あれこれブログ

2016.01.08

PM2.5とアレルギー性鼻炎

皆さん、こんにちは^^
急に寒くなって、このあいだまでの陽気がウソのようです。
インフルエンザはまだ流行していませんが、胃腸炎が非常に増えています。
皆さんも気を付けてくださいね。
さて、最近中国の大気汚染の話題をよく耳にしますが、今回はその主役であるPM2.5の話題です。

少し前の話になりますが、兵庫医科大学は、PM2.5の大部分を占める「ディーゼル排気微粒子」がアレルギー性鼻炎を悪化させるメカニズムを明らかにし、それを予防する薬剤と薬剤のスクリーニング法も開発したと発表しました。

アレルギー性鼻炎の患者数は先進国を中心に増加の一途にあり、国内でも約40%もの国民がアレルギー性鼻炎に罹患していると言われています。しかし、アレルギー性鼻炎の発症機序には不明な点も多く、根本的治療法は確立していません。
また近年、中国大陸から高濃度のPM2.5が飛来した時期と春のスギ花粉飛散時期が一致し、以前に比較してアレルギー性鼻炎の患者数は急激に増加、症状の悪化を訴える患者が増加しています。
さらに、国内の自動車からのディーゼル排気微粒子が原因で、今日も喘息やアレルギー性鼻炎の患者はその症状の悪化に悩まされていますが、ディーゼル排気微粒子のアレルギー性鼻炎を悪化させるメカニズムも不明で、治療・予防方法も全く確立されておらず、その解明が急務となっていました。

今回の研究の結果、ディーゼル排気微粒子が鼻粘膜上皮細胞のバリア機能である「タイトジャンクション」(=隣り合う上皮細胞を強く結合する膜蛋白質)を破壊することで、花粉アレルゲンの透過性が亢進し、それによって少量の花粉でもアレルギー性鼻炎症状が重症化する可能性があることを明らかにしました。

さらに、このタイトジャンクションを破壊する正体は、ディーゼル排気微粒子に含まれる炭化水素や有機物質、硫化塩などの「酸化ストレス」であることを解明。抗酸化剤であるN-アセチルシステインがタイトジャンクションの破壊を抑制し、アレルギー性鼻炎症状の悪化を予防できることを明らかにしました。このことにより、「新規アレルギー性鼻炎」の治療・予防薬のスクリーニング法を確立することも可能になりました。
また、このスクリーニング法はアレルギー性鼻炎に留まらず、ディーゼル排気微粒子が原因となって発症する呼吸器疾患(喘息や慢性閉塞性肺疾患など)や皮膚疾患(アトピー性皮膚炎など)、神経疾患、循環器疾患などに対しても効果が期待されているのです。

現在の喘息の治療の第一選択薬は吸入ステロイド薬ですが、いつの日か抗酸化剤の吸入薬が第一選択薬になるかもしれませんね^^

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