あれこれブログ

2016.11.29.

グルコサミンとコンドロイチン

皆さん、こんにちは^^
11月も明日で終わり。今年もあと1か月となりました。
12月は師走と呼ばれるだけに、日が過ぎるのが今以上に早く感じるのでしょうね。
だんだん寒くなってくると、膝の痛みを訴える方が増えてきます。
今回は、CMでもよく流れているサプリメントのお話です。
少し長くなるのですが、お付き合いください。

膝の痛みや変形をおもな症状とする変形性膝関節症。代表的な治療法は手術やリハビリなどです。一方で「膝の痛みに効くかもしれない」と消費者が感じている民間療法に、グルコサミンやコンドロイチンといったサプリメントがあります。しかし、実際に効果はあるのでしょうか?

まずグルコサミンとコンドロイチンについて説明します。
グルコサミンは「糖」のひとつで、軟骨に含まれるプロテオグリカンを作る物質として知られています。一方、コンドロイチンは、前述のプロテオグリカンに含まれる成分のひとつです。
つまり、グルコサミンもコンドロイチンも、軟骨を構成する物質であるという理由で注目されています。しかし、ここで気をつけないといけないことは、「軟骨を構成する物質」を「口から飲む」ことによって、軟骨に行き渡るのか?という点です。さらに、もし行き渡るとしても、人間の体にはたくさんの関節があり、それが「傷んでいる膝に集まる」ことはあるのだろうか、という点も考えなければいけません。

それでは、実際にグルコサミンやコンドロイチンといったサプリメントを飲むことで、すり減った軟骨が改善することはあるのでしょうか?
動物実験では、軟骨が再生したという研究と軟骨は再生しないという研究があります。一方、人を対象とした研究では、軟骨が再生するか画像検査で検討したものがありますが、それについては「効果があるとは言えない」という結果でした。そもそも、口から入ったグルコサミンやコンドロイチンは体内で分解されるのですが、それが軟骨の成分に再合成されるのかという疑問が残ります。ちなみに、効果があるという論文もあるのですが、そのサプリメントを飲む量や継続期間などは実現可能性が高いとは言えない方法であるようです。

一方、軟骨がどうなったかという視点ではなく「痛みはどうなったか?」という視点に基づいた研究も多く検討されています。これに関しては、British Medical Journalという雑誌で検証されています。この研究では、過去に行われた10の研究(3803名の変形性関節症の患者)を対象にグルコサミン、コンドロイチンの効果を調べたものです。効果は痛みについて調べており、痛みのスケール(10cmの線上で、自分の痛みがどの程度か示してもらう検査。0cmを全く痛みがない、10cmを想像できる最大の痛みとしている。)を使っていました。
結果は、グルコサミンを飲んだ群ではプラセボ群(偽薬群)よりも、平均で0.4cm改善したというものでした。コンドロイチンを飲んだ場合、グルコサミンとコンドロイチンを併用した場合では、統計的に意味のある効果はありませんでした。この0.4cm(4mm)という数値を想像してみてください。感じ方はそれぞれかと思いますが、この論文では「臨床的に意味があるほど、痛みに対してグルコサミンとコンドロイチンの効果はない」と結論付けています。

また、この論文が世に出される前には、アメリカ食品医薬品局(FDA)は同様に、「グルコサミンとコンドロイチンに、健康上の有効性を示す、または変形性膝関節症などの危険性を減らすほどの信頼できる根拠はない」と結論付けています。

以上のように、変形性膝関節症の膝の痛みにグルコサミンやコンドロイチンの効果があるとは言えないというのが一般的な意見なのかもしれません。(飲みたい方は全然飲まれてもいいと思いますが、、、信じる者は救われるかもしれません)

2016.11.21.

平野東ふれあいフェスタの写真を公開しました

先日、アップしました第3回平野東ふれあいフェスタの写真をアップしましたので、是非ご覧ください。
お子さまやご老人やご家族の楽しそうな笑顔であふれています。

こちらからどうぞ!

2016.11.17.

今季初のインフル検出

皆さん、こんにちは^^
当クリニックではインフルエンザの予防注射で来院される方がピークを迎えています。
1日40人以上来られる日もあります。

そんな中、当クリニックでインフルエンザA型が今季初めて検出されました。
昨季の初検出は年が明けた1月中旬だったので、約2か月早い計算になります。
といっても、昨季が遅すぎただけなのですが。。。

3日前から寒気と関節痛があり、咽頭痛と鼻水と咳。
来院時の体温は37.6℃でした。
インフルと判明して、「5日間の飲み薬にするか、1回15分で終わる点滴にしますか?」とお尋ねすると、点滴が良いというお返事だったので、別室にて点滴を行いました。
以前も書きましたが、当クリニックでのインフルエンザに対する治療は、大人の場合、タミフルを朝晩1カプセル5日間内服するか、ラピアクタという点滴を1回だけ15分かけて点滴するか選択して頂けます。

また、インフルエンザの判定キットですが、判定に適した時間があるのをご存知でしょうか?
発熱してすぐでは陰性となることがあります。
目安としては、発熱から12時間から24時間くらい経過している時がベストタイミングとなります。
ですから、朝起きて熱っぽかったら、1日様子を見て次の日の朝一番に受診、夕方に熱っぽかったら、次の日の昼前くらいに受診するタイミングがいいと思います。

ご参考にしてください。

2016.11.14.

喫煙で遺伝子変異

皆さん、こんにちは^^
暖かい週末でしたが、いかがお過ごしだったでしょうか?
そして、今日はスーパームーンですが、あいにくの天気。
次回見られるのは、2年後の1月1日だそうです。楽しみですね。
さて、今回の話題は喫煙者にはちょっと耳の痛いお話です。

たばこを吸う本数が多いほどDNAが傷つきやすく、1日1箱を1年間吸い続けると肺の細胞では遺伝子に150個の変異が生じるとの研究結果を、国立がん研究センターなどの国際チームが11月4日付の米科学誌サイエンスに発表しました。

変異の数は肺が最も多く、喉、口と続いています。遺伝子の変異はがん発症の危険性を高めるとされ、たばこの影響を部位ごとに詳細に解析したのは初めてで、禁煙の重要性を改めて示した結果となりました。
センター長は「変異が起きる仕組みを解明できれば、がんの予防や治療に役立つ」と話しています。
チームは、日本を含むアジアや欧米の5千人以上のがん患者について、がん細胞のゲノム(全遺伝情報)を解読。患者の喫煙歴を基に1日1箱を吸い続けたときの影響を推計すると、肺は150個、喉頭は97個、咽頭は39個、口腔は23個の変異が1年間に発生し、生涯を通じて蓄積されているとの結果になりました。膀胱は18個、肝臓は6個でした。

さらに詳しく調べたところ、変異の起こり方は部位によって違いがあることも判明。肺や喉頭、肝臓などでは、たばこに含まれる発がん物質によって変異が引き起こされていましたが、膀胱や腎臓では発がん物質と関係なく変異が起きていました。膀胱や腎臓では、喫煙の影響で細胞のDNAを修復する働きに異常が生じた可能性があると考えられています。

なにはともあれ、タバコはやめた方がよさそうですね。

2016.11.08.

ワクチンは午前中が効果的

皆さん、こんにちは^^
大阪は久々の雨で、明日からまたぐっと冷え込みがきつくなりそうです。
日中の温度差も大きく、体調をコントロールするのが難しい時期なので、しっかり管理しましょう!
そんな中、インフルエンザの予防接種に来られ方が増えています。
先週末くらいから、1日15~20人くらいいらっしゃいます。
そこで予防接種ワクチンのちょっとお得な情報をお届けします。

交感神経が活発に働く時間帯は病原体を攻撃する免疫機能が強まり、ワクチンが効果的に働くことをマウスの実験で明らかにしたと、大阪大の免疫学チームが10月31日付の米科学誌「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン」電子版に発表しました。

チームによると「病は気から」と言われるように、神経系が免疫機能に関わる可能性は古くから指摘されていましたが、詳細は分かっていませんでした。
チームはリンパ節で、交感神経が活発に働くと、神経伝達物質ノルアドレナリンの分泌によって、免疫反応を担うリンパ球が増加するメカニズムを解明。夜行性のマウスでは、交感神経が活発化する夜の方が、昼よりもリンパ球が増加しました。
そこで、夜間にマウスにワクチンを接種し、約1カ月後、病原体の働きを弱める「抗体」を測定すると、昼に接種したマウスよりも、血中濃度が約4倍も高くなったのです。
つまり、ワクチンによる感染症の予防効果には個人差がありますが、「人の場合は交感神経の活動がピークになる午前中に接種すれば、高く安定した効果が期待できる」としています。
チームは「交感神経の活動が高まる時間帯は病原体に遭遇するリスクも高く、免疫機能が強まる仕組みになっているのは理にかなう。神経系と免疫系が相互に作用しながら進化し、生み出された生存戦略ではないか」と話しています。

ということで、ワクチンの接種は午前中が効果的のようですが、午後から接種しても効果がないわけではないので、早めの接種をお願いします。
特に13歳未満の方は2回接種が必要ですので、要注意ですよ!

2016.11.01.

マイコ、今シーズン大流行か

皆さん、こんにちは^^
なんと、今年もあと2か月となりました。本当に早いですね。
この2か月もあっという間に過ぎていくんでしょうね。
悔いの残らないように今年を頑張りましょう!
先日、インフルエンザの流行が早いかもというブログを欠きましたが、今シーズンはインフルエンザだけではないようです。
それは、マイコプラズマなのです。

マイコプラズマ肺炎は、かつては周期的な大流行を繰り返し、その流行のタイミングが4年に1度のペースとなっていました。それが、ちょうど夏季オリンピックの開催年に重なっていたことから、一部では「オリンピック病」と呼ばれたこともありました。しかし、ソウル・オリンピックが開催された1988年を最後に、このような規則性はなくなっています。それでも、小さな流行を繰り返している状況は続いており、国立感染症研究所発表の感染症発生動向調査によると現時点では過去10年間で最大の報告数となっているのです。

マイコプラズマ肺炎は、特に子どもや若者に多くみられる代表的な肺炎のひとつです。近年の報告では、全体のうち約80%が14歳以下で発症しており、そのピークは小学校低学年となっています。
マイコプラズマは、感染してから発症するまでの潜伏期間が長く、約23週間(最大1か月程度)もあります。このため、人が多く集まる保育園や学校、会社、病院などでは、施設内で流行が始まると、それが落ち着くまで何か月もかかってしまうこともあるのです。
マイコプラズマによる症状で代表的なのは「発熱」と「咳」です。咳は、乾性咳嗽と呼ばれ、痰を伴いにくい傾向があります。そして、熱が下がっても頑固な咳が長く続くことも多くみられます。また、体のだるさ、頭痛、筋肉痛、関節痛などを伴うこともあります。

治療は抗菌薬の内服です。抗菌薬は細菌の壁に作用することで効くものが一般的です。しかし、マイコプラズマの細胞には壁がないので、このような種類の抗菌薬は効かないのです。したがって、マイコプラズマに効果があるのは、抗菌薬のうちのマクロライド系、ニューキノロン系という種類の抗菌薬が選ばれます。
さらに近年は、通常使用されるマクロライド系という抗菌薬の効かない、「耐性菌」の増加が大きな問題となっています。

マイコプラズマは、くしゃみや咳によって出る飛沫によって感染します。発病する数日前から感染させる可能性がありますが、症状が出た頃から1週間くらいが特に感染しやすい時期となります。その後は、感染力は徐々に低下していきますが、咳が続く1か月以上は人に感染させる可能性があります。
くしゃみや咳によってうつる感染症では、本人が人にうつさないように気をつけることが、最も効果の高い予防策となります。マスクと手洗いをしっかりしましょう!

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