
金曜日のあの寒い夜に出歩いたのが原因です。
医者の無養生とはよく言ったものです。
本日はバレンタインですが、全く関係のない喘息と花粉症の話題をお届けします。

喘息患者さんのうち6~7割の患者さんがアレルギー性鼻炎を合併していると言われています。花粉症の時期に鼻炎対策をおろそかにしてしまい、喘息症状が悪化することもしばしば見受けられます。その原因は主に3つ考えられます。
1)アレルギー性鼻炎の鼻汁が、鼻腔から後鼻漏を生じ、それを吸いこんでしまうことで喘息症状を誘発する。
2)アレルギー性鼻炎の鼻粘膜で反応するヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症物質が血流を介し、喘息炎症を誘発する。
3)アレルギー性鼻炎による鼻閉の結果、口呼吸になってしまい、アレルゲンが鼻粘膜のフィルター機能を介さないで気管支粘膜に直達し、喘息炎症を誘発する。

そのため喘息患者には、本格的な花粉飛散期の2~4週間ほど前から、花粉症の初期治療を開始するように勧めています。それに加えて、当クリニックでは以前から、初期治療以外に、吸入ステロイド薬(ICS)または吸入ステロイド配合薬を吸入したら鼻から呼気を出すよう指導しています。
ICS使用中の喘息患者さんに対し、ICS吸入後に鼻から呼気を出すように指導すると、鼻腔にステロイドが広がり、花粉症の症状が軽くなるケースを数多く経験してきました。ICSは吸入すると肺に沈着しますが、呼気中に残るICSは鼻腔側へ呼出することで鼻粘膜に作用すると考えられます(下図参照)。ICSと同じ成分が含まれている点鼻薬が市販されていることを考えると、ICSを鼻腔へ呼出することはアレルギー性鼻炎にも効果が期待できると言えるでしょう。

ICS吸入後の鼻腔への呼出が効果的な理由として
1)鼻腔後方から流入する霧状のICSは鼻腔全体から副鼻腔に至るまで拡散する。一方、鼻腔前方から薬剤を噴霧する点鼻ステロイド薬は、主に下鼻甲介に付着し、上部や副鼻腔にまで拡散されにくい。
2)副鼻腔の開口部は鼻腔後方に向けて開いており、解剖学的に鼻腔後方から流入する霧状のICSは副鼻腔まで拡散しやすい。
などのメカニズムが考えられています。

つまり、解剖学的に言っても、ICS吸入後の鼻腔への呼出は理にかなっているのです。
追加料金がかかるわけではないので、是非実践してみてくださいネ!

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